PDF(534KB) - Hewlett Packard

クリック証券株式会社
高性能と操作性を両立したストレージで、次なる成長に備える
24時間365日、昼夜を問わず繰り広げられる為替取引。その値動きに投資するFXサービスの
提供で人気の高いクリック証券では、急増する取引トランザクションに対応し、ストレージ統
合とパフォーマンス強化を実現するためHP
StorageWorks XP20000への移行を決断。
わずか1ヶ月半ほどの短い移行期間で、今後の口座数拡大に向けた余裕が生まれ、運用負荷
の軽減を達成した。さらに、システム増強にあわせ最上位モデルXP24000の導入も決定。
目的
ストレージ性能不足の不安を解消
• I/Oボトルネックの発生を解決
• 時間がかかるバックアップを短縮
田島利充 氏
(外国為替証拠金取引)、先物・オプション取引、eワラントな
アプローチ
も様々な金融商品に気軽にアクセスできるのは、オンライン証
• 操作性にも優れるHP StorageWorks XPを採用
• 複数ストレージを1筐体内に統合
• サポートサービスや管理ツールを積極活用
中で、資金をそれほど持っていない多くの個人投資家であって
券会社の存在に負うところが大きい。
クリック証券株式会社もそうした個人投資家に人気のオンライ
ン証券会社のひとつである。2006年のサービス開始以来、
「顧
客利便性の高い金融サービスを低料金で提供し続ける」とい
システムの効果
う経営理念の下、確実に業績を伸ばしてきた。2008年10月に
可用性の高いストレージインフラを獲得
は、オンラインでの保険の取り扱いを開始。
「株式やFXだけで
• トランザクションの急増にも不安なし
なく、広範な金融サービスを提供できる総合金融サービス会
• バックアップ時間は従来の1/10に
社を目指すという取り組みを前進させることができた」と、同社
• ストレージ統合効果で運用負担が大幅減
取締役でIT部門の責任者でもある田島利充氏は語る。
ビジネス競争力とサービス品質がアップ
箱崎和男 氏
株式をはじめREIT(不動産投資信託)やETF(上場投資信託)、FX
ど、金融商品の数は近年、大幅に増えている。こうした流れの
ビジネスへの効果
クリック証券株式会社
システム部マネージャー
クリック証券は総合金融サービス業を目指す
• ストレージの運用負荷の軽減
高性能なストレージへリプレース
クリック証券株式会社
取締役
低料金と便利なサービスとを武器に
• 今後の口座数、取引量増大にも余裕が
• 新ビジネス、新サービスへの挑戦が可能に
• 低料金という強みをこれからも維持
社内エンジニアたちの高い技術力が
低料金戦略を可能にした
クリック証券の特長といえるのは、経営理念でもうたっているよ
うに、品質の高いサービスを提供しながら、手数料などを業界
でもトップクラスの低料金に抑えていることだ。たとえば、FXで
通貨を売買する時に必要となる手数料の一種「スプレッド」。こ
れを業界に先駆け、
ドル/円では最低で0銭を実現した。こうし
た攻めの戦略により、同社は2009年7月に、FXの月間売買代
金でトップの地位を獲得した。
こうした低料金戦略が可能である秘密を、田島氏は技術力の高
さにあるという。
「技術者集団で始めた会社ということもあり、
システムの構築や運用、そしてお客様の利便性アップに欠かせ
ない取引ツールの開発などを、すべて自社内で行っているため」
(田島氏)だと解説する。社内の優秀なエンジニアを使って開
発コストを抑えることができるため、お客様のニーズを取り込
んだ質の高いサービスやツールを絶好のタイミングで迅速に
提供すると同時に、低料金も実現できるというわけなのだ。
ストレージのI/Oがボトルネックになり
は許されない。最速のI/Oパフォーマンスを備えていることは
取引集中時のサービス低下が表面化
もちろん、高い可用性についても絶対条件だった。
前述したように、クリック証券は業界で初めて、
ドル/円のスプ
そして拡張性。FXでは、経済指標の発表、政府要人の発言など
レッドを最低0銭にした。この料金体系をスタートさせたのは
世界中の様々な出来事が為替相場を大きく動かし、取引量も
2008年7月のこと。このスプレッド改定をきっかけに、同社の 予想を超えて急増することがままある。こうした場合に、増えた
FXの口座数と取引量は急激に伸びていった。しかし、同年11月 取引量をカバーできるだけのディスク容量を随時、動的に拡張
になると、FX取引を司る「FXシステム」が悲鳴を上げ始める。取
できれば、システムやサービスの安定性は高まる
引のトランザクションをさばききれないようになり、取引が非常
3つ目のバックアップ時の課題を解消したいという思いも切実
に集中した場合、システム障害も発生するような事態に陥った
だった。同社では、取引量が拡大を続ける中で、ストレージ内の
のである。
データを日々バックアップしていた。その際に課題となったの
トランザクションをさばききれない最大の原因は、ストレージの
は、バックアップに時間がかかってしまうこと、さらにその間はス
「既存ストレー トレージのパフォーマンスが落ちてしまい、サービスのレスポ
I/O処理がボトルネックになっていたことだった。
「バックアップをもっと短時間
ジではI/O処理のパフォーマンスが不足し、一連のトランザク ンスが下がってしまうことだった。
ション処理を途中で待たせてしまうことが増えてしまったので
で完了でき、バックアップ作業中もレスポンスが落ちない高パ
す」
(田島氏)。問題解消に向け、同社では急きょI/Oパフォーマ
フォーマンスのストレージにしたかった」
(箱崎氏)。
ンスのより高いストレージへ更新することを決めた。
こうした す べ て の 条 件 を 満 たした の が、HP StorageWorks
ストレージ更新にはもう1つの狙いもあった。ITインフラチーム
XP20000だった。さらに、この高性能ストレージのデモンスト
のチーフを務める同社システム部の箱崎和男マネージャーはこ レーションを見て、設定変更などの操作が簡単であることに
う説明する。
「ストレージが複数存在し、しかも複数のベンダー
も箱 崎は驚 いたという。
「GUIで簡 単に変 更 操 作が行えると
が混在していたのです。これらを1つに統合することで、運用の
ころは気に入りました」。既存システムで採用済みだったHP
手間を軽減したいと考えていました」。複数のストレージがあれ
StorageWorks EVAが、併用していた他社製ストレージと比べ、
ば、もし障害が発生した場合に、特定するための作業が必要と 故障率の点でも、使いやすさの点でもズバ抜けていたことも
なる。しかも、ベンダーごとに障害対応の方法が異なる上、問
HP製ストレージの信頼感につながった、と付け加える。
い合わせ窓口も複数。運用を担当する同社エンジニアたちに
は大きな負担がかかっていた。
24時間止められない運用を実現する上で
専任担当者によるHPからのサポートは心強い
可用性の高さ、動的拡張性、バックアップ性能
HP StorageWorks XP20000の採用が決まった2008年12月、
という3条件をすべて満たすXPを選択
ストレージの更新プロジェクトは慌ただしくスタートする。現行
新ストレージの選定にあたっては、
「まず可用性。これに加えて
FXシステムが厳しい状況にある中で、早急に移行を完了しなく
動的な拡張性、そしてバックアップ時の解題解消という3つがク てはならない。クリック証券サイドではさっそく設計作業を開
リアできることを条件としました」
と箱崎氏。
始するとともに、移行のための検証作業やHP StorageWorks
オンライン証券会社の同社にとって、システムはビジネスに不
XP20000の構築に必要な技術的知識の収集にも着手。一方、
可欠の基盤。しかも、24時間動き続ける為替取引でお客様の
HPサイドから送り込んだエンジニアたちは、箱崎氏たちのチー
大切な資金を扱うため、どんな場合にもサービスが止まること ムとタッグを組み、搬入したHP StorageWorks XP20000の物
基幹業務を守るXP20000
(システム概要図)
Oracle RAC
rx7640
rx7640
FXシステム1
Oracle RAC
rx7640
HA
HA
DL785 G5
DL785 G5
rx7640
FXシステム2
Oracle RAC
DL580 G5
証券システム1
証券システム2
DL360 G5
DL580 G5
シングルサインオン管理
XP監視
SAN
SAN Switch 4/64
SAN Switch 4/64
業務LAN
管理LAN
FC
XP BusinessCopy
P-Vol
XP20000
S-Vol1 S-Vol2
理フォーマットなどを開始した。
「プロジェクト完了の目標は1ヶ月半ほどという非常に厳しいス
持てる技術力を総動員し
ビジネス競争力のさらなる強化を図る
ケジュール。1つの場所に集まって一緒に作業を進められたこ 新ストレージへの移行完了からすでに8ヶ月ほどが経過した。
とが、これだけ短期間でできた大きな要因といえるでしょう」 2008 年 11月、ストレージのパフォーマンス不 足 懸 念が持ち
と、箱崎氏はHPの対応を評価する。仕様の変更や記述間違い
上がった時に約30,000だったFX口座数は、現在、2倍以上の
などがあればすぐにHPのエンジニアに伝え、その場で調整・ 72,000を超えるところまで順調に数を増やしている(2009年
解決するという、密接な連携の下で作業は順調に進んだ。翌
「HP StorageWorks XP20000
8月末)。こうした状況の中でも、
2009年1月には無事移行を完了し、新ストレージが本格的な はまったく問題なく、稼動し続けてくれている」と箱崎氏の評価
稼動に入った。
は高い。
運用フェーズに入ったところで、クリック証券では新たにHPの
具体的な導入効果も様々な面で得られているようだ。たとえ
提供するサポートサービス「プロアクティブ24」の契約を締結。 ば懸案だったバックアップ。HP StorageWorks XP20000が備
トラブルの発生を未然に回避する える極 めて 高 速 なデ ータコピー 機 能「HP StorageWorks XP
24時間体制のリモート監視、
事前保守といった万全のサポートをHPが提供することで、運用
Business Copy」を利用することで、バックアップ時間は従来の
を担うクリック証券のエンジニアたちの業務負荷は大きく低減。 1/10以下にまで飛躍的に短縮できたという。バックアップ作業
「プロアクティブ24のサービスでは、当社専任のサポートエン
中にサービスのレスポンス低下という課題を解消できた。また
ジニアを置いてくれます。この存在が非常に心強い。設定変更
箱崎氏は、複数あったストレージを1つの筐体内に統合できたこ
などを行っても、常に最新のシステム情報を共有してくれてい
とで「以前のような運用上の煩わしさがなくたったことがうれし
るし、万が一、障害が発生してもすぐに対応してもらえるという い」
と語る。ストレージのパフォーマンスが飛躍的にアップしたこ
安心感があります」
と、箱崎氏も満足げだ。
とで、
トランザクションや口座数急増にも不安がなくなった。
自社運用の負荷軽減を図るため、こうしたサポートサービス
さらに新しい動きとして、システム増強の決定から導入までの
活用に加え、ユニークな取り組みも行っている。それがスマー リードタイムを考慮し、現状以上の性能・可用性・拡張性に優
トフォンの活用だ。スマートフォンに載る簡易版の管理ツール
れたサーバー、HP Integrity Superdomeと、HP社製ストレージ
を独自に用意し、いつでも、どこからでもシステムの稼動状況
では最上位モデルであるXP24000の導入を決定した。これに
チェック。障害発生の際には初動対応もとれるような体制を作
より、口座数の急激な増加とそれに伴って発生するインフラ構
り上 げ て い るの だ。も ち ろん、HP StorageWorks XP20000
築、データ移管等のリスクを予め低減させることが可能にな
の 評価を実 施した際に箱崎 氏が驚いたという、HP 製 の 定評
る。クリック証券では、これまで培ってきた高い技術力を、厳し
ある管理ツールも十分に活用している。サーバーやストレー
さを増してきた業界内での競争力強化に投入しようと考えて
ジをはじめとするハードウェア全般の監視や障害検出にはHP
いる。新しいビジネスアイディアの具現化、新サービスの投入、
Systems Insight Manager(HP SIM)を、頻繁に実施しているとい
独自取引ツールのブラッシュアップや新規開発……。そうした
うディスクの構成変更の際にはHP StorageWorks Remote Web
様々な取り組みを確実に実行していくための良きパートナーと
「便利だ して、HPが協力する機会は今後ますます増えていきそうだ。
Consoleを、と状況に応じてツールを上手に使い分け。
し、非常に役に立っています」
(箱崎氏)。
業界最高レベルの性能を実現するHP StorageWorks XP
HP StorageWorks XPファミリは、従来のモデルから定評のあるクロスバー・スイッチ・アーキテクチャーを継承しつつ、各部の設計を全面的に改良
し、大幅な性能アップを実現しました。最上位モデルHP StorageWorks XP24000は、業界団体「Storage Performance Council」
(SPC)により認定
※
された、ディスクアレイシステムとして世界最高のシーケンシャルI/O性能 8,724.67 SPC-2 MBPS™を記録しています。
(2009年12月1日現在)
※2009年12月1日現在 ディスクアレイシステムとしてSPC-2™世界最高値。MBPSは、1秒あたりのデータ転送量(MB)。
■ SPC-2™は、ストレージの業界団体「Storage Performance Council」が提供する公開ベンチマークテストです。SPC-2™は、大規模なデータを連続的に扱うビジネ
スアプリケーションにおいて、ストレージシステムの性能を測定するプログラムであり、その測定値はシーケンシャルI/Oを中心とした性能を評価するために用い
られます。
■ HP StorageWorks XP24000は、ランダムI/Oを中心とした標準的ベンチマーク SPC-1™においても、業界最高レベルの200,245.73 SPC-1 IOPS™を記録してい
ます。
■ HP StorageWorks XP24000のベンチマークレポートは、
「Storage Performance Council」のホームページで確認できます。
▶▶▶http://www.storageperformance.org/results
XPディスクアレイの遠隔監視とプロアクティブ24保守
HP StorageWorks XPディスクアレイは、高いサービスレベルを保証で
きるよう、アレイシステムがリモートのセンターに自動的に動作状況を
通知する機能を持っています。遠隔監視機能とともに提供されるプロ
お客様サイト
• 定期ヘルス状態
• 自動異常通知
• 障害情報
XPディスクアレイ
ストレージ・テクニカル・センター
(遠隔監視センター)
24時間システム監視
各エキスパートが待機
アクティブ24サポートは、システム障害を未然に防ぐ予防保守や定期的
障害対応支援
なヘルスチェックにより、お客様に安心して運用いただけます。
ディスク・データ訂正が一定量
になるとダイナミックスペアリ
ング
(スペアへの予防コピー)
とセンターへの通知を実施
カスタマ・
エンジニア
(修理)
お客様担当SE
(構成管理と予防保全)
• サーバー
• ストレージ
• SAN
確実に迅速に対応
• 障害解析
• エンジニア派遣手配
• 部品手配
■ ストレージ・テクノロジー・センターによる常時監視
米国HPのストレージ・テクノロジー・センターが、24時間体制でXPディスクアレイの稼動状況を監視しています。システムから送られた構成情報をストレージ・テクノ
ロジー・センターがチェックします。
■ システム異常の自動通知
XPファミリに内蔵されているSVP(サービスプロセッサー)がシステム異常を検知すると、ストレージ・テクノロジー・センターに異常内容を自動的に通知します。
■ リモート保守システム
遠隔監視システムと連携し、日本HPのストレージ専任サポート部隊が、ファームウェアのアップグレードや障害の復旧作業など、XPシステム毎に必要な保守内容を判
断し迅速に対応します。
お問い合わせはカスタマー・インフォメーションセンターへ
03-6416-6660
月∼金 9:00∼19:00 土 10:00∼17:00
(日、祝祭日、年末年始および5/1を除く)
機器のお見積もりについては、代理店、
または弊社営業にご相談ください。
HP StorageWorks XPに関する情報は
http://www.hp.com/jp/xp/
インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Centrino、Centrino Inside、Centrino ロゴ、
Intel、
Intel Viiv、Intel Viiv ロゴ、Intel vPro、Intel vPro ロゴ、
Celeron、Celeron Inside、Intel Core、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、Viiv Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Inside は、
アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporationの商標です。
記載されている会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
記載事項は2009年12月現在のものです。
本カタログに記載された内容は、予告なく変更されることがございます。
© Copyright 2009 Hewlett-Packard Development Company,L.P.
本カタログは、環境に配慮した用紙と
植物性大豆油インキを使用しています。
日本ヒューレット・パッカード株式会社
〒102-0076 東京都千代田区五番町7番地
CST10070-01