野菜パパイヤの東京市場での販売の可能性石垣市パパイヤ研究所大嵩浩二吉川広太郎玉城真男国際農林業水産研究センター数井宏高間恵実子沖縄と東京におけるパパイヤの現状沖縄では、野菜パパイヤ、完熟パパイヤとも好まれ、日常食である。スーパーマーケットで簡単に入手可能である。東京では、近年、輸入完熟パパイヤが店で売られるようになった。野菜パパイヤはめったに売られていない。特に野菜パパイヤの認知度は低い。調査の目的東京における、野菜パパイヤの販売の可能性を調査する調査方法調査１石垣島で2003年11月、53人に聞き取り式で調査した。調査2 東京で2005年1月、86人に実際に商品を見せ、試食をしてもらい、書き込み式で調査した。野菜パパイヤ完熟パパイヤ試食に使われた石垣島産野菜パパイヤの商品煮物用角切り佃煮野菜炒め用千切りサラダ用千切り燻製石垣島のパパイヤ生産技術は、特許を取得した。この技術により、石垣島のパパイヤは周年無農薬栽培が可能となった。調査１回答１石垣島における完熟パパイヤと野菜パパイヤの認知度居住地完熟パパイヤ (%) 野菜パパイヤ (%) 沖縄県内 92 100 沖縄県外 98 17 沖縄県外の多くの人は野菜パパイヤを知らない。調査 2 回答２野菜パパイヤを使って調理・加工した試食メニューに対する東京住民の好感度煮物野菜炒めサラダ燻製佃煮 (%) (%) (%) (%) (%) おいしい 75 74 52 75 77 どちらでもない 19 22 32 18 20 まずい 6 4 16 7 3 評価煮物、野菜炒め、燻製、佃煮の評価は高く、サラダの評価は低かった。調査 2 回答３東京住民が持つ野菜パパイヤの商品に対する値ごろ感と販売価格煮物用野菜炒め用サラダ用角切り千切り千切り燻製 (200 g) (250 g) (80 g) (20 g) 佃煮 (250 g) 東京住民の値ごろ感 (¥) 302 190 171 248 275 販売価格(¥) 250 250 200 150 500 東京住民の商品に対する値ごろ感は、石垣島で売られている実際の価格と比較して、それぞれ、燻製を1.7倍、煮物用を1.2倍、サラダ用を0.9倍、野菜炒め用を0.8倍、佃煮を0.6倍と評価した。調査 2 回答４野菜パパイヤを日常的に食べたいと考える東京住民の割合７５％東京住民は野菜パパイヤに興味を持っている。調査 2 回答５燻製に対する好ましいキャッチフレーズ (選択式) 順位キャッチフレーズ 1 石垣島産 2 3 4 無農薬パパイン生きている島トウガラシ使用１位は“石垣島産”、２位は“無農薬”であった。結果 • 東京住民は野菜パパイヤをほとんど知らないが、しかし日常的に食べたいと考えていた (回答1、回答4) 。 • 東京住民は、燻製と煮物用角切りの価格を、石垣島での販売価格よりも高く想定した。また試食の結果も好評であった(回答2、回答3)。 • 東京住民は石垣島で生産されている、無農薬のパパイヤに興味を持っていた(回答5)。結論野菜パパイヤは、東京市場で売れる可能性が高い。さらに、原材料の野菜パパイヤが石垣島産や無農薬であれば、さらに売れる可能性が高くなる。商品形体としては、簡単に食べられる燻製と煮物として利用できる角切り野菜パパイヤが有望である。