山梨県立美術館 Yamanashi Prefectural Museum of Art 夜の画家たち ろうそく -蝋燭の 蝋燭の光とテネブリスム- とテネブリスム- ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 《煙草を 煙草を吸う男》 1646年 1646年 東京富士美術館蔵 西洋美術が 西洋美術が頂点を 頂点を迎えたバロック期 えたバロック期(17世紀 17世紀) 世紀)において、 において、フランスのジョルジュ・ド・ ラ・トゥールやオランダのレンブラントらによって、 背景から から炎 ラ・トゥールやオランダのレンブラントらによって 、夜や闇の背景 から 炎や灯の 光に よって対象 対象を かび上 がらせる劇的 劇的な 場面を 演出したテネブリスム したテネブリスム( 暗闇主義) よって 対象 を浮かび 上がらせる 劇的 な場面 を演出 したテネブリスム (暗闇主義 )が 流行した した。 一方、 日本では では、 近代になって になって初 めて西洋美術 西洋美術に 出会った った画家 画家たちが 流行 した 。一方 、日本 では 、近代 になって 初めて 西洋美術 に出会 った 画家 たちが テネブリスムに魅了 魅了された された。 その一例 一例を 山本芳翠は 其画が テネブリスムに 魅了 された 。その 一例 を見た山本芳翠 は「其画 が全く光りのついて ゐる様 感心し らもこの新 しい表現 表現に んでいる。 そうした日本 日本のテネブ ゐる 様だ」と感心 し、自らもこの 新しい 表現 に取り組んでいる 。そうした 日本 のテネブ リスムとも言 うべき独自 独自の 明暗表現が 江戸時代の 司馬江漢や 亜欧堂田善の リスムとも 言うべき 独自 の明暗表現 が、江戸時代 の司馬江漢 や亜欧堂田善 の銅版 歌川広重や 歌川国芳の 浮世絵にはじまり にはじまり、 近代の 高橋由一、 中丸精十郎らの 画、歌川広重 や歌川国芳 の浮世絵 にはじまり 、近代 の高橋由一 、中丸精十郎 らの 洋画、 小林清親らの らの浮世絵 浮世絵から から、 鹿子木孟郎、 高島野十郎らの らの洋画 洋画、 洋画 、小林清親 らの 浮世絵 から 、鹿子木孟郎 、高島野十郎 らの 洋画 、近藤浩一路 らの日本画 日本画、 川瀬巴水の 浮世絵にいたるまで にいたるまで続 いていく。 らの 日本画 、川瀬巴水 の浮世絵 にいたるまで 続いていく 。 本展は つの文化 文化の まれたかつてないこの闇 世界の 全貌を 本展 は、二つの 文化 の間で生まれたかつてないこの 闇と光の世界 の全貌 を、着想 となったヨーロッパの巨匠 巨匠ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品 作品などとも などとも対比 対比させなが 源となったヨーロッパの 巨匠 ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの 作品 などとも 対比 させなが らかにしていくものである。 ら明らかにしていくものである 。 【主な展示作品】 展示作品】 序章 テネブリスムの歴史 テネブリスムの歴史 テネブリスム( 暗闇主義) 暗黒画面の テネブリスム (暗闇主義 )は、暗黒画面 の中でモティーフ に強い自然光をあてて 自然光をあてて明暗 をあてて明暗を 明暗を強調したり 強調したり、 したり、場面を 場面を夜に 設定して して蝋燭 蝋燭などの などの人工光 人工光によってモティーフをほのか 設定 して 蝋燭 などの 人工光 によってモティーフをほのか に浮かび上 かび上がらせる表現方法 がらせる表現方法として 表現方法として、 として、カラヴァッジョ( カラヴァッジョ( 15711610) 影響を けたローマ画壇 画壇のカラヴァッジョ 1571 -1610 )に影響 を受けたローマ 画壇 のカラヴァッジョ 派の画家たちをはじめ 画家たちをはじめ、 たちをはじめ、フランスのラ・トゥール( フランスのラ・トゥール(159315931652)、 )、フランドルのルーベンス フランドルのルーベンス( 15771640)、 )、オランダ 1652 )、 フランドルのルーベンス (1577 -1640 )、 オランダ のレンブラント( のレンブラント(16061606-69) 69)ら17世紀 17世紀のバロック 世紀のバロック美術 のバロック美術にお 美術にお いて流行 流行した した。 その後 西洋絵画の 伝統のなかで のなかで受 いて 流行 した 。その 後も西洋絵画 の伝統 のなかで 受け 継がれ、 がれ、やがて近代日本 やがて近代日本へもたらされることになる 近代日本へもたらされることになる。 へもたらされることになる。 レンブラント・ファン・レイン 《十字架からの 十字架からの降下 からの降下》 降下》 制作年不詳 東京藝術大学蔵 第Ⅰ章 江戸絵画と 江戸絵画と明暗表現の 明暗表現の出会い 出会い 日本絵画の 歴史において において、 明暗表現を 意識する 日本絵画 の歴史 において 、明暗表現 を意識 する のは江戸時代 のは江戸時代からである 江戸時代からである。 からである。司馬江漢や 司馬江漢や亜欧堂田 輸入された された西洋 西洋の 書物などから などから西洋絵画 西洋絵画の 善は、輸入 された 西洋 の書物 などから 西洋絵画 の 陰影法を 陰影法を学び明暗のある 明暗のある夜景 のある夜景を 夜景を銅版画に 銅版画に描いた。 いた。 歌川広重や 歌川国芳ら 浮世絵師は 月夜や 歌川広重 や歌川国芳 ら浮世絵師 は、月夜 や灯り を意識した 意識した斬新 した斬新な 斬新な構図で 構図で風景や 風景や美人画を 美人画を発表し 発表し 狩野一信は 狩野派の 伝統に らず、 た。狩野一信 は、狩野派 の伝統 に飽き足らず 、西 洋絵画の 洋絵画の技法を 技法を独学して 独学して仏画 して仏画に 仏画に応用している 応用している。 している。彼 らによって、 日本のテネブリスムが のテネブリスムが始 まった。 らによって 、日本 のテネブリスムが 始まった 。 狩野一信 《五百羅漢図》 五百羅漢図》のうち 江戸時代後期( 19世紀 世紀) 江戸時代後期 (19 世紀 ) 東京国立博物館蔵 ※ 亜欧堂田善 《吉原土手の 吉原土手の景》 江戸時代後期( 19世紀 世紀) 江戸時代後期 (19 世紀 ) 東京国立博物館蔵 ※ 第Ⅱ章 近代: 近代:闇と炎に魅せられた画家 せられた画家たち 画家たち 江戸から から明治 明治の めにかけて、 西洋絵画を 日本人が 江戸 から 明治 の始めにかけて 、西洋絵画 を日本人 が目 にすることができたのは、 にすることができたのは、細々と 細々と輸入された 輸入された書物 された書物に 書物に載る石 版画などであった などであった。 高橋由一や 中丸精十郎らは らは、 版画 などであった 。高橋由一 や中丸精十郎 らは 、そうし たわずかなたよりから西洋 たわずかなたよりから西洋の 技法を学び、油彩技術の 油彩技術の試 西洋の技法を 行錯誤を 行錯誤を繰り返して夜 して夜の風景を 風景を描いた。 いた。開国後、 開国後、西洋へ 西洋へ 渡った高官 った高官たちによって 高官たちによって本場 たちによって本場の 本場の油彩画がもたらされ 油彩画がもたらされ、 がもたらされ、画 たちは、 むさぼるようにそれらを学 んだ。 家たちは 、むさぼるようにそれらを 学んだ 。テネブリスムに 感化を けたのは、 本多錦吉郎とその とその門下 門下の 松本民治、 感化 を受けたのは 、本多錦吉郎 とその 門下 の松本民治 、 自らもフランスへ渡 らもフランスへ渡り研鑽に 研鑽に励んだ山本芳翠 んだ山本芳翠、 山本芳翠、木版画も 木版画も 手掛けた けた小林清親 小林清親ら 明治洋画界の 先駆けとなる けとなる画家 画家た 手掛 けた 小林清親 ら、明治洋画界 の先駆 けとなる 画家 た ちであった。 ちであった。 山本芳翠 《灯を持つ乙女》 乙女》 1892( (明治25 1892 明治25) 25)年頃 岐阜県美術館寄託 中丸精十郎 《異国風景》 異国風景》 制作年不詳 山梨県立美術館蔵 高橋由一 《中州月夜の 中州月夜の図》 1878( 1878(明治11 明治11) 11)年 小林清親 《夫人像》 夫人像》 制作年不詳 東京藝術大学蔵 宇都宮美術館蔵 第Ⅲ章 近代の 近代の街を描き出す版画家たち 版画家たち 写真の 普及で 衰退した した浮世絵 浮世絵は 小林清親の 写真 の普及 で衰退 した 浮世絵 は、小林清親 の 登場で 登場で新たな人気 たな人気を 人気を獲得した 獲得した。 した。清親の 清親の描く風 景画は 効果的に 描写した した「 光線画」 景画 は、光と影を効果的 に描写 した 「光線画 」 と称され、 され、在りし日 りし日の江戸情緒と 江戸情緒と文明開化に 文明開化に湧 明治を している。 井上安治、 く明治 を巧に描き出している 。井上安治 、小倉 柳村が 柳村が続き、織田一磨が 織田一磨が大正の 大正の東京風景を 東京風景を生 さらに川瀬巴水 川瀬巴水が み出し、さらに 川瀬巴水 が、浮世絵風景版画 小林清親 《大川岸一之橋遠景》 1880(明治13)年 がす資料館蔵 ※ の伝統を 伝統を継いだ。 いだ。 第Ⅳ章 明治後期- 明治後期-昭和 夜の闇と光 表現への 表現への昇華 への昇華 フランス留学 留学から から帰国 帰国した した黒田清輝 黒田清輝が 指導にあたった にあたった東 フランス 留学 から 帰国 した 黒田清輝 が指導 にあたった 東 京美術学校から 京美術学校から数多 から数多くの 数多くの近代洋画界 くの近代洋画界を 近代洋画界を担う画家たちが 画家たちが 輩出し 個性的な 明暗表現による による作品 作品が かれた。 輩出 し、個性的 な明暗表現 による 作品 が描かれた 。一方 、日本画においては 日本画においては、 においては、大正期におけるデカダンス 大正期におけるデカダンス( におけるデカダンス(退廃 風潮を 象徴して して闇夜 闇夜に かび上 がる風景 風景や 的)な風潮 を象徴 して 闇夜 に浮かび 上がる 風景 や人物 が独特な 独特な雰囲気で 雰囲気で描かれ流行 かれ流行を 流行を見た。以降、 以降、昭和にい 昭和にい たっても夜景 夜景に 魅了される される画家 画家たちは たちは後 たず、 たっても 夜景 に魅了 される 画家 たちは 後を絶たず 、テネ ブリスムは継承 継承されている されている。 ブリスムは 継承 されている 。 黒田清輝 《洋燈と二児童》 1891(明治24)年 ひろしま美術館蔵 小林柯白 《道頓堀の夜》 1921(大正10)年 大阪新美術館建設準備室蔵 ※ 高島野十郎 《蝋燭》 制作年不詳 三鷹市美術ギャラリー蔵 第Ⅴ章 近代画家たちとバロックの 近代画家たちとバロックの闇 たちとバロックの闇 明治期に 留学した した近代洋画家 近代洋画家たちは たちは、 短期間の 明治期 に留学 した 近代洋画家 たちは 、短期間 の うちに数百年分 数百年分の 西洋美術の 歴史や 技法に うちに 数百年分 の西洋美術 の歴史 や技法 に向き 合い、なおかつ同時代 なおかつ同時代の 同時代の新しい美術潮流 しい美術潮流に 美術潮流に追随 しなければならなかった。 しなければならなかった。黒田清輝は 黒田清輝は、新しい外 しい外 光派とともにレンブラントなどの とともにレンブラントなどの古典 古典の 光派 とともにレンブラントなどの 古典 の明暗表現 にも学 にも学び、帰国後、 帰国後、それらを手本 それらを手本として 手本として示 として示す使命 って制作 制作に んだ。 一方、 須田国太郎は 感を持って 制作 に挑んだ 。一方 、須田国太郎 は 、テネブリスムの先駆 テネブリスムの先駆けであるグレコを 先駆けであるグレコを模写 けであるグレコを模写するこ 模写するこ とで、 印象主義が 明暗に 拘泥して して色彩 色彩を とで 、印象主義 が明暗 に拘泥 して 色彩 を失った バロックへの解決 バロックへの解決として 解決として生 として生まれたと考 まれたと考え、葛藤しな 葛藤しな がら自 らの作品 作品を していったのである。 がら 自らの 作品 を生み出していったのである 。 須田国太郎 《エル・グレコ作「復活」模写》 1921(大正10)年 京都市美術館蔵 レンブラント・ファン・レイン 《アルミニウス派説教師ヤン・アイテンボハールト》 1635年 町田市国際版画美術館蔵 ※ ※ 展示替えあり 原撫松 《レンブラント作「使徒パウロ」模写》 1906(明治39)年頃 東京藝術大学蔵 【開催概要】 開催概要】 名 会 称 場 会 休 期 館 日 : 夜の画家たち 画家たち -蝋燭の 蝋燭の光とテネブリスム- とテネブリスム- : 山梨県立美術館 南館2階特別展示室 : 2015年4月18日(土)~6月14日(日) : 4月20・27日、5月7・11・18・25日、6月1・8日 開 館 時 間 : 午前9:00~午後5:00(入館は午後4:30まで) 主 催 : 山梨県立美術館 読売新聞社 美術館連絡協議会 後 援 : NHK甲府放送局 山梨日日新聞社・山梨放送 テレビ山梨 テレビ朝日甲府支局 朝日新聞甲府総局 毎日新聞甲府支局 産経新聞社甲府支局 共同通信社甲府支局 協 賛 時事通信社甲府支局 山梨新報社 日本ネットワークサービス エフエム富士 エフエム甲府 : ライオン 清水建設 大日本印刷 損保ジャパン日本興亜 【観覧料】 一般:1,000円(840円)、大学生:500円(420円) 小・中・高校生、特別支援学校生は無料となります。 *( )内は20名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金 *山梨県内在住の65歳以上の方は無料(健康保険証等持参) *障害者手帳をご持参の方は、ご本人と介護の方1名が無料 *前売券は山梨県立美術館にて、 3月18日(水)~4月17日(金)まで販売 【オープニングセレモニー& オープニングセレモニー&プレスツアー】 プレスツアー】 【オープニングセレモニー】 日時:4月17日(金)午後2:00~ 場所:県立美術館 総合実習室 【プレスツアー】 日時:4月17日(金)午後1:00~1:50 場所:県立美術館 特別展示室入口 【関連イベント 関連イベント】 イベント】 ※内容は変更となる場合があります。 記念講演会 日本美術の 仮称) ①「日本美術 の夜」(仮称 ) 日時 講師 5月2日(土) 14:00~ 平林 彰 (当館学芸員) 場所 総合実習室(聴講無料、申し込み不要) ②「テネブリスムの画家 テネブリスムの画家たち 画家たち」 たち」(仮称) 仮称) 日時 5月30日(土) 13:30~ 講師 場所 平泉 千枝氏 (ふくやま美術館学芸員) 総合実習室(聴講無料、申し込み不要) 担当学芸員のギャラリートーク 担当学芸員のギャラリートーク 日時 5月16日(土) 14:00~ 場所 特別展示室 記念コンサート 記念コンサート 日時 4月26日(日) 演奏 場所 (申し込み不要、本展チケットが必要です) 14:00~14:40 梨響チェンバーオーケストラ(弦楽合奏) 総合実習室(申し込み不要、鑑賞料無料) キッズ・ キッズ・プログラム「 プログラム「夜の画家たちを 画家たちを探検 たちを探検する 探検する」 する」(仮称) 仮称) 親子でワークシートで学びながら展覧会を鑑賞する 日時 6月6日(土) 13:30~15:00 対象 小学生とその保護者 (定員30名、参加無料、申し込みが必要、申込期間5/6~6/5) <関連イベントの申込方法> ◆キッズ・プログラム FAXまたは電話にてお申し込みください。その際、①~⑤の事項をお伝えください。 【記入事項】 ①講座名・参加希望コース(午前/午後) ②氏名 ④電話番号(FAX番号) ⑤参加される保護者名 ③年齢(学生の方は学校名・学年) ⑥郵便番号、住所 ⑦経験の有無 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 山梨県立美術館 「ワークショップ」係 TEL:055-228-3322 FAX:055-228-3324 【交通アクセス】 ●中央自動車道甲府昭和インターチェンジより ・料金所を昇仙峡・湯村方面へ出て200m先を左折、徳行立体南交差点左折、 アルプス通りを約2km直進、貢川交番前交差点を左折、国道52号を約1km左側。 (駐車場:乗用車345台、バス16台、障害者専用6台 いずれも無料) ●JR中央本線甲府駅より ・甲府駅バスターミナル(南口)6番乗り場から発車するすべてのバスで約15分、 「県立美術館」下車。 ・タクシーで約15分(料金1,700円程度) ●昇仙峡より ・敷島営業所行バスで「県立美術館」下車。 【お問合せ先】 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1-4-27 TEL:055-228-3322 FAX:055-228-3324 ●取材等の問合せ 山梨県立美術館 指定管理者 SPS・桔梗屋グループ 広報担当:五味(ゴミ)、山本(ヤマモト) ●展覧会内容・画像使用に関する問合せ 山梨県立美術館学芸課:平林(ヒラバヤシ)、向山(ムコウヤマ)
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