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みずほ情報総研が
テスト工程の自動化により
システム開発プロセスを革新。
HP QuickTest Professional Softwareによるテスト
自動化で、金融系システムの構築期間とコスト
を大幅に削減。
目的
開発期間の約半分を占めるテスト工程に自動化ツール
を導入することで、開発コストの削減と開発期間の短
縮をはかった。さらに、ここで得られたテストプロセス
改善ノウハウを元に日本HPと協業し、テスト自動化・
最適化のためのソリューションビジネスへ発展させた。
アプローチ
当初から数多くのシステム案件にテスト自動化ツール
を適用。導入効果の最大化をはかるとともに、最適な
適用分野を見定めていった。
導入効果
お客様導入事例:
HP QuickTest
Professional
Softwareによる自
動化で、テスト工程
を刷新
業界: 金融
• 結合テスト、システムテスト、回帰テストの期間短縮
• 結合テスト、システムテスト、回帰テストの品質向上
• テストプロセスの標準化
ビジネスの効果
• サービス提供の迅速化
• システム開発コストの削減
• サービス品質の向上
• ソリューションビジネスへの展開
自動化による「絶大な効果」を求めて
みずほ情報総研は、みずほフィナンシャルグループの
IT戦略を支えるシステムインテグレーターである。グ
ループ各社の膨大な数の金融系システムの構築を一
手に担うとともに、そのノウハウをもとに、一般法人顧
客へのソリューション提供、コンサルティングも積極
的に展開している。
今回、みずほ情報総研は、機能テストの自動化ツール
の導入によるテスト工程の刷新を断行した。多岐に渡
る金融系システムを対象とするこの大プロジェクトを
推進したのは、銀行システムグループ共通インフラ事
業部第3部である。まず、同部の板東克昌次長にその
背景を伺おう。
「金融システム開発の効率向上と開発期間の短縮のた
めに、テスト工程の見直しが不可欠だったのです」
金融分野では大規模システムの開発が多い。当然、
テストの内容も大規模になる。また制度対応のための
システム変更もつきもので、その都度テストが必要に
なる。様々なシステムが複雑に連携しているため、そ
のシステム変更が他のシステムに及ぼす影響を
チェックするリグレッションテストも行なわなければ
ならない。さらに近年は、顧客自身が取引を行うチャ
ネル系が発達し、多様な操作ミスを想定したテストも
求められている。金融分野におけるテスト工程の比重
は、一般のシステム開発以上に大きいのである。テス
トに要する期間は最低でも半年、開発期間の半分を
越えることも少なくなかったという。
「テスト作業の自動化で、この状況を刷新したい。これ
が私たちの課題でした」
みずほ情報総研株式会社
銀行システムグループ
共通インフラ事業部第3部
次長
板東 克昌 氏
みずほ情報総研株式会社
銀行システムグループ
共通インフラ事業部第3部
技術支援チーム
システムコンサルタント
木村 孝 氏
システム開発の他のフェーズには様々な手法が導入さ
れてきたが、テスト作業はいまだに人手作業のまま
だった。これを自動化すれば、絶大な効果が見込め
る。例えばコスト削減。数千人のスタッフが働くなかで さらに、信頼性。QTPは、海外では金融システムをはじ
め、ミッションクリティカルな領域で数多く使われて
テスト期間を1ヶ月短縮できれば数十億円のコスト削
いる。テスト工程の品質確保のためには、実績に裏付
減につながる。さらに、スピーディーなサービス提供。
けされたこの信頼性は必須だったという。テスト結果
テスト期間を短縮することで、新商品開発も加速でき
の証跡が文書として残る点も評価された。
るだろう。もちろんテスト工程は、金融システムの信頼
性を支える重要なステップである。テスト自体の品質
「導入にあたっては、当初から数多くのシステム案件に
を損なうことなく、コスト削減、期間短縮が可能な自
QTPを適用しようと考えました」
動化ツールが求められていた。
スモールスタートは念頭になかったと板東次長は語
る。QTPは、アプリケーションに対するGUI操作をスク
「金融システム開発の効率向上と開発期間の短縮のた
リプトとして記録。そのスクリプトとパラメータ化し
めに、テスト工程の見直しが不可欠でした。今回は
た入力値を組み合わせることで、複雑なパターンの反
QTPによってそのテスト工程にメスを入れることが
復テストを自動化するツールである。その自動化の成
できました。」
果が最も顕著なのは、一度作ったスクリプトを何度も
みずほ情報総研株式会社 銀行システムグループ 使用するケースだ。大部分のシステムは年1回程度の
共通インフラ事業部第3部次長 板東 克昌 氏
システム更新のときにしかこの成果を享受することが
できない。しかし、数多くのシステムにQTPを適用すれ
「問題は、多種多様なシステム環境でした」
ば、開発チーム全体で目に見える導入効果が期待でき
るという。
みずほフィナンシャルグループ各社の社内では、長年
にわたるシステム導入によって様々なシステム環境が
構築されていた。クライアントサーバー、Webシステ
ム、シンクライアントから、SAPなどのパッケージシス
テム環境、ホストコンピュータのクライアント環境な
ど多岐に渡り、それに加えて使用しているOSやブラウ
ザなどのバージョンも複数存在するため、その種類は
膨大だった。
「これらの環境に対応できるツールは、一つだけでし
た」
HP QuickTest Professional Software(以下QTP)であ
る。
みずほ情報総研株式会社
金融ソリューション第3部
部長
宮田 隆司 氏
数千人のスタッフが働く開発現場では、今までのやり
方を簡単に変える訳にはいかない。人間が画面の中で
繰り返していた様々な入力や操作をそのまま自動化
できるQTPなら、現場に大きな負担をかけることなく、
スムーズに導入できる。
多数の案件に一気に適用
QTPの魅力は、対応環境の広さだけではない。板東次
長はツールとしてのシンプルなコンセプトも、大きな
メリットだったという。
「開発のルールを変えないと使えないツールも多いの
ですが、QTPは今の作業をそのまま置き換えてくれる
のです」
「さらに開発現場に対しては、このツールの使用を強
制することにしました」
既存の開発手順を変えたくないという思いが現場に
はある。その中でツールを普及させるには、ある程度
の強制が必要だと、板東次長はいう。それにより成果
が挙がっていけば、自ずと現場の意識も変わっていく
だろう。
2010年5月、QTP導入に向けた準備作業が本格的にス
タートした。
現場支援の仕組みを社内に構築
まず、最初に行われたのは、QTPが適用できそうなシ
ステムのリストアップだった。作業にあたった共通イン
フラ事業部第3部 技術支援チーム システムコンサル
タントの木村孝氏はその基準を語る。
「Web系をはじめとする画面によるテストがあるシステ
ムで、クライアント環境がQTPの稼働条件を満たすシ
ステムを机上にて選定しました」
みずほ情報総研株式会社
金融ソリューション第3部
第1チーム 上席課長
眞子 功 氏
2
リストアップされた約90システムのうち80システム
で、QTPの稼働が確認され、以後これらのシステムの
機能テストは、QTPで行うこととされた。
さらなる効果に期待
QTP使用にあたっての現場支援の社内整備が課題
だったと木村氏はいう。
「どの案件もまだ初回のスクリプトを作った段階です。
来年以降、今回のスクリプトが再利用されるようにな
れば、目に見える効果が得られるでしょう」
今までに、40〜50案件の機能テストでQTPが使用され
ている。利用者は延べ400名にのぼるという。一部で
「ツールは使ってみないことには便利さなどが分かりま
はQTPのスクリプト機能を駆使して、複雑な条件分岐
せん。あとは、現場のスタッフに実際の機能テストに適
を伴うスクリプトを作ったスタッフもいるとのこと。し
用してもらうことで、効果があがる領域を見定めてい
かし、まだ具体的な導入効果が挙がる段階ではない
こうと考えたのです」
と板東次長は語る。
「ひとつのツールを長く使っていくためには、当社の環
境やテスト方法を理解した上での現場支援ができなけ しかし、木村氏によると開発現場からは、次のような
ればいけないのです」
報告もあがってきている。
当初HPのコンサルタントが、みずほ情報総研の
スタッフに教育を実施。リストアップした約90システ
ムの稼働確認をHPのコンサルタントと共同で行うこ
とを通じて、わずか6ヶ月でQTPに関する技術移転が
完了したという。稼働確認と並行して、みずほ情報総
研社内に、独自の教育体制、ヘルプデスク、掲示板な
どが展開され、社内スタッフに対する教育、支援体制
が構築された。
充実した現場支援のしくみの中で、様々なテストに
QTPが使われていった。
「従来のテストは、単純作業のうえ入力ミスも許され
ませんでした。これはテスト担当者にとってはかなり
の精神的負担で、それから解放されたことが大きな効
果です」
一方現場の管理者にとっては、テストにおける属人性
を排除できたことが、大きなメリットだという。個人の
技量に左右されることなく、一定の品質のシステムテ
ストが可能になった。前回のテストを実施した
スタッフが異動しても、対応できるようになったという。
3
意外な効果も挙がっている。例えば、旧システムから
新システムへのデータ移行での利用。旧システムから
抽出したデータを、QTPを利用して新システムに自動
入力するという使い方である。いわば、オペレー
ションの自動化だ。
「従来は、データ移行用の専用プログラムを作成して
いたのですが、QTPを利用することでその手間が削減
できました。さらに画面上でデータの不備や整合性を
チェックすることができ、データ精度の向上にもつな
がっています」
(板東次長)
このような使い方は、拠点の新設などに伴う数千人規
模のID登録作業の自動化にも威力を発揮していると
いう。
システム開発を革新する
提供されるサービスは、統合的なテストマネジメント
を実現するHP Quality Centerを利用したテスト工程全
体コンサルティングから、QTPによる機能テスト改善
コンサルティング、HP LoadRunnerに基づく性能・負荷
テスト改善コンサルティング、ソースコード解析ツール
HP Fortifyを活用したソースコード品質・セキュリティ
問題チェックサービスまで、テスト工程すべてを網羅
する。
「先進のテストツールとテスト工程改善のための実践
的な方法論を同時に提供することで、お客様には確実
な改善効果をお届けしたいと考えています」
と、金融ソリューション第3部第1チーム上席課長眞子
功氏は、語る。
さらにみずほ情報総研は、HPとのSVI契約に基づき、
導入支援からトレーニング、保守サービスまでも一元
的に提供するとのことである。
みずほ情報総研の今回QTP導入は、新たなソリュー
ションビジネスをも生み出した。自らの経験を活かし
たみずほ情報総研のテストプロセス改善ノウハウと日 最後に板東次長から一言いただこう。
本HPが提供する先進ツールを組み合わせた「テスト自
動化・最適化ソリューション」である。
「今回は、QTPによってテスト工程にメスを入れるこ
とができました。しかし、我々が最終的に目指してい
みずほ情報総研金融ソリューション第3部の宮田隆司
るのは、すべての工程でのコスト削減であり、期間短
部長に、この協業の持つ意味をお聞きしよう。
縮です。今回の試みは、工程全体の見直しへのきっか
けになったと思います。さらなる効率化に向けて進化
「私たちが目指しているのは、IT業界全体のパラダイム
していくためのパートナーとしてHPには、さらに期
シフトにつながるソリューションです。そのためにシス
待しています」
テム開発の革新につながるさまざまな手法を一気に
普及させたい。この大きな波を起こすためには、
ミッションクリティカルシステムのテスト工程改善の
先駆者であるみずほ情報総研と、テストツールのトップ
ベンダーであるHPはベストパートナーなのです」
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4AA3-7676JPN, CSW11740-01 2011年10月
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