平成14年度 尾瀬山の鼻 尾 瀬 沼 ビジターセンター運営記録 (目 ビジターセンター位置図 尾瀬山の鼻ビジターセンター … コラム「尾瀬ボランティア」 … 尾瀬沼ビジターセンター … コラム「尾瀬サブレンジャー」 … 見晴地区サブレンジャー … コラム「一般の方から寄せられた声」 … 1 10 11 20 22 23 次) 巻 末 資 料 ・グラフでみる7年間 … ・ビジターセンターの利用動向 … ・ビジターセンター傷病者対応事例… ・尾瀬のできごとをふりかえる … ・国立公園のマナーとルール … 今年の尾瀬のトピックス … ビジターセンターのイベント紹介 財団法人 尾瀬保護財団 24 25 26 27 29 31 ビジターセンター位置図 尾瀬沼ビジターセンター 福島県南会津郡檜枝岐村字燧ヶ岳1番地 尾瀬山の鼻ビジターセンター 群馬県利根郡片品村 大字戸倉字中原山898ー9 ビジターセンターまでの交通案内 尾瀬は山ですので、登山のしたくでおいでください。 尾瀬沼ビジターセンターまでは・・・ ・福島県檜枝岐村の沼山峠から徒歩で約60分。 ・沼山峠まではふもとの御池から 会津乗合自動車バスで約20分。 尾瀬山の鼻ビジターセンターまでは・・・ ・群馬県片品村の鳩待峠から徒歩で約60分。 ・鳩待峠まではふもとの戸倉から 関越交通バスで約25分。 (表紙の写真:山ノ鼻研究見本園での自然観察会) 平成14年度 Ⅰ 尾瀬山の鼻ビジターセンター運営記録 ビジターセンター管理運営 群馬県が設置した尾瀬山の鼻ビジターセンターの管理運営を、平成 8年度から実施し ています。 1 2 3 運営期間 (1) 職員駐在 平成14年 5月14日 ∼ 平成14年11月 7日 ( 178日間) (2) 開所期間 平成14年 5月16日 ∼ 平成14年11月 3日 ( 172日間) (3) 休館日 なし 取扱時間 (1) 開館 8:00 ∼ 19:00(平日) 7:00 ∼ 19:00(土日祝日) (2) 窓口 8:30 ∼ 16:30(平日) 8:00 ∼ 17:00(土日祝日) *開館は通年 7:00 ∼ 19:00で運用した。 入館者数 124,091人(平成13年度 (参考 4 144,149人、前年度比 86.1%) 巻末資料1「グラフでみる7年間」もあわせてご覧ください。) 職員構成 (1) 人数 (2) 構成 9人(5月∼7月 西嶋主任 職 (3) 氏 8月∼11月 宝珠山主任) 名 光男 主 な 分 掌 事 項 所長 七五三木 尾瀬専門員 鶴渕 一三 特殊植物保全、自然解説 主任 西嶋 管理運営、自然解説 主任 宝珠山 技師 桜澤 仁 特殊植物保全、施設管理 保護指導員 星野 睦治 巡回指導、特殊植物保全、施設管理 保護指導員 酒井 征哉 特殊植物保全、公衆トイレ管理、環境保全 管理員 若林 和子 衛生管理、福利厚生 管理員 横山 恵美 自然解説、窓口応対 管理員 佐藤 舞子 自然解説、窓口応対 弘満 恭子 全体総括 管理運営、自然解説 アルバイト(サブレンジャー)雇用 延べ 184人(内訳:春期 48人、夏期 112人、秋期 24人) - 1 - Ⅱ 自然解説事業 利用者に尾瀬のふさわしい利用方法を啓発するとともに、豊かな自然の一端に触れ自 然の大切さを認識してもらうことを目的としています。ビジターセンター内の展示室及 びレクチャールーム、野外掲示板等を利用し、入山者に対する自然解説及び利用案内を 実施しました。 情報発信は、尾瀬内の山小屋や片品村戸倉、並木駐車場掲示板などに情報を掲示し、 また、毎週金曜日に財団ホームページの内容更新を行いました。 表 平成14年度 区 分 尾瀬山の鼻ビジターセンター自然解説活動のまとめ 自然観察会 スライドショー ハイビジョン 団体レクチャー 参加者数(人) 1,203(99.4%) 2,079(74.5%) 1,232(291.3%) 875(70.6%) 実施回数(回) 104(102) 63(98) 99(41) 36(42) (表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています) 1 自然観察会 (写真 1) 週末や繁忙期を中心に、朝昼の 2回、ビジターセンター周辺を案内する自然観察会 を実施しました。 2 (1) 実施場所 山ノ鼻研究見本園 (2) 実施時間 朝:7:00∼7:40 (3) 担当者 職員、サブレンジャー 昼:14:00∼14:40 スライドショー 自然観察会と同様な日程で、主に山小屋宿泊者を対象に、その日ごとの担当者が自 然や尾瀬に関するテーマでプログラムを提供しました。 (1) 実施場所 尾瀬山の鼻ビジターセンターレクチャールーム (2) 実施期間 19:00∼19:40(秋期は18:30∼19:10) (3) 担当者 自然観察会と同様 - 2 - 3 ハイビジョン「待ち伏せ」 「トンボ」「クモ」上映 あらかじめ作成された映像ソフトを 1日に 1∼2回定時上映しました。 4 団体レクチャー 事前に依頼を受けた学校団体や社会教育グループに対して、自然観察会やスライド ショーを実施しました。 5 館内解説 (写真 2) 不定期で常設展示を利用した館内解説を実施しました。 6 展示 (1) 常設展示 既製の展示に加え、次のような情報提供を行いました。 (2) ① 植物の開花や鳥の観察ポイントなどの自然情報、登山道の危険箇所など ② 気象情報(毎日更新) ③ 時期毎の観察ポイントを紹介した写真やイラスト ④ バス・電車などの交通機関の時刻表など ⑤ ビジターセンター協力者の写真や、絵の特別展示も行いました。 ⑥ 昨年、企画展で使用した木道模型を展示しました。 企画展示 (写真 3) 尾瀬をより深く知ってもらうため年ごとにテーマを定め、レクチャールームで 開催しています。本年は、至仏山植生回復事業をとらえて「どうなる至仏山!?」 展を企画、展示しました。 展示中は見学者から、多くの意見や感想をいただき、今後の活動に役立ててい きます。 ① テーマ 「どうなる至仏山!?」 ② 目的 尾瀬で行われている自然保護のための取り組みの一つとして、毎 年多くの入山者が訪れる「至仏山」を、わかりやすくかつ、興味 深く紹介し、「至仏山」を一つの例として入山者の方が「尾瀬の 利用と保護」のバランスを考えるきっかけとする。 ③ 期間 ④ 内容 平成14年 8月24日 ∼ 平成14年10月12日 至仏山の紹介 : 至仏山の土壌の特徴や植物など 至仏山の歴史 : 荒廃、登山道整備、緊急対策会議など 植生復元の様子 : スケジュール、体験コーナー 関係者のインタビューなど まとめ : 尾瀬以外の山での植生復元の様子を例に挙げる 登山者への呼びかけ - 3 - 7 季刊誌の発行 季節毎に 1回季刊誌「原をわたる風だより」を発行し、館内にて利用者に配布する ほか、尾瀬内の各山小屋・各ビジターセンター・関係機関へ送付しました。 8 ① 発行日 6月 2日、 7月 10日、 9月 11日、10月 6日(4号発行) ② 発行部数 各号 400∼ 700部 自然状況等の情報収集 利用者への情報提供や解説資料の充実のため、職員、サブレンジャーが毎週水曜日 までに、尾瀬ヶ原等の自然情報の収集を行い、カラーイラストも随時とり入れた自然 情報は尾瀬の山小屋・関係機関に配布し、好評を得ました。 Ⅲ 群馬県所管施設の維持管理 群馬県が整備した尾瀬地区公衆トイレ等の維持管理を、平成 8年度から実施していま す。維持管理を行っている施設は、山ノ鼻公衆トイレ及び龍宮公衆トイレです。 平成8・9・10・11年度 平成12・13・14年度 尾瀬山の鼻ビジターセンター 尾瀬山の鼻ビジターセンター 山ノ鼻公衆トイレ 山ノ鼻公衆トイレ 龍宮公衆トイレ 龍宮公衆トイレ 入山者カウントセンサー(環境省所管) 1 山ノ鼻公衆トイレ(写真 4) 山ノ鼻公衆トイレ及び合併処理浄化槽の管理状況は次の通りです。 (1) 供用期間 平成14年 4月26日 (2) ∼ 平成14年11月 4日 ( 193日間) 135,414人 145,000人) 利用者数 280,414人 (参考) (3) (男子 女子 平成13年度 303,535人 (男子 146,468人 女子 157,067人) 平成12年度 301,688人 (男子 144,750人 女子 156,938人) 平成11年度 304,861人 (男子 149,764人 女子 155,097人) 維持管理の実際 ① 清掃 通常は 1日に 1回、繁忙期には 1日に 2回実施。 きめ細かい清掃の他、施設周辺の美化に配慮し快適なトイレを目指しました。 ② 点検 通常は日に 1回、繁忙期には日に 2∼ 3回実施。 ペーパーの補給、簡単なゴミ拾い等の他、凍結防止装置の運転管理を実施。 ③ 合併処理浄化槽 委託事業者による保守・点検の他、異臭や異常の有無を常に把握するよう努 めました。 - 4 - 2 龍宮公衆トイレ 龍宮公衆トイレ及び合併処理浄化槽の維持管理を委託事業者により実施しました。 ビジターセンター職員は毎週1回、清掃その他の管理状況の点検を行いました。ま た、ゴミ処理方針に基づき、発生したゴミは域外搬出するためすべて回収し、ビジタ ーセンターに持ち帰りました。 Ⅳ 植生復元事業の実施 踏み付けなどにより荒廃した湿原植生の復元と、貴重な生態系保護を行うため、尾瀬 保護専門委員の助言を得て、至仏山東面登山道沿道の植生復元作業及び経過観察を実施 し、アヤメ平(横田代)については、経過観察のみ実施しました。 また、新しい試みとして、本年度から従来方式と並行して、桐生グリーンマット方式 の実験を行いました。 1 至仏山東面登山道沿道の植生復元作業 (1) 実施場所 (写真 5) 至仏山東面登山道沿道の標高約1,780m地点 大字戸倉字至仏 893-1 (2) 作業方法 種取り、ピーポット作り、客土運搬、播種、植え替えの順で実施 (緑化ネット使用) (3) ① 作業量 昨年ピーポットに播種し、今年現地へ植え替えた分 移植苗 700鉢 播種面積 50㎡ 播種は採取した種子を移植地及び、周囲の裸地に播種しました。 ② 来年、現地に植え替える分 800鉢(小さいジフィーポットを使用) 2 至仏山植生復元回復事業への取り組み (写真 6) 尾瀬山の鼻ビジターセンター(群馬県)が取り組んでいる至仏山東面登山道沿道の 回復実験地において、本年度から従来方式と並行して、産学官共同開発によるポリ乳 酸を主体とした植生回復用資材(桐生グリーンマット方式)の実験を行いました。 来年度以降は経過観察と、現地に適合する利用方法の研究を進めていきます。 3 至仏山植生復元地経過観察 昨年実施した箇所については、大雨等による土壌の流出を防ぐために、現地の石な どを積んだり、水の流れなどをかえたことなどの効果で、発育は良好だと思われます。 4 アヤメ平植生復元地経過観察 平成 4年度から平成14年度までの経過観察では、表面に水が溜まりやすい湿潤地で は回復の兆しは少なく、比較的水はけの良い場所では発育は良好で、発芽・活着から 繁茂に向かっています。なお、平成 9年度については、播種作業を実施していません。 - 5 - Ⅴ 巡回活動の実施 1 概要 職員・サブレンジャーで、次の業務を実施しました。 ・歩道施設の点検及び簡易な補修(木道のゆるみ、防護柵転倒等の応急処置) ・利用者への案内・解説、利用方法の指導 ・美化清掃 ・自然情報の収集 ・植生復元作業実施後の生育状況調査・経過観察 2 Ⅵ 巡回方面と回数 ・竜宮方面 週 2回 ・至仏山方面 月 3回程度 ・見晴方面 週 1回 ・アヤメ平方面 月 3回程度 ・赤田代方面 週 1回程度 ・長沢、見晴新道方面 月 2回程度 ・三条ノ滝方面 月 2回程度 その他 1 収入金の管理 協力金、募金、トイレチップ、物品販売等による収入金を集計、管理しました。 2 尾瀬ボランティア活動支援 入山口啓発活動やおはなしボランティア活動(定点解説)等のコーディネート及び 現地での窓口としてボランティア活動を支援しました。また、至仏山東面登山道の防 護柵設置、至仏山東面登山道沿道の植生復元作業を、ボランティアとともに実施しま した。(コラム 3 「尾瀬ボランティア」もあわせてご覧ください。) サブレンジャーの雇用 夏に研修会を開催し、救急法・自然公園法・自然解説などを指導しました。 (コラム 「尾瀬サブレンジャー」もあわせてご覧ください。 ) - 6 - 4 傷病事故の対応(巻末資料3 「傷病者対応事例」もあわせてご覧ください。) 尾瀬山の鼻ビジターセンターで扱った重度な傷病事故件数は次の通りです。 8件(救助組織からの協力依頼に応じて職員を派遣しました) 。 5 ツキノワグマ情報収集 目撃等の情報収集を行い、ビジターセンター開所期間中に寄せられた合計15件の情 報を、尾瀬沼ビジターセンターへ報告しました。なお、本年度の9月以降の目撃報告 はありませんでした。 6 ゴミの計量及び域外搬出 群馬県より提示された「平成14年度尾瀬地区県有施設ゴミ処理方針」に基づき、ゴ ミ処理にとりくみました。具体的には県有施設で発生するゴミは、尾瀬地域内でいっ さい燃やさず、すべて域外搬出するというものです。あわせてゴミの減量化にとりく み、総搬出量は568.5㎏でした。 7 池塘、河川の清掃 計 8回実施し、投棄された硬貨、木道廃材、ゴミ等を回収しました。 過去に投棄された硬貨が散見できるので、清掃作業を継続しています。 (硬貨は、585枚、金額にして5,327円を回収) 8 職員研修の受け入れ 5月に新潟県立浅草山麓エコミュージアムのインタープリターを現地実習として受 け入れ、7日間の研修を行いました。 9 定時気象観測 5月下旬∼ 11月上旬の期間中毎日、9:00と15:00に行いました。 10 移入植物除去 ボランティアの協力を得て実施しました。 (1) 片品村婦人会 4回実施、のべ約80人参加。約50㎏を除去。 うち 1回は来年度植えるポット苗作りに協力。 (2) 11 尾瀬ボランティア 2回実施、 7人参加。 9㎏を除去。 尾瀬高校生の受け入れ 昨年に引き続き、地元の尾瀬高校自然環境科 3年生 4人を体験学習実習生として受 け入れました。日頃は、尾瀬を勉強の場として利用している尾瀬高校生ですが、実習 期間中は立場を変えて尾瀬を利用する人達を支える仕事を体験しました。 また、この体験実習とは別に、初めて至仏山東面登山道沿道の植生復元作業を自然 環境科 3年生全員が参加、体験しました。 - 7 - コラム コラム ∼ 尾瀬ボランティア 尾瀬ボランティア ビジターセンター運営充実を目指すパートナー 1 ∼ 全国から集まる自発的なボランティア 尾瀬ボランティアは主に利用者に対する普及啓発、美化清掃を行うために(財)尾瀬保護財 団が募集を行い、平成8年6月から組織されています。呼びかけの結果、北は北海道から南は宮 崎と全国から約800人を超す応募があり、研修会受講者をボランティア登録しました。 多くの活動形態 尾瀬ボランティア活動は大きく分けてプロテクター的な活動と、インタープリター的な活動 があります。それぞれの主な活動メニューは次のとおりです。 (インタープリター的活動) (プロテクター的活動) 入山口(鳩待峠、沼山峠、大清水)での啓発活動 お話しボランティア活動(定点解説) 入山口周辺や尾瀬ヶ原、尾瀬沼周辺での美化巡回 山の鼻ビジターセンターにおける館内解説 至仏山中腹荒廃地の植生復元作業 自然解説パンフレットや情報紙等の作成補助 移入植物の除去作業、その他 各種調査、資料収集、その他 現在の登録状況 514人(平成15年1月21日現在、仮登録者3名を含む) 内訳:23都道府県(群馬県141人、東京都87人、埼玉76人、神奈川県63人、他) 平均年齢 57歳(最年長77歳、最年少21歳) 各年度ごとの取り組み 8年度 (括弧内は参加のべ人数) 9年度 10年度 11年度 12年度 13年度 14年度 登録者数 582人 508人 558人 574人 500人 511人 514人 (内容現在日) (9.2.23) (10.2.16) (11.2.26) (11.12.31) (13.2.1) (14.1.11) (15.1.21) 入山口啓発活動 44日(524) 30日(625) 36日(635) 36日(538) 32日(508) 34日(371) 33日(312) スポット解説 3日(24) 10日(83) 15日(112) 15日(99) 16日(85) 移入植物除去 2日(31) 2日(29) 2日(29) 2日(14) 2日(9) 22人 11人 16人 9人 *5、6 *7、8 *9 至仏山植生復元 その他 *1 *2 *3 *4 *5 *6 *7 *8 *9 ∼ *1 *2 *3、4 尾瀬クリーン大作戦 (以後「ありがとう尾瀬清掃活動」として継続) 鳩待峠路上駐車防止 至仏山登山道整備(以後、継続) 沼山峠に「尾瀬ボランティア活動詰め所」設置 啓発活動従事者講習会 ボランティア帽子配布(以後、継続) 県道沼田・檜枝岐線の植生回復作業(以後、継続) お話しボランティア用の旗作成 鳩待峠に「ボランティアハウス」設置 尾瀬ボランティアのみなさま、これからも充実した運営のためにご協力をお願いします - 10 - ∼ 平成14年度 尾瀬沼ビジターセンター運営記録 Ⅰ ビジターセンター管理運営 環境省が設置した尾瀬沼ビジターセンターの管理運営を、平成8年度から実施してい ます。 1 2 3 4 運営期間 (1) 職員駐在 (2) 開所期間 (3) 休館日 取扱時間 (1) 施設開館 (2) 窓口案内 8:00 ∼ 8:30 ∼ ∼ ∼ 平成14年11月 4日 平成14年11月 4日 19:00(平日) 16:30(平日) 7:00 7:30 ∼ ∼ ( 174日間) ( 171日間) 19:00(土日祝日) 17:00(土日祝日) 入館者数 101,431人(平成13年度 101,719人、前年度比 99.7%) (参考 巻末資料1「グラフでみる 7年間」もあわせてご覧ください。) 職員構成 (1) 人数 (2) (3) Ⅱ 平成14年 5月15日 平成14年 5月18日 なし 構成 職 所 長 管理員 管理員 管理員 管理員 管理員 管理員 7人(藤堂管理員のみ 6/25∼10/15まで勤務) 氏 名 小森 順吉 橋本ともゑ 高木 伸一 岩沢 智美 深江 保宏 鈴木 聖子 藤堂 光輝 主 な 分 掌 事 項 全体総括 管理運営、自然解説 管理運営、自然解説 衛生管理、自然解説、機関紙発行 HP作成、特殊植物保全、自然解説 窓口応対、自然解説 窓口応対、自然解説 アルバイト(サブレンジャー)雇用 延べ 218人(内訳:春期48人、夏期140人、秋期30人) 自然解説事業 利用者に尾瀬のふさわしい利用方法を啓発するとともに、豊かな自然の一端に触れ、 自然の大切さを認識してもらうことを目的としています。ビジターセンター内の展示室 及びレクチャールーム、掲示板等を利用し、入山者に対する自然解説及び利用案内を実 施しました。 また、情報発信充実のため、尾瀬沼地区の山小屋内の掲示板・関係機関・全国の登山 用品店に情報提供を行い、毎週金曜日に財団ホームページの内容更新を行いました。 - 11 - 表 平成14年度 尾瀬沼ビジターセンター自然解説活動のまとめ 区 分 自然観察会 スライドショー マルチスライド 団体レクチャー 参加者数(人) 2,053(91.5%) 4,022(87.8%) 15,751 1,307(110.7%) 実施回数(回) 171(175) 83(82) (98.1%) 22(20) (表中カッコ内は、%が前年度比、数値が前年度実施回数を示しています) 1 自然観察会 (写真1) 週末や繁忙期を中心に、朝夕の 2回、ビジターセンター周辺を案内する自然観察会 を実施しました。 (1) 実施場所 大江湿原周辺 (2) 実施時間 朝:7:00∼7:40 夕:16:00∼16:40 (3) 担 当 者 職員、サブレンジャー、尾瀬パークボランティア 2 スライドショー (写真2) 自然観察会と同様の日程で、主に山小屋宿泊者を対象に、その日ごとの担当者が自 然や尾瀬に関するテーマでプログラムを提供しました。 (1) 実施場所 尾瀬沼ビジターセンター・レクチャールーム (2) 実施時間 19:00∼19:40 (3) 担 当 者 自然観察会と同様 3 マルチスライド「尾瀬沼の四季」上映 12分間で四季の様子を紹介するビデオを 1日 8回定時上映した他、依頼による臨時 上映も行いました。 4 団体レクチャー (写真3) 事前に依頼を受けた学校団体や社会教育グループに対して、自然観察会やスライド ショーを実施しました。また、昨年度から旅行業者や企業などからも事前予約があっ た場合に限り、レクチャーを実施しています。 - 12 - 5 館内解説 平成11年度より閑散期( 6・ 9月)の毎週木曜日の昼頃に常設展示を利用した館内 解説を実施しました。 6 展 示 (1)常設展示 既製の展示に加え、次のような情報提供を行いました。 ① 植物の開花や鳥の観察ポイントなどの自然情報、登山道の危険箇所、ツキノ ワグマの目撃情報など(毎週金曜日更新) ② 気象情報(毎日更新) 台風接近、通過時には登山道情報や交通機関の情報等を分かり次第更新。 ③ バス・電車などの交通機関の時刻表など (2)企画展示 ①タイトル 「おこじょ作品展」 尾瀬に関連する関係者や山小屋従業員より幅広いジャンルの作品 を募集。施設内で展示を行いました。 ②展示期間 平成14年 9月 7日 ∼ 平成14年10月 9日 ③目 的 作品やコメントを通して、一般の方に山小屋関係者を身近に感じ でもらい、表彰式などでは普段交流の少ない他地区の関係者との 交流を目的としています。 ④日 程 ・展示中は投票ボックスを置き、一般の方に作品の投票をお願い して“ハイカー賞”を選考。 ・10月上旬に各山小屋の支配人、関係者による選考会を実施。 ・10月 9日に表彰式を行いました。 7 機関誌「おこじょだより」の発行 毎月1回機関誌「おこじょだより」を発行し、尾瀬山小屋、全国ビジターセンター、 尾瀬パークボランティア、関係機関へ送付しました。 (1) 発行日 毎月 1日発行(今年度81号∼87号発行) (2) 発行部数 各号 170部 8 定点撮影 尾瀬沼周辺の景観の移り変わりをとらえ解説資料とするため、平成 9年度から毎週 火曜日に定点撮影を行いました。 (1) 撮影場所 燧ヶ岳、大江湿原全体、燧ヶ岳と大江湿原、ミズバショウ群落、 ニッコウキスゲ群落(ミズバショウ、ニッコウキスゲについて は開花期間中) (2) 撮影枚数 234枚 9 自然状況等の情報収集・提供 利用者への情報提供や解説資料の充実のため、職員やサブレンジャーが毎週木曜日 に大江湿原等の自然情報の収集を行いました。作成した自然情報はビジターセンター に掲示するとともに尾瀬の山小屋・関係機関・全国の登山用品店に配布しています。 - 13 - Ⅲ 環境省所管施設の維持管理 環境省が整備した尾瀬沼地区の各施設の維持管理を、平成8年度から実施しています。 維持管理を行っている施設は、次のとおりです。 平成8・9年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ) 1 平成10・11年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1公衆トイレ(清掃のみ) 尾瀬沼第2公衆トイレ(清掃のみ) 尾瀬沼排水施設及び流量計 平成12年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1.2公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼排水施設及び流量計 尾瀬沼給水施設 入山者カウントセンサー 平成13・14年度 尾瀬沼ビジターセンター 尾瀬沼第1・2公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼排水施設及び流量計 尾瀬沼給水施設 尾瀬沼汚泥処理施設 入山者カウントセンサー 見晴地区公衆トイレ(浄化槽含む) 尾瀬沼第1・第2公衆トイレ (写真4) (1) 概要 環境省が尾瀬沼地区に設置した尾瀬沼第 1および第 2公衆トイレの管理を行い ました。浄化槽が良好な状態で機能するように維持管理を行うと共に、日常的な 清掃を実施しました。 (2) 業務内容 ① 各機器の点検・清掃 ② 開所・閉所作業 ③ 浄化槽維持管理(平成12年度から) 2 尾瀬沼排水施設及び流量計記録 (1) 概要 環境省が平成 9年度に整備した尾瀬沼排水施設の維持管理と点検を、平成10年 度から実施しています。 (2) 業務内容 ① 日常点検 ② 記録用紙の補充 ③ 開所・閉所作業 3 尾瀬沼給水施設 (1) 概要 環境省が平成11年度に整備した尾瀬沼給水施設の維持管理と点検を、平成12年 度より実施しています。 (2) 業務内容 ① 濾過装置の逆洗浄 ② 滅菌剤の交換及び滴下量の調整 ③ 水質の管理 ④ 日常点検の実施 - 14 - 4 尾瀬沼汚泥処理施設 (1) 概要 環境省が平成12年度に整備した汚泥処理施設の維持管理と点検を、平成13年度 より実施しています。 (2) 業務内容 ① 尾瀬沼第1・第2公衆トイレ及びその他の環境省所管施設で発生した汚泥の適 切な処理 ② 見晴公衆トイレで発生した汚泥の適切な処理 ③ 日常点検の実施 5 入山者数カウントセンサー (1) 概要 環境省が平成元年度に整備した尾瀬各地の入山者数カウントセンサーの管理 を、平成12年度から実施しています。 (2) 業務内容 ① 入山者数カウントセンサーの設置・撤去 大江湿原( 1セット)、御池( 1セット)、三平下( 1セット)、鳩待峠( 3 セット)、山の鼻( 2セット)の設置および撤去を行いました。 ② 入山者数の記録・集計 Ⅳ 植生復元事業の実施 環境省及び福島県より受託した「特殊植物保全事業」の現地作業を行いました。 1 保護柵の設置 (1) 実施場所 大江湿原、尾瀬沼北岸、沼尻、白砂湿原、尾瀬ヶ原(下田代・赤 田代地区) (2) 2 実施方法 植生復元 (1) 実施場所 (2) 実施作業 利用者が湿原に立ち入らないよう、湿原の入り口付近に杭とロ ープで柵を張りました。 沼尻、小淵沢田代(福島県側)、尾瀬ヶ原(下田代・赤田代地区) ・採種(ミヤマイヌノハナヒゲ、ヌマガヤ) ・種もみ ・敷き草(採種の際、種と一緒に採取した茎を利用する。) ・播種、移植 裸地化した湿原箇所の表面を軽く耕し、ヌマガヤ、ミヤマイヌ ノハナヒゲの種を播き、その上に茎を敷きつめました。 - 15 - Ⅴ 巡回活動の実施 1 概要 歩道の安全確保、自然情報収集、案内・解説、利用者指導、美化清掃等を目的に、 職員・サブレンジャーで分担・実施しました。 2 巡回方面と頻度 ① 大江湿原(繁忙期には毎日実施) ② 尾瀬沼一周(繁忙期には毎日実施) ③ 燧ヶ岳(繁忙期には週2回実施) ④ 小淵沢田代(繁忙期には週2回実施) ⑤ 見晴(繁忙期には毎日実施) ⑥ 一ノ瀬(繁忙期には週1回実施) Ⅵ その他 1 尾瀬ブナの森ミュージアムへの職員派遣 平成 9年度より、御池ロッジに併設された尾瀬ブナの森ミュージアム(檜枝岐村施 設)へ管理員を派遣し、その運営を行いました。平成13年度からは繁忙期の週末を中 心に職員の派遣を行っています。 (1) 運営期間 ① 職員駐在 平成14年6月1日∼10月14日の内、週末を中心に計35日間 ⑥ 開所期間 平成14年6月1日∼10月19日 (2) 窓口取扱時間 10:00∼15:00 (3) 業務内容 ① 施設の開館・閉館、保守点検・清掃 ② シアターの上映 ・ 総観客者数 570人(前年度比64.6%) ③ 星座観察会の実施(平成14年度は未実施) 2 尾瀬ボランティア活動支援 (写真5) 入山口啓発活動やお話ボランティア等のコーディネート及び現地での窓口としてボ ランティア活動を支援しました。 (コラム 「尾瀬ボランティア」もあわせてご覧ください。) 3 サブレンジャーの雇用 (写真6) サブレンジャーが尾瀬沼の業務に携わる際、事前に研修会を行い自然解説・救急法 (救急法講習は夏期のみ)などを指導しました。 (コラム 「尾瀬サブレンジャー」もあわせてご覧ください。) - 16 - 4 傷病事故の対応 尾瀬沼ビジターセンターで扱った傷病事故の件数は次のとおりです。 傷病対応 計52件 内訳/軽∼中程度の事例……45件 担架要請、ヘリ搬送などを要した事例…… 7件 (巻末資料3 「傷病者対応事例」もあわせてご覧ください。 ) 5 ツキノワグマ情報収集 平成12年度より尾瀬地区内で目撃されたツキノワグマの目撃情報を収集し、目撃マ ップを作成するなどして関係機関や利用者への情報提供を行いました。 山の鼻ビジターセンターからの情報をあわせて22件の目撃情報が寄せられました。 6 ゴミの計量及び域外搬出 ゴミの分別を徹底し、計量後毎週月曜日に人力で域外搬出しました。 ゴミは、可燃物(生ゴミは乾燥処理)、不燃物、アルミ缶、スチール缶、ビン、そ の他の色付きビン、ペットボトル、段ボール、新聞紙などに分別しました。 (総搬出量652.3㎏) 7 尾瀬パークボランティアの活動日程調整 環境省尾瀬パークボランティアの現地連絡先として、活動日の出欠有無の確認等、 日程調整を行いました。 8 職員研修の受け入れ 浅草山麓エコミュージアムの自然解説員を現地実習として受け入れ、7日間の研修 を行いました。(尾瀬沼での研修期間 5/16∼5/22、23日から山の鼻に移動) - 17 - コラム コラム ∼ 尾瀬サブレンジャー 尾瀬サブレンジャー ビジターセンター運営充実を目指すパートナー 2 ∼ はっきりとしない発足年代 制度の始まりははっきりしませんが、昭和40年代には各国立公園で厚生省(当時。現・環境 省)に雇用されていたようです。その後も尾瀬サブレンジャーは、尾瀬沼ビジターセンター運 営協議会雇用のもと、パークレンジャー(現・環境省自然保護官)の指導監督を受けて活動し てきましたが、平成 8年 5月に当財団がその役割を引き継ぐことになりました。 ビジターセンター活動の補助員として 発足当時はパークレンジャーを補助する役割だったためこの名前が付いたようです。現在の サブレンジャーの役割は尾瀬保護財団雇用のもと、多くの利用者が訪れる時期(ミズバショウ 期、夏休み期、紅葉期)に尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターを拠点とし、その運営を補助 することで、利用者への働きかけを充実させることにあります。 雇用期間と仕事環境 サブレンジャーの雇用期間は春・秋で金∼月曜日の4日間。夏休み期間には前期約16日間、 後期約12日間の長期雇用となります(休暇あり)。財団負担で交通費支給、保険加入を行います が、尾瀬で泊まり込みの活動のため、相部屋で山小屋での食費を自己負担することになります。 尾瀬山の鼻・尾瀬沼ビジターセンターに配属されたサブレンジャーは研修(春・秋は半日、 夏は2日間)を受け、スタッフの一員としてローテーションを組みます。職員と共に美化巡回、 自然解説、利用者指導などの業務を行うことで、ビジターセンター補助員としての経験を積ん でいきます。 参加大学(順不同) 尾瀬サブレンジャー制度は学生時代に自然保護活動へ参加するきっかけの一つです。当財団 ではサブレンジャー経験実績のある大学のほか、地元3県の大学などへも働きかけを行っていま す。 (これまでの参加大学) 千葉大学、東京農工大学、群馬大学、日本女子大学、東京環境工科専門学校、東京農業大学、 福島大学、新潟大学、江戸川大学、安田女子大学 - 20 - コラム コラム ∼ 一般の方から寄せられた声 一般の方から寄せられた声 両ビジターセンターに寄せられた声から ∼ 助かりました 「過日、10月9日(水)尾瀬沼において怪我をしてしまいました。その節はビジターセンターの 方々には多くの迷惑をかけてしまい、又心のこもった対応に接し、怪我をして心細くなっていたと ころなのでどれほど人の温かさが身にしみたか計り知れない次第でありました。」 「尾瀬沼においてケガをしてしまい、ビジターセンターの方々には本当にお世話になり、担架や らヘリコプター等手配していただきアッという間の出来事で映画の一コマのようでした。」 「旅行先で紛失してしまいましたお財布、戻っては来ないとあきらめておりましたが、ご親切な 方々から送っていただきまして、誠に有難く思っております。大変なご迷惑をおかけ致してしま い、おはずかしいかぎりではございますが、自然を愛する皆様だったからなのでしょう、このよう に助けていただき、日本も捨てたものじゃないと心が洗われる思いが致しました。」 こんな風に感じています 「他の観光地も同様の傾向にありますが、全てがあまりにも営利目的にすすんでいることが残 念でなりません。過剰とも思える施設、サービスなど簡便で容易に入山可能なことに自然荒廃の 要因があるかと考えられます。もちろん私が申し上げるまでもなく、関係当局は調査など検討は 何百回もあったことと思いますが、真の尾瀬を愛する登山者ならば、戸倉から、御池から(七入 から)、尾瀬口から、自己の足で努力あっての達成感は3倍、5倍もあるものと信じます。」 「ほかのところより設備が整っていてとても良かったです。すごく楽しかったです。」 感動しました 「母と二人で来ました。母は初めてです。私は四∼五回目。天気にも恵まれ、かわいい花にも たくさん会えて感動です。花の大好きな母も大感動していました。とくに竜宮のあたりはきれいで した。ところで、竜宮から先の川を渡ったところに、ミツガシワが咲いていると花情報には書いて ありましたが、見つかりませんでした。今回は日帰りで時間もなかったので、あまり先には行けま せんでしたが、もう少し先にあったのでしょうか?それと、ニリンソウとサンリンソウの違いはなん ですか、私にはニリンソウにしか見えませんでした。」 「自然を大切に、ゴミもないのに驚きました。清掃が行き届き感心しました。」 ∼ ビジターセンター利用者のみなさま、これからも充実した運営のためにご意見をお願いします - 23 - ∼ 巻末資料1 グラフでみる7年間 1 ビジターセンター入館者数の推移 250 217 (単位:千人) 尾瀬山の鼻 ビジターセ ンター 尾 瀬 沼 ビジターセ ンター 200 194 150 146 153 133 114 128 100 103 142 144 102 102 124 101 50 0 平成 8年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 *尾瀬沼ビジターセンターの平成8年度データは参考値(センサー未設置のため) 2 自然観察会への参加者数の推移 3,500 3,195 3,297 3,066 3,000 2,819 (単位:人) 2,500 2,344 2,243 2,000 2,053 1,726 1,500 1,022 1,000 1,199 1,333 1,338 1,210 1,203 500 0 平成 8年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 3 スライド上映会(スライドショー)への参加者数の推移 8,000 7,000 7,092 6,152 (単位:人) 6,000 5,678 5,517 5,000 4,773 4,582 4,022 4,000 3,000 2,552 2,000 2,528 2,938 2,471 2,791 1,851 2,079 1,000 0 平成 8年 平成 9 平成10 - 24 - 平成11 平成12 平成13 平成14 巻末資料2 ビジターセンターの利用動向 1 尾瀬の総入山者数とビジターセンター入館者数との比較 700 648 614 600 尾瀬の総入 山者 (単位:千人) 尾瀬山の鼻 ビジターセ ンター 500 尾 瀬 沼 ビジターセ ンター 455 448 428 426 400 410 300 217 200 194 153 128 146 103 100 144 102 142 102 133 114 124 101 平成 8年 平成 9 平成10 平成11 平成12 平成13 平成14 2 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成14年) 45% 両ビジターセンター 合計 55% 3 尾瀬の総入山者に占めるビジターセンター入館者の割合(平成8年∼平成14年) 平成 8年 平成 9 尾瀬の総入山者数 647,523 平成10 614,317 455,409 平成11 425,807 平成12 428,446 平成13 448,041 平成14 409,942 両ビジターセンター 合計 49% 55% 62% 58% 57% 55% 55% (内訳)尾瀬山の鼻ビジターセンター 34% 32% 33% 31% 33% 32% 30% (内訳)尾 瀬 沼ビジターセンター 16% 24% 28% 27% 24% 23% 25% *「尾瀬の総入山者数」は環境省発表データを引用しました。 - 25 - 巻末資料3 平成14年度 尾 瀬 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 転倒事故 ビジターセンター傷病者対応事例 沼ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ輸送したものを抜粋) 5月29日(水) 14時10分頃 カマッポリ湿原にて転倒、鼻を打撲 打撲箇所を応急処置し、沼山峠に救急車を要請。職員が沼山峠に同行する。 6月 1日(土) 8時半頃 カマッポリ∼三平下間で転倒。右足首骨折 傷病者に応急処置を施し、防災ヘリを要請。尾瀬沼ヒュッテ前から吊り揚げ。 6月 1日(土)12時半頃 ヒノキ沢付近で転倒、右足を捻挫、または骨折 山小屋からの要請で、環境省自然保護官がヘリを要請。上空より吊り揚げ。 7月15日(日) 13時40分頃 尾瀬沼南岸で転倒。左足首を捻挫、または骨折 報告を受け職員が出動し状況報告。雨天のため山小屋従業員とともに担架搬送。 10月 9日(水) 9時すぎ 南岸、大清水平付近で転倒、左くるぶしを骨折 通報を受け職員2名が出動して状況を報告。VCよりヘリを要請。 10月10日(木) 13時頃 大清水平付近で腰から転倒 通報を受け職員1名が出動。現場で傷病者と合流した後、沼山峠まで付き添う。 10月19日(土) 10時すぎ 尾瀬沼南岸小沼湿原付近で転倒。左くるぶしを捻挫 通報を受け職員1名が出動。沼尻にいた当人と合流し、現場でヘリ輸送を行う。 尾瀬山の鼻ビジターセンター対応事例(担架搬送、ヘリ輸送したものを抜粋) 転倒事故 転倒事故 転倒事故 心肺停止 転倒事故 心肺停止 転倒事故 失 神 6月 8日(土) 11時頃 川上川付近で転倒し裂傷 通報を受け、鳩待峠入山口まで職員が付き添う。 6月11日(火) 7時頃 ヨセ沢付近で転倒、捻挫 通報を受け現場まで職員2名が出動。状況報告し担架の要請を行う。 7月 3日(水)12時頃 ヨセ沢付近で転倒、骨折 通報を受け職員が出動し合流。自力歩行が可能で山小屋従業員が付き添い下山。 7月16日(火) 17時頃 山の鼻地区、山小屋内で宿泊者が心肺停止 山小屋からの通報で職員が応急処置を施し、山小屋従業員とともに担架搬送。 8月 3日(土)11時頃 白砂峠、見晴地区手前で転倒、捻挫または骨折 巡回中のサブレンジャーより通報。見晴地区の山小屋に相談し、対処を一任。 8月 4日(日) 12時頃 至仏山、オヤマ沢田代付近 テレビ取材に同行した関係者より通報。尾瀬交番に指示を仰ぎ、対処を一任。 10月 1日(火)10時半頃 テンマ沢付近で足を滑らせ転倒、骨折 本人の弁で朝から体調不良のまま出発したとのこと。職員が付き添いし下山。 10月12日(土) 10時頃 尾瀬ヶ原、川上川付近で失神、転倒する 散策中、体調不良のため失神しそのまま転倒。山小屋従業員と担架搬送。 - 26 - 巻末資料4 −2002年 尾瀬のできごとをふりかえる− 例年に比べ残雪が少なく、上山の際にはすでに沼明けが終わっていました。そのため 春季の花の開花はいくぶん早目でしたが 、夏ごろには例年通りの開花状況に推移していき 、 晩秋には逆に早い降雪で関係者を驚かせました。 (下線のできごとは、場所を定めて毎年経過観察をしているものです )。 尾瀬ヶ原周辺のできごと 尾瀬沼周辺のできごと (尾瀬山の鼻ビジターセンター報告) 5月 14 (尾瀬沼ビジターセンター報告) 5月 職員上山 VC前積雪約50㎝ 15 職員上山、沼山峠より入山 (例年より少ない) 今年は積雪が少なく、尾瀬沼もす ミズバショウ咲き始め・・テンマ沢 でに解氷(昨年は20日に沼明け) アカシボ発生・・・・・・尾瀬ヶ原 18 ビジターセンター開所 16 ビジターセンター開所式 19 イワツバメが巣作りをはじめる 19 至仏山、アヤメ平、尾瀬ヶ原の入山 22 尾瀬山開き・・・・・・・・大清水 者センサー取り付け 29 ミズバショウ見ごろ・・・大江湿原 27 (昨年より11日早い) 木道に雪がなくなる・・・尾瀬ヶ原 ミズバショウ見頃・・・・・上田代 29 早朝、霜が降りる チシマザクラ開花・・・・・山の鼻 31 シラネアオイ、鳩待峠∼山の鼻間で 開花する 6月 6月 1 ゴミ持ち帰り運動実施 4 ニホンジカの目撃情報 10 鳩待峠∼山の鼻間で転倒事故多数 15 至仏山東面登山道柵立て 19 ニッコウキスゲ咲き始め 20 カキツバタ咲き始め 1 冬季閉鎖していた国道352号線御 池∼小出間が再開 2 尾瀬沼一帯でフナの死体が大量に打 ち上げられる 11 東北地方南部の梅雨入り(昨年より 5日遅い) 11 桧枝岐村“ミニ尾瀬公園”でニッコ ウキスゲが開花 25 7月 1 11 7月 今季の至仏山登山道再開 11 台風6号通過。地区内外にも影響 台風6号通過。その影響で木道流失 13 燧ケ岳ナデックボルートの残雪が消 (牛首付近、下ノ大堀川橋付近) 鳩待峠∼戸倉間が一時通行止め。 える 17 至仏山の残雪消える 16 ニッコウキスゲ開花確認・大江湿原 ニッコウキスゲ見頃 台風7号が通過。特に大きな被害は なし 18 ニッコウキスゲ見頃(昨年と同じ) 26 今期、最高気温・・・29.0℃ 30 尾瀬子どもサミット開催( ∼8/2 ) - 27 - 8月 8月 1 ホタルを確認・・・・・研究見本園 上旬 ニッコウキスゲの花期終わる 5 移入植物除去作業( 鳩待峠∼山の鼻 ) 19 台風13号が通過、特に被害なし 初めてストーブを出した。 28 植生復元作業で利用する“ミヤマイ 21 (最低気温8度) 24 ヌノハナヒゲ”の穂が膨らむ 企画展開催 テーマ「どうなる至仏山!?」 9月 9月 7 山小屋従業員などから募集した作品 1 エゾリンドウ咲き始め。 展 、“ お こ じ ょ 作 品 展 ” 開 催 5 尾 瀬 サ ミ ッ ト 開 催 (∼ 6 )・ ・ 山 の 鼻 (∼10/9) 12 十二様祭り開催・・・・・・山の鼻 19 初霜、その後3日連続で降霜 18 至仏山植生復元作業実施 21 大江湿原の草紅葉見頃 19 初霜 25 草紅葉見頃・・・・・尾瀬ヶ原一帯 24 氷点下の初日(去年より2日遅い) 29 ありがとう尾瀬清掃作業 25 燧ケ岳で登山者が降雪を確認 29 ありがとう尾瀬清掃活動・燧裏林道 (昨年とほぼ同日) 最低気温-0.7℃ 10月 1 10月 台風21号通過。尾瀬ヶ原の木道が 1 台風21号通過。大江湿原の木道が 流出 流失、パンザマストが折損し尾瀬沼 3 紅葉見頃・・・・・・・・尾瀬ヶ原 地区では3日間停電が続く 4 初氷 4 紅葉の見頃、秋の混雑期始まる。 最低気温−4.1℃ 9 7日から開催していた“おこじょ作 品展”の表彰式を行う 10 至仏山初雪(山頂付近) 11 大霜が降り紅葉時期の終息 14 ありがとう尾瀬清掃・・・尾瀬ヶ原 28 燧ケ岳で霧氷を確認 山の鼻地区にある全ての山小屋が 29 昨夜から大雪、沼周辺では日中30 小屋閉め、従業員下山 cm程度の積雪( 昨年より6日早い ) 14 最低気温-4.8℃を記録 (燧ケ岳の初冠雪は5日遅い) 15 至仏山東面登山道柵外し この雪で今期、中土合公園∼沼山 23 至仏山冠雪 峠までのバス運行終了 28 尾瀬ヶ原に積雪 11月 11月 4 5 3 降雪 山の鼻VC・公衆トイレ閉鎖 4 ビジターセンター閉館 竜宮公衆トイレも閉鎖 4 最低気温 尾瀬ヶ原の4つの橋板 5 大雪のため日程を一日早め職員下山 (原ノ川上川橋、上ノ大堀川橋、 下ノ大堀川橋 、竜宮沼尻川橋)を外す 。 7 4日からの降雪で積雪が120㎝を 超え、竜宮小屋の従業員とともに職 員下山。 - 28 - −8.0℃ ∼ 今年の尾瀬のトピックス ∼ ☆携帯電話の基地局設置で賛否両論、特別保護地区内の設置が見送られる。 ☆山小屋の建て替えに伴う廃材の不法投棄が発覚、関係者が処分を受ける。 ☆尾瀬保護財団の提唱で、至仏山保全緊急対策会議が発足する。 ☆例年に比べて少ない残雪。尾瀬沼では早い「沼開け」となる。 ☆台風6号通過。尾瀬ヶ原の木道が流出。数日後までに復旧。 津奈木∼鳩待峠間の道路で路肩決壊し、8月末までバスが通行不能に。 ☆大雨のあと、鳩待峠∼山ノ鼻間で川上川などが氾濫。 ☆尾瀬サミット2002開催。「21世紀の尾瀬への宣言」が採択される。 (宣言の内容は次の頁に紹介してあります。) ☆台風21号通過。パンザマストが折れ、尾瀬沼で42時間の停電。 ☆山ノ鼻の旧公衆トイレ浄化槽の不完全な撤去が判明、残作業が行われる。 ☆11月初旬に数十年ぶりの大雪。尾瀬ヶ原で約120㎝。 ☆大雪が続くおそれがあり、尾瀬沼ビジターセンターの職員下山を1日早める。 ☆現地で孤立した山の鼻ビジターセンター職員らは群馬県防災ヘリコプターで脱出。 *巻末資料4「尾瀬のできごとをふりかえる」もあわせてご覧ください。 - 31 - 21世紀の尾瀬への宣言 尾瀬は訪れる人々に感動と安らぎを与える。科学技術が発達し 物質的に豊かな生活を営む我々は、尾瀬に自然の原点をみつけ、 生活の対極に尾瀬を位置づける。この尾瀬の自然を守るために、 これまでも先人の思想を踏まえながら関係者が様々な取り組みを 行ってきた。 こうした中で、最近の尾瀬関係者の不祥事は、誠に遺憾の極み である。 今こそ自然を守るということの本当の意味を問い直し、その上 で自然保護の原点に立ち返って、尾瀬を守ることの重要性を再認 識する必要がある。 本日、出席している我々をはじめとして尾瀬に関わるすべての 人が、それぞれの立場から自然に対する畏敬の念を忘れず、さら なる英知を結集して尾瀬を守り続けることをここに宣言する。 平成14年 9月 6日 尾瀬サミット2002 尾瀬サミット2002開催概要 1 開催日 平成14年9月5日(木)∼6日(金) 2 開催場所 尾瀬山ノ鼻地区 「 尾 瀬 ロ ッ ジ 」( 群 馬 県 片 品 村 国 民 宿 舎 ) 3 出席者 財団法人尾瀬保護財団 理事長、副理事長、 理事、評議員、企画運営委員、関係者等、来賓 - 32 - この冊子について この冊子は、財団法人尾瀬保護財団が受託運営する尾瀬山の鼻と尾瀬沼の両ビジターセン ターの平成14年度実績報告を簡潔にまとめたものです。活動の概要を関係者へご報告する とともに、今後の運営資料として活用するために作成しています。内容は次の基準で編集し ています。 ☆集計方法について ビジターセンター入館者数 公衆トイレ利用者数 ・施設に設置されているセンサーで自動計測した結果をそのまま集計しています。 停電等により計測に不具合があった場合は、適宜補正しました。また自動計測のため、例 えば行列や感知器の前に障害物がある場合には実際との誤差が発生しますが、これについて は特に補正していません。公衆トイレについては山の鼻のみセンサーが設置されています。 アルバイト(サブレンジャー)雇用人数 ・勤務地ごとの賃金支払実績から活動日数を計算しています。 自然観察会 ・平日の野外活動として実施した「平日朝の自然観察会」の実績も含んでいます。 その他 ・比率(%)で示した数値は、すべて小数点以下第2位を四捨五入しています。 *この冊子をご希望の方には実費で頒布しています。 平成14年度 尾瀬山の鼻 尾 瀬 沼 ビジターセンター運営記録 平成15年 3月 1日 〒371-8570 群馬県前橋市大手町一丁目1番1号 財団法人 TEL 尾瀬保護財団 (027)220-4431 FAX (027)220-4421 ホームページアドレス http://www.oze-fnd.or.jp/ E-mail アドレス [email protected] ─── お問い合せは ─── 財団法人 尾瀬保護財団 〒371-8570 群馬県前橋市大手町1-1-1 群馬県庁19階 TEL 027−220−4431 FAX 027−220−4421 mail → [email protected] ビジターセンターでは利用者に尾瀬の自然の大切さを知ってもらい、マナーを守りなが ら利用してもらうための様々なイベントを催しています。 ビジターセンターは山ノ鼻(尾瀬ヶ原の入口)と、尾瀬沼の東畔にあります(表紙裏の 地図参照)。散策前に是非立ち寄ってみてください。どのイベントも参加無料となってお ります(天候等により実施しない日もありますので、事前に財団へお問い合せください)。 いつでも 窓 口 いつでも 展 示 スタッフが尾瀬のことにお答えします 尾瀬のことがわかりやすくまとまっています 窓口時間 8:30∼16:30(平日) 7:30∼17:00(土日祝) 開館時間 8:00∼19:00(平日) 7:00∼19:00(土日祝) いつでも いつでも 自 然 情 報 ビデオ上映 花の見頃や登山道の様子が毎週更新されています Check! Check! Check! 尾瀬のビデオが上映されています 急な申込みでも大丈夫! 自然情報は尾瀬保護財団ホームページでも掲示しています URL → http://www.oze-fnd.or.jp/ 両ビジターセンターで上映 「尾瀬の自然とふれあうために」(18分) 「尾瀬その成り立ちとしくみ」(16分) 「尾瀬はふるさと−空を渡る生き物たち−」(10分) いつでも セルフガイド 一人でも自然観察ができるガイドマップです 「尾瀬ヶ原」 「研究見本園」 「大清水∼尾瀬沼」 「アヤメ平」 「燧裏林道」 「尾瀬沼」が揃っています 山の鼻ビジターセンターで上映 Hi-Vision「驚異の食虫植物モウセンゴケ」(20分) Hi-Vision「トンボ」(18分) Hi-Vision「クモ」(18分) 尾瀬沼ビジターセンターで上映 マルチスライド「尾瀬沼の四季」(12分) ときどき ときどき 自 然 観 察 会 スライドショー 一緒に湿原へ出てみましょう! スライドのはなしを聞きながら尾瀬の不思議を知る 周辺の湿原で動植物の観察をしながら散策をします 朝 7:00∼7:40 夕 16:00∼16:40 ※ 山の鼻VCのみ夕方は14:00∼14:40です ※ 開催時期についてはお問い合せください 「今日のショーはあるの?」と利用者から尋ねられる程 の定番企画です。まずは参加してみてください 夜 19:00∼19:40 ※ 開催時期についてはお問い合せください ときどき ときどき 展 示 解 説 団体レクチャー 展示物は読むのが面倒くさい・・・そんなあなたに グループで尾瀬を学びたいので、案内して欲しい スタッフが館内の展示物の案内をします ※ 開催日についてはお問い合せください 事前に申込みのあった団体には、観察会やスライドショー などのプログラムを実施しています(無料、要予約) ときどき ときどき 企 画 展 示 お話しボランティア 尾瀬を深く知るための特別展示です 普段の疑問が解けるかも・・・ ※ 開催時期・内容についてはお問い合せください 平日の休憩ベンチには個性豊かな 解説ボランティアさんがいます ※ 開催時期・内容についてはお問い合せください この他、ビジターセンターに関する色々な情報は、各ビジターセンターのホームページをご覧ください。 尾瀬山の鼻ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/yamanohanavckara/ 尾瀬沼ビジターセンター http://www.oze-fnd.or.jp/numavckara/ この冊子の印刷費は1部あたり約105円です。
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