過去に発生した 事故事例について 電気事故とは? 電気関係報告規則・・・ 電気事業法第106条の規定により、その施行に必要な限度において、あらかじめ報告を 徴収するべき事項及び報告の方法等を具体的に規定しているもの。 感電死傷事故 感電外死傷事故 一、感電又は破損事故若しくは電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより人が 死傷した事故(死亡又は病院若しくは診療所に治療のため入院した場合に限る。) 同上 電気火災事故 二、電気火災事故(工作物にあっては、その半焼以上の場合に限る。ただし、前号及び次号から 第五号までに掲げるものを除く。) 社会的影響の 大きい事故 三、破損事故又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより、公共の財産に 被害を与え、道路、公園、学校その他の公共の用に供する施設若しくは工作物の使用を不可能に させた事故又は社会的に影響を及ぼした事故(前二号に掲げるものを除く。) 破損事故 四、次に掲げるものに属する主要電気工作物の破損事故(第一号、前号及び第八号から第十号まで に掲げるものを除く。) 波及事故 十、一般電気事業者の一般電気事業の用に供する電気工作物又は特定電気事業者の 特定電気事業の用に供する電気工作物と電気的に接続されている電圧三千ボルト以上の 自家用電気工作物の破損事故又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を 操作しないことにより一般電気事業者又は特定電気事業者に供給支障を発生させた事故 (第三号に掲げるものを除く。) 2 1 もし事故が起こったら? 【1】 事故の発生を知った時から48時間以内可能な限り速やかに事故の発生の 日時及び場所、事故が発生した電気工作物並びに事故の概要について、 電話・FAX等の方法により報告。(速報) 【2】 事故の発生を知った日から起算して30日以内に報告書を提出。 事故 発生 電気関係 報告規則 可能な限り 可能な限り 速やかに 速やかに (48時間以内) (48時間以内) 速報 (報告) 30日 日 30 30日 以内 以内 報告書 提出 (詳報) 第三条 2 電気事業者又は自家用電気工作物を設置する者は、電気事業者にあっては電気事業の用に供する電気工作物(原子力発電工作物を除く。以下この項において同じ。)に関 して、自家用電気工作物を設置する者にあっては自家用電気工作物(鉄道営業法 (明治三十三年法律第六十五号)、軌道法 (大正十年法律第七十六号)又は鉄道事業法 (昭 和六十一年法律第九十二号)が適用され又は準用される自家用電気工作物であって、発電所、変電所又は送電線路(電気鉄道の専用敷地内に設置されるものを除く。)に属す るもの(変電所の直流き電側設備又は交流き電側設備を除く。)以外のもの及び原子力発電工作物を除く。以下この項において同じ。)に関して、次の表の事故の欄に掲げる事 故が発生したときは、それぞれ同表の報告先の欄に掲げる者に報告しなければならない。 3 電気事故件数の推移(中部近畿管内) 電気事故件数の推移(昭和40年度~平成22年度) 電気事故報告件数 4 2 高圧停電事故要因(弊協会お客さま) 高圧停電事故要因(平成21年度~平成23年度 累計件数) 事故原因 自然劣化 過負荷 作業者等の 故意・過失 雷 風雨水害 故障工作物 碍子 引込施設 高圧ケーブル 高圧電線 その他 断路器(DS) 遮断器(VCB、OCB) 開閉器 遮断器等 柱上開閉器(PAS) 負荷開閉器(LBS) プライマ リーカットアウト(PC) 変圧器(T) 高圧機器 コンデンサ、リアクトル(SC、L) 高圧母線 支持碍子 避雷器(LA) 配電盤等 その他高圧機器 計器用変成器 保護継電器 高圧地絡リレー(GR、DG R) 過電流リレー(OCR)他 その他 合 計 構成比 他物接触 鳥獣等 樹木 GR不必要 動作 合計 5 26 4 1 0 17 9 32 47 6 16 3 0 4 9 4 158 2 7 350 0 0 0 0 0 8 0 4 13 4 0 0 0 0 28 0 0 6 7 70 3 6 4 11 0 3 6 6 1 22 15 2 6 0 11 1 15 0 21 133 1 1 1 2 0 4 10 6 1 0 4 1 0 1 0 5 18 0 13 68 1 18 0 4 1 2 2 7 2 2 0 0 1 5 13 1 9 3 21 92 0 3 20 0 11 10 20 69 1 7 8 3 1 2 7 13 0 0 29 204 1 3 19 2 0 0 0 1 0 0 1 0 0 0 1 0 0 0 9 37 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 202 0 0 202 11 57 48 20 12 44 47 125 65 41 44 9 8 12 69 24 402 11 107 1 ,1 5 6 30% 6% 12% 6% 8% 18% 3% 17% 100% 構成比 1% 5% 4% 2% 1% 4% 4% 11% 6% 4% 4% 1% 1% 1% 6% 2% 35% 1% 9% 100% 12% 26% 9% 36% 21% ※注意 ・停電事故件数は原因不明および他事故波及を除くものとした。 5 事故の事例 3 【事故事例 1】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧引込開閉器(PGS) 事故の状況 ■高圧引込開閉器電線接続部(ボルコンカバー)に 針金ハンガーが入り、接続端子部と機器支持 アングルの間で高圧地絡が発生した。 高圧地絡継電器が動作し、高圧引込開閉器が開放。 高圧停電事故となる。 地絡 事故の原因 ■機器支持アングル上にカラスが巣を作り、 巣の中に針金ハンガーがあった。 高圧引込開閉器の電線接続部と機器支持アングル の間で針金ハンガーが接触することにより地絡。 再発防止対策 ■鳥類の巣作りを防止するために、機器支持 アングルなどの部分にはバードバリアを設置する。 ■鳥が巣を作る時期には日常点検を頻繁に実施し、 鳥の巣を作り始めた時には至急に取り除く。 バードバリアの 取り付け 7 【事故事例 2】 ●事故内容:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:避雷器(LA) 事故の状況 ■避雷器の高圧線接続箇所に、つる草が接触。 高圧地絡が発生した為、高圧地絡継電器が動作。 高圧引込開閉器が開放し、高圧停電事故となる。 地絡 箇所 事故の原因 ■つる草が伸び避雷器の高圧線接続箇所に接触、 夕立の豪雨の為、つる草が濡れ、高圧地絡が発生。 地絡継電器の動作により、高圧引込開閉器が 開放し高圧停電事故となる。 再発防止対策 ■構内柱付近につる草が発生することが無いよう、 樹木伐採を行う。 ■夏期は、構内柱の日常点検を頻繁に実施する。 お客さまには、7日前に「現状は異常ないが、夏場のつる草は 急激に成長し、横の樹木から伸びてくる恐れがあるので、 樹木伐採をお願いします」と、依頼していた矢先の高圧停電事故 となってしまった。 7日前 8 4 【事故事例 3】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:避雷器(LA) 事故の状況 ■避雷器の高圧線に樹木が接触し、高圧地絡が発生。 高圧地絡継電器が動作し高圧引込開閉器が 開放した為、高圧停電事故となる。 ■樹木接触により高圧線(中相)が焼損。 事故の原因 樹木接触 により 焼損あり ■高圧設備への樹木接触による。 再発防止対策 ■高圧設備付近の樹木は、接近する前に 伐採を行う。 9 【事故事例 4】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:高圧引込開閉器(PAS) 事故の状況 ■雷が高圧引込開閉器に浸入し、機器を損傷 させた為、地絡事故となった。避雷器(LA)は 内蔵されていたが保護できなかった。 ■内部確認した結果、直撃雷の為、内蔵されている 避雷器が破壊されていた。 事故の原因 ■避雷器は内蔵されていたが直撃雷により、 保護されなかった。 再発防止対策 ■直撃雷による再発防止対策はとれませんが、 保安協会では、自然災害(突発的な雷害・水害) への損害に対する安心として『受電設備保証 保険』に加入していますので、ご安心下さい。 保険料は当協会が負担いたします。 10 5 【事故事例 5】 ●事故種別:波及事故 ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:高圧ピン碍子・高圧引込開閉器(PAS) 事故の状況 ■高圧ピン碍子のひび割れにより高圧地絡が発生。 しかし、保護継電器の高圧地絡継電器が動作 しなかった為、高圧引込開閉器が開放せず、 配電線停電の波及事故となった。 ■高圧ピン碍子、高圧引込開閉器、高圧地絡継電器、 避雷器の取替えにより復電する。 経年劣化 により 動作せず 事故の原因 ■主任技術者が未選任であった為、年次点検が 実施されておらず、高圧ピン碍子のひび割れ、 地絡継電器の動作確認ができていなかった。 再発防止対策 ■定期的な年次点検による、高圧機器設備状況の 確認 ■主任技術者の選任 (保安協会との保安契約の締結) ■お客さま社内の保安教育を実施 ひび 割れ 11 【事故事例 6】 ●事故種別:高圧停電事故(再閉路事故) ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:高圧引込開閉器(PGS) 事故の状況 ■高圧引込開閉器内部で地絡短絡が発生。 高圧引込開閉器の過電流ロックが働き、配電線の 停電後に高圧引込開閉器が開放、高圧停電となる。 機器本体の外観は著しく変形。高圧地絡継電器の 動作表示は有った。 事故の原因 ■高圧引込開閉器シール部の経年劣化(設置後 18年経過)が原因でガス封入箇所が気密不良となり、 内部短絡に至った。 再発防止対策 ■更新推奨年(10年)を経過したものは、 計画的な取替えを行う。 12 6 【事故事例 7】 ●事故種別:年次点検時発見 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧引込開閉器(PAS) 事故の状況 ■継電器試験にて、高圧地絡継電器は動作したが、 高圧引込開閉器が開放しなかった。 事故の原因 ■経年使用(設置後25年経過)により、 高圧引込開閉器内部に水気が浸入。 開閉器刃部が発錆し接触不良となったことが原因で 過熱焼損、開閉操作ができない状態となっていた。 再発防止対策 ■高圧引込開閉器外部に発錆が見られる場合には、 内部異常も考えられるので、機器取替えを行う。 ■更新推奨年(10年)を経過したものは、 計画的な取替えを行う。 13 【事故事例 8】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧ケーブル(CV・CVT) 事故の状況 ■高圧ケーブル端末処理部から水が浸入。 ケーブル心線に水トリー現象が起こり、高圧地絡が 発生した為、高圧地絡継電器が動作、 高圧引込開閉器が開放し高圧停電事故となる。 事故の原因 ■経年使用(設置後20年経過)により、高圧ケーブル 端末処理部分がシュリンクバック現象※を発生させた。 ※シュリンクバック現象・・・ ケーブル端末処理材がShrinkback(萎縮する)収縮現象で 保護被覆に湿気や水が中に入りケーブル心線に 水トリー現象が発生 再発防止対策 ■目視点検(双眼鏡による)を行い、端末部分の異常を 発見した時点で、ケーブルの取替えを行う。 ■高圧ケーブルで、更新推奨年(15年)を 経過したものは、計画的な取替えを行う。 14 7 【事故事例 9】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧交流負荷開閉器(LBS) 事故の状況 ■キュービクル内にヘビが侵入し、高圧交流負荷 開閉器の電源側に接触。地絡電流が流れた為、 地絡継電器が動作し高圧引込開閉器が開放、 高圧停電事故となる。 事故の原因 ■キュービクル基礎部の仕上げ不完全。 (隙間のコンクリート処理等が実施できていなかっ た。) ヘビが 接触 再発防止対策 ■開口部(1cm以上)があればパテ埋め等の 処置を行う。 ■改修工事等の後は、 小動物侵入防止対策の 確認を行う。 ■充電部露出箇所があるような 開閉器には、相間バリアを 取り付ける。 ヘビ 侵入箇所 15 【事故事例 10】 ●事故種別:高圧停電事故(再閉路事故) ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:高圧交流負荷開閉器(LBS) 事故の状況 ■キュービクル内にネズミが侵入し、高圧交流負荷 開閉器の負荷側に接触した結果、電力ヒューズ部に おいて短絡が発生し、電力ヒューズを破損させた。 短絡電流が流れたため、構内柱上高圧気中開閉器の 過電流ロックが働き、配電線停電後に高圧引込開閉 器が開放し、高圧停電事故となる。 ネズミ 侵入箇所 事故の原因 短絡 ■低圧配線入れ替え工事完了後に、小動物侵入防止 対策のパテ埋め等の処置が実施できていなかった。 再発防止対策 ■開口部(1cm以上)があれば パテ埋め等の処置を行う。 ■充電部露出箇所があるような 開閉器には、相間バリアを 取り付ける。 ネズミ 16 8 【事故事例 11】 ●事故種別:高圧一部停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧交流負荷開閉器(LBS) 電力ヒューズ(PF) 事故の状況 ■電力ヒューズが溶断。ヒューズエレメントが 正常動作しなかった為に、ストライカが動作せず、 高圧交流負荷開閉器は開放しなかった。 過熱により 溶断した 電力ヒューズ 事故の原因 ■機器(動力用変圧器)の負荷電流と電力ヒューズの 定格電流(本体定格電流)が近い状態で使用 されていた為、ヒューズ内部の経年劣化により過熱、 溶断した。 再発防止対策 ■電力ヒューズの定格電流に近い状態で使用する 場合には、メーカーに確認の上、用途にあった ヒューズを使用する。 17 【事故事例 12】 ●事故種別:高圧一部停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧交流負荷開閉器(VS) 事故の状況 ■コンデンサ用高圧真空遮断器が、高圧地絡継電器 の動作により開放。高圧コンデンサ回路が、 高圧一部停電事故となる。 事故の原因 ■高圧交流負荷開閉器碍子部において、経年の汚損 が原因でトラッキング現象が発生。 碍子部が絶縁破壊を起こし、バルブ端子部から 高圧地絡が発生した。 再発防止対策 ■目視点検により汚損が確認された際には、 清掃により絶縁を保持させる。 ■更新推奨年(20年)を経過したものは、 計画的な取替えを行う。 18 9 【事故事例 13】 ●事故種別:波及事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:高圧真空遮断器(VCB) 事故の状況 ■高圧真空遮断器の経年劣化(設置後23年経過) により、遮断器電源側での3相短絡が発生。 出迎方式受電であった為、波及事故となった。 事故の原因 ■高圧真空遮断器を長く使い続ける事で、VCBの 絶縁物表面に塵埃が付着し、絶縁抵抗が低下、 トラッキング(炭化導電路)が生成され、地絡もしくは 相間短絡事故が発生した。 再発防止対策 ■目視点検により汚損が確認された際には、 清掃により絶縁を保持させる。 ■更新推奨年(15年)を経過したものは、 計画的な取替えを行う。 19 【事故事例 14】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:3線一括ベークライト支持 事故の状況 ■高圧絶縁電線を支持している3線一括ベークライト 支持に、天井の結露により水滴が落下。 ■ 水滴が染み込み、トラッキングが発生。これにより 絶縁破壊を起こし、高圧地絡となる。 地絡継電器動作により、高圧引込開閉器が開放し 高圧停電事故となる。 結露により 天井の水滴 が落下 地絡 事故の原因 ■長期にわたるキュービクル天井部の結露が原因で、 水滴がベークライト部にしみこみ、トラッキングにより 絶縁破壊を起こした。 再発防止対策 ■結露防止対策として、キュービクルに スペースヒーターの設置又は、換気扇の 取り付けを行う。 ■ 3線一括ベークライト支持を、単独に支持できる 支持碍子や支持物に取替える。 長期にわたる 結露により 発錆が見られる 20 10 【事故事例 15】 ●事故種別:高圧事故(機器焼損事故) ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:計器用変圧器(VT) 事故の状況 ■高圧用電圧計の指示が異常値を示していた。 短絡 ■経年劣化により、計器用変圧器内部で 絶縁破壊(レアーショート)を起こした為、 電力ヒューズが溶断していた。 事故の原因 ■経年使用(設置後25年)により、計器用変圧器 内部にて絶縁破壊を起こし、短絡が発生した。 再発防止対策 ■更新推奨年(20年)を経過したものは、 計画的な取替えを行う。 21 【事故事例 16】 ●事故種別:高圧停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:油入変圧器(T) 事故の状況 ■変圧器内部地絡により高圧地絡継電器が動作。 高圧引込開閉器が開放し、高圧停電事故となる。 事故の原因 ■経年使用(設置後25年経過)と100%負荷状態での 使用により、変圧器内の絶縁油が劣化、汚濁し、 絶縁能力が低下した。これが原因で高圧地絡が発生。 地絡継電器動作により、高圧引込開閉器が開放、 高圧停電事故となる。 再発防止対策 ■変圧器の絶縁油は汚濁と判定された時点で、 絶縁油の取替えを行う。 ■更新推奨年(25年)を経過したものは、 変圧器の計画的な取替えを行う。 ■変圧器容量は、需要率80%程度で使用することが 望ましいので100%使用の場合は、1ランク上の 変圧器を選定する。 22 11 【事故事例 17】 ●事故種別:感電死亡事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:並行ビニルコード(延長用テーブルタップ) 事故の状況 ■作業者は手元照明をとる為、事務所から100V 照明器具と延長用のビニルコードを持ち込み、作業 していた。その際、作業台にあった鉄材が落下し、 ビニルコード被覆を損傷させ、鉄材が充電された。 真夏で作業者の背中が濡れていた為、感電し、 素手から流出した。発見時には、感電した状態で 死亡していた。 ■当該コンセント回路には、漏電遮断器は設置されて いなかった。 作業台上に あった鉄材 が落下 事故の原因 ■工場にビニルコードを持ち込み、作業していた。 感電 再発防止対策 ■工場内での、ビニルコードの使用厳禁。 ■キャブタイヤコードによる延長線の使用。 ■コンセント回路に漏電遮断器の設置。 ■手袋着用による安全意識の向上と作業環境の整備。 延長用の ビニル コード 23 【事故事例 18】 ●事故種別:感電(負傷なし)事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:100Vグラインダー 事故の状況 ■作業者が制御盤内の加工をしようとした時に、感電。 ■漏電遮断器はコンセント回路に設置されていたが、 動作しなかった。(作業手袋着用の為、感電時の 漏洩電流が定格感度電流30mAに至らなかった。) 感電 事故の原因 ■100Vグラインダーが絶縁不良であった。 ■100Vグラインダーにアースが、取付けてられて いなかった。(コンセント付属アース線用クリップが、 壊れていた) 再発防止対策 ■可搬形機器を使用いる際には、必ず付属の アース線にて接地する。 ■二重絶縁構造の可搬形機器を使用する。 24 12 【事故事例 19】 ●事故種別:負傷(火傷)事故 ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:低圧分電盤内母線(ブスバー) 事故の状況 ■建屋の改装工事のため電圧の確認作業をしていた。 ■配線用遮断器の電源側を、テスターで測定しようと した際、誤ってテスターの測定チップが電源母線の S相、T相を短絡させた。アーク閃絡が発生し、作業員 2名が火傷を負った。また、遮断器が焼損し庁舎の 一部が停電した。 アーク 事故の原因 ■テスターチップ導体部が長かった。 ■電圧測定をブスバー(銅帯)で行った。 再発防止対策 ■テスターチップの導体部を少なくする。 (ビニルテープで絶縁処理する) ■配線用遮断器の二次側で電圧測定する。 ■ヘルメットに火傷防止用の防災面を取付けて 電圧測定する。 25 【事故事例 20】 ●事故種別:低圧停電事故(高圧一部停電事故) ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:低圧配電盤配線用遮断器 事故の状況 ■低圧配電盤配線用遮断器の内部焼損により、 相間の絶縁が破壊され、短絡電流が流れた。 その為、動力変圧器用カットアウトヒューズが溶断し、 動力回路が停電。同時に、焼損による発火が原因で 配電盤内の他の配線用遮断器も類焼。 内部故障 により 焼損した 配線用 遮断器 事故の原因 ■配線用遮断器内部の過熱により、相間の絶縁が 低下し、短絡事故が発生、発火した。 再発防止対策 ■配線用遮断器本体並びに接続端子の 放射温度計による点検。 ■サーモラベル貼付による温度管理を行う。 26 13 【事故事例 21】 ●事故種別:低圧一部停電事故 ●お客さま業種:工場 ●電気工作物:コンセント(雨線外) 事故の状況 ■工場内電灯分電盤にて、コンセント回路の 漏電遮断器が動作。 ■該当回路絶縁測定の結果、0MΩ。コンセント内に 雨水が浸入、端子部の腐食により、断線し地絡 していた。 腐食に より 端子部で 断線 雨水の 浸入 事故の原因 ■雨線外(屋根のひさしより45外部)に、屋内用 コンセントが設置され、さらにコンセントカバーが 破損していたことにより、雨水が浸入。 再発防止対策 ■雨線外に設置されている コンセントについては、 防水形コンセントを設置する。 27 【事故事例 22】 ●事故種別:低圧一部停電事故 ●お客さま業種:製造業 ●電気工作物:動力用コンセントプラグ 事故の状況 ■工場内の製造機器用ブレーカー (MCCB3P30A) が動作した。コンセントプラグ内を点検した結果、 青相接続端子の緩みにより、配線が過熱。 青相と黒相の被覆が焼損し、相間短絡が発生 していた。 端子ネジ の緩みに より過熱 事故の原因 ■数ヶ月前に、コンセントプラグが破損した為取替えを 実施。その際、青相の締め付けが不完全であった。 再発防止対策 過熱により 被覆焼損し 短絡 ■コンセントプラグ交換の際には、端子は確実に 締め付ける。 28 14 【事故事例 23】 ●事故種別:感電(負傷なし)事故 ●お客さま業種:工場 ●電気工作物:動力用コンセントプラグ 事故の状況 ■作業者が動力用ボール盤に接触した際、感電。 当該回路には、漏電遮断器が設置されていた為、 漏電遮断器が動作した。 感電はしたが、大事には至らなかった。 事故の原因 ■事故前日に、動力用ボール盤を移動した際に、 キャブタイヤケーブルが短かった為、配線の やり直しを行った。その際に、配線接続端子の 誤接続があった。 再発防止対策 接地極 電源線 ■配線の誤接続が無いよう端子接続後には 再確認を行う。 ■配線変更後の機器試運転を行い、正常運転 するか確認する。 29 【事故事例 24】 ●事故種別:低圧一部停電事故 ●お客さま業種:事務所ビル ●電気工作物:電工ドラム 事故の状況 ■建物1階、電灯分電盤内の屋外コンセント回路用 ブレーカ(MCCB 2P20A)が動作。外壁塗装会社が、 電工ドラムを使用して白熱投光器500Wを3台使用 していた。電工ドラムのキャブタイヤケーブルが 過熱焼損し、短絡した。 事故の原因 ■電工ドラムを巻いた状態で使用していた為、 放熱されず、キャブタイヤケーブルが過熱焼損し、 短絡に至った。 再発防止対策 ■電工ドラムを使用する際には、巻き上げた状態で 使用しない。 ■電工ドラム巻き上げ状態での定格電流は5Aで あることを認識する。 30 15 【事故事例 25】 ●事故種別:低圧一部停電事故 ●お客さま業種:学校 ●電気工作物:地中埋設低圧電灯配線 事故の状況 ■クラブハウス電灯回路用MCCB3P30Aが動作。 重機によりグランドを掘削していた所、誤って 地中配線を断線させ、短絡により、ブレーカーが 動作した。 事故の原因 ■電気配線の地中埋設状況を、確認せずに 外構工事を行い、配管を損傷させた。 再発防止対策 ■構内において掘削工事を行う場合には、掘削場所に 埋設配線がないか図面にて確認してから工事を行う。 ■地中埋設配線を行う場合は、配管上部に埋設表示 シートにより埋設配管があることの表示を行う。 切断された 配線 31 ご清聴ありがとうございました ホアンくん 16
© Copyright 2024 ExpyDoc