平成20年度版 [PDFファイル/114KB] - 大阪府

<公衆衛生研究所>
大阪府立公衆衛生研究所(42テーマ)
〒537-0025
大阪市東成区中道 1-3-69
TEL 06-6972-1321
(ホームページ
FAX 06-6972-2393
http://www.iph.pref.osaka.jp/)
HTU
UTH
1.腸管感染症および類似疾患における細
3.結核菌および非結核性抗酸菌に関する
菌学的研究
研究
(細菌課
勢戸和子
他3名)
赤痢菌、コレラ菌、腸管出血性大腸菌、
(細菌課
田丸亜貴
他2名)
大阪府は本邦最悪の結核蔓延地域であ
サルモネラ、カンピロバクター等の腸管感
る。当所ではこの状況を改善するため、結
染症原因菌の特徴を精査して疫学解析を
核菌遺伝子型別法を用いた感染経路解明
実施し、事例間の関連性や流行菌型を明ら
により感染拡大防止に有用な調査研究を
かにする。また、類似菌との鑑別に有用な
実施している。また結核患者および感染者
簡便で正確な検査法の開発にも取り組む。
の早期発見・適切な治療のための抗酸菌検
さらに、薬剤耐性菌の分布を調査して、そ
出同定技術開発・薬剤感受性に関する研究
の実態を医療・検査機関等へ還元するとと
も実施している。
もに耐性獲得機序を解明する。
4.大阪府市に共通して蔓延する結核菌株
2.細菌性呼吸器感染症に関する調査研究
(細菌課
勝川千尋
他2名)
に関する分子疫学調査
(細菌課
田丸亜貴、1研究所)
感染症法に規定される細菌性感染症の
大阪府の結核罹患率は突出して高く、そ
うち、ジフテリア、レジオネラ症、劇症型
の中心は大阪市である。大阪府の結核蔓延
溶血性レンサ球菌感染症、髄膜炎菌性髄膜
の原因解明には府市連携が必須である。本
炎、バンコマイシン耐性腸球菌感染症、バ
研究では、府市が連携して大阪府・市内の
ンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症、
地域分子疫学を実施することにより、大阪
A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎、百日咳、ペ
府内の結核蔓延構造の解明を目指し、府市
ニシリン耐性肺炎球菌感染症、メチシリン
双方の結核対策に有用な情報を提供する
耐性黄色ブドウ球菌感染症、薬剤耐性緑膿
ことを目的とする。
菌感染症、細菌性髄膜炎、マイコプラズマ
肺炎について、検査技術の向上、精度管理
に努めるとともに、新しい解析技術を導入
し研究へと発展させていく。
5.細菌性食中毒に関する研究
(細菌課
山崎
渉
他2名)
コレラ菌毒素、腸炎ビブリオの迅速検査
法の開発:食中毒の原因究明および食品検
査の簡易迅速化に役立てる目的で LAMP 法
<公衆衛生研究所>
による新しい検査法を開発する。従来法で
と GII 検出用として 2 種類、ノロウイルス
ある生化学的試験・PCR 試験等の結果と本
GII 検出試薬キット、当研究所作製の GII
法の結果を比較し、有用性を検討する。
プライマーセットについて比較検討して
いる。
6.食品内で産生される細菌毒素に関する
研究
9.ノロウイルスをモデルとした大阪府全
(細菌課
浅尾
努
他1名、企画調整課)
ブドウ球菌エンテロトキシン、セレウス
域での健康危機管理のための情報システ
ムの構築
菌嘔吐毒(セレウリド)、ボツリヌス毒素は、
(ウイルス課
左近直美、2研究所)
食品内で産生される細菌毒素で、食中毒原
感染症発生危機管理のモデルとしてノ
因物質として重要である。本研究では、細
ロウイルス感染症の発生状況の時間的地
菌毒素の検出法の信頼性、迅速性、検出感
理的解析、検出情報等の相互活用および府
度の改善のために、生物学的診断法、免疫
民への情報還元などを府市が連携して行
学的診断法や遺伝子診断法を総合的に融
うための体制を構築し、今後発生が懸念さ
合させて研究を推進するのが目的である。
れる健康危機に対応できる体制を作りあ
げることを目的とする。
7.魚介毒に関する研究
(細菌課
濱野米一
他1名)
10.腸管感染性ウイルスに関する研究
麻痺性貝毒による二枚貝の毒化が全国
(ウイルス課
山崎謙治
他2名)
各地で恒常化しており、簡便・高感度な貝
腸管感染性ウイルスの分離および遺伝
毒モニタリング手法の開発が望まれてい
子解析を行うことにより、ウイルスの生態
る。当所開発の貝毒簡易測定キットを消費
を明らかにするとともに、培養困難なウイ
安全局を通じて希望した自治体に提供し、
ルスの迅速検出法を開発することを目的
その有用性を実証する。本キットが普及す
として研究を行っており、エンテロウイル
れば毒化の早期予知と迅速な行政対応が
ス、ノロウイルス、ロタウイルス、E 型肝
可能となり、食の安全安心も飛躍的に向上
炎ウイルスなどを標的ウイルスとしてい
する。
る。
8.食中毒原因物質としてのノロウイルス
11.ウイルス性呼吸器感染症の研究
に関する研究
(ウイルス課
加瀬哲男
他6名、副所長)
他1名、ウイルス課2名)
ウイルス性呼吸器感染症(H5N1 インフル
迅速簡便で正確な検出法である
エンザ、SARS、RS ウイルス感染症、咽頭結
RT-LAMP 法についての研究。ノロウイルス
膜熱、インフルエンザ、麻疹など)の感染
GI 検出用として 3 種類(ノロウイルス GI
拡大防止を目的としている。H5N1 インフル
検出試薬キットおよびそのキットの改良
エンザに関しては非流行時体制における
品、当研究所作製の GI プライマーセット)
サーベイランスを実施し、リアルタイム
(細菌課
依田知子
<公衆衛生研究所>
RT-PCR を用いた検出法を確立する。5 類感
査法と的確な治療のための検査法の確立
染症に関しては、例年通りウイルス分離等
2) HIV およびその他性感染症の広がりの実
を行い、大阪府内での感染症サーベイラン
態を明らかにするために、性感染症関連診
スを実施する。特にインフルエンザに関し
療所を受診する HIV 感染のリスクの高い
ては、ワクチンの有効性の評価、迅速診断
人々を対象にした疫学調査
キットの臨床評価、インフルエンザ非流行
3) 新たな作用メカニズムを持つ抗 HIV 薬
期の呼吸器系ウイルス疾患の原因ウイル
の候補物質の検索
スについても検討する。
15.原虫・寄生虫症に関する研究
12.ヒトヘルペスウイルスに関する研究
(ウイルス課
木村明生
他1名、環境水質課)
宮川広実、細菌課)
公衆衛生上重要である赤痢アメーバ、ジ
ヘルペスウイルス感染症が疑われる患
アルジア、クリプトスポリジウム、バベシ
者の検体から nested PCR 法を用いてヘル
アおよび自由生活性アメーバ等による原
ペスウイルスの検出を行った。初感染時の
虫症及びエキノコックス、イヌ回虫、アラ
みならず、体内に潜伏感染し再活性化時に
イグマ回虫等による蠕虫症の、疫学的解析
も重篤な症状をひきおこすヒトヘルペス
及びその診断法開発や改良等を目的とし
ウイルスの動態を明らかにすることを目
て研究を実施する。
(ウイルス課
的としている。特にサイトメガロウイルス
については先天感染の増加も懸念されて
16.花粉症対策のための基礎的研究
いることから、LAMP 法によるスクリーニン
グを開発し、早期診断に役立てている。
(ウイルス課
西村公志)
スギ・ヒノキ花粉症が非常に問題となっ
ているが、花粉症を予防するうえで、花粉
13.衛生動物を介する感染症に関する研
症の原因となる花粉の飛散状況を的確に
究
把握することは重要である。そこで、公衆
他1名)
衛生研究所において空中飛散花粉を一年
衛生動物を介する感染症には、新興感染
を通して観測し、その種類や増減などとい
症、輸入感染症、人獣共通感染症として問
った花粉に関する基礎的な調査を行って
題になるものが多い。この研究では、これ
いる。このようなデータをもとに花粉症対
らの感染症の実験室診断や衛生動物の調
策の検討のための基礎資料の作成を行っ
査を行い、治療や防疫対策に役立てる。
た。
14.HIV 感染症に関する研究
17.麻疹・ 風疹等の発疹を主徴とする
(ウイルス課
(ウイルス課
弓指孝博
森
治代
他2名)
HIV の拡大阻止を目的として、以下の研
究を行っている。
1) 迅速で正確な HIV 感染診断のための検
ウイルス感染症に関する研究
(ウイルス課
倉田貴子
他2名、副所長)
麻疹患者数は年々減少してきているも
のの、依然として発生が続いている。最近
<公衆衛生研究所>
では典型的な症状を示さない修飾麻疹患
実態調査等を行い、食品を介した微量有害
者の増加に伴い、臨床診断が困難な症例が
物質の摂取による府民へのリスクアナリ
増えてきている。本研究では、ウイルス分
シスを行う。また、母乳中の環境汚染物質
離と RT nested PCR 法による迅速な実験室
を測定する。これらのことにより、汚染物
診断を行うことで、麻疹の感染拡大防止と
からのリスクを低下させ、府民の健康増進
遺伝子解析による流行状況の把握を目的
に寄与する。
とする。
21.母乳中の残留性有機汚染物質(POPs)
18.食品添加物等に関する衛生学的研究
(食品化学課
阿久津和彦
とその代謝物に関する研究
他4名)
(食品化学課
小西良昌
他3名)
食品から抽出する際の TBHQ(ターシャリ
近年、環境汚染物質による内分泌かく乱
ーブチルハイドロキノン)の安定性を高め
作用が問題となっている。これら化合物の
るため、抽出精製法を改良する。また、ヒ
特徴は、p-位にフェノール性水酸基をもつ。
スタミン検査の迅速化を目指し、精製法の
PCB および PBDE は、生体内で代謝(水酸化)
検討を行う。他、重金属中毒事例に迅速に
を受けて内分泌かく乱作用を発現する。本
対応するため、簡略前処理と ICPS 測定の
研究では、PCB、PBDE の個々のアイソマー
組み合わせを検討する。
の代謝産物の生体内(母乳)濃度を明らか
にする。
19.食品中の残留農薬に関する研究
(食品化学課
住本建夫
他5名)
食品中に残留する農薬の測定は食の安
22.遺伝子組換え食品に関する研究
(食品化学課
吉光真人
他1名)
全を確保するための重要な課題である。近
様々な食品に適した検査法を開発、改良
年、輸入食品の増加等で外国での使用が疑
し、より多くの食品から遺伝子組換え食品
われる農薬の検査の要求も多い。そこで、
を検出可能な検査体制を確立する。今年度
食品中残留農薬の検査の迅速性と検査項
は、検査困難な食品に対する DNA 抽出法を
目の増加を図るため検討を行っている。ま
検討する。また、従来法よりも迅速、簡便
た、従来は実施していない加工食品中の残
かつ高感度な、リアルタイム PCR 装置を用
留農薬の検査についてもその分析法を検
いた検出法を検討する。
討する。
23.内分泌かく乱化学物質に関する研究
20.食品中及びに母乳に残留する微量有
(食品化学課
高取
聡
他2名)
ヒトが日常生活を通じて曝露されてい
害物質に関する研究
他6名)
る化学物質のうち、内分泌かく乱作用等の
食品中に残留する微量有害汚染物質(有
悪影響が懸念される化学物質について、食
機塩素系化合物、残留農薬、動物用医薬品
品、ハウスダスト及び生体試料中の濃度を
等)について、分析法の開発・改良並びに
測定し、その曝露量を推定する。現在、以
(食品化学課
起橋雅浩
<公衆衛生研究所>
下の 2 項目について研究している。
分析が有用な中毒起因物質 15 品目の中に
1)周産期におけるフタル酸エステル類の
はバルビツール酸系薬物があげられてい
曝露評価
る。中毒事例の多いバルビツール酸系薬物
2)大豆調製乳投与時の乳幼児のイソフラ
について、有機溶媒をほとんど使わない固
ボン類の曝露評価
相抽出で試料を調製し、高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)を用いて迅速分析法を
24.食品中の特定原材料に関する研究
(食品化学課
清田恭平
開発する。
他1名)
本研究では、アレルギーを引き起こす特
定原材料として新たに表示が義務化され
27.無承認無許可医薬品のスクリーニン
グ検査法の開発
たえび、かにの2品目および表示奨励品目
(薬事指導課
澤邊善之)
を対象に分析法の検討を行う。得られた成
国及び地方自治体の検査機関において
果は、食物アレルギーの発症の予防に役立
健康食品等から医薬品成分(無承認無許可
ち、府民の食の安全確保に貢献できるもの
医薬品)が検出され、健康被害の発生が危
と考えられる。
惧されている。本研究は医薬品成分だけで
なく摘発逃れのために化学構造を変化さ
25.生薬・漢方製剤の品質評価に関する
せた医薬品類似成分のスクリーニング検
研究
査法を開発することにより薬事行政に寄
-固相抽出法を用いた生薬・漢方製
剤中のセンノシド類の迅速分析法の開発-
与するものである。
山崎勝弘)
28.香粧品に配合されるドナー型防腐剤
瀉下薬や漢方薬中の瀉下成分であるセ
から遊離するホルムアルデヒドに関する
(薬事指導課
ンノシド A 及び B の同時分析を検討する。
試料溶液を強陰イオン交換と逆相系の両
研究
(薬事指導課
梶村計志
他2名)
方の性質を持つ固相で抽出し、高速液体ク
香粧品に配合される防腐剤の中に分解
ロマトグラフで分析することで、多くの配
等によりホルムアルデヒド(FA)を遊離す
合成分から構成される製剤でも、本成分の
る化合物の存在が知られており、通称 FA
定量分析が可能になるものと考えられる
ドナー型防腐剤と呼ばれている。FA は近年、
ことから、その抽出・精製方法と分析条件
社会問題となっているシックハウス症候
を詳細に検討する。
群の原因物質として注目をあつめている。
本研究ではドナー型防腐剤から遊離する
26.生体試料中の薬物の迅速定量法に関
FA の挙動を明らかにし、府民の健康を守る
する研究
一助とする。
-バルビツール酸系薬物を対象
として(薬事指導課
岡村俊男)
日本中毒学会の分析委員会が提示した
<公衆衛生研究所>
29.ドナー型防腐剤の分解により生成す
薬の残留実態を明らかとするとともに製
るホルムアルデヒドの挙動と遊離抑制に
剤化による挙動について明らかとする。
関する研究
他2名)
32.水環境中濃度の医薬品混合物による
化粧品に使用されるドナー型防腐剤か
ヒト胎児腎由来細胞増殖への影響につい
(薬事指導課
梶村計志
らホルムアルデヒド(FA)が遊離すること
て
が知られており、その有害性に対する健康
影響が懸念されている。化粧品は、毎日使
(薬事指導課
中村暁彦)
本研究では、まず、我が国の河川で既に
用され且つ人体に直接接触することから、
検出されている種々の医薬品について、そ
安全性に対して特別の配慮が必要である。
の組合せを模倣した混合物を調製する。そ
本研究では、FA の遊離を抑制する因子や作
の混合物について、ヒト胎児腎由来細胞株
用機序について検討し、府民の健康を守る
(HEK293 細胞)を用いた in vitro での細胞
一助とする。
増殖試験で影響を検討する。本研究により、
環境水中の医薬品に関する知見が得られ
30.蛍光染色法を用いた化粧品中の微生
ると考えている。
物検出に関する研究
(薬事指導課
皐月由香)
消費者の製品に対する安全の意識は高
33.淀川水系の水質調査
(環境水質課
宮野啓一
他8名)
く、安定した品質の製品を製造するために
大阪府下の水道水源は淀川に大部分依
は、製造所における品質管理は重要となっ
存している。淀川は宇治川、木津川および
ている。しかしながら、微生物の品質管理
桂川の三河川が合流して形成され、これら
のための試験方法は時間がかかるため、出
の河川流域から汚水や排水が淀川に流入
荷までに時間を要してしまう。微生物を迅
している。本調査は水道水源としての淀川
速に検出できる蛍光染色法を用いた微生
の安全性確保を目的として、河川中の現在
物管理の検討を行う。
問題になっている、もしくは将来問題にな
る可能性のある化学物質(本年度は
31.生薬のピレスロイド系農薬による汚
PFOS/PFOA、および医薬品)を調査する。
染の実態調査並びに製剤化による挙動に
34.水質試験における分析方法の開発等
関する研究
(薬事指導課
田上貴臣
他1名)
生薬に残留する農薬の実態に関しては、
に関する研究
(環境水質課
田中榮次
他6名)
現在でも不明な部分が数多く残されてい
水道水の安全性を確保するには日常的
る。我が国最大の生薬取引市場である道修
な水質監視に加え規制物質および未規制
町をかかえる大阪府においても、生薬の品
物質の水環境中レベルの把握が重要であ
質に関する課題は重要である。本研究では、
り、規制物質の高精度・高感度分析法や未
特に実態調査の少ないピレスロイド系農
規制物質の信頼性のある分析法の開発が
<公衆衛生研究所>
必要である。今年度は健康危機対応物質の
文部科学省委託による放射能調査を中心
迅速定量、未規制物質である医薬品(抗生
に、大阪府内の環境および食品試料中の放
物質)の分析法開発に取り組み、分析精度
射能および空間放射線量率調査を実施す
の向上についても検討する。
る。
35.環境微生物に関する調査研究
38.家庭用品に関する衛生学的研究
(環境水質課
土井
均
他2名)
水系感染によるレジオネラやクリプト
(生活衛生課
中島晴信
他2名)
家庭用品の試験・検査・研究業務の遂行
スポリジウムの集団感染が各地で起こり
のため、公定分析法の検討や開発を行う。
問題となっている。感染事故防止には、汚
また、未規制物質の中で健康被害を引き起
染実態の把握と病原微生物制御法の確立
こす可能性のある物質を検索し、その分析
が必要である。本研究では、水系感染微生
法の開発、分析調査、毒性評価を行って健
物の正確かつ迅速な検出法ならびに分子
康被害の未然防止を図っていく。抗菌製品
生物学的手法を用いた同定法を検討し、水
については、抗菌評価を行い安全性を評価
環境における分布実態を明らかにすると
する。さらに、家庭用品による健康被害の
共に制御法について検討する。
原因究明・再発防止の情報伝達システムの
構築と方策の提言を行う。以上の研究によ
36.小規模分散型生活排水処理システム
り、府民の健康の保護に資する。
に関する研究
(環境水質課
山本康次
他2名)
地方自治体財政の困窮や人口の急激な
減少予測から、浄化槽による生活排水処理
39.大気汚染および住環境による健康影
響に関する研究
(生活衛生課
施設整備が注目されている。より効率的な
事業手法の評価手段の提供を目的に、人口
中島孝江
他2名、
2大学、2研究所)
大気汚染や室内空気汚染の健康影響を、
減少の影響を組み入れた浄化槽整備事業
疫学調査、動物曝露実験、試験管内実験等
のコスト計算モデルを作成する。また、浄
で明らかにする。大気汚染物質の健康影響
化槽整備事業地域での維持管理の高度化、
では、亜硝酸や大気中浮遊粒子状物質等と
紫外線を用いた微生物の不活性化及び物
喘息等のアレルギー症状との関係を調べ、
理化学的処理を検討する。
室内汚染の健康影響では、タバコ煙や建材
等に含まれる化学物質等について影響や
37.環境放射能および環境放射線の測定
(環境水質課
肥塚利江
実態の調査研究を行う。
他2名)
人工放射性降下物や原子力施設からの
放射性物質漏洩による環境汚染の有無を
把握すること、また放射能事故発生時の影
響評価や対策等の基礎資料を得るために、
40.住居と職場における有害化学物質へ
の曝露状況と健康影響に関する研究
(生活衛生課
吉田俊明
他4名)
住宅や職場における室内環境中の化学
<公衆衛生研究所>
物質への曝露は、ヒトに様々な健康影響を
引き起こす。本研究は、化学物質による室
内環境汚染の実態を明らかにするととも
に曝露による健康影響について解析し、そ
れらの未然防止と軽減に役立つ資料を得
ることを目的とする。
41.室内環境中ピレスロイド系殺虫剤の
分析法の確立
(生活衛生課
吉田俊明)
近年、住宅等の室内空気汚染が主要因と
なるシックハウス症候群や化学物質過敏
症が社会的問題となっている。本研究では
最近家庭内での使用が増加しているピレ
スロイド系殺虫剤による室内空気の汚染
実態を把握するため、その空気中濃度の測
定法を確立する。成果は、府民の生活環境
の改善をはじめ、これらの疾患を予防する
ための基礎的資料となる。
42.水試料中における有機フッ素化合物
の一斉分析方法の開発
(環境水質課
高木総吉
他2名)
有機フッ素化合物であるパーフルオロ
オクタンスルホン酸(PFOS)とパーフルオ
ロオクタン酸(PFOA)は水試料からも検出
されており、ヒトへの健康影響が懸念され
る。
一方、PFOS・PFOA には炭素数の異なる類
縁化合物が存在しており国内での実態は
わかっていない。そこで、PFOS・PFOA と類
縁化合物の一斉分析方法を開発しその実
態を明らかにする。