ダウンロード - 七里ヶ丘こども若者支援研究所

連載すぐそこにあること16
しんますひでひろ
「こども若者応援団を振り返って今思うこと」新舛秀浩
2015 年4月 1 日
3月4日こども若者応援団のメンバーで夜、食事をとりながら、今後、独立組織となる
「こども若者応援団」(以下応援団)について話し合った。
話合い以前に、34 歳にして居酒屋に行くことは初めてだったのでずいぶん緊張していた。
好き嫌いが多いし、胃腸が弱い僕は何を注文したらいいのか、緊張のあまり食べられなか
ったらどうしようなどなど、もやもやと考えていた。
結果的には無難にウーロン茶と寒いのに冷奴を注文しなんとかその場で話し合いができ、
またしても杞憂に終わった。僕自身一つの経験として良かったと思うし、大袈裟だけど財産
になった。それに僕自身「応援団」で何がしたいのか、話し合っていく中で少しは明確にな
った。
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もともと、「応援団」はアンガージュマンを利用者として訪れた際に滝田さんとの出会いが
あり、そこで滝田さんが自宅で事業を始めるから僕になにかしてほしいとの嬉しい言葉があ
り、すぐさま会員になり滝田さんご自宅の「七里ヶ丘こども若者支援研究所」に伺い当初は
利用者として面談がスタートした。第1回「こども若者応援団」はその自宅で始まり僕は体
調を考慮し参加はしなかった。2回目から現在活動している横須賀市市民活動サポート
センターで「応援団」の定例会が行われるようになった。最初はもちろん滝田さん以外に誰
も面識がないので物凄く緊張したし、2時間の定例会に体調が持ちこたえられるだろうか。
また何を話したらいいのかさっぱりわからなかったけど、滝田さんがずいぶん立てて下さった
ので、お調子者の僕は自身の状態、状況をありのままに話すことができた。
当初、参加者は僕だけ若く、あとは僕の親の世代の方々だった。中心の議題は決まって
「ひきこもり」だったことを今思い出す。そんな感じで毎月定例会を行い最初の講演会はひ
きこもり当事者であった岡本圭太さんの、「ひきこもりからの生きなおし」が行われ全く慣れな
いのに最後の言葉を述べたのを懐かしく思う。その後は篠原さんを招きいじめ、学校教育を
テーマに講演会を開き、またしても最後の言葉を述べ、直近では昨年9月、子育てを中心
に交流イベントを行った。
「応援団」に入ったきっかけは、端的に言えば僕にとって憧れの滝田さんと一緒なら内
容は何でも良かった。その後は「ひきこもり&精神疾患」の当事者として何を思うか、何を困
(裏面に続く)
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(1 面より)
ってるのかを皆さんと共有、発信する。その過程でこのような形で書く場を与えてもらった。な
ので、僕にとって「ひきこもり&精神疾患」は大きな課題でもあり中心となるテーマだと考え
ている。
それが最近、子育てとなると、ずいぶん僕自身の課題とかけ離れているなという感覚が
あった。また研修会も最近2度(先月で計3回)ほど行ったがいわゆるひきこもりが中心では
なかった。別にこれが良い、悪いということではなく。多様な課題にアプローチをし、こども
若者についてどんなことが問題で私たち応援団が何かきっかけを作るという面では良かっ
たと思う。
冒頭に書いた居酒屋での会議の前日、一応僕なりに「応援団」の理念、ビジョンを考え
てみた。そして居酒屋では、応援団がプラットフォームになり子育てや不登校、引きこもり等
について、何か架け橋のような在り方が良いのではという意見があったので、一つの分野
に特化することなくやっていこう。そういう意見がある一方で何でもやると事業が散漫になり
結局なにも出来ないとうい意見もあった。
やはりなぜ僕がこの応援団に参加しているのかという原点に立って考えると、僕と同様の
生きづらさを抱えた人々に対しての何かお役にたてればという思いである。
特に「ひきこもり」の高齢化は大問題で当事者が高齢になれば当然親も歳をとり収入が
減るし焦りも増えていく。その後の親が亡くなった時の問題。就労をしていない、出来ない
当事者はどうすればいいのか。これは大きな問題だと思う。誤解を恐れずに言えば小・中
学校に行けない不登校の生徒達よりブランクの期間が長いひきこもりのほうが社会復帰
するのが難しいのではないかと僕は思う。
多くの人が10代、20代に経験してきたことが全くないので、他人から見たら、サクッと居
酒屋に行く「それくらいのこと」でもかなり苦労する。このような経験不足は多くのひきこもりと
言われている人々が悩んでるのではないだろうか。
在宅ワークもいまのネット環境なら少なからずあるが、僕はまだまだ多くの人の選択肢よ
り限られた範囲だと思う。
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こうした問題をぜひ応援団で再び問題提起し、解決しなくても、多くのひきもこりの人々は
怠けているのではなく普通に働いているあなたと同じ、またそれ以上に悩みがあることを多く
の人に知ってもらいたい。そうした先に何か突破口、選択肢の拡大、ひきこもりや精神疾患
に対する理解が深まり、生きやすい社会になればと思ってる。負け惜しみのように聞こえる
かもしれないが、せっかくこのような状態になったのだからそれを活かし、発信する。これを使
命と思い今後応援団で活動してゆきます。
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