卒業生の言葉 慶應義塾で得たこと、社会に出て思うこと それぞれの志を胸に、慶應義塾大学に入学。現在は、社会の第一線で活躍する3 人の先輩たち。 3 人はどのような学びに取り組み、 どのような学生生活を送ってきたのか。 その中でどのようなことを身につけ、仕事のフィールドへと羽ばたいていったのか。 自らの歩みを振り返る言葉が、みなさんの決意を新たにするサポートになればうれしく思います。 126 故 郷の復 興に携わりたいと 強く思い選んだ仕事 1 つの喜びは 100 の苦しみを帳消しにしてくれる 私は 「発達心理学」に興味があり、その分野を積極的に学び、 私は大学 3 年の時の授業で抱いた興味がきっかけとなり、研究 卒業論文は 「ピーターパン症候群」をテーマにしました。やり 室では 「がん細胞におけるシグナル解析と、 そのシグナルを阻害 たかった研究ができたので、大きな達成感がありました。 また、 する小分子化合物の探索」 に取り組みました。一方で、多様な 上京したからには東京でしかできないことをしようと考え、3 年 価値観に触れるために、沖縄で農業を手伝いながら地元の人 と4 年の時に伊豆大島の観光大使、パラオの親善大使をして たちと触れ合ったり、短期留学で語学力やチャレンジ精神を磨 いました。責任ある仕事を通し、社会の一員としての自分を意識 くなどの経験をしました。研究を通して、がん疾患で苦しむ人々 できるようになり、“ 観光 ”という目に見えない商品をPR する に“ 創薬 ” で貢献したいという想いが強まり、現在は製薬会社 ことで、営業力や表現力も鍛えられたと思います。現在は、損害 でがんの治療薬として有効な化合物を探し、その薬理作用を 保険会社で営業をしています。就職活動の真っただ中に東日 評価する研究をしています。 そこには常に“謎”が立ちはだかり、 本大震災が起こり、宮城へのUターンを決意しました。傷つい なかなか解明できない難しさもありますが、道がひらけたという た故郷を目の当たりにし、自分 1 つの喜びは 100 の苦しみを も復興に携わりたいと強く思い 帳消しにしてくれます。就職活 選んだ道です。 「 全国慶應学生 動では、研究で身につけた論 会連盟東北会」 という県人会 理的思考やプレゼンテーショ に所属していたので、東北出身 ンスキル、向上心や熱意のみな の先 輩も相 談に乗ってくださ らず、沖縄滞在や留学で培っ いました。 「社中の絆」 は、胸を張って言える慶應義塾の良さだと た、多角的かつ客観的な視点で考える力が役に立ちました。社 思います。卒業してからも年齢や職業を問わず、塾員同士すぐに 会に出て、慶應義塾についてあらためて感じるのは、 目的意識を 打ち解け合うことができます。私は、先輩方の話や活躍に刺激 しっかりと持った人が集まっているということです。私は今でも、 され、将来は起業したいという夢を抱くようになりました。 大学で出会った友人たちからたくさんの刺激をもらっています。 小野 愛 濱中 奈月 東京海上日動火災保険株式会社 勤務 2012 年 文学部 人文社会学科 教育学専攻 卒業 中外製薬株式会社 勤務 2007 年 理工学部 生命情報学科 卒業 2009 年 理工学研究科 基礎理工学専攻 修了 慶應義塾では、在学生を「塾生」、 つながりを卒業後も大切にしています。 塾員招 待 会 義塾では毎年、卒業後 25 年目の塾員を卒業式に、卒 り、慶應義塾大学を卒業した人は、人生で二度、入学 式と卒業式の感動を味わえるのです。 さらに、卒業後 51 年以上の塾員を対象とした塾員招待会も開催して います。 これら3 つの招待会には多くの塾員の方々が、 学 費・奨 学 金ほか 業後 50 年目の塾員を入学式に招待しています。つま キャンパスカレンダー 卒業生を「塾員」 と呼び、人と人の 幅広い学びのサポート 卒 業 後も続いていく絆 想い出のキャンパスに集い旧交を温めています。 クラブ・サ ークル 三田会 http://www.rengo-mitakai.keio.ac.jp/ 国際交流 どんなことも本気でやればやるほど 面白くなっていく 私は、学問領域に捉われることなく学びたいと考え、SFCの総合 究テーマがたくさん転がっていて、“ 学び”を楽しめる環境があり ます。所属していた体育会バスケットボール部では、 日本一を目指 慶應連合三田会大会 「三田会」は、塾員有志が自発的に集い運営している し日々練習に取り組んでいまし 団体です。塾員同士の強い絆を象徴する慶應義塾な たが、 「文武両道」 の精神のもと、 らではの同窓組織といえるでしょう。卒業年による 「年 ました。SFCで学んだ、“自ら課 三田会」、クラブ・サークル、研究会(ゼミ) などの単位 題を発見し、最適な解を導き出 で集う 「諸会」があり、それぞれ活発に活動をしていま す思考プロセス”は、仕事をして す。 また、毎年秋に開催される 「慶應連合三田会大会」 いく上での大きな土台になっています。今は広告会社で働いてい では、塾員やそのご家族、塾生、地域の方々が約 2 万 ますが、広告の仕事に決められたやり方はなく、正解もありませ 人集い、講演会やシンポジウム、コンサートのほか、 いく、そんな仕事です。 どんなことも、本気でやればやるほど面白く 画されていて、賑やかな 1 日となります。大会の運営は なっていくと思っています。 ぜひ、頭の中に大きな夢を描いてみてく 卒 業 後 10、20、30、40 年目の 有 志 が 担当します。 ださい。 そうすれば、いま目の前にどんなつまらないことがあっても 大会準備の過程で、同期との再会もあり、先輩・後輩 楽しめると思います。大学は、 高校時代に想像していたより面白い との交流・親睦の中で「塾員の輪」が広がります。 ています。 いつか一緒に仕事ができる日を楽しみにしています。 咸 敏誠 株式会社博報堂 勤務 2012 年 総合政策学部 総合政策学科 卒業 塾員 (卒業生) ホームページ http://www2.jukuin.keio.ac.jp/index.html 卒業後も塾員同士、あるいは塾員と義塾が強い絆を持 キャンパス紹 介 し、社会人は大学時代に想像していたよりずっと面白いですよ。 大学院 ん。常に自分で考え、“ 想い”を仕事に乗せて世の中を動かして 「福引抽選会」など盛りだくさんのアトラクションが企 Play Hard, Play Smart, Play Together, Have Fun. 応援し 卒 業 生の言 葉 度三田会」のほか、 「 地域三田会」、 「 勤務先・職種別 「考える力」 は常に求められてい 就 職・進 路 政策学部を志望しました。SFCには知的好奇心くすぐられる研 ち続けられるよう専用ホームページを設けています。 127
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