講師室より

Z会進学教室 葛西通信 3 月号
葛西教室に通う本科生の皆さんは、以下の四点を心がけるようにしましょう。
1 進学塾に通う中学生としての自覚を持つこと。
2 信頼の土台となるあいさつをきちんとすること。
3 書くことを大切にし、ノートをしっかりとること。
4 自習室を上手に利用し、自分で考えてもわからないことは遠慮なく先生に質問すること。
葛西教室で授業を担当している先生の声をお伝えします。
講師室より
「学びの効果」
国語科 石澤洋平先生
国語を担当していてよかったなと思うのは、日々ありとあらゆる文章を読む
機会に恵まれていることです。時としてそれは苦痛でもあったりするのですが
(特に、何を書いているのかよくわからない悪文の場合は。しかもそうした文
章が決して少なくないのです)それでも日々多くの文章を読む環境にあること
は、やはり「恵まれている」と言えそうです。人は誰しも好みというものがあ
りますから、本屋で手に取る本も自ずから似たような作者、ジャンルのものに
偏りがちです。しかし、好むと好まざるとに関わらず文章を読む環境にいると、思わぬ出会いがしばしばあ
ります。私が高校受験生だったころ、過去問で出会った池澤夏樹はその後何年間も集中して読みましたし、
その父親である福永武彦の作品も興味があって読みました。
そんな中、最近面白いなと思ったのが内田樹(たつる)の文章です。初めてその文章を読んだのは
平成23年度の開成高校の入試問題で、それ以降、意識的に内田樹の文章を読むようになりました。開成の
問題で引用されているのは『邪悪なものの鎮め方』の一節ですが、そこにはかなり重要な(少なくとも私に
とっては)話題が提示されています。
その中で内田樹は、人類学者のレヴィ=ストロースの『野生の思考』に書かれている「ブリコルール」の
話を引用しています(この話は内田樹がしょっちゅう引用する話です)。マトグロッソのインディオは、ジ
ャングルの中を歩いているときに、目に留まった「何か」を合切袋にとりあえず放り込んでおくといいます。
それが一体何の役に立つかは現時点では分からなくとも、いずれ役に立つかもしれないという理由でとりあ
えず確保しておくというのです。その話から内田樹は、教育や学ぶということもそれに類することだ、と書
きます。ここに至って、私は深く頷いてしまいました。
これは私の経験からも言えることですが、学校その他で学んだことがすぐに定着したり、あるいは効力を
発揮したりすることは時としてあるかもしれませんが、教育の効果というのは概して超長期的に、じわじわ
とその「効き目」を発揮します。個人的な話ですが、私は7年間ほどかなり集中的に楽器のレッスンを受け
1
ていました。ただ、その時に教わったことが身体の奥深くまで、それこそ骨の髄まで染み渡るのには5年ほ
どかかりました。「あのとき言われたことはこういうことだったのか」と最近になって漸くわかることがた
びたびあります。
進学塾に通う以上、志望校に合格するという短期的な「結果」を求めるのは当然のことです。
たしかに、今学んだことがすぐに身に付いて、結果として表れるとは限りません。なかなかうまく結果が
出ないこともあるでしょう。
けれども安心してください。
その「学び」がこれからじわじわと表に滲み出てきます。それが「学び」というものなのですから。
「公開授業」の模様を教務スタッフがお伝えします。
公開授業レポート
「一次関数~変化の割合をつかめ!~」
教務スタッフ 木下広大
数学科の阿部真也先生による、中学二年生を対象とした公開授業が行われ、生
徒さんが9名、保護者様が7名参加してくださいました。生徒さんの数は通常の
授業とさほど変わりませんでしたが、皆さんが少々緊張していて、公開授業なら
ではの良い雰囲気でした。
授業はまず、中学二年生の生徒さんなら誰でも知っている、一次関数の変化の
割合の求め方の説明から始まりました。一次関数の変化の割合=Yの増加量/X
の増加量=一次関数のグラフの傾きである、というものです。この段階では、生徒さんは「それくらい知っ
てる」という反応をしていました。ですが、次に先生が「一次関数の変化の割合はXの係数である」ことの
証明を始めると、皆さんが「へぇ」という反応をしていて、中学校の授業との違いを感じているようでした。
この証明は、一次関数の変化の割合についての基本中の基本の考え方が身についていれば十分理解できるも
ので、数学を良く考えながら取り組むことのおもしろさに、生徒さんは早速触れることができたのではない
でしょうか。
次に、数学の実生活との関連を捉えやすいダイヤグラムの問題を使って、変化の割合に関する説明がされ
ました。ダイヤグラムとは、X軸に時間を、Y軸に道のりをとった一次関数のグラフですが、一次関数のグ
ラフの傾き=Yの増加量/Xの増加量より、傾き=道のりの増加量/時間の増加量となります。ピンとくる
2
方もいると思いますが、これは速さを求める式ですね。つまり、ダイヤグラムの傾きは速さを表します。そ
して、これは「教科書に書いてあるから」こうなるのではなく、一次関数の基本の応用なのです。この理解
ができるかどうかが、中学3年生になってから大きな差を生む、というお話が先生からされました。
最後に、都立トップの高校である日比谷高校の最新の入試問題の中の一問を使って説明がされました。そ
して、計算で強引に解くのではなく、ここでも一次関数の基本に立ち返り、しっかり考えて解くことで答え
を求められました。
以上、授業内容をもとに振り返りましたが、1時間の授業を通して何度も先生がおっしゃっていたのは、
「しっかり考え、理解しようとする姿勢が大事」であること、また、「基礎がわかっていれば応用がきく」
ということでした。中学校のテストが解ければそれで良いのではありません。「こういう問題が出たらこう
解く」というやり方では、難関高校には合格できません。反対に、しっかり基礎を理解できていて、さらに
そこからじっくり考えることで基礎を広く応用できれば、難しい問題にも取り組むことができます。出席し
てくれた生徒さんたちは、進みが速くレベルの高い授業でしたが、一生懸命先生の話を聴き、自分が知って
いることを踏まえ、頭を回転させていました。今回の公開授業は、基礎の大切さ、考えることの楽しさ、そ
れらを知る良い機会となったと思います。Z会進学教室に通う皆さんは、基礎を大切に、そして考えること
を大切にして、数学の学習を進めるようにしましょう。
3
スケジュール
月 日 曜
3
新中3生・新中2生
新中1生
2015年度 中3・中2本科開講
14:00~16:30
9:30~12:20
中学準備確認テスト 中学準備B3日目
1
日
2
月
3
火
4
水
5
木
6
金
17:20~20:10
中学準備F3日目
7
土
9:30~12:00
中学準備確認テスト
中学準備講座 授業報告会
8
日
3月度①
2015年度 中1本科開講
9
月
3月度①
(中1は3/8(日)より本科開講)
17:20~20:10
中学準備F1日目
17:20~20:10
中学準備F2日目
休室
3月度②
10:30~12:00
10 火
11 水
12 木
休室
13 金
10:00~12:00 全学年対象(新中1含む)
都立自校作成高校入試研究会【増設】
10:00~12:00 全学年対象(新中1含む)
都立自校作成高校入試研究会
14 土
15 日
3月度③
3月度②
16 月
17 火
18 水
19 木
休室
20 金
21 土
17:30~19:30
卒業パーティー
22 日
13:00~14:00 新中1対象
「Z会進学教室からの難関高校受験」
23 月
24 火
25 水
26 木
4
27 金
春期講習
1日目
28 土
春期講習
2日目
29 日
春期講習
3日目
30 月
休室
31 火
春期講習
4日目
春期講習
5日目
1
水
新中3 春期講習
14:40~16:50
理社
Z 会進学教室〒134-0084
Z会進学教室 葛西教室
新中2 春期講習
17:20~20:40
英数国
14:40~16:50
理社
新中1 春期講習
17:20~20:40 13:30~16:50
英数国
英数国
江戸川区東葛西 6-2-3 第三須三ビル 6 階 ℡03-5878-0844
受付時間 平日 14:00~22:00
日曜日 10:00~20:00
『葛西通信』の記事(バックナンバー)は Web からもご覧いただけます。
4
休室日 木曜日
Z会 葛西
検索