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データの見方
第6回:時系列データの見方③-分析編
予測をしてみましょう。
佐藤整尚
東京大学大学院経済学研究科
1
時系列データの分析
時系列データは、様々な分析に使うことがで
きます。
①相関係数を使って、2つの時系列データ間
の関係を調べることができます。
時系列予測
時系列予測
②過去・現在の値から、将来の値を予測して
みましょう。
③上記の①、②を組み合わせてさらに高度な
予測を行うことも可能です。
時系列データ
国債金利
-0.4
0.0
-0.2
0.05
0.0
0.2
0.10
マネタリーベース
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
1982
1984
1986
1988
19 90
1992
1994
1996
1998
1994
1996
1998
1994
1996
1998
鉱工業生産指数
-0.05
-0.10
-0.06
-0.04
0.0
-0.02
0.0
0.05
0.02
0.10
卸売物価
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
1982
1984
1986
1988
19 90
1992
為替相場
-0.10
-0.2
-0.05
-0.1
0.0
0.0
0.1
0.05
0.2
0.10
0.3
機械受注
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
1982
1984
1986
1988
19 90
1992
図 1 .1 定 常 化 され た デ ー タの プロ ッ ト
(前 年 同 月 か ら の 平 均 伸 び 率 )
2
時系列同士の関係
2つの時系列間の関係を見るには、相関係数を見るのが一番、簡単です。
同時点の相関を見るものと、ある時間差をあけて相関を見るものがあります。
同時相関
同時点で相関
相互相関
時間差で相関
 ただし季節性は除かれているものとする。
3
時系列同士の関係
同時相関を見てみましょう。
115.0
110.0
105.0
100.0
95.0
消費支出
90.0
可処分所得
85.0
相関係数=0.46
2014年5月
2013年9月
2013年1月
2012年5月
2011年9月
2011年1月
2010年5月
2009年9月
2009年1月
2008年5月
2007年9月
2007年1月
2006年5月
2005年9月
2005年1月
80.0
 季節調整済み系列
(出典)総務省統計局
115.0
110.0
消
費
支
出
105.0
100.0
95.0
90.0
90.0
95.0
100.0
105.0
可処分所得
110.0
4
見せかけの相関
120
双方の時系列にはっきりし
た単調トレンドがあるとき
は、見せかけの相関が起こ
りやすくなるので注意が必
要です。
18
17.5
100
17
16.5
80
16
60
15.5
15
40
14.5
消費者物価(左
軸)
東京の平均気温
(右軸)
14
20
13.5
13
1963
1967
1971
1975
1979
1983
1987
1991
1995
1999
2003
2007
2011
0
相関係数=0.66
(出典)総務省統計局、気象庁
前期比などに
変換してから相関係数を
計算する必要があります。
0.3
気
温
前
年
比
0.25
0.2
0.15
0.1
0.05
相関係数= -0.12
0
-0.05
-0.1
-0.05
0
0.05
消費者物価前年比
0.1
5
時系列予測について
• 多項式回帰による予測
30
予測値
25
𝑥𝑡+1 = 𝑎 + 𝑏(𝑡 + 1)
トレンドが時間の関数
20
𝑥𝑡 = 𝑎 + 𝑏𝑡 + 𝜺𝑡 (t=1,2,3・・・,N) 15
10
回帰により推定
5
0
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28
• 自己回帰モデルによる予測
過去の観測値から予測
𝑥𝑡 = 𝑎 + 𝑏𝑥𝑡−1 + 𝜺𝑡
2.5
2
1.5
𝑥𝑡+1 = 𝑎 + 𝑏𝑥𝑡
𝑥𝑡+2 = 𝑎 + 𝑏𝑥𝑡+1
予測値
1
回帰により推定
0.5
0
-0.5
-1
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324252627282930
6
時系列予測法
 多項式回帰による予測
 はっきりしたトレンドがある場合、時間の多項式を当て
はめて予測することができる
 直線的なトレンドの場合は1次関数が良く用いられる。
 あまり、高次の多項式を当てはめることは望ましくな
い。
 大きな構造変化が起こるときにはうまく予測できない。
 自己回帰モデルによる予測
 より過去の変数を用いることでさらに精度を高める
ことも可能である。
 どのくらい過去まで遡るかについては、データ数にも
よるので、統計的な判断が必要である。
 トレンドがある場合には適用できない。
30
25
20
15
10
5
0
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27
2.5
2
1.5
1
0.5
0
-0.5
 1つの時系列だけでその将来の値を予測することは困難
-1
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29
 多くの時系列を活用した予測が必要である。
 相互相関の活用
7
時系列データのさらなる活用
より高度な時系列分析の方法を身につけると、
 多量の時系列データを使った分析
 パネルデータの分析
 高頻度観測データの活用
 時系列の背後にある潜在要因の推定。
 トレンドの推定
 共通成分の推定
ということも可能になります!
8
今週はここまで
おつかれさまでした
次週はe-Statの使い方について学びます
9