Lenovo製品導入事例

Lenovo製品導入事例
サーバー統合とクライアント環境の刷新に
レノボのトータルソリューションを採用。
業務の効率化と院内の高度な情報連携に
よって一歩先行く医療サービスにつなげる
大阪府寝屋川市に病院を構える社会医療法人山弘会上山病院
USER
PROFILE
所在地:大阪府寝屋川市秦町15-3
設立:1985年(昭和60年)3月 病床数:5病棟 189床
職員数:常勤306名、非常勤88名(2014年4月1日時点)
診療科目:内科・外科・脳神経外科・整形外科・形成
外科・循環器科・麻酔科・リハビリテーション科・放
射線科・泌尿器科、その他多数の専門外来
http://www.ueyamabyouin.com/
上山病院は、2007年から院内の情報化を本格的に進めるようになり、
は、昭和 60年の開設以来、地域の人々がいつでも必要な医療を
受けられるように、365日24時間の応需体制による救急医療を提
社会医療法人 山弘会 上山病院
課題
供し、地域密着型・地域完結型の医療機関として歩んできました。
電子カルテシステムを導入し、医事、薬事、医療用画像管理システム
(PACS)など、さまざまな情報システムを導入・統合してきた。近年で
は、
これらのシステムを支えるサーバーや端末の老朽化が目立ち始めた
ことをきっかけに、院内システム全体の抜本的な見直しが求められた。
『敬愛・慈愛の精神で、全人的医療を希求する』
という理念のもと、
▼
退院してからのケアや今後の超高齢化社会にも対応するため、健
診事業や、訪問診療、居宅介護支援、訪問看護、訪問リハビリ
テーションといった在宅医療分野にも力を入れています。
同病院は、こうした多様な医療サービスを支える情報インフラとし
サーバーおよびデスクトップ仮想化基盤にはレノボの x86サーバー
『 System xシリーズ』とLenovoEMC ネットワーク・ストレージを、また
ソリューション
職員が利用する端末には ThinkCentre Tiny 、ThinkPad 、ThinkStation
ワークステーションを適材適所で導入した。
て、2007年より電子カルテシステムを導入、医事・薬事システム、
▼
医療用画像管理システムなどの部門システム統合をしてきました。
今回は、これらのシステムを支えるサーバーや PCの老朽化に伴
い、レノボの x86サーバーとPCが数多く導入されています。また、
単にハードウェアを更新するだけでなく、サーバー仮想化によって
サーバー群の集約を図るとともに、デスクトップ仮想化に基づく
シンクライアント環境も新たに構築しています。さらには、シンクラ
イアント専用機と各種 PCからなるハイブリッド構成とすることで、
それぞれの業務内容にあった端末環境を実現しています。
導入効果
サーバーおよびデスクトップ仮想化によるサーバー統合とシンクライ
アント環境の構築によって、機器類の設置スペースや消費電力の削減、
管理負荷の軽減につながっている。
また、
シンクライアントと通常のPCを
使い分けるハイブリット構成とすることで、それぞれの業務内容にあった
端末環境を提供できている。
レノボのトータルソリューションで
院内システム全体を刷新したことで、
業務の効率化と生産性向上につなげられています。
社会医療法人 山弘会 上山病院
医学博士 院長 関西医科大学臨床教授
山中 吉隆 氏
システムの老朽化や性能不足が招く
業務効率の低下と運用負荷の増加
数の患者を診察しなければならない医師から
Microsoft® Active Directory、医事システム、
は、表示レスポンスに関して改善の声が多く
検査部門システム、電子カルテシステム、そ
聞かれました。
の他事務・管理系システムなど、これまで物
社会医療法人 山弘会 上山病院(以下、上山
同病院 情報管理室の福本憲嗣氏は、
「当時
理サーバーで稼働していた多数のサーバーを
病院)は、2007 年から院内業務の情報化に着
は、サーバーや PCの性能不足によって医療画
次々と仮想化しています。
手しています。医師や看護師などの職員に対
像の表示に 1∼2 秒もかかっていました。医師
福本氏は、サーバー仮想化のメリットを「当
しては、ITを活用した業務に慣れてもらうた
からは、患者さんを目の前にしながら無言で 1
院は、24 時間 365日体制で医療サービスを提
め、まずはグループウェアによる事務レベルの
∼2秒も過ごすのはとても心苦しいと言われま
供していますので、業務を支えるITシステムは
情報共有から始め、診療予約、医療画像の参
した。何分という待ち時間なら他の作業も並行
もはや止めることが許されません。今回、サー
照、オーダーリング・電子カルテによるシステ
して行えますが、1∼2 秒という中途半端な待
バー仮想化によって物理サーバーの台数が削
ムの統合・連携へと、約1年の期間をかけなが
ち時間が何度もやってくると、円滑な診療を大
減され、物理的な障害箇所を最小限に抑えら
ら利用シーンの拡大を図ってきました。電子カ
きく妨げますし、患者さんにも迷惑をかけてし
れています。また、仮想サーバーのライブマイ
ルテ稼働を機に、また、業務の拡大により、各
まいます。このため、システムの更新時期が
グレーションによって、物理サーバーの障害や
システムのサーバーやクライアント数は瞬く間
訪れたら、スマートデバイスのアプリを扱って
計画的停止に対しても柔軟に立ち回れるよう
に増大しました。
いるかのような小気味よい表示レスポンスを
になりました。さらに、サーバー自体の性能が
情報システムの導入から5 年ほどが経過す
ぜひとも実現したいと考えていました」
と語っ
向上したことで、とりわけ大量のデータを扱う
ると、職員が利用する PCで老朽化が目立ち始
ています。
医療システムでレスポンスが大きく改善され
めました。これにより、PC内部に蓄積したホ
コリの除去、ハードウェア障害による復旧作
業といった運用面での工数が増加し、IT管理
レノボのサーバーとストレージで
院内共通の仮想化基盤を構築
ています。仮想サーバーに対するリソース調
整もオンデマンドに行えますので、常に最適
な状態でシステムを運用できています」
と述べ
者に大きな負担がかかるようになりました。ま
上山病院は、サーバーや PCが抱える数々の
ています。
た、業務の拡大とともにサーバーの設置台数
課題を解決するため、サーバーと端末環境を
同病院は、仮想化への取り組みの一環とし
も増え、サーバーに対する課題も浮上してい
中心に、院内システム全体の見直しを開始し
て仮想デスクトップ基盤も新たに構築していま
ました。こうしたサーバー側の課題には、サー
ています。ここでは、最新のハードウェアに更
す。当初は、院内のあらゆる端末環境をこのデ
バー本体の設置スペースや消費電力の増大、
新するだけにとどまらず、サーバー仮想化によ
スクトップ仮想化基盤に移行することを検討し
乱立する無停電電源装置(UPS)
とバッテリ交
るサーバー統合とリソースの効率利用、さらに
ましたが、PCoIP(クライアント配信)によるネッ
換サイクルのばらつき、複雑な LAN配線、シ
はデスクトップ仮想化に基づくシンクライアン
トワークトラフィックの急増、仮想デスクトップ
ステムごとに統一性のない保守契約などが挙
ト環境の活用を決断しました。
基盤の障害が全業務に波及するリスク、必ず
げられます。
同病院は、2013年 12月にレノボの x86サー
しもシンクライアントに向かない業務が含まれ
そして、業界全体で医療の情報化が進んで
バー『System xシリーズ』
とLenovoEMCネット
ている点などを考慮した結果、医事会計や事
いく中で、サーバーや PCが取り扱うデータ量
ワーク・ストレージを導入し、その上でMicrosoft®
務系を主とする端末をシンクライアント専用機
も急増し、システム側の性能不足からレスポ
Windows® Sever 2012 DatacenterEdition
へと切り替えています。
ンスの低下を招くケースが見受けられるように
をベースとするサーバー仮想化基盤を構築し
なりました。例えば、整形外科医をはじめ、多
ています。2014 年 2月以降、グループウェア、
CPU内蔵グラフィックスでPACSの
読影にも対応するThinkCentre Tiny
上山病院は、診療現場の端末として、高い
処理能力とコンパクトな筐体を両立したデスク
トップ PC『ThinkCentre M73 Tiny』を採用して
障害箇所を減らせたほか、PCの総所有コスト
データ処理が大きな課題とされてきました。職
(TCO)を抑えることに成功しています」
と評価
員に聞いたところによれば、従来の PCでは数ヶ
しています。
レノボの各種PCを適材適所で
取り入れて利便性を徹底的に追求
月のデータ抽出に 1時間ほどかかっていました
が、ThinkStationワークステーションではたっ
たの 10分で処理が完了するとのことです」
と述
べています。
います。また、電子カルテや PACSの読影で優
上山病院は、ThinkCentre Tinyシリーズだけ
このように数多くの PCをレノボ製品に統一し
れたレスポンスを実現するため、起動ドライ
でなく、ThinkPadとThinkStationワークステー
たことで、外付け SSDとThinkVantage Rescue
ブに超高速の SSDを搭載している点も大きな
ションも業務の内容に応じて使い分けていま
and Recoveryを組み合わせたOSイメージの迅
特徴です。さらに、端末本体には読影用の高
す。ThinkPadは、端末の持ち運びが求められる
速な展開も可能になっています。
解像度ディスプレイを接続していますが、従来
用途で採用され、積極的に携帯するケースで
あらかじめそれぞれのPCに対するゴールデン
の PCのようにグラフィックスボードを増設する
は ThinkPad Tシリーズ、据え置いて使用するこ
イメージを作成しておき、
これらのゴールデンイ
ことなく、CPU(第4世代インテル® Core™ i3 プ
とが多いケースでは ThinkPad Lシリーズを割り
メージが保管された外付けSSDをつなぎ替え
ロセッサー)の内蔵グラフィックスのみで対応
当てています。また、内蔵ドライブとしてSSDを
るだけで、新規PCの初期設定や既存PCの復旧
できています。
搭載することで、ThinkCentre Tinyと同じく快適
作業などを大幅に効率化しています。
福本氏は、
「診察室などの限られたスペー
なレスポンスを実現しています。
なお、これらのレノボ製 PCからもシンクライ
スをもっと有効に使いたいという理由から、
また、とりわけ処理能力が求められる業務で
アント環境に接続できる体制を整えています。
2014年9月に約50台のThinkCentre M73 Tiny
は、ThinkStation E30 ワークステーションを活
同病院では、セキュリティ上の観点から医事会
を導入しています。最新 CPUとSSDの相乗効
用しています。同病院 院長の山中吉隆氏は、
計・電子カルテ系セグメント、PACS系セグメン
果によって、電子カルテや PACSなどのアプリ
特に医事部門でデータ量が増えた理由として
ト、インターネット系セグメントなどに LAN環境
ケーションも快適に動作しています。PACSの
DPC/PDPS(診断群分類別包括評価支払い制
を分離し、従来は LANセグメントごとに個別の
ベンダーからはグラフィックスボードの増設を
度)
を挙げ、ThinkStationワークステーションが
PCを割り当てていました。これに対し、1 台の
推奨されましたが、当院で実機検証を行った
もたらすメリットを
「当院は、DPC対象病院とい
PCでローカルの OS環境とシンクライアント環
結果、現場で働く放射線科の専門医も CPUの
う立場から、診療情報データを活用して課題分
境の双方にアクセスできるようにすることで、従
内蔵グラフィックスでまったく問題ないと太鼓
析を行い、医療の品質向上に努めています。こ
来と変わらないセキュリティレベルを担保しな
判を押してくれました。結果的に、物理的な
のような中で、DPC/PDPSに関連する膨大な
がら、端末数の削減にもつなげられています。
ThinkCentre Tiny は、非常にコンパクトな筐体ながら、
電子カルテの利用や PACS の読影といった
高度な用途にもきちんと対応できています。
社会医療法人 山弘会 上山病院
情報管理室
福本 憲嗣 氏
レノボのソリューションを活用して
医療のIT化をさらに推し進めていく
2015 年 3月現在、レノボの x86サーバーに
支えられたサーバーおよびデスクトップ仮想化
基盤、そして院内に配備されたレノボ製 PCは
順調に稼働しています。
山中氏は、新しいシステム環境がもたらすメ
導入されたシステム基盤であれば、同病院の
療連携などにも対応し、さらに高品質でスピー
リットのひとつとして省電力化を挙げ、
「当院で
厳しいニーズにも十分に応えられます。
ド感のある医療サービスを目指します。
は、情報化とともにサーバーや PCを増設し続
そして今後は、院内の回診や在宅医療分野
山中氏は、
「当院は、地域の皆さんに行きた
けた結果、院内の受電・配電設備が能力の限
で ITをさらに活用できるようにする目的から、
いと思っていただけるような病院、そして開業
界に近づいていました。また、2011年 3月には
薄型軽量で持ち運びも容易なタブレットなどの
医の皆さんが紹介したいと思っていただけるよ
東日本大震災が発生し、電力不足の問題も叫
導入を検討しています。
うな病院を目指しています。そのような取り組
ばれるようになりました。このような経緯から、
福本氏は、
「職員あっての病院ということで、
みの一環として、診察後当院にいながらにして
当院でも節電に向けて大きく動き出し、サー
当院では職員を守ることも基本方針のひとつと
薬を受け取れる院内処方を現在も継続してい
バーや PCの省電力化にも取り組んできました。
して掲げられています。情報管理室は、このよ
るほか、24 時間 365日の応需体制による救急
今回、サーバーや PCを刷新したことで、前年と
うな方針に従って職員が仕事しやすい環境作り
医療、回復期リハビリテーション病棟、在宅医
比べ、システムの消費電力は病院全体の消費
に注力しています。今後は、職員と患者さんが
療サービス、検診センターなど、次々と展開し
電力の 5%に相当する削減となりました。また、
対面でコミュニケーションをとりながら端末を
てきました。
最大需要では 10%以上削減されていました。
操作できるように、タブレットなど様々なデバ
こうした多様な医療サービスを提供する上
空調への負荷も軽減されていますから、院内
イスの導入を検討しています。院内での回診
で、院内の IT化はとても重要な位置付けにあり
全体で見ればもっと大きな電力削減率となるで
や患者さんの自宅訪問時に電子カルテを扱っ
ます。レノボには、サーバーや PCの部分で適
しょう。今後、電気料金の再値上げや消費税増
たり、外来の待ち状況を職員が携帯する端末で
切なソリューションを提供してもらっています
も想定されますので、電力使用量を早めに削
リアルタイムに確認したりといった活用方法を
し、私たちが実際に使っているレノボ製品から
減できたことはとてもよかったと感じています」
想定しています」
と説明します。
は『ものづくり』に対する真剣さがよく伝わって
と語っています。
同病院は、ITを活用した職員間の情報連携
きます。だからこそ、当院の IT化を推進する重
現在、同病院は、外来部門においてフル電
を段階的に強化しながら、入院から退院、そし
要なパートナーとして、これからもレノボの協
子カルテ化に向けた取り組みを進めています。
て退院後の維持期などにも対応可能な医療の
力を強く希望します」
と、将来への期待を述べ
こうしたフル電子カルテ化の実現にはきわめて
体制を整えてきました。将来的には、超高齢化
ています。
高可用な ITシステムが求められますが、今回
社会に向けた地域包括ケアシステムや地域医
(2015年3月取材)
おすすめ
高性能 PCで定評のあるインテル ® Core™ プロセッサー・ファミリーを搭載
わずか1リッターサイズに最新テクノロジーを凝縮した超小型 PC
社会医療法人 山弘会 上山病院は、診察室などの限られたスペースをもっと有効に使えるようにする目的から、わずか
1リッターというコンパクトボディを実現したThinkCentre M73 Tinyを採用しています。
ThinkCentre M73 Tinyは、
さらに処理性能が向上した第4世代インテル® Core™ プロセッサー・ファミリーを搭載しなが
ら、先進的な熱設計によって高性能、徹底した省スペース、優れた耐久性を実現しています。
また、使用環境や必要性に応じ
て性能優先から静音性優先まで3つのモードを選択できるレノボ独自のテクノロジー「ICE(インテリジェント冷却エンジン)
3.0」にも対応しています。
ThinkCentre M73 Tinyは、VESA規格に対応したボディの採用により、オプションのマウントを活用してモニター背面
や各種アームにも簡単に設置できます。また、お客さまからの強いご要望もあり、USBキーボードから電源を投入できる
キーボード・パワーオン機能も新たにサポートしています。
そのほか、
外部デバイスの高速接続と高速充電に対応したUSB 3.0ポート
(Always on USB Port)
、顧客のニーズに合わせて
選択可能なオプショナル・ポートなど、デスクトップPCならではの優れた拡張性を備えています。
第4世代 インテル ® Core™ i3 プロセッサー搭載
ThinkCentre Tiny
エンタープライズ・ソリューションに驚異的なパフォーマンスと高い汎用性を、
最高レベルの信頼性とセキュリティと共にご提供するラック型2U サーバー System x3650 M5
System x3650 M5は、最大2個のインテル® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3製品ファミリーと、2ソケット・サーバーでは
屈指の大容量ストレージ(最大86.4TB)のサポート、およびストレージの選択肢により、仮想デスクトップ環境はもとより、
クラウドからビッグデータまで、あらゆるワークロードを最適化し、System x Trusted Platform Assuranceによる最高
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インテル ® Xeon® プロセッサー E5-2600 v3ファミリー搭載
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Lenovo、レノボ、レノボ ロゴ、ThinkCentre、ThinkPad、ThinkStation、ThinkServer、
New World New Thinking、ThinkVantage、ThinkVision、
ThinkPlus、
TrackPoint、
Rescue and Recovery、
UltraNavは、
Lenovo Corporationの商標。
Intel、インテル、
Intel ロゴ、
Intel Inside、
Intel Inside ロ
ゴ、
Intel Atom、
Intel Atom Inside、
Intel Core、
Core Inside、
Intel vPro、
vPro Inside、
Celeron、
Celeron Inside、
Itanium、
Itanium Inside、
Pentium、
Pentium Inside、
Xeon、
Xeon Inside、
Ultrabook は、
アメリカ合衆国および /またはその他の国における Intel Corporation の商標です。他の
会社名、
製品名、
サービス名等は、
それぞれ各社の商標または登録商標。
〒101-0021 東京都千代田区外神田四丁目14番1号 秋葉原UDX