Title Author(s) Citation Issue Date URL 円管流の管回転による逆遷移現象 Retransition Phenomenon of the Flow in an Axially Rotating Pipe 今尾, 茂樹 名古屋工業大學學報, 33: 153-159 1982-03-31 http://repo.lib.nitech.ac.jp/handle/123456789/1476 Rights Type Textversion Departmental Bulletin Paper publisher ・名古屋工業大学学術機関リポジトリは、名古屋工業大学内で生産された学術情報を 電子的に収集・保存・発信するシステムです。 ・論文の著作権は、著者または出版社が保持しています。著作権法で定める権利制限 規定を超える利用については、著作権者に許諾を得てください。 ・Textversion に「Author」と記載された論文は、著者原稿となります。 実際の出版社版とは、レイアウト、字句校正レベルの異同がある場合もあります。 ・Nagoya Institute of Technology Repository Sytem is built to collect, archive and offer electronically the academic information produced by Nagoya Institute of Technology. ・The copyright and related rights of the article are held by authors or publishers. The copyright owners' consents must be required to use it over the curtailment of copyrights. ・Textversion "Author " means the article is author's version. Author version may have some difference in layouts and wordings form publisher version. 153 名古屋工業大学学報第33巻(1981) 円管流の管回転による逆遷移現象 今 産 生 茂 尾 機 械 樹 工 学 科 (1981年9月5日受理) Retransition of the Flowinan Phenomenon Shigeki Rotating Pipe IMAO Of Industrial Mechanical DeparfmeI7t Axially (Received September Engineert.ng 5, 1981) in this paper is concerned in an The study described withtheflow ofa且uid axl'ally rotating plpe. depending on Tt is revealed that rotation of the pipe Can, conditions, either stabilize the flow or make to laminar且ow less stable. At values of axialReynolds along a station・ the且ow number corresponding is shown is not maintained drop ary pipeit that )aminarflow the pipe is rotated and pressure when in the turbulent region the flow becomes greater than when the pipe is stationary・ On the other hand, is stabilized an increase in the rotation of the pIPe・ In particular, to laminar is observed・ Flow turbulent retransition from visualizat)eon experiments have shown the effect of the rotation of the pipe vividly・ For the measurement ever a cylindrical previously made of the vel∝ity distribution pitot tube, which is thinner than any one ane・ is used and precise measurement becomes possible. An examination of the flow with a hotfi1m at and mometer drop pressure highrotational revealed speeds that decreases with laminarization tube rotation or in fact the reduces turbulence. 同様な結果を得ている。 I.まえがき そこで著者ら10】は先に回転管内の十分に発達した領域 における流れについて,広範囲な軸レイノルズ数におい レイノルズの実験1)以来,静止した管路内を流れる流 体に関しては数え切れないほど多くの研究がなされてき て速度分布および圧力損失の両面から実験を行い,管の たが,軸流に回転流動が加わった管内旋回流については 流域で高い回転を与えた場合,乱流から層流-の逝遷移 現象(層流化)がはっきりと見られることがわかった. 詳細な研究が未だ数少ないo回転二重管内の旋回流れの 本報告では,回転管内の流れをつかむためにまず流れ 研究2)から類推すれぼ.回転管内の流れは外管が回転す るときの特別な場合に相当Lており,流れは安定化の影 の可視化観察を行い,回転の影響を視覚的にとらえた上 響を受けることが予想される。ところが,剛体回転して いる回転管内の涜動に関する van4)の理論的研究, Pedley3), Strohl 回転の影響を定量的に明らかにした.その結果,特に乱 and La・ Nagibら5)の実験では逆に管の回転 で,速度分布の測定には用いたピトー管をこれまでより さらに小さなものにしてより精度を高め,上述の層流化 現象が起こる時の速度分布と圧力損失特性との関連につ 速度の増大は流れが不安定となるところの臨界レイノル いて詳Lく調べた.また回転による乱れの抑制について ズ数を減少させることになると報告している。一方,静 ち,熱挟流速計を用いて実際に測定を行った。 止管から回転管に流入する場合のWhite6),その他7)の 実験では,管の回転を増すと,流入する流れが層滝のと 2.記 号 きには回転管部の流動損失は増加するが,乱流では損失 が減少する結果が得られた。回転によって乱流域で損失 R..:軸レイノルズ数-VmD/y が減少するのは,乱れが回転によって抑えられ,上述の R.a,:回転レイノルズ数-VeD/y ㌔:平均流速 宋冠化の影響を受けるためでCannonら8),村上ら''も 154 Bulletin Vo: v. of Nagoya Institute lTiIFr'li=のl.甘地度-(i)D/2 : l∫d: of Vol. Teclmology 33 (19$1) つl■」附に[E-il転できるようにしてあるa先のmllrji;zo)ではコ E:ul)j r(・]のi]1t:F息鴫分 プラ形と[]JnJJ「≠(州至2mm) I:,]刀E;=Jの流速拭分 円(l苛形の方が優jtていることをホしたが,ここではさら Rq.JR.. E2:旋回比- - Ve/V.d に鮒1い外径1・Smm D:回転管内径(29.9mm) 3孔ピトー予言;を比托し, lrJfL=有形3孔ピト-甘と外径1.Ornm R:回転管内半径- 円筒形2孔ピトー管を試作し,これまでのデータと比較 D/2 映討したo速度変動の孤促はtsi製ネの直径51/Lm白金 ′:任意半径 フィルムの角膜プロ-プを用いた定温度形真亨戯流速計に L:回転管入rjからのbil?=;flh距密生 よったoその出力の読み取りにはディジタ/L・?岩庄計を. )LD:軌ヒ管の管摩擦係数 記顔には電磁オシログラフを用いた。フなお平均流速台よ 1:回転管の管鮮撚係数 び乱れ強さは各々10秒間の平均値を記録した. y:風雅度 流体の温度iP.[]定はサーミスタにより.回転管入口と出 cL):管の回転角速度 口の2ケ所で同時部志したo托体を循昂させているため LLJ:速度の乱れ践分 忙生ずる温度上昇は冷却水路を誤配して防止Lた.本実 験に宙ける各レイノルズ汲の範囲札 3・実験装置および来襲方法 2×103≦R.,≦105,0≦R.w≦5.1 Fig・ 50o/Dグリセリン水 溶液:5×10a≦R.一≦2×101,0≦Rcw≦10ヰ,求: × 104である。 1に木実験装置の枕喝を示す.使用流体として水 車よびグリセリン水溶液を用いるため流体が回流できる 4・実験結果岳よびその考察 ようにしたo回転管は内径29.9mm,全長約10mの水力 苧的になめらかな引抜責f,Ell管で.回転による振動防止の 4.1流れの観察 ため1mおきに軸受で支えられているo流れの観察の際 Fig2はR._1 ]03の層流域で回転を与えた場合の流 - には国中の回転管の一部に同一内径の透明なアクリルパ 派であるoなぁ イプを設置し,回転管入口より7m(234D)下流の位匠 管中心より注入Lているo これらの写真にぉいて染料はいずれも ではまっすぐであっ から染料を注入した.流れの可視化観察はピトー管や熱 線プロ-プなどによる局所的な情報だけでなく,汰れ場 全体を杷振できる札魚があるoここではトt'-サ法(荏 人流脈法)を用へ 7Jのトレーサ粒子とLて比7ルコー ルで比IiE調整した育インクを任用したo注入の際rLはト レ-サ粒子の流出速度を微調整して.涜仕付こよる不安定 を招かないよう注意したo管内の速度分れ 速度変厨お よび壁面詩正UL]J定斬庇は回転管入口より5m(167i))と 7m(234D)の位毘にあり,ここで管は切断され きまからピト-管および熱陳ブロープの挿入. りLLiしを行ったo なおスリッ川T]後には, そのす EE力の取 2組のタイ<- FJ'g. 2 test section ソグプーリとタイミングベルトを介して管全体を一体か 234D=⊃,299mmlnsjdeD'oo1)90D l67[) EL血iLP由仁L呈eiLLRB Ⅰ血相止匂し I J JJ'=.,-..rゝ.,,I闇 巳岨P.TonkDLu[&C血Ln9. tLqj旦こ Fig. 1 Schematic arrangemellt appa工atuS 半 ThcT'npSystem写7pc1 Of experlmentaJ Fig. 3 Visualtestscctionin 2.4 × loワ 7メリカミネアポリスにある熱線流竣計のメーカ† in Jaminar region (R.. - 名古屋工業大学学報第33宅(1981) Fig. 4 Visualtest turbulent region (R.. 155 - l 04) た流脈が管の回転を増加させるとともに乱れ,半径方向 のかく乱が加わっていること25;わかる. Fig.2(ち)(c)では 流れはもはゃ層流とは言い乾く,層流域で管の回転は茂 れを不安定にすることにつながる。実筑 後の国に示す Fig. ように.管摩擦儒教は層流時よりも増大している. 3はREL - 2400の遷移成で.管静止時iこは間欠的な様 相が見られる。管が回転すると,静止時に比べやや変劫 が細かくなってはいるが,全体的にはかく乱が増加した とも減衰したともどちらとも言えない。言vlかえれば, ∫.0 遷移城では回転紅よる影響はあまりはっきりとは見られ ない。これは後の遺産分布,圧力損失においても確認さ れたo Fig.4はR..- 104の乱流城であるo Fig. 0.5 5 Details in a-0の管 a ofpitot 0 tubes stationary r/尺 velocity djstribution and pIPe 静止時には管壁近くまで拡致した染料が,管の回転の増 加1Kつれて管中心付i6u:に集まっているのがわかる. 問靖が生じてくるが,それには径の小さい部分ができる D=5 となれぼ汲糾j:管中心にJJ主申し,半径方向の拡放はきわ だけ短くなるよう工夫し,また使用する差EE変換器をよ めて少ない。これは回転による流れの安定化を示すもの り応答性の高いものにしたり,読み取りには節分回路を で,遠心力場にj-3いて乱れが抑えられた結果といえる。 通して読むなどしてこれまでと時間的に大差のない弧定 そしてこのVlわゆる層液化現象も,後述の速度分布, EE 力・H共,乱れ鼓さの測定結果と対応できるものであるe. を可能にLた。 Fjg1 5にピトー管詳細図と十分発達した 静止管内速度分布測定例を示す。層流域での畝1j定結果は ところでWhite6)も同様に乱流威を中心とした可視化観 2孔式が理論〔直によく一致してぃるが, 察を行っているが,彼の実簸では流れが十分に発達して 付近を除き実際よりもやや大きな値となっているo外径 3孔式では中心 いるのかどうかはっきりしてぃなv,。しかし,本実韻の 2nnのものも図中に示した滋王理論値との差は最も大き ように乱淀城では回転による揺れの安定化の効果が現れ い。流量誤差は1・5mrnの万力ミ5%, ることを述べている. 度となったo乱淀城ではどのピトー管を用いても孤]J定値 2mmの方が10フi程 に差はみられない。このように速度こう配が急になると 4.2 速度分布 先の払】一定10)では外径2mnの円筒形3孔ピトー管を用 径の細い方が好ましいことカミはっきりしたbなお以下の 回転管内の速資分布のiREl定結果は,各速度成分につV}て いほぼ満足できるデ-タを得た方言,速度こう配が急な場 合にはまだ不満が残った.そこでピト-管自体による影 響を無視できるようさらに径の細いピト-管を製作したB は平均流速身よび管壁周速度によって,半径位置は管内 これまでの突簸例')をみると円筒形3孔ピト-管として は外径2mmのもの方言最小と思われるが,本突放室では 外径を1.5mmとし,またさらに外径1mTn円筒形2孔 る。 たところをFig・ ピトー管も製作して,壁面効果やしヤ-い効果を極力抑 い回転を与えた場合である.流れの観葉でもわかったよ えて孤El定をした。ただ外径が小さくなれぼ当然応答性の うに回転を与えると層穂は維持されないカミ.周速度分布 半径でそれぞれ無次元化して表した。また国中の破線は 屑流理論曲線,一点鎖線は1/7乗則乱流速度分布であ ピトー管のちがいによって預惜値に大きな蓋方言見られ 6,7に示す。 Fjg・6は層流域で比較的低 156 Bulletin 2.0 of Nagoya Institute of Technology Vol. 33 (1981) ては韻E]定ブロープそのものができるだけ小さい方が望ま LJh一i /ヽ /\ ∈ > \ ∼/ ∼ > ′ Fig Rez=lO5 L三234D .( .∼ t.2 i.I.ヽ ヽ I Ei ノ′.∵′ /A/ 0.8 く flow【L2=0)I -/く;u,,bu,en, ∫.0 ∫.C Pito(fubeⅢ //0 0.∈ ●Ⅱ 0.6 0.C / /口◆ q ●Ⅰ v5,i /′′ O.2 L-234Dでいずれの場合も沈れは十分に発達している。 F]'g・ 8 (a)はRez - 103の層流域である。管が回転すると, 軸速度は層流の理論値より中心付近で減少し管壁付近で 増加する.これは旋回比が大きいほど顕著となり,平ら な乱流の速度分布に近づく。一方周速度は流れが層流で /A 0.4 8 (a)-(d)は軸レイノルズ数一定の下で,各旋回 比における速度分布を比較したものである.油定断面は ′ 1.4 2孔ピトー管による ものである。 Reu=5xIO2 ′ ∫.6 しい。以下の測定結果は外径1mm 、\、i2--チ Lomincrflow(Ji=0)// 0.4 あれぼ強制うず形となるのであるが,いずれもわずかに それよr;低い値を示す。 Fig. 8 (b)は静止管内流の遷移 域である。ここで特徴的なのは,軸速度,周速度のどちら .i 0.2 畑 も旋回比に対して大きな変化はなく,特に周速度分布は 0 q 0 Oo.5o,/RO.5L. FJ'g・ 6 Comparison kinds measured iiii ≡ by thrcc / > ∫.6 / L=234D \ \\Ll=3 ∫.4 i ′ < Ru-3]0. e-A (Ji=0) ∫.6 勺 Eii ■ >Q ′ 眺" P! l.O Rep O.8 \ q〉 0ー >- Tu,bulenlfJow(J1:Ol 25xLO2 0.6 J・0 /○ OA ○ PiTofーubem 0.8 /`/¢53x103 l&lO3 0.6 0.4 II/o55x103 /ム●打 0.2 0.6 / /# /ロ●l 0.2 I 0.8 ■ ∠′ ∫.0 =254D ′ ∫.2 O.4 \ ∫.0 I.4 0.6 > ∫.2 ′触三IO一 ′ 0.8 ⊥ 十ー与=bu,en,Jf,o∼芯o, ′ Lominor(low ー一 \ Rez=lO3 ′ \ I ′ ■己ヽ- ■ / / 「ー\ I ー一 I 乙0 >E /I \ 一一●●● of the velocity of pitot tube 2.0 胸 0 0■ 0.2 ヨ■■■ ⊂00.50r′尺0.5I. 0 ●●● 0 J・0 0・5 0 r/斤 Fig・ 7 Comparison kinds of the velocity of pitot tube 0・5 l・O measured by three が強制うず形をこえて測定された3孔式ピトー管のデー タはかなりの誤差が見込まれる。その点, 2孔式では上 述の速度こう配が急なために生じる誤差もほとんどなく, きわめて良好な結果が得られた。 Fig. 7は層流化現象が 顕著にみられるところで乱流から層流-の逆遷移域の中 にある.図を見てわかる13:うに,軸速度分布は径の細い 2孔式の方が径の太い3孔式よりも中央凸形の煉向を強 め層流に近づいている。また周速度は3孔式の方が壁近 くで小さ-(測定された。これはピトー管の径が太い性ど 旋回に対して抵抗となるためと考えられる。このように ピトー管の径が細いほど淀れに対してより影響が少なく, 特に遷移域のような靖れが不安定と見られる額域に争い ○ 15テ 名古壷工尭大李学顛第33奄(198i) 2.O =.∪ iiiiiiiiii LoTn1.nOrf]ovr(n=0)一/ ∈ > i己l > ■l Rez=tO4 I ∫.6 (Sl=0) r.6 1.4 Rez;2.5xlO4 _′ ′ ぺ'T=u,en,i,.∼,n=., 〇.8 ′ F.3.3JIO一 ;o55日0一 メ.グ I 0 r′尺 ′2l.25xIO一 0.4 ・失器=,i-,2 b ノ#/7 LIReu 占′′/'o. D.6 ,I,V lo44xlO. ●一一ーI---● Turbulenlflovr【皿=0) /#去Reu o11xlO一 ▲ーJ■L p ∫.0 Te./2SxlO3 0・5 ′ ∫.2 1ー■ー-I J・0 ヽ ′ ′ :A 0.6 \ ′L=234Cl L=234D 0.8 \ け′ ∼ > ヽヽ / L(】ml'nOrfLovr \ ■i lヨ l岳 l// ∈ メ I/o 12.5xLO. I//0 25xlO. ZZ] Ⅶ 0.2 ム〆jf;,吉,2 / 0 0・5 J・0 0・5 0 0・5 r/尺 (d) (c) Fig. // / I.● 8 Velocity distribution ofthe且ow in a rotating plpe ややわん曲した一本の曲線上にのることである。このわ で減少する。これは回転によって乱れが抑制された結果 ん曲は乱流域での回転管内の周速度分布にみられるもの であり, L2-5では層淀の理論値に極めて近い値をとる。 であるが,次のR..の大きい場合よりわん曲度は小さ R,zがさらに大きな場合〔Fig.8(d)〕にも,軸速度はE2 い. Fig.8(c)の乱流域になると.層流域とは逆に旋回 が大きいほど中央凸形となる.また周速度は強制うず形 よりもかなりわん曲した分布となり,しかもL2の小さい 比の増加とともに軸速度が中心付近で増大し,管壁付近 u Red ●0 I/入=3lRReeWzO.I6 oo.5x105 3 ㌔..-騒こ 5 ① I T1 ⑬5.OxLO5 4 四 \ヾ.、、.I.... ^o=o,5I64F?ez-4- e2.OxlO一 4 /./ ・,..<:. o4.OxlO4 ● o5.OxLO4 ∫ 64 入.=芯 1 0.0 I 7 ふ′Jノ' 0.008 0.006 0.004 68IO32468L○42Rez468LO5 Fig. 9 FrictJ'on factor for rotating pipe 15白 Buliet主nof Nagoya 場合には相似性をもっている. hstitute of Technology Voi. 33 (19gl) Rezがかなり大き夜場合 LJ- 2,0 には,その分布はve/Ve-(r/R)2の曲線VCよく一致して Rez=○ A いる。このように回転管内の周速度分布は軸レイノルズ To 数が遷移域から乱流域と-変化するにつれて,しだいに I,..-_毒.●..' l{) そのわん曲度を強めてくることが明らかとなったo ′0.8 ■■ー■■■■u ーJ?ez.l 0.6 4.3 01入.--0.3I64Rez4 管摩擦係数 良.L_二当 +'o,I 04 Fig.9に管摩擦係数AとRezとの関係をR.a.をパラ ▲ヽ∫ メータにして示す。測定区間の距離Jの間の損失水頭を hfとするとhf-A(I/D)(V3/2g)で表され, 静止管(Red,- Fig.9より 0)の層流の場合のA.の値は理論値1o- 64/Rez,乱流の場合はBlasiusの式).o- 0.3164Rez p>与′† ′ (ominor p.2 l 0・25 とそれぞれ極めてよく一致している.回転管のAは, 0 L Fig. ll 2 Variations Rezの小さい場合は静止管の層流の値より常に大きく, Re砂が増すにつれますます大きくなる.これはStrolll, 3 of the ratio 4 Ll・ 5 A/A. I Pedleyの理論3)・4)が示すようにRezがある値以上では, Fig. 11は無回転時の管摩擦係数1oに対するAの比率 A/Aoの変化を示す。なおR.a 103場合の)..は層療の 管の高速回転は層流状態を維持させないためと考えられ 理論値を他はBlasiusの式を使用した.まずR.I る.ただReD一定でみれぼ, ではβの小さなところで中心速度が急減し,そのとき - 1とRezとの関係はL.と平 行な直線関係にあり,図中に書き入れた実験式1-31 103 - A/1oは急増する.その後はどちらもゆるやかな変化とな RewO・16/Rezによってうまく整理される.次にRez-3× る。すなわち.わずかな回転によって層流はくずれるが, 103付近の遷移域ではRea,がどの場合にもAにほとん その後の回転数増加に対してはそれほど急激な変化はな ど差はなくほぼ一定で無回転時に近い値となる.これは い. 前に述べた速度分布に対応するものである. な乱流域での1は管静止時の1oよ Rev-5 × R.zが大き R.z-3 104においてはR.I-104付近で層流の1o 103では両者ともに大きな変化はしない. ここでの測定範囲では10o/.以内の変化におさまっている. R.1- り も減少し,特に × 104の場合, L2が大きくなるほど中心速度は増加 し, A/んは減少する.この変化をよくみると, L2が0か の理論値の延長線上に一致するまでに至っている.これ ら1まではやや急で,そこからE2が3近くまではいっ は管回転による流れの安定化で乱れの抑制が飽和した結 たんゆるやかになったのち再び急な変化をしている。特 果とみられる。つまり,前項の速度分布形状の層流化と も合わせて,ここで乱流から層流-の道道移が起こった に.後半の中心速度の変化は直線的でL2-5付近で実質 的に層流の値となる。また途中でゆるやかな変化をする とみてよい。 ときのようすは. 次に,旋回比に対する断面中心軸速度と管摩擦係数の 移過程の中にあることを示している. Fig. 10は断面中心軸速度の無次元値vz/Vmを, R.z-2.5 でも104の場合とよく似た変化が見られ, × 104 vJVmの増加 割合およぴ1/Aoの減少割合がほぼ同じ勾配をもつこと 2.0 0 ∈ > \ ∼ から,これら乱流域での管回転の影響に相似性がうかが える。 r/尺=0 ゝ 4.4 ∫,8 ⑦ ーー 速度変動 逆遷移現象がみられるR..-103において,熱膜プ ;,??.,c#,JS ∫.6 / F5gii ローブにより速度変動の波形を調べたのがFig. 12であ る。測定位置は管中心であるo旋回比の増加とともに周 期の短い乱れはおさまり,また乱れの振幅も小さくなっ o3I I.4 ×103の遷移域における変化 とちょうど重なっており,まさに乱流から層流-の逆遷 変化およぴそのつながりをRezを絞って詳細に調べて みた. R.I-3 ているのがわかる。 ReZ=3x1 Fig. 13には乱れ強さを表したが, E2が3以上で乱れ強さは減少している.これはFig.10 と比較して管中心の軸速度が後半の直線的な変化をする ところに相当している。したがって,回転による乱れの ∫.2 l25i245 Fig. 10 Variations 抑謝効果は特に旋回比が3以上において顕著となること of the velocity of the center がわかった. 159 名古畠工尭大事学報鎗33奄(1981) Rez_-IO4 定化,乱流域で安定化の作用を及ぼす管回転の影響をは O r/R= L - : ・, -:_::--,-::-:-:- ㌔-''-: - : : -一二I._L ∴:--- ぅきりと確認できた。 (2)外径1mm円筒ピトー管を使用して,速度こう配 の急な場合や層流化現象時の流速分布の変化を正確にと らえることができたo特に逆遷移現象時の変化は正損特 性とよく対応した。 (3)回転管内の周速度分布は,軸レイノルズ数が大 きいほど凹形のわん曲を強めある放物分布-と近づく. (4)回転による乱れの抑制が熱膜流速計による測定 で実証された。 最後に,終始適切なる御指導ならびに御助言をいただ いた山田豊教授(生産機械工学科)に感謝の意を表しま す.また_ 仙+トト+巾n・5 T/'me Fig. 12 電器産業㈱),酒井誠君(現川崎重工業㈱)の両君に感 謝します。 - Representative traces oscillograph 文 垂 1) Reynolds, L=234亡) >E r/斤=0 桓 0., 献 P]7il. Trams. Roy. Soc., Q 0 0 0 0 2 1773. o 3) Pedley, O O 2 13 (1883), 38-311(昭47-7), 2)山田・渡辺,日本俵械学会論文集, o 174 935. Rez:104 3 Fig. 実験に協力してもらった木下敬介君(現松下 Root-mean-square 3 Jユ o o 4 o 5 T.J., J. fluid 4) Strohl, J. and -10). 5) Nagib, Lavan, 35-1 Mech., (1969), 97・ Rep., Z., ARL 69-0174 ARLRep., H.M.,授か3名, (1969 69-9176 (1969). turbulence-velocity com- ponent 6) White, A., J. Mech. 7) Shchukin, V. K., Engng. Sci., 6-1 J. Engng・ Phys・, (1964), 47・ 1216 (1967), 782. (in Russian) 5.あとがき 8) Cannon, Ser. 自軸まわりに回転しでいる円管内の流れを,可視化観 察,速度分布.圧損特性そして速度変動の各々について 実験的に調べ,それらの関連について考察したo得られ た結果は以下のように要約することができる。 (1)流れの可視化観察により,層流域で流れの不安 J. N. C, 91-1 and Kays, W・M・, Trans・ ASME, (1969-2), 135. 9)村上・ほか4名,日本機械学会論文集, 42-358 (昭 51-6), 1784. 10)山田・今尾,日本機械学会論文集, 9), 1662. 461409B(昭55-
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