DMA(曲げモード) 貯蔵弾性率(MPa) PA12を超える新しいナイロンチューブ素材 1.0E+04 耐熱性に優れ、強度と柔軟性のバランスが秀逸です Rilsan® Tとは? Rilsan® Tとは、PA1010を主成分とするコ ンパウンド製品の総称です。PA11とPA12 の長年にわたる知見を活かし、遜色ない 加工性を付与しています。 アルケマは、Hipro Polymer社を買収して得 たPA1010にPA11とPA12で培った配合技 術を活用して、PA12を超える新しいナイ ロンチューブ押出成形用素材を開発、上 市しました。 PA1010が主成分であることから、加工温 度を10~20℃高くする必要があります。 しかし、その他の条件はPA12の場合とほ ぼ同等で加工できます。 Rilsan® Tの特徴 Rilsan® Tは、PA12よりも以下の点で優れ ています。 1. 耐熱性が向上 2. オリゴマーなど抽出物が少ない 3. 植物由来 4. 優れたコストパフォーマンス 5. 優れたチューブ特性 耐熱性が向上 グラフ①にあるように、PA12と比較する とPA1010は80℃以上での弾性率の低下が 少なく、140℃付近まで安定しています。 チューブ形状で検証した結果では、短期 使用可能温度がPA12よりも15℃高くな り、連続使用温度が5℃高くなった事例が あります。 オリゴマーなどの抽出物 PA1010はPA12よりも、一般的にオリゴ マーの残留が少ない特徴があります。 貯蔵弾性率 (MPa) PA1010 PA1010 PA12 PA12 1.0E+03 1000 100 1.0E+02 -60 -60 -40 -40 -20 -20 0 0 20 40 40 60 60 80 100 優れたチューブ特性 Rilsan® Tは、PA12よりも少ない可塑剤の 添加量で柔軟性を付与でき、圧縮強度に も優れるため、「曲げ易いが折れにくい チューブ」の生産が可能です。 しかし、厚肉のチューブやチューブ径が 太くなればなるほど、PA1010本来の剛性 の高さの影響が強くなります。 その反面、剛性の高さを利用して薄肉化 も可能であり、樹脂使用量の削減を検討 できます。 グラフ②にあるように、バーストプレッ シャー強度は高温域で余裕があります。 このように、チューブのデザインの自由 度を大きく高めることができます。 140 140 160 180 200 200 温度(℃) 植物由来 PA1010はひまし油を原料とし、炭素原子 のほぼ100%が植物由来です。 しかし、本チューブ用素材は可塑剤等を 含有します。従って、ASTM 6866による 植物由来度はP413で75%以上、P213で (bar) 80%以上となります。 80 80 優れたコストパフォーマンス 植物由来のエンジニアリングプラスチッ クですが、優れたコストパフォーマンス を有します。 120 グラフ①:DMA(3点曲げ法) バーストプレッシャー強度 Burst pressure strength 70 70 60 60 50 50 40 40 30 30 20 20 10 10 00 00 20 20 40 40 60 60 AESN TL (PA12) (PA12) AESN P40 P40 TL 80 80 100 100 120 120 140 140 TESN TL (PA1010) TESN P413 TL 温度(℃) グラフ②:バーストプレッシャー強度 (Sample: OD=8 mm, ID=6 mm チューブ) 基本物性表 試験項目 試験法 単位 TESN O P413TL TESN Bk P413TL AESN O P40TL AESN Bk P40TL 密度 ISO 1183 g/cm 1.04 1.04 1.03 1.03 融点 ISO 11357 ℃ 190 190 175 174 ショア硬度D 即時 15秒後 ISO 75 70 64 70 64 70 62 70 62 曲げ弾性率 ISO 178 MPa 335 335 360 395 引張弾性率 ISO 527 MPa 425 425 380 445 MPa % MPa % 25 48 37.5 > 200 25 48 37.5 > 200 23 25 52 > 200 27 27 47 > 200 破壊せず 7 破壊せず 7 破壊せず 5 破壊せず 5 3 引張特性 降伏強度 降伏伸度 破断強度 破断伸度 ISO 527 シャルピー衝撃強度 23℃ ノッチ有 ISO 179/1eA kJ/m2 -30℃ ノッチ有 ISO 179/1eA kJ/m2 試験項目 試験法 単位 TESN Bk P213TL AESN Bk P201TL AESN Bk P202 T6L 密度 ISO 1183 g/cm 1.04 1.01 1.03 融点 ISO 11357 ℃ 192 176 172 ショア硬度D 即時 15秒後 ISO 75 64 61 曲げ弾性率 ISO 178 MPa 475 520 440 引張弾性率 ISO 527 MPa 560 620 440 MPa % MPa % 32 > 100 30 22 54 > 200 28 25 49 > 200 破壊せず 8 破壊せず 7 破壊せず 4 3 引張特性 降伏強度 降伏伸度 破断強度 破断伸度 ISO 527 シャルピー衝撃強度 23℃ ノッチ有 ISO 179/1eA kJ/m2 -30℃ ノッチ有 ISO 179/1eA kJ/m2 ひまし油からの垂直統合生産体制 アルケマは、セバシン酸の全世界生産キャパシティの50%以上を有するCASDA社と中長鎖PA重合メーカーのHipro Polymer社を2012年 に買収し、ひまし油からPA1010に至るまでの垂直統合生産体制を確立しました。 さらに、インドの世界的な「ひまし油」メーカーのジャイアント・アグロ社の関連会社に出資し、PA11およびPA1010のモノマーの 原料となる「ひまし油」の安定的な調達に努力しています。 アルケマ株式会社 本社 〒 100-0011 東京都千代田区内幸町2-2-2富国生命ビル15階 Tel: 03-5251-9900 / Fax: 03-5251-9930 京都テクニカルセンター 〒 600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町93京都リサーチパークSCB#3 Tel: 075-326-7431 / Fax: 075-326-7524 arkema.co.jp
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