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厚生労働省
塩崎恭久厚生労働大臣
平成 27 年 5 月 26 日
拝啓、突然のお便りで失礼いたします。
現在、世界中に 4 億人近い糖尿病有病者がいる中で、爆発的な増加は個人の健康を脅かすのみならず、
持続可能な発展および経済成長に対する大きな障壁となりうるのです。現在、アメリカドルにして
6120 億、もしくは全世界の医療費の 11 %が糖尿病およびその合併症への対応に費やされています。
第 41 回先進国首脳会議がまもなく開催される今こそ、各国の指導者が明確かつ迅速な行動を起こし
糖尿病の増加を防ぐよう呼びかける絶好の機会なのです。糖尿病に対する有効な対策が施されなけれ
ば、2035 年には有病者数は 6 億人近くまで増加するとみられています。
国際糖尿病連合 (IDF) 、糖尿病を抱える世界各地の人々の声、および糖尿病患者擁護者の声によれば、
糖尿病に関連した医療費は 2014 年には先進国 7 ヵ国では 4140 億アメリカドルにも達し、全世界にお
ける糖尿病関連医療費の 68 %を占めています。膨大な糖尿病関連の医療費の原因と考えられるのが、
発見の遅れ、および腎不全、失明、下肢切断といった高額な合併症の発症です。
日本の場合、700 万人もしくは成人人口の 8% にあたる人々が糖尿病を患っており、2014 年には 350
億アメリカドルの医療費を国が負担しています。西太平洋地域においては、二番目に高額な糖尿病関
連の医療費です。
しかしながら、国際糖尿病連合によれば、健康的な生活習慣を取り入れることにより、世界中の 2 型
糖尿病症例の 70% 以上が予防可能であり、2035 年までに新しく発症するであろう 1 億 5000 万相当の
糖尿病症例を予防することができるのです。この予防策を進めるためには、世界各国が協力して重要
な行動を取る必要があります。
国際糖尿病連合とともに、我々は日本政府に対して、以下の事柄を保証して国民および自国経済 の
持続的発展を守るために行動することを、公に支援および公言するのみならず、行動に移していただ
けるようお願いする次第です。
 糖尿病予防のための国策の施行。糖類、脂質、塩分摂取を制限する法律、糖分が高い食品に
対する課税、子供および若者への健康によくない広告の制限は、糖尿病有病者数の増加に対
抗する有効な手段です。
 費用の掛かる合併症の予防においては、早期発見が重要。G7 政府は、より多くの人を対象と
した検診を実施し、糖尿病患者の方々には失明や腎不全および心疾患といった合併症に立ち
向かうための自己管理についての学習を奨励するようにします。
 市民社会を取り込んだ協力的な取り組みが変化の鍵。全国的および地域的な糖尿病関連団体
および患者グループと協力することで、糖尿病と共に生きる人々の声を届け、意見に基づき
行動を起こすことが可能になります。
我々は 6 月 1 日 ~ 12 日まで行われる世界的なソーシャルメディア上のキャンペーンにて国際糖尿病
連合 (@IntDiabetesFed) に参加し、G7 が行動を起こすことの必要性を訴え、世界規模での糖尿病との
戦いに関してオンライン上の影響力ある人々と議論を交わします。我々は日本政府がこのキャンペー
ンにて、「#G7 #diabetes」といったハッシュタグを使用して、政府の声を届けていただけることを強
くお願いいたします。
我々は糖尿病の広まりを防ぎ、日本国民ならびに世界中の人々のために持続的な発展を維持していけ
るよう、国際糖尿病連合が日本政府と連携していくことを支持いたします。
敬具,
Adrian Sanders (エイドリアン・サンダース)
糖尿病対策議員連合 IDF 委員長
グローバルネットワーク
Dr. Petra Wilson
IDF 最高経営責任者