親の養育態度と自己効力感及び自己統制感の関係* - 奈良教育大学学術

親の養育態度と自己効力感及び自己統制感の関係‡
笹川宏樹・藤田 正川
(奈良県中央児童相談所)
(心理学教室)
要旨:各発達時期における父親と母親の称賛・叱責による養育態度と男子と女
子学生の自己効力感と自己統制感の関係を調べた。男子94名と女子105名を対
象に・称賛・叱責の養育態度調査・一般性セルフ・エフィカシー尺度・および
一般的Locus of Contro1尺度を実施した。自己効力感については、小学校と
高校の時期に両親によくほめられた男子学生は高く・小学校高学年の時期に母
親によく叱られた女子学生は低かった。自己統制感については、高校の時期に
両親によくほめられた男子学生は内的統制感が強く・小学校低学年の時期に父
親に叱られた女子学生の内的統制感は低かっれ
キーワード1養育態度 自己効力感 自己統制感
Bandura(1977a)が提唱した社会的学習理論では、人間の行動を決定する要因として先行要
因を重視している。この先行要因は大きく2つの予期にわけられる。1つはある行動をどの程度
うまく行うことができるかという効力予期であり、もう1っはある行動がどのような結果を引き
起こすかという結果予期である。この効力予期をBandura(1977b)は自己効力感(se1f−effic
aCy)と呼び、ある行動に先立って認知する遂行への自信であり、実際の行動の発現を促すと主
張している。また、長期にわたる行動やいくっもの行動にわたって広がる自己効力感があり、一
般性自己効力感と呼ばれている。これを高く認知している者は、社会的状況の中で克服努力が大
きく、自己防衛的な行動が減少することが指摘されている(Bandura,1977b;バンデューラ重
久訳,1985)。
もう1つの先行要因である結果予期については、一般的な信念を反映するものとしてRotter
(1966)の自己統制感(1ocus of controユ)の概念があ孔この概念では・行動によって引き起
こされた結果が自分自身の努力や能力に随伴していると考えている者を内的統制型とし、運や他
者によると考えている者を外的統制型としている。これまでの研究では、内的統制型の者は情緒
的な安定や社会的適応の良好さを示している(Joe,1971;次郎丸,1985;藤田・笹川,1989)。
この一般性自己効力感と自己統制感の関係について、Shererら(1982)は弱い相関を見いだし、
ヰThe Re1ation between Nurturing Types of Parents,Se1f−efficacy and Locus of
Contro1in Stu〔1ents
’‘
giroki SASAKAWA(NαrαPr批伽rα王C舳d Gα{dαπce C舳亡e乙此rα)
Tadashi FUJITA(Deραrε㎜e航。/P8ツ。ん0Jo紗,Nαrασπ土Ue「8三妙0/亙dαcαε{0π,Nα「α)
一81一
藤田・笹川(1991)も弱いが有意な相関を報告している。このように両者には行動の先行要因と
しての関連性が示唆されている。また、これらの形成に関しては以下の研究で示されるよラに、
発達過程における環境的要因、特に親の教育態度との関連が大きいと考えられる。松田・鈴木
(1987)や鈴木・松田(1987)は、学習領域に高い効力感を示す子供の父親は受容的な養育態度
であることを見いだしている。また、自己統制感についてはLevenson(1973)が母親の養育態
度が男子学生や女子学生の内的統制に及ぼす影響において異なることや、罰を用いる養育態度は
外的統制に関連することを見いだした。これらの結果は、一般性自己効力感と自己統制感は親の
養育態度と関係があることを示唆するものであるが、両者と養育態度の関係を同時に検討しても
のはない。
本研究では、各発達時期における親の養育態度としての称賛・叱責のタイプと学生の自己効力
感と自己統制感の関係を調べることを目的とした。各発達時期によって養育態度は変化すると考
えられるので次の5つの時期を設定し、自分の父親と母親の養育態度を振り返らせた。5つの時
期は、小学校入学前、小学校低学年、小学校高学年、中学校、および高校である。また子供の性
によって親の養育態度が異なると考えられるため、男子学生と女子学生のそれぞれについて父親
と母親の養育態度を検討した。なお養育態度の類型については、行動の生起や態度の形成に影響
を及ぼす強化歴という観点から、これまでよく用いられた称賛と叱責による分類を用いることに
した。
方
調査対象
法
大学生及び看護学生119名(年齢範囲18歳3か月から21歳0か月)が用いられた。
そのうち男子学生は94名であり・女子学生は105名である。専攻の内訳は・工学部学生85名・教
育学部学生70名、看護学校学生44名である。
調査内容
(1)称賛・叱責の養育態度調査1小学校入学前・小学校低学年・小学校高学年、
中学校および高校の5つの時期の親の称賛・叱責の類型を調べた。この類型の調査については、
玉瀬・藤田(1982)が作成した方法を若干変更して用いた。父親と母親のそれぞれに対して、次
のような4っのほめ方・叱り方のタイプのいずれかを選択させるものである。それらは1.RW
「よくほめ、よく叱られた」,2.RN「よくほめられたが、あまり叱られなかった」,3.NW「よ
く叱られたが、あまりほめられなかった」,4.NN「あまりほめも吃りもされなかった」であ
る。
(2〕一般性セルフ・エフィカシー尺度(以下はGSESと略す):坂野・東條(1986)が作成し
た16項目からなる尺度を用いた。この尺度は、日常生活の様々な状況における個人の一般性セル
フ・エフィカシーの強さを測定するものである。各項目は、 “何か仕事をするときは、自信を持っ
てやるほうであるぺ’のように記され・「Yes」と「No」のいずれかを選択するように作成され
ている。得点の範囲は0∼16点であり、得点が高いほど一般的な自己効力感が高く認知されてい
る。
一82一
13〕一般性Locus of C㎝troユ尺度(以下はLOCと略す):鎌原・樋口・清水(1982)が、
Rotter(1966)のI−E尺度の問題点を考慮して作成した18項目からなる尺度を用いた。各項
目は、 “あなたは、何でも、なりゆきにまかせるのが一番だと思いますか。”のような質問形式
で、内的統制項目と同数の外的統制項目が記されている。回答は、「そう思う」,「ややそう思う」,
「ややそう思わない」,「そう思わない」の4段階で評定する。得点の範囲は18∼72点であり、得
点が高いほど強い内的統制傾向を示している。
調査手続き
調査は各クラス毎に集団で実施した。氏名などの記入後、調査用紙に記載され
た教示と質問項目を読みあげた後に回答させた。調査順序はGSES、称賛・叱責の養育態度調査、
LOCの順に行った。
調査時期
1991年5月中旬より9月上旬。
結 果 と 考 察
川 親の養育態度の発達時期による変化
男子学生と女子学生の各発達時期における父親、
母親それぞれの人数は、表3と表5に示しれ
父親の養育態度について、発達時期ごとの養育態度別人数の割合についてパ検定をおこなっ
たところ、男子学生(パ=13.6,ψ=12,η.s.)においても、女子学生(κヨ=9.4,蜥=12,π.8.)に
おいても同様に有意差はみられなかった。しかし母親の養育態度については、男子学生(パ=
53,4,〃=12,ρ<.01)でも女子学生(λ』23.5,ψ=12,ρ<.05)でも養育態度別人数の割合につ
いては有意差がみられた。そこで残差分析をおこなったところ、表1の結果を得た。
表1 発達時期による男子学生と女子学生の各々に対する母親の養育態度
別人数の調整後の残差
RW 男子学生
RN NW NN RW 女手学生
RN NW NX
小学校入学前
2.39■ O.39 −1,01 −!.95+ 2.27■一〇.94 0.23 −2.04一
小学校低学年 2.64■一〇.91 −O.05 −2.25− 1.82+一〇.42 −0.35 −1.49
小学校高学年
O.15 0.39 ・O.68 −1,36 0,27 0.37 −0135 −0.39
中学校一1,84+O.721.88+一〇.7了一2.王8^1,15!.100.44
高
校一3.33■■一0..59−1,506.33}報一2.18一一〇.16−O.633.48■■
→.05くク〈.ユO 一力く.05 資^φく.0!
男子学生に対する母親の養育態度については、小学校の低学年まではRWが多く、NNが少な
い。中学校以降ではRWが少なくなる。また中学校ではNWが多くなり、高校ではNNが多くな
るという特徴がみられた。女子学生に対する母親の養育態度については、小学校低学年までは
RWが多く、小学校入学前まではNNが少ない。中学校以降はRWが少なく、高校ではNNが多く
なるという特徴がみられた。
このように、男子学生も女子学生も父親においては発達時期による養育態度の人数の割合につ
いては差異は認められなかった。しかし、母親においては小学校低学年までは「よくほめ、よく
一83一
叱られた」が多いが、中学校以降では少なくなり、高校では「あまりほめられも吃りもされなかっ
た」が多くなることが明らかにされた。
(2〕一般性自己効力感と自己統制感の開係
一般性自己効力感と自己統制感の相関だけでは
なく、それぞれの尺度の因子間の相関も検討するために各尺度の因子構造を明らかにした。
まずGSESの16項目について主因子法により因子分析をおこなった。3因子を抽出し、これに
ついてバリマックス回転をおこなった。第1」因子は積極性に関する因子であり、「どんなことで
も積極的にこなすほうである。」などの5項目の因子負荷量が高かった。第2因子は失敗に関す
る因子であり、「仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。」などの6項目の因子負
荷量が高かった。第3因子は能力に関する因子であり、「友人より優れた能力がある。」などの5
項目の因子負荷量が高かっれ3つの因子ごとの合計点を積極性得点・失敗得点、および能力得
点とした。
次にLOCの18項目について、主因子法による因子分析をおこなった。3因子を抽出し、これ
についてバリマックス回転をおこなった。第1因子は努力に関する因子であり、「あなたは、努
力すれば、りっぱな人間になれると思いますか。」などの8項目の因子負荷量が高かった。第2
因子は運に関する因子であり、「あなたは将来は、運やチャンスによって決まると思いますか。」
などの6項目の因子負荷量が高かった。第3因子は自己決定に関する因子であり、「あなたは、
自分の人生を、自分自身で決定していると思いますか。」などの4項目の因子負荷量が高かった。
3つの因子ごとの合計点を努力得点、運得点、及び自己決定得点とした。
表2 G S E SとL OCのそれぞれの因子間の相関係数
LOC 努力因子 道因子 自己決定因子
G S E S
O.3!資資
O.28州 O.12
O.34報■
積極性因子
O.26一}
0.26一} O.10
O.22調■
失敗因子
O.20一}
0,12 0,10
O.30一^
能力因子
O.23調■
0.24報^ O.07
O.22一■
資一ρく.01
表2は、GSESとLOCおよびそれぞれの因子間の相関係数を示したものである。GSESと積極
性、能力の2つの因子は、LOCと努力、自己決定の2つの因子間のそれぞれの間の相関係数に
1%水準で有意性が認められ、弱い相関が示された。また、GSESの失敗因子は、LOCと自己決
定の因子の間にも1%水準で有意性が認められ、弱い相関が示された。しかし、GSESとそれを
構成する3つの因子と、LOCの連因子との間の相関はいずれも有意ではなかった。これらの結
果から、一般的な様々な行動を成し遂げるという確信は、その努力や自己決定の結果に関連して
いるが、運命や偶然性とは無関係であることが示された。
(3〕一般性自己効力感と親の讐育態度
表3は、各発達時期の男子学生と女子学生における
父親、母親の養育態度別の平均GSES得点を示したものである。男女別に各発達時期のそれぞれ
の養育態度におけるGSES得点について分散分析をおこない、その結果を表2のF値の欄に示し
た。男子学生では、父親と母親ともに小学校低学年、高学年、および高校の時期における養育態
一84一
表3 各発達時期における父親と母親の養育態度別の人数と平均G S E S得点
小学校入学前小学校低学年小学校高学年中学校高 校
養育態度 人数 得点
RW
24 8.7i
人数 得点
人数 得点 人数 御点 人教 得点
23 8.61
父RN 157.60・ 139.46
男 親 NW
NN
6.57
36
・子 母 RN
親 NW
5.26■一
N N
11 8.OO
29 7.03 33 6.15
11
5.00
10
4.90
3.72■
F値(dト3と90) 1.70
R W
30
8.07
24
8.42
父 RN
20
8.70
24
8142
11
7.64
17
6.12
44
6.55
40
7.00
女、親 NW
N N
F値(dト3と101)2.00
R W
子 母 R N
親 NW
N N
53
8.04
20
7.55
22
19
6.00
17
5182
7.59
13
7.46
15
7.53
F値(山=3と101)1.46
12
6.39
9.17
11
9.27
36
6.42
52
6.69
i.08
3.35一}
16 7.88
15
7.40
36
6.06
41
6.56
16
6.63
13
5.54
15
6.53
I2
8.25
27
5..48
39
7.72
0,49
5.02調資’
2.一工 ■一
8.30
18
8.06
16
8,19
8.81
24
8.42
25
7,60
16
6.56
20
7.25
15
7,07
45
6.82
43
6.88
49
7.37
21
7.78
8.28
13
22 7168
23
2.11
51
18
5.91
3.67■
39 7.87 40 8.35 30−9.10
15 7.20
8.93
35
5.69
F値(砒=3と9ω 2.36
RW
8.68
14
26 6.81 27’6.85 19 6.00
18 6.00 22 6,73
37
19
2,19
0.28
1.08
44
7.59
33
7.12
33
25
8.48
28
8.82
23
7,74
5.12 22 6.卯」 16 6.31
1τ
19
1,23
7,97
8116
3.41−
2.23
22
7.64
33
7.46
0.η
『力.く。05 .■順ク〈.01
度の主効果が有意であった。女子学生では、母親の小学校高学年の時期のみが有意であり、父親
では有意差はなかった。有意な主効果がみられたそれぞれの養育態度別GSES得点について、
D㎜can法による多重比較をおこない以下の結果を得た。
男子学生の小学校低学年においては、父親と母親のRWとRNはNNよりも高く・また父親の
RNはNWとNNよりも高かっれ小学校高学年においては、父親のRWとRNはNNよりも高く、
母親のRWはNWとNNよりも高かった。高校においては、父親のRWとRNはNWよりも高く、
母親のRNはNWよりも高かった。他方、女子学生では、小学校高学年における母親のRW,RN
およびNNはNWよりも高かった。
養育態度が有意であった発達時期における父親と母親の養育態度をさらに検討するために、
GSESの3つの因子ごとに分散分析をおこなった。表4は各養育態度の積極性得点、失敗得点、
および能力得点の平均とF値を示したものである。男子学生については、小学校低学年では能力
得点で父親と母親が有意であり、積極性得点は母親のみが有意であった。小学校高学年では能力
得点と積極性得点で父親と母親が有意であったが、失敗得点では母親のみが有意であった。高校
では能力得点と積極性得点で父親のみが有意であった。女子学生草こついては、小学校高学年の母
親における能力得点のみが有意であった。
以上の結果をまとめると、男子学生は小学校と高校の時期において父親と母親の両方の養育態
度が「よくほめ、よく叱られた」か、「よくほめられたが、あまり叱られなかった」と認知して
いる学生は、「よく叱られたが、あまりほめられなかった」や「あまりほめも吃りもされなかっ
た」と認知している学生よりも高い自己効力感を持っている。因子別にみると、積極性に関する
一85一
表4 各発達時期における父親と母親の養育態度別のGS E Sの因子ごとの平均得点
男
子
女 子
小学校低学年 小学校高学年 高
校 小学校高学年
讐育態度 父親 母組 父親 母親 父親 母親
母親
RW
2,612.78
積極性RN 2,772.27
得点 NW
NN
2.仙 1,88
RW
2,972.70
得点 NW
2.O02.55
2,25
F値
RW
1.30
1,81
2.55
3,16
1,68
1,59
2,00
2,89
3,052.88
傳点 NW
2,321.73
l.丁8
2.50
F値
1,52
2,68 3,07
2,42 2,56
2,55
2,93
3109
3,08
1.80
2,33
2,39 1,78
2,32 1,96
2,23 2,00
2,40 2,82
1.τ11.72 0,613.4ヅ O.501,28
能力RN 3,693.27
I{N
2,08
3,25 2,50
−3,00 3,08
2,213.〃・■2.85^・5.O1■^3.23}一2.47
失敗RN 3,002.46
N N
3100 2,80
1,711,15 2,022,31
l.67 1.m
F域
2,79 2,90
1,82
3.21
2.32
3,21 3,13
3,50 2,88
2,43
3,00 2,80
3,16 2,83
2,24
2,35 1,83
2,00 1,93
1,29
1,97 2,39
2,37 2,59
2.16
7.07州4.64川3.30“.26ψ3,17一報1.69
(dr四男子3と90、女子3とlO1)
2.78
■力く.05 ■一ク〈.01
自己効力感は、小学校低学年では母親と小学校高学年は両親、高校では父親の養育態度と関係が
あった。能力に関する自己効力感は・小学校の両親と高校の父親の養育態度と関係があった。し
かし、失敗に関する自己効力感は・小学校高学年の母親の養育態度のみにしか関係がなかった。
女子学生は、小学校高学年で「よく叱られたが、あまりほめられなかった」と認知している学生
は、それ以外の養育態度で育てられたと認知している学生よりも自己効力感が低く、能力に関す
る自己効力感との関係があった。この結果は、思春期前の女子の叱り方への配慮の重要性を示す
ものと考えられる。
(4)自己統制感と親の養育態度
表5は、各発達時期の男子学生と女子学生における父親、
母親の養育態度別の平均LOC得点を示したものである。男女別に各発達時期ごとのそれぞれの
養育態度におけるLOC得点について分散分析をおこない、その結果を表5のF値の欄に示した。
男子学生では、父親と母親の高校の時期における養育態度の主効果が有意であり、女子学生では、
父親の小学校低学年の時期のみが有意であった。有意な主効果がみられたそれぞれの養育態度別
LOC得点について、Duncan法による多重比較をおこない以下の結果を得た。
男子学生の高校においては、父親のRWはNWとNNよりも高く、母親のRWはNNよりも高かっ
た。女子学生の小学校低学年における父親のRW,RNおよびNNはNWよりも高かった。
養育態度が有意であった発達時期における父親と母親の養育態度をさらに検討するために、
LOCの3つの因子ごとに分散分析をおこなった。表6は各養育態度の努力得点・運得点・およ
び自己決定得点の平均とF値を示したものである。男子学生については、高校の父親と母親にお
ける運得点のみが有意であった。女子学生はいずれの因子の得点も有意でなかった。
以上の結果をまとめると、男子学生は高校の時期において父親と母親の両方で養育態度が「よ
一86一
表5 各発歯時期における父親と母親の養育態度別の人数と平均L O C得点
讐育態度
RW
小学校人学前 小学校低学年
衛点
人徴 得点 人数
RN
文
男 親
NW
N N
子 母
親
52,0
23
52,1
19
52,9
18
53,1
12
56,8
51,6
13
50,3
14
51,2
13
51,3
11
51,9
18
51,3
22
52,1
51,3
27
50,3
19
50,3
37
49.3
36
49.3
26
35
49.0
36
49.8
52
49.3
1,28
55,6
16
52,0
12
50,8
36
49,0
41
49,4
27
50,7
13
50.6
i5
49.3
39
48.8
側
52,1
50,4
11
51,1
15
N W
29
49,0
33
49,5
NN
n
53.2
10
49.4
1,48
1,62
0.79
3.01}
30
54,1
24
.54.2
23
55,2
18
53,9
16
54,1
R N
20
54,5
24
5510
21
54,9
24
54,5
25
52,5
NW
11
49,1
17
48,8
16
50,4
20
53,1
15
52,3
仙
53.3
40
53.7
45
52.6
43
52.5
49
NN
F値(砒=3と101〕1.46
53
52,9
RW
子 母
親
16
50,3
5i.5
RW
父
女 親
53,2
53,2
15
0,95
3.39^
22
30
F値(dト3と90)
O.80
1.13
0.88
39
RN
校
人数 得点 人数 衛意
人撤 衛点
15
24
F値(dト3と90)
RW
中 学 校高
小学校高学年
RN
NW
N N
20
54,2
19
53,8
13
52.9
2,82デー
1,74
0.38
53.8
O.31
51
53,8
44
52,6
33
53,8
33
53,9
22
53,9
25
54,5
28
54,0
23
54,2
1.7
52,8
17
51,9
22
52,6
16
50,4
15
54.9
19
54,7
22
52.5
33
F値(dト3と一〇1)0.17
O.40
0,77
0.29
53.5
O.9τ
一カ〈.05舳カ〈.㎝
表6 各発達時期における父親と母親の養育態度別の
L O Cの因子ごとの平均得点
男 子
高
父親
養育態度
R W
努 力 RN
女 子
校 小学校低学年
母親
父親
25,8
26,0
26,8
26,0
24,6
27,5
得点 NW
24,2
24,0
24,3
N N
23.3
23.2
2.10
1,70
19,5
18,3
17,0
16,o
15.9
16.O
15,6
i6,3
14.5
15.4
15.0
1?.O
F値
R.W
連
RN
得点 NW
NN
26.1
2.52
4.37}2.85■
F値
RW
日己決定RN
得点 NW
N N
F値
11,3
1O.5
9.9
10,3
11.6
1015
10,4
9,9
i0.6
10.6
10.7
O.83
(df醐子3と90,好3と1Ol)
2;28
11.5
O.58
一■
一87一
2.18
ヘ<.05■一ク〈.Ol
くぼめ、よく叱られた」と認知している学生は、「よく叱られたが、あまりほめられなかった」
や「あまりほめも吃りもされなかった」と認知している学生よりも強い内的統制感を示し、運に
関連した因子において顕著であった。女子学生については、小学校低学年の時期に父親から「よ
く叱られたが、あまりほめられなかった」と認知している学生は、「あまりほめも叱られもしな
かった」と認知している学生よりも弱い内的統制感を示した。これらの結果は、女子学生よりも
男子学生の方が親の賞罰の影響を受けやすく、しかも年齢が進んだ段階でその傾向が強かったこ
とを明らかにした。
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<付記> 本研究の資料の収集にあたり近畿大学九州短期大学の鏡ケ江淳一先生の協力を得まし
た。また資料の分析に際して心理学専攻3回生地E日一成君と白井恵子さんの協力を得ました。記
して感謝の意を表します。
一89一