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GCPで規定されている保存文書の種類については、
・治験開始前
・治験実施中
・治験の終了又は中止後
そして、CRO又はSMOで保存する文書・記録の4種類に分けられます。
治験開始前に作成し、保存すべき文書には、実施医療機関における治験実施体制に関する文
書(標準業務手順書、IRB体制に関する文書など)や、治験依頼の審査に必要な文書が規定さ
れています。
治験実施中に作成し、保存すべき文書には、治験実施中に発生した手続きに関する文書、治
験依頼者から提供される安全性などの治験実施に際して必要な情報に関する文書、被験者組
み入れに関する記録、原資料、治験薬の管理に関する記録などが規定されています。
治験の終了又は中止後に作成し、保存すべきしなければならない文書には、治験の終了又は
中止のための手続きに関する文書が規定されています。
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GCPガイダンスでは、治験に関連する文書の保存期間が規定されており、
・被験薬に係る医薬品についての製造販売承認を受ける日
・治験の中止もしくは終了の後3年を経過した日
のうちいずれか遅い日まで保存することになっています。
また、この間保存が必要とされる文書は、
・診療記録等の原資料
・契約書、承認書、同意文書及び説明文書、このほかGCPで規定された実施医療機関に従事
する者が作成した文書やその写し
・治験実施計画書、治験審査委員会等から入手した文書、このほかGCPの規定により入手し
た文書
・治験薬の管理その他の治験に係る業務の記録
が該当します。
また、医師法で規定されている診療記録の保存期間とGCPで規定されている保存期間が異な
ることから、双方の規制を遵守する期間、診療記録を廃棄しないよう注意しなくてはなりません
。万が一、診療記録が廃棄、紛失、またデータが消失した場合、記録から臨床試験を再構築す
ることができなくなるため、臨床試験データの信頼性の確保に影響を及ぼすこととなります。
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ICH-GCPに準拠する試験(たとえば、国際共同試験の等)の場合、医薬品の製造承認取得の
ための治験が実施されている国々において製造販売承認が取得でき、かつ、その後、
GCP/ICH-GCP/各国の規制を遵守する期間、保存する必要があります。
ICH-GCPにおいては、製造(輸入)申請を行うすべての国で、試験が終了した後2年間、文書を
保存しなければならないことが規定されており、各国の試験進捗・承認状況などから、GCPで
規定されている期間よりも長期間、記録の保存を依頼する治験依頼者もあります。なお、GCP
の規定よりも、長期間の保存を依頼される場合、文書保存場所の確保の問題より、外部倉庫
の利用についても認められております。
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2010-22 開発中止等における医療機関の記録の保存期間
2011-03 原資料である診療録の保存期間
2012-50 GCP上の保存期間満了後も保存が必要な資料
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GCPガイダンス第41条に記載されているように、記録が紛失又は廃棄されないように措置を講
じる必要がある。
「実施医療機関の長又は記録保存責任者は、これらの記録がこの保存義務期間中に紛失又
は破棄されることがないように、また求めに応じて提示できるように必要な措置を講じておくこと
。」
例示:
・施錠できるキャビネットに保管する
・以下の内容を含むラベルをファイルに貼る
・保管期間:202X年XX月XX日
・治験依頼者連絡先(保管について問い合わせできる連絡先)
・保管責任者(治験責任医師の名前)
・ファイルの整理番号(例:1/3, 2/3, 3/3)
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