2 0 1 5 年 が 明 る く 活気 あ る 年 と な り ま す よ う に

2014年をふりかえって
2014年の景気に大きな影響を与
えた大きな要因は、なんと言っても消
費増税です。買い控えなど一定の落ち
込みは予想していましたが、夏頃には
景気は改善するとの当初の見込みを阻
止する要因が少しずつ出てきました。
まず第1に円安と石油・原材料価格
の上昇です。建設業、製造業、運送業
などをはじめ、あらゆる業種で原材料
とおる
支店長 若田部 亨 さん
わかたべ
株式会社帝国データバンク姫路支店
2015年が明るく活気ある年と
なりますように
横たわる様々な課題、そして期待と
不安を織りまぜ迎えた2015年です
が、今年の経済展望について㈱帝国
データバンク姫路支店長の若田部亨
さんにお話を伺いました。
価格の上昇が影響しました。2014
年は円安を原因とした倒産が2013
年に比べ2・7倍になっており、その
中でも特に運送業者は %を占めるな
ど非常に厳しい状況でした。
第2の要因は人手不足です。復興需
要や東京オリンピック効果によって、
数年来の不況でクローズアップされな
かった労働力人口の減少が顕在化しま
した。受注を選別している企業がある
一方で、﹁人繰り﹂ができず﹁仕事は
あるが人手不足で受注できない﹂状態
の企業もあり、仕事が滞り倒産すると
いう企業も建設業を中心にあったよう
です。その他、景気回復を予測してい
た夏頃に台風直撃を受けたことなど天
候不順も影響を与えたようですね。
ー東播磨地域はどうだった?ー
東播磨地域は建設業者が比較的多い
地域ですが、アベノミクスや復興需要
で東日本では﹁建設バブル﹂と言われ
る一方で、兵庫県では大雨被害などの
復興予算が主となり、なかなか各地域
の公共事業まで行き届かず、中小零細
企業には厳しい一年だったようです。
突発的に良くなる要因は見あたりま
せんが、個人的には悪化と改善を繰り
返しながら緩やかに改善していくと考
えています。例えば原油価格の下落、
これは製造業・運送業にとって好転要
2015年はどうなる?
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因ではないでしょうか。
しかし、円安の傾向は今後も続くと
予想されており、これを要因とした原
材料価格の上昇は依然として懸念材料
です。いずれにしても人手不足による
人件費上昇や円安、原材料価格の高止
まりが収益環境を左右する懸念はぬぐ
えません。
ー東播磨地域ではどうなる?ー
金融機関の融資姿勢に大きな変化が
ないものとみられることで、全国的に
もそうですが東播磨地域でも、倒産に
関しては引き続き低水準で推移してい
くと予想しています。
東播磨地域は播磨臨海工業地帯を抱
え、これら工業地帯を支える製造業者
ならびにプラントや設備工事業者など
を多く抱えています。原油価格が下落
しており、為替の動き次第では原材料
価格が下がると考えられ、この地域の
一部の製造業・運輸業にとっては好転
材料ですね。しかしながら、前述のよ
うに人件費の上昇は続くものとみられ、
為替にも左右されますが原材料費も高
止まりを見せるようであれば中小企業
にとっては販売価格への転嫁は難しく、
収益的には厳しい環境が続くと考えら
れます。さまざまな要因がありますが、
どうか本年が経済界にとって明るく活
気ある年になることを願って止みませ
ん。