司法福祉論 第2回 仮釈放・仮退院と保護観察

西 南 学 院 大 学 人 間 科 学 部 社 会 福 祉 学 科 司 法 福 祉 論 FF oo rr ee nn ss ii cc SS oo cc ii aa ll SS ee rr vv ii cc ee ss 第 2 回 仮 釈 放 ・ 仮 退 院 と 保 護 観 察 FFoorreennssiicc SSoocciiaall SSeerrvviicceess // 22001155
ビデオ視聴
心のリレー 第1部 『僕は変わりたい!』
心のリレー 第2部 『保護観察官の仕事』
心 の リ レ ー 第 3 部 『 あ� な た も 更 生 保 護 サ ポ ー タ ー に ! 』
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仮 釈 放 等 (広義の仮釈放)
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仮釈放等の意義と目的
国の刑事政策として,刑務所等の矯正施設に収容さ
れている者を収容期間満了前に仮に釈放して更生の
機会を与え,その円滑な社会復帰を図ることを目的
とした制度
松本勝/編著『更生保護入門[第3版]』(成文堂,2012)38頁
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仮釈放等の類型
名称
対象者
保護
要件
観察
① 有期刑は刑期の1/3,無期刑は10年を経過していること
② 1 悔悟の情
11
仮釈放
懲役又は禁錮の
受刑者
② 2 改善更生の意欲
有
② 3 再犯のおそれがないこと
② 4 保護観察相当性
② 5 社会の感情がこれを是認すると認められないときは不許可
22
仮出場
拘留受刑者
心身の状況,収容・留置の期間,社会の感情その他の事情を考慮
労役留置者
して相当と認める場合
無
処遇の最高段階に達し,仮に退院させることが改善更生のために
33
仮退院
少年院の
在院者
相当であ�ると認められるとき,その他仮に退院させることが特に
必要であ�ると認められるとき(=処遇の最高段階に達していない
有
場合において,その努力により成績が向上し,保護観察に付する
ことが改善更生のために特に必要であ�ると認めるとき)
44
仮退院
婦人補導院の
在院者
①補導の成績が良好
②保護観察相当性
有
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仮 釈 放 (狭義の仮釈放)
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仮釈放の要件:根拠条文
【刑法28条】
懲役又は禁錮に処せられた者に改悛の状があ�るときは,有期刑については
その刑期の3分の1を,無期刑については10年を経過した後,行政官庁の
処分によって仮に釈放することができる。
【社会内処遇規則28条】
法第39条第1項に規定する仮釈放を許す処分は,懲役又は禁錮の刑の執
行のため刑事施設又は少年院に収容されている者について,悔悟の情及び改
善更生の意欲があ�り,再び犯罪をするおそれがなく,かつ,保護観察に付す
ることが改善更生のために相当であ�ると認めるときにするものとする。ただ
し,社会の感情がこれを是認すると認められないときは,この限りでない。
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仮釈放の要件:許可基準の解釈
要件
解釈
犯罪による被害の実情及び犯罪に至った自己の問題性を正しく認識し,悔いる
11
悔悟の情及び改善更生の
意欲があ�ること
気持ちが認められること(悔悟の情)。被害者等へどのように償うべきかを正
しく認識し,償いをする気持ちがあ�ること。そのうえで,再び犯罪をしないた
めにどのような生活を送るべきかを正しく認識し,過去の生活を改め健全な生
活を送る気持ちが認められること(改善更生の意欲)。
22
再び犯罪をするおそれが
仮釈放中の再犯と仮釈放期間経過後の再犯のいずれを指すのかは明らかでない
ないこと
が,実務上は仮釈放中に再犯のおそれがないこととして運用されている。
保護観察に付することが
33
改善更生のために相当で
あ�ると認められること
44
矯正施設において予定されている処遇の内容,効果のほか,面接における審理
対象者の悔悟を表す発言,申告票の内容からの判断,矯正教育の成績,矯正施
設における生活態度(規範行為,規律違反の有無),釈放後の生活環境,生活
計画などが考慮される。
社会の感情が仮釈放を是
被害者等の感情,収容期間,仮釈放を許すかどうかに関する関係人,地域社会
認すると認められること
の住民感情,裁判官,検察官のほか,上記3記載の事情などが考慮される。
松本勝/編著『更生保護入門[第3版]』(成文堂,2012)44頁
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仮釈放の手続:手続機関
地方更生保護委員会(地方委員会)
全国8か所に設置
3人以上15人以下の委員で組織
仮釈放許可,仮退院許可等の決定は合議体で行う
(更生保護法16〜27条)
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仮釈放の手続:手続の流れ
身上関係事項の通知 (社会内処遇規則7条1項) ⇩
生活環境の調整 (更生保護法82条,社会内処遇規則111条以下)
⇩
法定期間経過の通告 (更生保護法33条,社会内処遇規則8条) ⇩ 仮釈放の申出 (更生保護法34条,社会内処遇規則12条以下) ⇩ 合議体による審理,調査等 (更生保護法24,25,37,38条)
(社会内処遇規則17条以下) ⇩ 仮釈放を許す処分 (更生保護法39条) ⇩ 保護観察 (更生保護法40条)
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仮釈放の手続:調査事項
① 犯罪又は非行の内容,動機及び原因
並びにこれらについての審理対象者の認識及び心情
② 共犯者の状況
③ 被害者等の状況
④ 審理対象者の性格,経歴,心身の状況,家庭環境及び交友関係
⑤ 矯正施設における処遇の経過及び審理対象者の生活態度
⑥ 帰住予定地の生活環境
⑦ 審理対象者に係る引受人の状況
⑧ 釈放後の生活の計画
⑨ その他審理のために必要な事項
(社会内処遇規則18条)
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仮釈放の手続:面接
原則としてすべての審理対象者について面接を実施する。
(例外)
重い疾病・傷害により面接を行うことが困難であ�ると認められるとき
社会内処遇規則21条各号所定の事由があ�るとき
(更生保護法37条1項ただし書,社会内処遇規則21条)
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仮釈放の手続:被害者への配慮
① 被害者
② 被害者の法定代理人
対象者
③ 被害者が死亡した場合又は被害者の心身に重大な故障があ�る場合の配偶者,
直系親族又は兄弟姉妹
① 仮釈放に関する意見
聴取内容
② 被害に関する心情
① 地方委員会委員による聴取
聴取方法
② 被害者等による書面の提出
③ 保護観察官による録取
被害者等の申出。ただし,事件の性質,審理の状況その他の事情を考慮して相当で
実施要件
ないと認める場合は聴取を実施しないことがあ�る。
(更生保護法38条,社会内処遇規則24条以下)
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運用状況:仮釈放率の推移
仮釈放率の推移
9900%%
S24
79.73%
8800%%
7700%%
H25
55.11%
6600%%
5500%%
SS2244 2277
H22
49.14%
3300
3333
3366
3399
4422
4455
4488
5511
5544
5577
6600
6633
HH33
66
99
1122
1155
1188
2211
2244
*矯正統計年報(2012)参照。
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運用状況:刑の執行率
定期刑の仮釈放許可決定人員の刑の執行率
2299..11%%
2200..11%%
3311..44%%
3399..77%%
3355..11%%
3344..77%%
4477..66%%
4400..33%%
3333..11%%
2266..44%%
1177..66%%
1199..77%%
22..44%%
99..88%%
1111..77%%
SS5577
HH44
HH1144
-- 7700%%
7700 -- 8800%%
8800 -- 9900%%
11..33%%
HH2255
9900%% --
*保護統計年報参照
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運用状況:刑の執行率
有期刑の仮釈放許可決定人員の刑の執行率(刑期別,22001133)
1100yy --
33 -- 1100yy
33..33%%
00..88%%
1133..66%%
22 -- 33yy
11..22%%
11 --22yy
11..88%%
-- 11yy
3300..00%%
6666..77%%
4400..77%%
2200..22%%
4455..00%%
4488..55%%
2255..44%%
11..33%%1133..11%%
3300..22%%
5511..00%%
2211..99%%
5533..11%%
-- 7700%%
7700 -- 8800%%
3322..55%%
8800 -- 9900%%
9900%% --
*保護統計年報参照
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運用状況:無期受刑者
無期刑仮釈放許可人員の推移
total
18 - 20y
20 - 25y
3
25 - 30y
30 - 35y
H11
9
5
1
12
6
5
1
13
14
1
7
5
14
4
1
3
15
13
10
3
16
8
2
5
17
3
2
18
4
1
19
0
20
35y -
1
1
1
2
1
4
2
2
21
6
3
2
1
22
7
2
2
3
23
6
5
1
24
4
4
25
8
8
*平成26年版犯罪白書参照。
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仮退院
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仮退院の要件:根拠条文
【更生保護法41条】
地方委員会は,保護処分の執行のため少年院に収容されている者について,
処遇の最高段階に達し,仮に退院させることが改善更生のために相当であ�る
と認めるとき,その他仮に退院させることが改善更生のために特に必要であ�
ると認めるときは,決定をもって,仮退院を許すものとする。
【社会内処遇規則30条】
法第41条に規定する仮に退院させることが改善更生のために特に必要で
あ�ると認めるときとは,保護処分の執行のため少年院に収容されている者が
処遇の最高段階に達していない場合において,その努力により成績が向上し,
保護観察に付することが改善更生のために特に必要であ�ると認めるときとす
る。
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仮退院の要件:処遇の最高段階
少年院における処遇
(少年院処遇規則25条) 3級 ⇦ 2級下 ⇨ 2級上 ⇨ 1級下 ⇨ 1級上
*新たに入院した者は2級下に編入されるが,成績が悪くなったときは3級に下げられる(少年院処遇
規則26条)。
*昇進及び降下は在院者の平素の成績を月1回以上の頻度で審査して定めるものとされ(少年院処遇規
則29条),平素の成績は,①学業の勉否及びその成績,②職業補導における勉否及びその成績,③
操行の良否,④責任観念及び意志の強弱の各項目に対する評価を総合して定められる(少年院処遇規
則30条)。
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仮退院の手続
仮釈放と同様
(更生保護法42条,少年院法12条2項)
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仮退院の運用状況
少年院仮退院審理開始・許可等人員
1100,,000000
330000
225500
88,,000000
220000
66,,000000
H25
3,387
115500
44,,000000
110000
22,,000000
5500
SS2244 2277
3300
3333
3366
3399
4422
4455
許可
4488
5511
5544
5577
6600
6633 HH33
66
99
1122
1155
1188
2211
2244
不許可
*平成26年版犯罪白書参照。
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保護観察
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保護観察の意義と目的
【更生保護法49条】
1 保護観察は,保護観察対象者の改善更生を図ることを目的として,第5
7条に規定する指導監督及び第58条に規定する補導援護を行うことによ
り実施するものとする。
2 保護観察処分少年又は少年院仮退院者に対する保護観察は,保護処分の
趣旨を踏まえ,その者の健全な育成を期して実施しなければならない。
【新・社会福祉士養成講座20 更生保護制度[第3版]】
保護観察は,更生保護制度の主軸ともいえるもので,国が犯罪をした者お
よび非行のあ�る少年に対し,通常の社会生活を営ませながら,遵守事項とい
う一定の条件を課したうえで,これが守られるように継続的かつ個別的な処
遇を行い,その再犯防止と改善更生を図ろうとするものであ�る。
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保護観察の類型
類型
対象者
根拠法令
保護観察期間
開始人員
(平成25年)
1号観察
2号観察
3号観察
4号観察
5号観察
保護観察
少年法
処分少年
24条1項1号
少年院
更生保護法
仮退院者
42条,40条
仮釈放者
更生保護法40条
保護観察付
刑法25条の2
執行猶予者
第1項
婦人補導院
売春防止法
補導処分 (6か月間) の
仮退院者
26条1項
残期間満了まで
20歳に達するまで
*18歳以上の少年については2年
仮退院期間が満了する日まで
*仮退院期間は原則20歳まで
残刑期間満了まで
2200,,881111
33,,442288
1144,,662233
執行猶予期間満了まで
33,,225555
00
*無期刑仮釈放者に対する3号観察の期間は,恩赦によらない限り,終身。
*少年の仮釈放者に対する3号観察の期間については,少年法59条を参照。
*5号観察は,昭和59年から平成23年まで0人が続いていたが,平成24年は2人だった。
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1号観察の種類
類型
対象者
一 般
保護観察
解除の目安
実施方法
11yy
開始人員
(平成25年)
77,,993399
短 期
保護観察
非行性の進度がそれほど深くな
いなどの理由で,家庭裁判所か
ら短期保護観察に付すべき旨の
処遇勧告を受けた少年
66--77mm
特別遵守事項は設定
されない。
ワークブックを使っ
て課題に取り組む。
22,,999955
交 通
保護観察
交通事件により保護観察に付さ
れた少年
66mm
交通に関する生活行
動指針を設定。集団
処遇も併用する。
22,,555500
交通短期
保護観察
一般非行性,交通関係の非行性
進度が深くないなどの理由で,
家庭裁判所から交通短期保護観
察に付すべき旨の処遇勧告を受
けた少年
33--44mm
保護司を指名せず,
集団処遇を行う。
77,,332277
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保護観察の諸原則
・個別処遇の原則 (更生保護法3条) ・ 厳格な姿勢と慈愛の精神 (社会内処遇規則3条)
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保護観察の実施方法
指導監督と補導援護
(更生保護法49条1項)
権力的側面と福祉的側面
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指 導 監 督 (更生保護法57条)
① 面接その他の適当な方法により保護観察対象者と接触を保ち,その行状
を把握すること。
② 保護観察対象者が一般遵守事項及び特別遵守事項を遵守し,並びに生活
行動指針に即して生活し,及び行動するよう,必要な指示その他の措置を
とること。
③ 特定の犯罪的傾向を改善するための専門的処遇を実施すること。
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補 導 援 護 (更生保護法58条)
① 適切な住居その他の宿泊場所を得ること及び当該宿泊場所に帰住するこ
とを助�けること。
② 医療及び療養を受けることを助�けること。
③ 職業を補導し,及び就職を助�けること。
④ 教養訓練の手段を得ることを助�けること。
⑤ 生活環境を改善し,及び調整すること。
⑥ 社会生活に適応させるために必要な生活指導を行うこと。
⑦ 前各号に掲げるもののほか,保護観察対象者が健全な社会生活を営むた
めに必要な助�言その他の措置をとること。
▶「保護観察対象者が自立した生活を営むことができるようにするため,その
自助�の責任を踏まえつつ,・・・行う」(58条柱書)
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保護観察の実施機関
保護観察官又は保護司 (更生保護法61条1項) 保護司=保護観察官が十分でないところを「補う」
(更生保護法32条)
*実際には,保護観察官の手が届かない部分を保護司が独自に
スキルを発揮して実施する「恊働態勢」がとられている。
*権力的措置は専ら保護観察官が行う。
更生保護施設等への委託も可能 (更生保護法61条2項)
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遵守事項と生活行動指針
一般遵守事項
すべての対象者が遵守を義務づけられる事項。
違反したときは不良措置の理由となる。
特別遵守事項
対象者ごとに必要に応じて設定される。
違反したときは不良措置の理由となる。
生活行動指針
指針に即した生活・行動をすることが努力義務とされる。
違反しても不良措置の理由とはならない。
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一 般 遵 守 事 項 (更生保護法50条)
① 再び犯罪をすることがないよう,又は非行をなくすよう健全な生活態度を保持
すること。
② 次に掲げる事項を守り,保護観察官及び保護司による指導監督を誠実に受ける
こと。
イ 保護観察官又は保護司の呼出し又は訪問を受けたときは,これに応じ,面接
を受けること。
ロ 保護観察官又は保護司から,労働又は通学の状況,収入又は支出の状況,家
庭環境,交友関係その他の生活の実態を示す事実であ�って指導監督を行うため
把握すべきものを明らかにするよう求められたときは,これに応じ,その事実
を申告し,又はこれに関する資料を提示すること。
③ 保護観察に付されたときは,速やかに,住居を定め,その地を管轄する保護観
察所の長にその届出をすること。
④ 前号の届出に係る住居に居住すること。
⑤ 転居又は7日以上の旅行をするときは,あ�らかじめ,保護観察所の長の許可を
受けること。
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特 別 遵 守 事 項 (更生保護法51条2項)
① 犯罪性のあ�る者との交際,いかがわしい場所への出入り,遊興による浪費,過度の飲酒その他の犯罪又は
非行に結び付くおそれのあ�る特定の行動をしてはならないこと。
② 労働に従事すること,通学することその他の再び犯罪をすることがなく又は非行のない健全な生活態度を
保持するために必要と認められる特定の行動を実行し,又は継続すること。
③ 7日未満の旅行,離職,身分関係の異動その他の指導監督を行うため事前に把握しておくことが特に重要
と認められる生活上又は身分上の特定の事項について,緊急の場合を除き,あ�らかじめ,保護観察官又は保
護司に申告すること。
④ 医学,心理学,教育学,社会学その他の専門的知識に基づく特定の犯罪的傾向を改善するための体系化さ
れた手順による処遇として法務大臣が定めるものを受けること。
⑤ 法務大臣が指定する施設,保護観察対象者を監護すべき者の居宅その他の改善更生のために適当と認めら
れる特定の場所であ�って,宿泊の用に供されるものに一定の期間宿泊して指導監督 受けること。
⑥ 善良な社会の一員としての意識の涵養及び規範意識の向上に資する地域社会の利益の増進に寄与する社会
的活動を一定の時間行うこと。
⑦ その他指導監督を行うため特に必要な事項
▶列挙された事項そのものが特別遵守事項となるのではなく,対象者の改善更生のために特に必要と認められ
る範囲内において,更にこれを具体化したうえで設定される。
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特別遵守事項の具体例
① 共犯者との交際を断ち,一切接触しないこと。
パチンコ店やスロット店に出入りしないこと。
② 就職活動を行い,又は仕事をすること。深夜に無断外出しないこと。
③ 3泊以上の外泊をするときは,緊急の場合を除き,あ�らかじめ,保護観察官又
は保護司に申告すること。
④ 暴力防止プログラムを受けること。性犯罪者処遇プログラムを受けること。
⑤ **就業支援センターの規則で禁じられた飲酒,粗暴行為及び無断外泊をしな
いこと。職業訓練を受講すること。
⑥ 特別養護老人ホームにおいて3日間の清掃活動を行うこと。
⑦ 被害者の身辺につきまとわないこと
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生 活 行 動 指 針 (更生保護法56条)
・保護観察のケースワーク的側面を具体化する指針。
・「規則正しい生活をすること」,「浪費せず堅実な生活に努めること」,
「何事も家族とよく相談すること」,「交通法規をよく守ること」,
「被害者への謝罪,被害弁償に努めること」など。
・指針に即した生活・行動が努力義務とされている (更生保護法56条3項) が,
遵守事項と異なり,違反しても不良措置の理由となることはない。
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良好措置と不良措置
類型
1号観察
保護観察処分少年
2号観察
少年院仮退院者
良好措置
解除 (法69,規82) 一時解除 (法70,規83)
退院 (法74,規89)
不良措置
警告 (法67Ⅰ,規77) 施設送致申請 (法67Ⅱ,規79) 虞犯通告 (法68,規81)
戻し収容 (法71,規85)
停止 (法77,規97) 3号観察
仮釈放者
不定期刑終了 (法78,規98)
仮釈放取消申出
(刑法29,法75)
仮解除取消し
4号観察
保護観察付執行猶予者
仮解除
(刑法25の2Ⅱ,法81,規103)
(法81Ⅴ,規105Ⅱ) 執行猶予の取消申出
(刑法26の2②,法79,規100)
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段階別処遇
段階
対象者
長期刑仮釈放者及び凶悪重大事件を起こした少年並び
S
に社会の耳目を集めた事件,被害者等の感情に特に配
慮すべき事件その他の事件であ�って保護局長の指定し
たものの保護観察対象者
処遇の内容
長期刑仮釈放者,凶悪重大な事件を起こした
少年の処遇について定めた各通達の内容によ
る。保護局長の指定した保護観察事件の保護
観察対象者については,その都度,処遇の内
容を指定する。
保護司による面接を毎月3回程度(うち1回
A
処遇が著しく困難であ�
S段階に編入されない保護
ると認められる者
観察対象者のうち,犯罪又
あ�る行動をする可能性及び
C
も3か月に1回とする。主任官と保護司の連
携を密にし,毎月電話その他の方法で処遇に
ついて協議する。
は非行に結びつくおそれの
B
は往訪)とし,主任官による面接を少なくと
改善更生に係る状態の変化
処遇が困難であ�ると認
を考慮して,
められる者
保護司による面接を毎月2回程度(3か月に
1回は往訪)とし,主任官による面接を少な
くとも6か月に1回とする。
処遇が困難ではないと
保護司による面接を毎月2回程度とし,往訪
認められる者
は必要と認める場合に実施する。
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類型別処遇
区分
保護観察
処分少年
少年院
仮退院者
仮釈放者
保護観察付
執行猶予者
シンナー等
覚せい剤
問題
暴力団
乱用
事犯
飲酒
関係
暴走族
性犯罪 精神障害
等
等
高齢 中学生
校内
暴力
家庭内暴力
無職等
ギャンブル
児童
配偶者
一般
虐待
等依存
暴力
6622
4499
222277
2255
883333
552277
447777
--
11,,339966
227722
11,,444488
115555
22
3377
5544
6622
110000
6600
2200
554477
227777
334422
--
9999
5511
11,,224411
7722
33
55
5533
2288
11,,661144 550088
9999
44
331111
337733
444477
--
--
11,,664455
3344
1111
1144
555533
6677
11,,446633 11,,221111
117788
2233
11,,222266
11,,117788
558822
--
--
11,,992299
331133
7722
114422
557777
*平成26年版犯罪白書参照。
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専門的処遇プログラム
認知行動療法(CBT)に基づくプログラム。
特別遵守事項として受講が義務付けられることがあ�る (更生保護法51条2項4号) 。
▶特別遵守事項に設定された場合は,受講を拒否すれば不良措置の理由となる。
種類
プログラムの概要
性犯罪者
「我慢できないから仕方がない。」といった認知の歪みを変容させ,抑止の
処遇プログラム
具体的方法を行動計画として考えさせる。
覚せい剤事犯者
簡易薬物検査(簡易試薬による尿検査又は唾液検査)と組み合わせて実施。
処遇プログラム
自発的意思に基づく実施も多い(平成25年は8712件)。
暴力防止
プログラム
飲酒運転防止
プログラム
保護観察官と定期的(2週間に1回程度)に面会。計5回。
基本的な枠組みは他と同様。
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専門的処遇プログラム
専門的処遇プログラムによる処遇の開始人員(仮釈放者)
11,,220000
覚せい剤
968
11,,000000 947
926
928
880000
660000
977
性犯罪
618
597
440000
飲酒運転
防止
暴力防止
220000 149
162
552
542
298
277
152
562
193
244
191
HH2244
HH2255
32
HH2211
HH2222
HH2233
*平成26年版犯罪白書参照。
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専門的処遇プログラム
専門的処遇プログラムによる処遇の開始人員(保護観察付執行猶予者)
550000
覚せい剤
419
418
403
440000
性犯罪
338
330000 295
220000
110000
292
298
340
291
飲酒運転
防止
暴力防止
100
390
112
126
107
121
96
117
110
HH2233
HH2244
HH2255
38
HH2211
HH2222
*平成26年版犯罪白書参照。
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