ニュースリリース - 全国求人情報協会

公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
2015 年 4 月 7 日
労働契約法への対応は横ばい、高年齢者雇用安定法への対応進む
公益社団法人全国求人情報協会は、
「改正二法研究会(座長:阿部正浩
中央大学経済学部教授)
」を設置し、
2013 年調査に引き続き人事担当者のアンケート調査を実施、
「労働契約法」
「高年齢者雇用安定法」改正の対
応に関する調査に関する調査報告をとりまとめましたのでご報告します。
①労働契約法の改正により人事制度の見直しを図った企業は 76.8%で、前回調査から増えていな
い。対応策としては、正社員登用の制度の活用や新設が 2 割程度の企業で行われている。
②高年齢者雇用安定法の改正により人事制度の見直しを図った企業は 80.4%で、前回調査より
10 ポイント以上伸びた。対応策としては、60 歳以降の報酬見直しが前回に引き続き 4 割弱の
企業で行われている。
③有期契約労働者の無期転換や正社員登用、高年齢社員が増えることにより、ポジティブな影響
があると考えている企業が多い。
●調査の概要
1)調査の目的:企業における改正された労働契約法と高年齢者雇用安定法の影響を把握する
2)調査対象:全国 500 名の人事担当者 うち前回からの継続回答者 258 名、新規回答者 242 名
3)調査時期: 2014 年 12 月 5 日∼12 月 11 日
※施行前調査 2013 年 3 月 22 日∼3 月 26 日、前回調査 2013 年 8 月 29 日∼9 月 3 日
4)調査方法: インターネットを利用した WEB 調査
●改正二法研究会メンバー
委員/阿部正浩(座長・中央大学経済学部教授)、工藤真一(株式会社マイナビ)
、村井俊朗(株式会社北海
道アルバイト情報社)、柳川昌紀(株式会社リクルートジョブズ)、横道浩一(株式会社インテリジェンス)、
吉田修(公益社団法人全国求人情報協会)
専門委員/江口匡太(中央大学商学部教授)、神林龍(一橋大学経済研究所准教授)
調査分析/小林徹(慶應義塾大学産業研究所共同研究員)
事務局/宇佐川邦子、小林一夫、佐藤日出男、青木朝子(公益社団法人全国求人情報協会)
お問い合わせ先/公益社団法人全国求人情報協会
業務部・佐藤日出男
Tel03-3288-0881
[email protected]
調査結果・研究会報告書は、こちらからダウンロードできます http://www.zenkyukyo.or.jp/outline/investigation_list.php
公益社団法人全国求人情報協会(理事長:丹澤直紀
略称:全求協)は、1985 年 2 月に設立。全国のフリーペーパー・折込求
人紙・有料求人情報誌・求人サイトを運営・発行する 66 社の会員で構成されており、自主規制のための掲載基準作成、求人
情報に関する苦情・相談業務や調査・研究などの活動を実施。会員の年間求人広告件数は 1100 万件(2014 年)にのぼる。求
人者と求職者を結ぶ求人メディアは、アルバイト・パートなどの有期労働者の求人を数多く取り扱っており、その人事評価や
育成支援の状況を把握するため、本協会の有期労働部会の中に「有期雇用研究会」を発足させ、調査研究を行ってきた。
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公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
①労働契約法の改正により人事制度の見直しを図った企業は 76.8%で、前回調査から増えてい
ない。対応策としては、正社員登用の制度の活用や新設が 2 割程度の企業で行われている。
・労働契約法の改正により、人事制度の見直しを図った企業は 76.8%。前回調査から増えておらず、まだ対
応を決めかねている企業もあると思われる。
●図表 1
改正労働契約法による人事制度見直し状況の推移
Q.労働契約法の改正を受けた人事制度の見直しについて、現在の状況をお答えください。(n=500,単位=%)
見直し済
今回調査
(2014年12月)
見直しを行
見直しを行
見直しを行
い、新たな人
い、新たな人
い、既存の人
事制度を設け
事制度を設け
事制度に変更
た
る予定
を加えた
4.0
11.0
12.2
見直しを行っ
たが、既存の
見直し中
人事制度で問
今後見直し
特に見直し
予定
はしない
題ないので変
更はない
14.4
15.0
20.2
23.2
76.8%
前回調査
(2013年8月)
5.4
13.6
15.4
16.4
10.6
16.6
22.0
78.0%
施行前調査
(2013年3月)
既に見直しを行った
24.4
今後何らかの検討・見直しを
行う…
63.6%
-2-
見直しを行うか否かを含め、
現時点では未定
[系列名]
[値]
公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
・対応策としては、正社員登用の制度の活用や新設が 2 割程度の企業で行われている。契約更新の厳格化や
抑制を行うと回答した企業は、前回調査に比べ減少した。
Q.改正労働契約法への対応について、具体的な内容を教えてください。(今回調査 n=500・前回調査 n=318,単位=%)
32.1
25.8
22.6
有期契約労働者の契約更新判断
(人物や働きぶり等の選別)を厳格化していく
46.9
14.6
有期契約労働者の更新を抑制していく
(回数上限や通算勤続上限等の設定含む)
35.8
9.6
13.2
有期契約労働者の1回あたりの契約期間を延ばし、
更新は原則行わないようにする
更新後5年超に到達する労働者が出ても、次の契約まで原則6ヵ月以上の
空白(クーリング)期間を設けて再度、活用する
有期契約労働者の活用を行わないようにする
その他
各人の有期契約当時の業務・責任、労働条件のまま、
契約だけ無期へ移行させる(※今回新設)
いずれも行っていない
-3-
前回調査
19.6
有期契約労働者から正社員への登用制度を新設する
既存の正社員とは異なる限定正社員
(地域・職種限定等)の区分を新たに設ける
今回調査
23.2
既存の正社員登用制度を活用する
7.0
19.8
4.4
8.8
3.8
6.6
0.0
3.1
9.4
30.8
公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
②高年齢者雇用安定法の改正により人事制度の見直しを図った企業は 80.4%で、前回調査より
10 ポイント以上伸びた。対応策としては、60 歳以降の報酬見直しが前回に引き続き 4 割弱
の企業で行われている。
・高年齢者雇用安定法の改正により、人事制度の見直しを図った企業は 80.4%。前回調査より 10 ポイント
以上伸びており、見直しは着実に進んでいると考えられる。
●図表 13
改正高年齢者雇用安定法による人事制度見直し状況の推移
Q.高年齢者雇用安定法の改正を受けた人事制度の見直しについて、現在の状況をお答えください。(n=500,単位=%)
見直し済
今回調査
(2014年12月)
見直しを行
見直しを行
見直しを行
い、新たな人
い、新たな人
い、既存の人
事制度を設け
事制度を設け
事制度に変更
た
る予定
を加えた
10.6
10.6
見直しを行っ
たが、既存の
見直し中
人事制度で問
今後見直し
特に見直し
予定
はしない
題ないので変
更はない
20.8
20.4
6.6
11.4
19.6
80.4%
前回調査
(2013年8月)
7.4
11.4
14.8
13.0
9.2
12.4
31.8
68.2%
施行前調査
(2013年3月)
既に見直しを行った
30.4
今後何らかの検討・
見直しを行う…
56.2%
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見直しを行うか否かを含め
現時点では未定
見直しを行う予定はない
21.8
公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
・対応策としては、60 歳以降の報酬見直しが前回に引き続き 4 割弱の企業で行われている。一方で新卒・中
途採用の抑制を行うとした割合は減少傾向にあるが、この点については人手不足感が強まっている影響を受
けている可能性がある。
●図表 20
改正高年齢者雇用安定法への対応策
Q.改正高年齢者雇用安定法への対応策として、行ったものをお答えください。
(今回調査 n=500・前回調査 n=233,単位=%,複数回答可)
今回調査/「実施済み」
前回調査/「実施済み」
「実施予定」
37.2
60歳以降の報酬見直し
若年層や中年層の報酬見直し
新卒採用の抑制
中途採用の抑制
38.6
8.2
21.5
外注業務の内製化
新規事業/新規部署の創設
その他
23.2
7.6
16.3
10.3
9.0
16.7
9.9
20.8
60歳以降の短時間勤務/ワークシェア制度の新設
グループ会社(関連・子会社)への出向・転籍の活用
24.5
22.7
18.5
7.0
21.0
12.4
5.8
12.4
15.9
2.8
12.0
16.3
0.2
3.0 2.6
43.4
いずれも行っていない
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公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
③有期契約労働者の無期転換や正社員登用、高年齢社員が増えることにより、ポジティブな影
響があると考えている企業が多い。
・有期契約労働者の無期転換や正社員登用によって、長期勤続・定着や、有期契約労働者の働く意欲増大な
ど、ポジティブな影響があると考える企業が 5 割弱ある。
●図表 10
無期転換の影響
Q.有期契約労働者を無期契約に転換あるいは正社員登用することによる影響として下記が考えられますが、それぞれ貴社
ではどの程度の影響が出ると思いますか。(n=500,単位=%)
とても影
影響があ
響がある
る
どちらと
あまり影
もいえな
響はない
い
まったく
とても影響が
影響はな
ある+影響が
い
ある
長期勤続・定着が期待できる
7.8
40.0
35.8
9.6 6.8
47.8
有期契約労働者の働く意欲を増大できる
7.2
39.8
36.4
9.4 7.2
47.0
41.8
技能の蓄積やノウハウの伝承が着実に図られるよう
5.6
になり、生産性が向上する
36.2
40.2
10.8 7.2
要員を安定的に確保できるようになる 6.2
35.2
39.4
12.4
職場の一体感が醸成される、職場の人間関係が良好
になる
3.8
既存の正社員をより高度な仕事に専念させることが
できる
3.8
雇用調整が必要になった場合の対処が困難になる
7.4
正社員と有期契約労働者の間の仕事や労働条件の調
5.4
整が困難になる
32.8
40.2
29.8
24.6
23.8
正社員の新卒・中途採用が減る 4.6
21.2
業務量の変動に伴う、労働条件の調整が困難になる 4.4
20.6
-6-
41.6
42.4
44.8
41.8
46.2
6.8
15.2
8.0
16.6
8.2
18.2
7.4
16.4
19.8
21.0
9.6
12.6
7.8
41.4
36.6
33.6
32.0
29.2
25.8
25.0
公益社団法人全国求人情報協会 ニュースリリース●改正労働契約法・改正高年齢者雇用安定法への対応に関する調査報告
・高年齢社員が増えることにより、現場力の強化や、技能継承の円滑化といったポジティブな影響があると
考えている企業は 4 割以上である。
●図表 33
改正高年齢者雇用安定法による影響
Q.改正高年齢者雇用安定法への対応や、それに伴う社内組織および人事・処遇制度等の変更による影響として下記が考え
られますが、それぞれ貴社ではどの程度の影響が出ると思いますか。(n=500,単位=%)
とても影響
とても影響
がある
高年齢社員の残留による現場力の強化
6.2
影響がある
どちらとも
あまり影響
まったく影
がある+影
いえない
はない
響はない
響がある
39.0
高年齢社員から若・中年層への
4.8
技能継承の円滑化
33.0
38.8
人件費の増大
6.0
60歳以降の報酬引き下げ
7.6
若年層や中年層の報酬引き下げ
3.8
高年齢社員の働き方や
処遇のあり方の問題化
8.2
高年齢社員を配置する
職務・職場確保の問題化
7.0
中途採用の抑制
4.4
19.8
新卒採用の抑制
4.2
18.8
33.0
30.8
34.2
34.2
21.6
39.4
36.2
-7-
17.2
6.2
43.6
6.0
36.8
6.2
41.8
24.4
10.8
19.4
33.0
36.8
45.2
15.4
32.4
29.4
6.6
23.0
36.6
33.4
15.2
22.8
26.6
28.0
25.4
6.6
41.6
7.8
36.4
12.4
24.2
12.8
23.0