ぐんぎん Business Report

第137号
ぐんぎん Business Report
(平成27年 6月24日)
ぐんぎん経営倶楽部事務局
群馬県前橋市元総社町194
TEL:027-254-7315
今回の「ぐんぎん Business Report」は、(株)タナベ経営作成の「ビジネスニュースレター」をお届けいたします。今回のテーマ
は、「かわいい子には背伸びをさせよ~仕事は「2割増し」ルール~」です。
かわいい子には背伸びをさせよ~仕事は「2割増し」ルール~
「若手に仕事を任せてもらえると思い、この会社を志望しました」。採用面接で口にした志望
動機を後悔させるほどの責任と仕事を与えてみる。当然、無理に背伸びをさせてはならないが、
少し背伸びをさせることだ。本人の能力の範囲内でこなせそうな仕事を100%与えるのではな
く、2割増しの120%の仕事を与える。仕事があぶれてくれば、上司や先輩らがフォローに入
る。失敗しても、会社に与えるリスクが小さいなら、あえて放置して失敗経験をさせる(叱りつ
けてはならない)。ある程度できるようになれば、上司や先輩の仕事を思い切って「丸投げ」し
てみる。実際、積極的に仕事の丸投げを推奨し、仕事への責任感を持たせて人材育成につなげ、
成果を出している企業もある。
若手に背伸びをさせるには、上司や先輩のサポートが欠かせない。そのため逐次、若手に報告
を求めたい。その際は開始・中間・終了と3段階で行わせる。特に中間報告が大事だ。「すべて
の報告は中間報告なり」という格言があるように、「始めます」「終わりました」だけでは、途
中で修正もできない。仕事の成否は、中間地点の打ち手で決まると言っても過言ではない。開始
時の報告に対しては業務遂行に当たっての目的とゴールを、中間報告に対しては具体的な修正点
とヒントを、終了時の報告に対しては労いの言葉と共に反省点を挙げ、次の宿題とする。その間、
上司や先輩は原則、若手の自主的な判断に任せ、相談に来た時のみアドバイスを与える。あくま
で自立性を促し、支援することを心掛ける。
他人に言われるがまま仕事をこなす。それで能力が伸びるなら、これほど楽な話はない。人の
能力は、自発的に考えて工夫する意思がないと、伸びるものではない。そのためにも自問自答を
繰り返すクセを若手に付けさせることだ。「自分はどう思うか」「今のやり方が正しいのか」な
どと、自分と会話をするプロセスが必要である。これを消化という。消化の段階を経ないと、指
示された仕事をするだけのパソコンのキーボードのような人に育ってしまう。若手は他人とのコ
ミュニケーションが苦手といわれるが、実は自分とのコミュニケーションも苦手である。自分と
いう人間と対峙させ、心のうちに潜む答えを探させる機会が必要だ。
三菱電機系のエレクトロニクス商社「菱電商事」(東京・豊島区)は、見知らぬ国で若手社員
に単独行動を経験させる「ディスカバーワークショップ研修」を実施している。若手に自主的・
自立的・積極的に行動するための意識改革が目的だ。具体的には、総合職入社3年目の社員全員
が、それぞれ渡航経験のない国を選定し、事前の渡航先研究を始め、研修テーマや現地での行動
計画を独自で立案。諸手配も自分自身で行い、単身で渡航国に乗り込む。現地では2週間、単独
で行動(企業訪問・学校訪問・市場調査・施設見学など)させている。初年度(13年度)には、
研修参加者15人の研修の様子を1冊の書籍にまとめ、自由な発想力と自立心に対する意識付け
に活用している。
「いつも私は去年の自分が恥ずかしい」。ソーシャルゲーム大手のディー・エヌ・エー創業者、
南場智子氏が自著(『不恰好経営』日本経済新聞出版社)でそう述べている。それだけ大きく、
速く、成長しているということなのだろう。去年の自分を恥ずかしく思うような社員を育てたい
ものだ。
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