遊佐町定住促進計画(PDF) - 遊佐町IJUターン促進協議会

遊佐町定住促進計画
平成25年1月
山形県遊佐町
目
次
Ⅰ 計画策定の趣旨等
…………………………………………………………
1
………………………………………
1
…………………………………………………
1
…………………………………………………………
2
………………………………………………
2
…………………………………………
3
……………………………
4
(4)住宅建築の動向
…………………………………………
4
(5)土地価格の動向
…………………………………………
5
…………………………………………………………
5
…………………………………...
6
………………………………………...
7
………………………………...
10
1 目的
2 位置付けと計画期間
3 計画の推進
Ⅱ 現状と課題
1 現状
(1)人口の推移
(2)就業人口の状況
(3)転入人口と転出人口の動向
2 課題
Ⅲ 施策の体系
1 施策の基本的な考え方
(1)住宅施策の充実
(2)産業振興及び雇用対策
(3)定住を促すための条件整備
(4)協働による計画推進
…………………………… 12
…………………………………...
14
Ⅰ
計画策定の趣旨等
1 目的
近年、遊佐町では慢性的な転出者増による社会減と、特に少子化による自然減が
著しく、人口減少が急速に進行しています。このため、中心市街地の店舗数も減少
し、町住宅団地への住宅の建築も進まない状況にあります。
人口の減少は、町民生活の活力の低下を招くばかりでなく、地域経済や財政にも
大きな影響を及ぼし、町の存在基盤に関わる深刻な問題です。このため、現に生活
している町民はもちろんのこと、町外の人々をも惹きつけることができ、魅力ある
豊かな暮らしを創出できるような施策を展開することにより、人口の流出・減少を
抑制し、定住化を促進することを目的にこの計画を策定するものです。
2 位置付けと計画期間
町の最上位計画である遊佐町新総合発展計画ゆざ21ハピネスプラン「第7次振
興計画」は平成19年度を初年度として策定され、町の将来像である「安心とぬく
もり 生きる喜び しあわせ空間 ゆざの創造」の実現に向け、様々な事業に取り
組んできました。しかしながら、平成19年度から平成23年度までの5年間で人
口は1,050人の減となっており、減少に歯止めをかける施策が強く求められて
おります。
本計画は、人口の減少という本町にとって最も大きな課題に取り組む計画である
ことから、振興計画の実現を支えるものとして位置付けることとします。
なお、計画期間は開始年度を平成24年度とし、目標年度を振興計画と同じ平成
28年度とします。
3 計画の推進
この計画を推進するため、平成24年5月に今後の定住施策の企画立案、移住希
望者に必要な情報を提供するワンストップ窓口体制構築のための組織として、定住
施策を所管する町職員で構成する「遊佐町定住促進施策庁内連絡会議」を設置しま
した。この連絡会議で出された意見やアイディアを定住促進計画に反映させていき
ます。このほか、移住希望者にきめ細やかな対応と定住後のアフターフォローを行
うため、集落支援員を平成24年10月に配置しております。
また、移住を希望する方々の情報を集め、それらに対するアプローチを確実に行
うため、町内の各関連団体を中心とした官民一体となった組織「遊佐町 IJU ターン
促進協議会」を設置し、具体的な施策の展開をこの組織を通じて実践していきます。
1
Ⅱ
現状と課題
1 現状
(1)人口の推移
地域活性化のバロメーターである本町の人口は、昭和 25 年の 25,726 人をピーク
に減少傾向に転じ、昭和 60 年の 20,271 人を境に 2 万人台を下回り、平成 22 年に
は 1 万 6 千人を割り込み、以後も減少が続いています。平成 16 年度以降、年間減
少数は毎年 200 人を超え、ここ 10 年ほどで 2,492 人減少しています。
表1 遊佐町の人口及び世帯数
H7
H8
人口
19,193
19,031
前年度比 △ 162
世帯数
5,004
5,013
H15
H16
H17
17,707
17,450
17,243
△ 174
△ 257
△ 207
5,082
5,068
5,077
H9
18,877
△ 154
5,024
H18
17,025
△ 218
5,112
H10
18,725
△ 152
5,078
H19
16,678
△ 347
5,094
H11
18,548
△ 177
5,091
H20
16,448
△ 230
5,075
(人、世帯)
H12
H13
H14
18,348
18,120
17,881
△ 200
△ 228
△ 239
5,107
5,098
5,095
H21
H22
H23
16,147
15,874
15,628
△ 301
△ 273
△ 246
5,071
5,066
5,050
住民基本台帳(各年度末)より
1)自然動態
ここ 12 年間の出生と死亡の状況(表2)は、常に死亡数が出生数を上回っており、
平均すると 141 人の減となり、人口減少の大きな要因となっています。
未婚者の状況(表3)は平成 12 年、17 年、22 年の国勢調査結果をみると、特に
30 代は男女ともに未婚者数が増えており、20 代、40 代でも未婚率が高くなってい
ます。このことは、出生数の減少、いわゆる「少子化」に拍車をかけている大きな
要因のひとつであると分析されます。
急激な少子化社会への移行は、全国的に問題となっていますが、これは、晩婚化、
未婚・離婚の増のみならず、世帯構造の変化、子育て意識の変化等、様々な要因が
複合的に絡み合って少子化の現象を生み出していると考えられています。少子化解
消のための糸口を見出すことが、市町村はもとより国政レベルでも早期の課題とな
っています。
表2 遊佐町の人口動態(自然動態)
H12 H13 H14 H15 H16
H17
H18
H19
H20
H21
(人)
H22 H23
出生
108
131
113
93
93
98
102
74
89
77
102
72
死亡
224
235
227
215
248
197
226
260
253
252
248
268
増減
△ 116 △ 104 △ 114 △ 122 △ 155 △ 99 △ 124 △ 186 △ 164 △ 175 △ 146 △ 196
住民基本台帳(各年度末)より
2
表3 未婚等の数(国勢調査より)
(人、%)
平成12年
性別
男
20代
女
計
性別
男
30代
女
計
性別
男
40代
女
計
総数
内未婚数
797
632
729
485
1,526 1,117
総数
883
867
1,750
総数
1,354
1,289
2,643
内未婚数
352
162
514
内未婚数
302
138
440
未婚率
(人、%)
平成17年
性別
男
79.30
20代
女
66.53
計
73.20
未婚率
性別
39.86 ⇒ 30代 男
女
18.69
計
29.37
未婚率
性別
男
22.30
40代
女
10.71
計
16.65
総数
内未婚数
734
598
606
426
1,340 1,024
総数
内未婚数
786
777
1,563
総数
354
195
549
内未婚数
1,059
1,042
2,101
292
138
430
(人、%)
平成22年
未婚率
性別
男
81.47
20代
女
70.30
計
76.42
未婚率
性別
45.04 ⇒ 30代 男
女
25.10
計
35.12
未婚率
性別
男
27.57
40代
女
13.24
計
20.47
総数
554
437
991
総数
776
708
1,484
総数
838
843
1,681
内未婚数
未婚率
464 83.75
323 73.91
787 79.41
内未婚数
未婚率
394 50.77
228 32.20
622 41.91
内未婚数
未婚率
286 34.13
154 18.27
440 26.17
2)社会動態
転入と転出の状況である社会動態をみると、ここでもやはり全ての年で転出が転
入を上回っており、その差は自然動態のそれよりは小さくなっています。転入転出
数とも大きな経年変化は見られず、近年は転出数において漸減傾向にあり、転出数
の大幅な増加はないものと想定されます。
表4 遊佐町の人口動態(社会動態)
H12
H13
H14
H15
H16
H17
男
173
161
149
165
150
143
転
女
178
179
171
168
164
148
入
計
351
340
320
333
314
291
男
212
233
198
193
194
187
転
女
223
231
247
192
222
213
出
計
435
464
445
385
416
400
増減
△ 84 △ 124 △ 125 △ 52 △ 102 △ 109
H18
H19
156
112
137
127
293
239
190
191
197
213
387
404
△ 94 △ 165
(人)
H20
H21
H22
H23
168
121
126
109
165
120
116
122
333
241
242
231
189
177
165
126
211
191
207
154
400
368
372
280
△ 67 △ 127 △ 130 △ 49
住民基本台帳(各年度末)より
3)今後の人口予測
平成 22 年の国勢調査を基に、コーホート法による変化率を用いた人口推計による
と、本町の将来人口は平成 27 年には 14,021 人、平成 32 年には 12,565 人と予測さ
れています。また、本町の年少人口(0~14 歳)割合は、平成 27 年には 9.8%、平
成 32 年には 9.0%まで減少する一方、65 歳以上の老年人口割合は、平成 27 年には
37.4%、平成 32 年には 42.5%と全国平均を上回る速さで高齢化が進むと予測され
ています。
(2)就業人口の状況
産業分類別人口動向をみると、就業者総数は一万人台を保持していたものの、平
成 12 年に 9,364 人と一万人台を割り込み、平成 22 年には 7,680 人と減少を続けて
います。特に第二次産業の落ち込みが顕著で、構成比率も年々低くなっています。
3
(人、%)
表5 産業分類(大分類)別就業者数の動向(国勢調査)
区分
就業者総数
第一次産業
第二次産業
第三次産業
分類不能
昭和60年
平成2年
平成7年
人数 構成比 人数 構成比 人数 構成比
10,848 100.00 10,636 100.00 10,010 100.00
3,296 30.38
2,626 24.69
2,033 20.31
3,686 33.98
4,003 37.64
3,821 38.17
3,863 35.61
4,003 37.64
4,155 41.51
3
0.03
4
0.04
1
0.01
平成12年
人数 構成比
9,364 100.00
1,611 17.20
3,365 35.94
4,382 46.80
6
0.06
平成17年
人数 構成比
8,551 100.00
1,565 18.30
2,521 29.48
4,457 52.12
8
0.09
平成22年
人数 構成比
7,680 100.00
1,333 17.36
2,097 27.30
4,241 55.22
9
0.12
(3)転入人口と転出人口の動向
平成 20 年から 23 年までの4か年の転入人口の平均割合は、県内からが 58%、県
外からが 42%となっています。また、転出人口の平均割合についても県内へが 53%、
県外へが 47%となっており、経年変化はみられていません。
平成 24 年 4 月から 9 月までの転入転出アンケート調査によると、異動理由の主
なものについて、人数の多い順にあげると、転入については「退職」、「結婚」、「就
職・転職」の順、転出では「就職・転職」、「結婚」、「自分の進学」の順となってい
ます。
18 歳~19 歳の年齢区分の未成年者の割合は4か年平均で転出者総数の 15%を占
めています。町内には普通高校が1校のみで、多様な学校選択において多くの高校
生が近隣市の高校に通学し、専門学校や大学進学の際は通学しやすい通学地に転出
する傾向になっていると考えられます。
また、町内に就職先が少ない中、町外への通勤が困難であれば勤務地に転出する
ことが考えられ、それにより人口減少に拍車がかかるとも考えられます。
(4)住宅建築の動向
本町における住宅の建築戸数(課税件数)は下記の表6のとおりです。平成 13 年
までは、およそ年間 100 戸を超えていましたが、その後、3 年ほどおよそ 70 戸台の
横ばい状態が続き、昨年は平成9年と比較して約6分の1にまで減少しています。
これは、国の経済対策による住宅税制の優遇制度等により増加の傾向がみられてい
たものの、平成 14 年以降は、長引く景気の低迷と少子高齢及び人口減少の影響のた
めか、建築戸数が相当数減っている状況になったものと考えられます。
(町民課課税係より)
表6 新築住宅建設戸数(建築年次別)
H1
H2
H3
H4
H5
H6
H7
H8
H9
H10 H11
木造
133 104 100 114
138 122 121 126 141
98 114
非木造
3
1
1
1
4
1
2
6
6
1
5
計
136 105 101 115
142 123 123 132 147
99 119
H12
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23
122
124
69
75
61
38
45
35
29
23
13
22
6
1
0
2
7
2
0
1
7
1
0
0
128
125
69
77
68
40
45
36
36
24
13
22
4
(5)土地価格の動向
本町の住宅地価格の動向を地価公示地点(遊佐字古川地内)から見てみると、平
成6年に 23,500 円/㎡が平成 24 年までの 18 年間で約 36%下落し 14,900 円/㎡と
なっています。
また、固定資産評価額から見てみると、町内全域の宅地平均価格も平成 16 年の
5,832 円/㎡が平成 24 年には 1,604 円/㎡低い 4,228 円/㎡となっています。
なお、商業地についても同様に下落しています。
表7 宅地平均価格(町民課「概要調書第2表総括表」より)
H16
H17
H18
H19
H20
価 格
5,832
5,733
5,342
5,208
5,117
H21
4,784
H22
4,680
H23
単位:円/㎡
H24
4,589
4,228
2 課題
(1) 人口減少に歯止めをかけるため、新たな住宅施策やこれまでの住宅施策の充
実、良好な住宅環境づくり、子育て環境づくりが求められています。しかし
ながら、住宅環境の整備は長期にわたることから、人口増加のための短期集
中的な対策が必要となります。
(2) 人口増加のための短期集中的な対策の先進事例としては、結婚祝い金や出産
祝い金、就職祝い金、新規転入者定住奨励金、新規転入者住宅取得助成、新
婚夫婦民間住宅家賃助成などがありますが、遊佐町は他市町村に比べ、助成
制度や助成額が十分ではない状況にあります。
このことから、町外からの転入者や、町内外在住の新婚等若者の定住のた
めに「住まいの確保」を支援していくことが必要になります。
また、その場合、個人住宅投資を活性化することによる内需誘発や、経済
波及効果をも見通したものにすることが重要です。
なお、各種祝い金事業については、効果が測定しがたいものがあることか
ら、期間を設定するなどして、随時検証していく必要があります。
(3) 定住条件の重要な柱の一つに、
「住まいの確保」の前提として「働く場の確
保」があります。このため、企業が立地しやすい環境を整えるための対策を
検討することが必要です。
(4) 「田舎暮らし」や「お試し暮らし」についても、増え続ける空き家の利活用
などの条件整備を行い、移住希望者や若者を呼び込む大きなツールとして、
とらえていく必要があります。
(5) さらに、移住希望者に必要な情報をワンストップで提供できる相談窓口体制
を構築し、受入れ環境を整えることが重要になります。
5
Ⅲ
施策の体系
1
施策の基本的な考え方
人口減少は、数多くの事がらが複雑に絡み合った結果の現象であり、その対策も
多種多様なものが求められます。しかしながら、すべての施策を実行するための財
源確保が難しい状況にあっては、町が持つ潜在的な魅力を可能な限り引き出し、限
られた組み合わせの中で人や企業を誘引することが大切になります。
このことから、多角的に人口増対策に取り組むこととし、特に若者、新婚世帯、
ファミリー世帯の人口減少に歯止めをかけるため、次の事業に重点を置き、できる
施策から順次実施していくこととします。
[施策体系図]
(1)住宅施策の充実
1)住宅取得等支援
2)PR・情報提供
3)IJUターンの推進
4)若者の出会いの場の創出
定住促進計画
(2)産業振興及び雇用対策
1)企業立地の推進及び企業支援
2)地域資源を活用した新規創業支援
(3)定住を促すための条件整備
1)子どもを育てやすい環境の整備
2)魅力あるまちづくりの推進
(4)協働による計画推進
1)アフターフォローの向上
2)町のイメージアップの推進
6
(1)住宅施策の充実
1)住宅取得等支援
遊佐町の人口減少の原因のひとつには、先にも述べたように 18~39 歳の若者の
転出があげられます。その理由としては、就職・転職による転出、結婚による転出
などが考えられます。そのうち、結婚を機に近隣市町村のアパート等へ転出する事
例や近隣市町村にて住宅を取得する事例に対しては、遊佐町としても対策を講じる
ことにより、その転出に歯止めがかけられるものと考えられます。
また、定住等の促進を図るには、良好な住環境と快適な生活環境の情報提供が必
要です。定住環境の情報を積極的に発信するほか、新規転入者及び町内外在住者の
若い夫婦の生活拠点としての新たな住まいの取得等を支援することにより、人口増
につなげます。
これから、施策内容についての記述になりますが、用語の定義については下記の
とおりです。
【用語の定義】
移住者:本町以外の市町村に 5 年以上居住し、かつ、本町内に定住の意思をも
って平成 25 年 4 月 1 日以降に町内に転入した者(本町から転出し、5 年
以上経過している者を含む)
定 住:本町に永住し、又は 5 年以上生活の本拠を置き、かつ住民基本台帳に
登録されること
若 者:40 歳未満の者
世帯責任者:主として世帯の生計を維持している者として、当該世帯から申告
された者
空 家:町内に存する一戸建ての住宅で、普段利用されておらず、現に居住し
ていない建築物
空家活用住宅:遊佐町空家情報活用システムに登録されている空家の内、所有
者から町長が賃貸借契約により借り上げた空家
[施策内容]
① 若者定住・町営住宅建設事業:新設(地域生活課)
内 容:町内に若者が定住できる町営住宅やアパートが少ないことから、若者
定住のための町営住宅を建設するもの。(平成 27 年度建設予定)
② ニュータウン青葉台住宅団地分譲地新築助成制度:新設(総務課)
対 象:青葉台住宅団地分譲地を購入し、住宅を建設し、居住した者
助成額:分譲地購入額の2分の1相当額
※平成 25 年度より適用予定
7
③ 定住住宅空き家利活用事業(借上げ空家リフォーム制度):新設(企画課)
内 容:町が空き家を借上げ、リフォーム後に移住者に貸し出すもの。空き家
活用住宅一棟につき、350 万円を上限に台所や風呂場などの修繕を施す。
※平成 25 年度より適用予定
④ 定住住宅建設支援金事業:継続(地域生活課)
対 象:町内に、専用・併用住宅を建設する者
助成額:対象工事費の 7%(上限 70 万円)但し、40 歳未満で町内定住目的の町
外在住者は対象工事費の 10%(上限 120 万円)
⑤ 定住住宅取得支援金事業:継続(地域生活課)
対 象:町内の、建売、中古住宅を取得し定住する者
助成額:対象取得費の 7%(上限 70 万円)但し、40 歳未満で町内定住目的の町
外在住者は対象工事費の 10%(上限 120 万円)
⑥ 定住賃貸住宅建設支援金事業:継続(地域生活課)
対 象:町内に、賃貸住宅を建設する者
助成額:1 戸当たり 120 万円(上限 1,000 万円)
2)PR・情報提供
遊佐町は日本海、鳥海山、鮭が遡上する月光川、安全・安心の米を産む庄内平野、
メロン、ゴボウ、ダイコンなど美味しい野菜を育む庄内砂丘、豊富な湯量を誇る鳥
海温泉など6大自然に恵まれた自然の魅力があふれている町です。自然災害にも強
く、この地勢の特色をPRし、新規就農者、定年帰農者や、田舎暮らし希望者等に
情報提供し、定住促進を図ります。
加えて、空家情報活用システムを最大限生かし、空家や空き地の有効活用を通し
て、人口増につなげます。
[施策内容]
① 情報提供事業:新設・継続(企画課)
内 容:移住ガイドブック、ポスターの作成。ホームページ・各種情報誌やその
他広報媒体を通じた情報発信。
② ワンストップ相談窓口体制の構築:新設(企画課)
内 容:平成 24 年 4 月に定住促進専門員を配置。移住希望者が必要な定住施策
に関する情報等の一元化を図り、サービス向上を図ります。
8
③ 空家情報活用システムの充実:継続(企画課)
内 容:町が空家等の情報を管理し、物件(同意を得たもののみ)をホームペー
ジに掲載し、公表する。
3)IJU ターンの推進
IJU ターンを推進するためには、町内に移住を希望する方の情報をより正確に収
集し、それらの情報に対するアプローチを確実に行う必要があります。そのために
は、行政だけでは限界があり、官民一体となった広く大きな組織をつくり、その中
で実践していく体制が必要です。また、IJU ターンを促進させるためには、大胆で
インパクトのある施策も必要であり、自然環境のよい土地柄をアピールしながら、
子育て世帯をターゲットとした、移住奨励金制度も盛り込んだ施策を展開する。
[施策内容]
① 遊佐町 IJU ターン促進協議会の組織化:新設(企画課)
内 容:町内の各種団体、組織等からなる協議会を設置し、具体的な施策の展開
をこの協議会を通じて実践します。移住定住に関する情報の共有と、各種
団体における連携施策を展開し、取り組みの成果も確認していきます。
組織化団体等:町、農業委員会、区長会、婦人会連絡協議会、農協、
生活クラブ生協連合会、商工会、漁協、土地改良区、観光協会、総合交
流促進施設㈱、不動産業者、建設業組合、集落支援員、等々
② 子育て世帯移住奨励金:新設(健康福祉課)
内 容:0 歳から義務教育課程までの子ども連れで移住した世帯責任者に奨励金
を交付
助成額:子ども一人当たり 12 万円/年 (3 年を限度に交付)
③ 田舎暮らし体験ツアー:新設(企画課)
内 容:関東・東北管内の若者をターゲットとしたお試しツアー。農業体験や既
に移住されている方々との交流会、町の主要施設、観光地案内等。夏・秋・
冬バージョンを各年1回開催予定。
④ 移住交流推進支援事業:継続(企画課)
内 容:首都圏の若者や生活クラブ生協会員を中心に参加者を募り、農作業体験
や交流会を通して農業への理解や当地域の魅力を感じてもらう事業。継続
実施することで、若者の就農意欲や移住への発展をねらいとしている。農
協が実施主体となり、通年で様々な農作業・収穫体験ツアーを開催する。
助成額:負担金として 100 万円/年
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4)若者の出会いの場の創出
人口減少の要因の一つに出生数の減少があげられます。そして、出生数の減少は
晩婚化が影響しているとも言われています。遊佐町では 30 歳代の男性で約 50%、
女性で 32%が未婚者です。町としても未婚率を低下させ、出生数を増やすためにも
「若者交流事業」を継続して実施します。
[施策内容]
① 遊佐町若者交流事業:継続(企画課)
内 容:婚活セミナー(年 1 回)、婚活イベント(年 2 回)開催
対 象:20 歳~39 歳(20 歳~45 歳の場合もあり)の男女
② 遊佐町結婚祝金:継続(企画課)
対 象:40 歳未満の夫妻で、婚姻後 2 ヵ月以内に本町に住所を有し居住している
こと。
助成金:1組 3 万円
(2)産業振興及び雇用対策
1)企業立地の推進及び企業支援
企業の新規立地や増設は、地域経済の活性化と雇用の場の確保に大きく寄与
するほか、町外従業員の定住化を促す効果があります。このことから、なお一
層の積極的な企業誘致を展開するとともに、新規立地企業に対する支援や既存
企業の増設等を支援します。
[施策内容]
① 工場用水道使用料支援事業:継続(産業課)
内 容:1 月の水道使用水量が 3,000 立方メートル超の場合、その工場等で
使用する上水道の使用料に対し助成金を交付するもの。
② 企業奨励条例奨励金:継続(産業課)
対 象:工場等を新設・増設した場合で、各種要件を満たす工場等の設置者
助成額:固定資産税相当額を 5 か年交付
③ 企業立地促進条例 用地取得助成:継続(産業課)
対 象:製造業等の事業で、準工業地域、工業地域等に用地を取得し、各種要
件を満たす工場等の設置者
助成額:用地取得価格の30%、ただし限度額3,000万円
④ 中小企業技術者養成研修補助制度:継続(産業課)
対 象:研修会を開催し又は従業員を研修に参加させる中小企業者
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助成額: 講師の謝礼及び交通費等、研修参加は対象経費の受講料、交通費、
宿泊費等
⑤ 雇用創出対策助成金:継続(産業課)
対 象:事業主の都合により失業・退職を余儀なくされた一定の要件を満たす
方を、公共職業安定所の紹介により雇い入れ、かつ1年以上継続して雇
用し、各種要件を満たす事業主
助成額:対象労働者一人につき50万円、事業所の新設・増設を伴う雇用の
場合一人につき60万円
2)地域資源を活用した新規創業支援
遊佐ブランド推進協議会事業:継続
内 容:遊佐町では町内企業の支援や企業誘致に加えて、農業や観光を中心と
する産業支援を行い地域資源のブラッシュアップによる元気で活力の
あるまちづくりのために、平成 17 年に官民一体となった事業推進組織
である「遊佐ブランド推進協議会」を設立しました。
地域のポテンシャルを磨きそれを活かす町民のアイディアや実践と
行政の施策を融合させ地域から雇用を作り出す「まちの元気づくり」
を事業目的としています。
[施策内容]:平成 24 年度~平成 26 年度
①雇用拡大メニュー:継続(企画課)
地域資源活用セミナー
漁業分野総合セミナー
②人材育成メニュー:継続(企画課)
直売所の人材育成セミナー
おもてなしの力レベルアップセミナー
情報発信スキルアップセミナー
伝統食、郷土食セミナー
③就職促進メニュー:継続(企画課)
ホームページ等での情報提供
就職面接会
IJU ターンフェア
④雇用創出実践メニュー:継続(企画課)
地域資源を活かした着地型ツアー商品開発事業
米を利用した新商品開発事業
農水産加工品開発事業
首都圏での農産物、農水産加工品販売拡大事業
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上記の遊佐ブランド推進協議会事業に加え、新規就農者への支援や定年帰農を目
指す移住者に提供できる農地を確保していくことも重要です。住宅地の周辺に確保
されていることが望ましいものの、そうでない場合は、一定のまとまりの農地(畑)
を町が予め確保しておくことを目指します。
[施策内容]
⑤ 青年就農給付金事業:継続(産業課)
内 容:経営の不安定な就農初期段階の青年就農者に対して、経営開始型の青
年就農給付金を給付することにより、青年の就農意欲の喚起と就農後の
定着を図る。
助成額:1 人当たり年間 150 万円(最長5年間)
⑥ 空き農地バンクの創設:新設(農業委員会)
内 容:空き農地の情報を管理し、定年帰農者等に貸出しするもの。
(3)定住を促すための条件整備
1)子どもを育てやすい環境の整備
次代を担う子どもたちが健やかに育成される環境づくりとして、早朝、延長、
一時保育等の保育需要対策、子育て支援医療費の拡充、子育て支援センターでの
相談や情報交換、放課後児童クラブ委託実施等、様々に取り組んできました。
天候に左右されずに親子同士、子ども同士が自由に来館し、ふれあうことので
きる遊びの空間整備、一時預かりの実施も含めた子育て支援センターの機能強化
や需要の多い放課後児童の居場所づくりの拡充など、子育て支援の一層の充実を
目指します。さらに、中心市街地に施設を整備することにより、魅力ある生活空
間を創り、定住対策に生かします。
[施策内容]
① 子育て支援の充実
遊佐町子どもセンター(仮称)整備事業:新設(健康福祉課)
内 容:1) 子育て支援・育児相談(子育て支援センター・一時預かり等)
2) 天候に左右されない親子のふれあい空間(自由来館の遊戯室)
3) 放課後児童の居場所づくり(放課後児童クラブ)
② 子育て環境・少子化対策の充実:継続(健康福祉課)
内 容:1) 子育て支援医療給付事業(中学3年生まで医療費無料)
2) ゆざっこ誕生祝金(第1、2子に 5 万円、第3子以降は 10 万円)
3) ひとり親家庭等医療制度
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妊婦健康診査助成事業
乳幼児健康診査事業
ブックスタート事業(ハイはい絵本:図書館共催)
幼児むし歯予防事業
すこやか育児相談会
子育て支援事業(0.1広場 読み;ゼロイチヒロバ)
思春期赤ちゃんふれあい体験(小学5年生対象)
特定不妊治療助成事業
③ 教育環境の充実:継続(教育課)
内 容:1) 放課後子ども教室などの支援
2) 教育相談員の配置及びスクールカウンセラーの活用
3) 特別支援教育アドバイザー及び特別支援教育支援員の配置
2)魅力あるまちづくりの推進
鳥海山をはじめ日本海、白砂青松の海岸、清流月光川、豊かな田園、潤いをも
たらす豊富な湧水などの美しい自然環境は、町民共有のかけがえのない財産です。
私たちはともすると、その恩恵を当たり前のことのように思いがちになっていま
す。先人が残してくれた財産を、より豊かなものとして未来に残し、活かしなが
ら、魅力ある市街地の形成、バスなどの地域内交通システムの充実、上下水道と
いった生活環境の整備などを進め、誰もが住みよい、住みたいと感じるまちづく
りを進めます。
また、米の生産・流通・消費に関しては、生活クラブ生協と我が町は 40 年もの
長きに渡り、提携産地として結びついております。これまでの交流の歴史を踏ま
えて、農村と都市との今後の連携進化のための共同宣言を締結し、連携事業の展
開による魅力あるまちづくりを進めます。
[施策内容]
共同宣言事業:新設(企画課)
内 容:町と生活クラブ生協と農協の三者が、長い提携と交流の歴史の上に立
ち、連携と共同のもとにお互いの地域、生活課題を解決していくために「地
域農業と日本の食料を守り、持続可能な社会と地域を発展させること」を
標榜し、共同宣言を締結し、連携事業を展開するもの。
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(4)協働による計画推進
1)アフターフォローの向上
定住の促進は、町を挙げての「おもてなし力」が欠かせません。特に「定住後」
についてのアフターフォローはとても大切で、孤立や問題を抱えたまま「暮らし」
を続けていくことは移住した方にとって大変な重荷です。
そこで、移住希望の段階から、空き家への案内やその集落との調整役を担う「仲
人役」として、かつ定住後は「良き相談相手」として移住者のアフターフォロー
を担う「集落支援員」を本年 10 月に配置しています。
また、「地域おこし協力隊」が平成 22 年度から配置され、地域の活性化ための
支援活動を実践しており、協力隊員本人が都市部からの移住者であることから、
定住後の移住者に対する支援と助言を期待しています。
もちろん「集落支援員」や「地域おこし協力隊」ばかりでなく、当町民のコミ
ュニケーション能力をそれぞれが発揮して、定住後は町民一人ひとりが移住者へ
のアフターフォローを意識することが重要です。
[施策内容]
①集落支援員の配置・活用:継続(企画課)
②地域おこし協力隊からの支援・助言:継続(企画課)
2)町のイメージアップの推進
本町は、海・山・川・平野・砂丘・温泉と様々な観光資源や杉沢比山など貴重
な文化財に恵まれています。このような自然環境の豊かさ、歴史ある文化財など
の特色を町内外にアピールしていくとともに、豊島区など友好都市での物産販売
やふるさと会などのイベントを通じて、イメージのアップを図ります。
また、平成 22 年度から本町の海岸線には全8基の風車が設置され、風力発電事
業が導入されました。エネルギービジョンの基本理念である地球温暖化防止対策
の推進と再生可能エネルギー導入のシンボルとして、日々クリーンなエネルギー
で発電しています。次の世代につながる持続的発展が可能な循環型社会の構築を
標榜し、
「エネルギーの地産地消によるまちづくり」を展開し、さらなるイメージ
アップの推進を図ります。
[施策内容]
情報提供事業:継続
内 容:ホームページ・各種情報誌やその他広報媒体を通じた情報発信
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