PDF 1010426 bytes - 日本消化器外科学会

日消外会議 19(12):2348∼
2357,1986年
肝広範切除術後 の肝再生 と耐糖能 に関す る実験的研究
―経静脈的 ブ ドウ糖負荷時 インス リン分泌 の変動一
金沢大学第 2 外 科講座 ( 指導 : 宮崎逸夫教授)
上
野
夫
一
G□NERAT10N AND GLUCOSE
EXPERIMENTAL STUDY ON LIVER R口
TOLERANCE FOLLOWING MASSIVE LIVER RESECT10N
―CHANG□
S OF PLASMA INSULIN RESPONSE TO INTRAVENOUS
GLUCOSE ADMINISTRAT10N―
Kazuo UttN0
va University
Department of Surgery II,School of Medicine,Kanaza、
(Director:Prof・ Itsuo WIiyazakl)
ラットに70%肝 切除を行 い,術 後 の耐糖能 およびインス リン反応 が肝再生 に伴 いいかに変化す るか
を研究 した。対照 として単開腹群を用い,経 時的 に術後 3週 まで経静脈的糖負荷試験 を用 いて検討 し
た。その結果,肝 切除後 3日 日では耐糖能 の低下をみたが,イ ンス リン反応 は末檎,門 脈血 とも低下
していなか った。7日 目では逆 に耐糖能 の上昇を認 め, さらにイ ンス リン反応 も末檎,門 脈血 とも高
分泌反応を示 した。 14日日以降では肝再生 の終了 とともに耐糖能およびイ ンス リン反応 は対照 と差を
認めな くなった。以上 の事実 か ら肝切後早期 の過剰 の糖補給 は慎重 になされ るべ きであ り,回 復期 に
は積極的 な糖補給 が肝再生促進 に合理的であることを示唆 した。
棄引用語 :肝 再生,経 静脈的 ブ ドウ糖負荷試験,肝 切除後耐糖能,末 沿血 インス リン,門 脈血 インス リン
は じ3めに
肝 の広範切除術後 には,他 の実質臓器 ではみ られ な
い著 明な再生現象 がみ られ る。こ の 間,生 体 は残存肝
の機能維持 お よび再生 のために多 くの エ ネルギ ーを必
要 とし,糖 代謝 に大 きな変動 を きたす ことが予想 され
る。
肝切除後 の糖代謝 につ いて,単 に肝切除後早期 の血
ll―
糖や イ ンス リンの変動 をみた報告 は 多 い ゆ。 しか し
肝切除後 の糖補給 を考慮 して,そ の際 の糖 負荷時 の血
糖値 お よびイ ンス リン変動 を論 じた研究 は少 な く,ま
た不 明 の部分 が 多 い。こ とに ラ ッ トにお け る肝切 除後
の糖代 謝 において は,そ の観 察期 間 は24時間つあ るい
は48時間。と短 か く,肝 再生 の終 了時 まで観察 した報
告 はみ あた らな い。
そ こで著者 は肝切除後 にお ける耐糖能 の変動 とその
<1986年 4月 9日 受理>別 刷請求先 !上野 一 夫
〒937 魚津市六郎丸992 富山労災病院外科
際 のイ ンス リン分泌 について検討 した。す なわち実験
的 に広範肝切除 ラットを作成 し,肝 切除後 3週 まで経
時的 に,耐 糖能 および末精血 と門脈血中のイ ンス リン
反応を観察 した.そ の結果,肝 再生 がまだ十分でない
時期 に一過性 にインス リン分泌 が元進す る ことを示唆
す る所見を得たので報告す る。
対象 および方法
I.実 験的動物 お よび作成法
実験動物 として,体重270g前後 の雄性 ウィスター系
ラッ トを用 い,室 温25±1℃,湿 度55±5%の 明暗調節
環境下 に 自動給水,国 型飼料 (日本 チャール ・リパ ー
株式会社,CRF‐1)で飼育 した。実験動物 の作成 は,術
前約24時間 の絶食後,エ ーテル麻酔下 によ り次 のごと
く行 った。
1.対 照群 :鎌状靭帯,左 三角靭帯を切離 し,10分後
に閉腹 した。
2.70%肝 切群 :Hittins‐
Andersonの 方法めに よ り
中葉 および左葉を切除 し,70%の 肝切除を行 った。
1986年12月
25(2349)
表 1 対 象群 および70%肝 切群の体重 ・肝重量 ・再生
率の変化
体 畳 ( 3 )
席畳 畳 ( 3 )
F,shback係 数
1
267と 5
319=035
単
275± 9
775± 048
BB
291■ 10
873±051
1061士
腹
324■18
957± 096
1175主 131
群
357±25
987主 089
1213■ 97
245± 7
536主 042・
657± 62Ⅲ
265± 191
389±108・
813± 11_7・
316± 16
879■ 066
354± 23
921=065
術
前
70
%
963と 70
肝
切
群
件の別群をおのおの 7匹 ずつ作成 し,開 腹 して門脈内
にチューブを留置した。大腿静脈 より同量のブドウ糖
を投与 して,前,5分 ,30分後 に門脈血0 5mlを採取 し
こ.
ブ
2 ) 判 定指標
糖処理係数 ( K 値 ) は , L u n d b t t k 的に従 い
1137± 69
検査匹数は各数値とも n=12 Mean ttS D
ⅢPく001(対 対照群) ・ “
肝切群では再生率を意味する。
II.測 定項 目お よび実施方法
1.体 重 お よび肝重量 の測定
術前 お よび術後 3,7,14,21日
みを与え,ネ ンブタール40mg/kgの腹腔内投与による
GTTを 行った。すなわちブ ドウ糖
麻酔下で以下のIV‐
0.5g/kgを0.5ml溶液 として大腿静脈 より約15秒間に
て注入 し,前,5分 ,30分後 に頭動脈 より0.5ml採血 し,
血糖値およびインスリン値を測定しため,ま た,よ り直
接的なインス リン分泌反応を観察す るために,門 脈血
インス リン濃度についても検討 した.そ の際,同 一条
K=
l o g
b - l o g
30--5
a
( a , b は それぞれ 5 分 , 3 0 分 の血 糖値)
の計算式 にて求 めた 。膵 β細胞 か らの イ ンス リン初期
分泌能 を表わす指標 として,糖 負荷後 5分 での前値 か
らの イ ンス リン上 昇値 (zIRI)と 血 糖上昇値 (zBS)
目に12匹ず つ 体重 と
易」出肝 の重量 を測定 した 。
との比 河 R1/zBSi 5minで あ る insulinogenic index
(I.I)を
求 めた。同様 に糖 負荷後30分の イ ンス リン上 昇
2.肝 再生率 の算定
Fishbackの 方法 のに従 い残存肝 の再生率 (Fishback
値 の総和 (ΣttIRI)と血 糖上昇値 の総和 (ΣttBS)と の
係数)を 算 出 した.な お対照群 お よび肝切群 の作成 時
に 同一 週齢 ラ ッ トを12匹ず つ 無作為抽 出 しそれ らの肝
i n d e x ( T ` I . I . )求をめた。 さらに, 門 脈血 イ ンス リン値
につ いては, ブ ドウ糖 負荷後 5 分 の 門脈 血 イ ンス リン
重量 を もって術前 推定肝重量 とした 。 その結果表 1の
増加量 ( 門脈血 z I R I ( 5 ) ) お よび3 0 分間 の問脈 血 イ ン
ス リンの増加量 の総和 ( P 弓
脈 血 Σz I R I ( 3 0 ) ) を求 めた。
ご とく,術 前 の体重 は267±5g,肝 重量 は819± 0.35g
で,肝 体重重量比 は3.07±0.14%(meanttSD)で あ っ
(1.
亨
3.血 液 生化学的検査
としΣttR1/ΣttBS i 30min【3あ る total insulinogenic
5 . 肝 お よび肝 の組織学的検討
肝 は1 0 % ホ ル マ リン液 で 固定 し h e m a t o x y l i ne―
osin
( H E ) 染 色 を行 った。 また, 新 鮮肝 の一 部 で凍結切片
対照群 と肝切群 につ いては術前 お よび術後 の 3,7,
14,21日 目に 8匹 ず つ 約 24時 間絶食後,ネ ンブ タ ール
を作成 し, S u d a n I I I によ り脂肪染色 を行 った。膵 は ブ
ア ン液 にて 固定 し, H E 染 色 と藤 田変 法 に よる a l d e ‐
麻酔下 に開腹 し腹部大動脈 よ り採 血 し,以 下 の測定 に
h y d e f u k s i n ( A F ) 染 色 を行 った 。
供 した。
1)血 清 glutamic oxa10acetic transaminase活性
値 (GOT)
2)血 清 giutamic pyruvic transaminase活 性 値
(GPT)
3)血 清 alkaline―
P)
phOsphatase活性値 (Al―
4.経 静脈 的 ブ ドウ糖 負荷試験 (IntravenOus glucose
tolerance test,IV‐
GTT)
1 ) 実 施方法
対照群 と7 0 % 肝 切群 の術前 お よび術後 の 3 , 1 , 1 4 ,
2 1 日 目にお のおの 7 匹 ず つ 約 2 4 時間絶食 し, 飲 料水 の
6 . 測 定法
1)GOT,GPT,Al‐
GOT,GPTは
P
UV法 で,Al‐Pは Kind‐
King法 に よ
り測定 した。
2)血 糖,イ ンス リン
血 糖値 は glucose‐
oxidase法1い
に よ り,中 外 製 薬 製
RaBA‐supersystemを用 い預」
定 した。 イ ンス リン濃 度
よSephadex固 相 法 11)によ る radioirnmunoassayヤ こ
ヤ
て測 定 した。採取 した血 液 は,血 液 lccに 付 き EDTA‐
2Na l.2mg,Trattrol ①500単位 を加 えた氷 冷 試験 管
に移 し,4℃ ,500回転 15分間遠心後 血 奨 を分離 し,イ ン
肝広範切除術後の肝再生 と耐糖能 に関する実験的研究
ス リン測定 まで -80℃ で凍結保存 した。 同一 実験群 と
そ の対照群 の検体 は 同一 ア ッセ イにて測定 した 。
pairedお よび two sample t testに よった。
績
Pの 経時的変化
0
4
成
図 l GOT,CPT,Al・
消外会誌 19巻 12号
︵っ︶ 卜 0 0
7.推 計学的処理
成績 はす べ て mean± SDで 表 わ し,推 計学的処理 は
日
1.体 重 お よび肝重量
0
1
︵ョ︶ 卜 L 0
に増加 した。 しか し対照群 に比 較す る と,肝 切群 の体
0
2
最低 とな り, 7日 日に ほぼ術前体重 に復 し,以 後順調
0
3
表 1の ご とく,対 照群 の体重 は 3日 目よ り21日 目ま
で次第 に増加 した。 一 方70%肝 切群 の体重 は 3日 目に
0
重 は 3日 日, 7日 日で は有意 に小 さ く(p<0.01),14日
0
3
7
14
)
21(日
0
4
日目よ り21日 目までゆ るや かに増加 した 。これ に対 し,
0
5
目で は 同程度 に回復 していた。肝重量 は対照群 では 3
70%肝 切群 の肝重量 は術直 後 の推定 2.46±0 1lgよ り
沐 \、
0
2
0
1
るや かに増 加 した。
卸
14日 目に は肝切群肝重量 は対照群 に匹敵 し,以 後 もゆ
l く
︵立y ︶ L ¨
3日 日で の5.36±0.42gへ と急激 に増 加 した。 そ して
2.肝 再生率 (Fishback係 数)
目109.3±8.4%と 急 激 な増
際 を示 し,14日 日以後 対 照群 の そ れ と差 を示 さな く
な った。特 にその中で も最初 の 3日 間 での肝再生率 は
術直後推定 30%よ り約 2倍 にな り,急 激 な肝再生 をみ
とめた 。次 の11日 間 で は比 較的 ゆ るや か な肝再生率 の
増加 を認 めた (表 1)。
3.血 液生化学的検査
1)GOTお
GOT,CPT値
よび GPT
は,3日
目にお いて70%肝 切群 におい
て 対 照 群 に比 べ て 有 意 の 高 値 を示 した が (p<0.01,
目以降 は両群間 に差 を認め なか った .
p<0.05),7日
2 ) A l , P
A l , P 値 につ いて も, 3 日 目で はや は り7 0 % 肝 切群 に
お い て対 照 群 に比 べ て 有 意 の 高 値 を示 した が ( p <
0
70%肝 切除群 の肝再生率 は 3日 目で65.7±6.2%,7
日 日で81.3± 11.7%,14日
0
3
7
1 4
2 1 ( B )
粉
重
= 緊 群 艦 i S D:ユ
艦 餓日
2)糖 負荷後血糖値 の変動
負荷後 の血糖値 の術後経時的推移 についてみると,
対照群 は全経過を通 じてほぼ同様 の傾向を示 した。 し
か し70%肝 切群 の負荷後 の血糖値 は,術 前値や対照群
のそれ に比べ て,術 後 3日 目の30分値 は249±27mg/dl
と有意 の高値を示 した (p<0.01)。一方, 3日 目とは
逆 に 7日 日で は糖 負荷後30分の血糖値 は167±20mg/
dlと低値を示 した (p<0.01)。 さらに術後14日日以降
の負荷血糖値 には術前や対照群 のそれに比べ差を認め
4. IV‐
GTT
な くなった (図 2)。
LundbttkりのK値 を比較す ると(表 2),対 照群 は全
経過 を通 じてほぼ一定 の値を示 したのに対 して,70%
肝切群 のK値 は 3日 目で1.436±0.346と有意 の低下を
l)糖 負荷前血糖値 の変動
負荷前 の末浦動脈血血糖値 の術後経時的推移 につい
示 し (p<0,01),7日 日では2.973±0.375と逆 に上 昇
を示 した (p<0.01).肝 切群 の14日 日以降のK値 は対
0 . 0 1 ) , 7 日 日以 降 は 両群 間 に 差 を認 め な か った ( 図
1 ) .
てみ ると,対 照群 では全経過を通 じてほぼ同 じ値を示
した。一方,70%肝 切群 では3日 日で111±8ng/dl,と
対照群 の133±16mg/dlに比べ,有 意 の低値 を示 した
照群 と差がなかった。
(p<0.01)。しか し 7日 目以降の血糖値 には両群間 で
3)糖 負荷前末沿血 インス リン濃度 の変動
負荷前 の末浦動脈血 インス リン値 の術後経時的推移
については,対 照群 は全経過 を通 じて23tぼ
同様 な値を
差を認めなか った (図 2).
示す のに対 し,70%肝 切群では 3日 目で16.3±2.7/U/
1986年12月
27(2351)
IV‐
GTTの 経時的変化
図 2
7日
3日
術前
14日
21日
0 卸 0
1
3
合やさ E︶ 巴 黎 g
05
』
0
30 05
05
30
0
5
30(分 )
合Eヽコミ︶巴 A3Кヽヽ日翠k
0 5
表 2 K値
術
の経時的変化
2473±0431
前
対 照 群
肝 切 群
3 日
7日
14日
2 1 日
2456±0526
2345±0324
2373±0052
2731■
0613
3 ロ
7日
1 4 日
2 1 日
1436±0343・
2973±0375'
2428±0534
2569と0398
検=匹 数は各数値とも "二 7
Man ttS D ・ P<00,(対
対照群)
30
30 05
05
t e 肝 切 群
e r ‐
n=7
―
Mean i SD
対 照 群
・
P<0.01
"P<0,05
30(分)
(対対照粉
ス リン値 は 5分 ,30分 値 とも対照群に比べ て有意差を
示 さなか った, ところが肝切除後 7日 目では,K値 は
高値を示 し糖処理能 の元進を示唆 し,そ の際 のインス
リン値 は糖 負荷 5分 で63.8±7.9″
U/mlと 対照群 の
49,2±12.0″
U/mlよ り有 意 の高値 を示 した が (p<
0.05),30分
値で は両群間に差を認めなかった。肝切除
後 14日日以降では,負 荷後 インス リン値には両群間で
差を認めなかった (図 2).
次 に負荷後 の血糖値 に対応す るインス リン分泌 の観
ついてみ ると (図3),7日 目では,肝 切
点 か ら,I.I.に
群 では0,168±0.021を示 し対照群 の0.102±0.022より
有意 に高値 で あった (p<0.01)。しか し肝切除後 3,
mlと 対照群 の22,2±5.6/U/mlに くらべ 右意 の低値
を示 した (pく0ち
01)。し か し肝切除後 の 7日 日以降の
糖負荷前 イ ンス リン値 には両群間で差を認めなか った
(図 2).
4)糖 負荷後末給血 インス リン濃度 の変動
負荷後 の末給血 インス リン値 の術後経時的推移につ
いては,対 照群 は全経過を通 じてほぼ同様の糖 負荷上
昇を示 した。し か し70%肝 切群 は, 3日 目に糖処理能
を示す K値 は低値を示すにもかかわ らずその際のイ ン
は両群間で有意差は認めなかった。
14,21日 目の I.I.で
さらに血糖上昇 に対す る総 インス リン分泌量 の観点
か ら T.I,I.を
求 めた (図4).術 後 7規 目で対照群 の Tち
I.I.0.105±
0.024に比べ,70%肝 切群 のそれは0.183士
0,021と有意 の高値 を示 した (p<0,01)。しか し術後
は両群間で差 は認 め なかっ
3,14,21日 目の T.I.I.に
ブ
【
=.
5 ) 糖 負荷前門脈 イ ンス リン濃度 の変動
前述 の肝切群でみ られた末浦動脈血 インス リン濃度
肝広範切除術後の肝再生 と耐糖能に関する実験的研究
28(2352)
図 3 1.I(zIR1/zBSi 5min)の
日
消外会議 19巻 12号
の高値 が,は た して膵 か らのイ ンス リン分泌 の元進 か
あるいはインス リン分解 の差に基因す るかを より直接
経時的変化
に︻
く ︶,H
︵こモ 一”り0﹁\︼
的 に知 る目的で以下の ごと く門脈血 インス リン濃度を
検討 した。糖負荷前門脈 インス リン値 の術後推移につ
いてみ ると,対 照群 では全経過を通 じてほぼ同じ値を
示 した.し か し70%肝 切群 では,負 荷前門脈血 イ ンス
リン値 は 7日 目にお いて51.4±15.8″
U/mlと 対照群
の37.1±7.4″
U/mlよ り有 意 の 高 値 を示 した (pく
0.05).術後 3,14,21日 目で は門脈血 インス リン値 に
7日
14日
両群間で差をみなか った (図5).
6)糖 負荷後門脈血 インス リン濃度 の変動
21ロ
γ//力 対 照辞
繭
肝 切群
図 4 T.I.I(Σ zIR1/ΣzBSt 30min)の
n=7
Mean tt SD
経時的変化
負荷後 の問脈血 インス リン値 の術後推移をみ ると,
対照群 は全経過を通 じてほぼ同 じ反応を示 した。一方,
70%肝 切群 では術後 7日 日で糖負荷後 5分 値 が87.2±
倉 E 患 あ 0﹁ 四\ E 電 じ 宮ご
16.6″
U/mlと 対照 群 の66.2±6.4″
U/mlよ り有 意 の
高値を示 し (p<0.01),30分値で も高値 の傾 向を示 し
た (N.S.).術後 3,14,21日 目では糖負荷後 5分 ,30
分での問脈血 インス リン反応 はいずれ も両群間で有意
差を示 さなか った (図5)。
門脈血 泌IRI(5)お よび ΣZIRI(30)に ついて も (図
6,7),術 後 7日 目の70%肝 切群 でそれぞれ91.2士
16.3″
U/ml,704.1±93.悔U/ml.30minと 対 照 群 の
7日
14日
21回
対 照辞
肝 切辞
物
圏
2μU/ml,590,1± 74.9″U/ml.30minよ
72.8±10。
n=7
Moan tt SD
図 5 1V,GTT:P弓
脈血インス リン反応 の経時的変化
7日
3日
術前
14日
21日
合E\Dミ︶ 巴 ヽ 3Кハ ヽg 監 E
30
0
5
り有
意 の高値を示 した ( それぞれ p < 0 . 0 5 , p < 0 . 0 5 ) 。術後
30 05
30
0
5
30
E霜 艦養 ]品
監
SD
主
05
30
(分)
照
群
)
対
l:重
‖
!‖
!(対
1986年12月
29(2353)
図 6 門 脈血 zIRI(5)の 経時的変化
々目ほE
6〓区︼
合fさ S m m
図 8 H E 染 色 ×2 0 0 . 7 0 % 肝切除群. 3 日
中心 とす る輪状配列傾 向.
7日
14日
物
圏
目. 門 脈 を
21日
対 照辞
肝 切群
ni7
M● an tt S0
図 7 門 脈血 ΣzIRI(30)の 経時的変化
色 ×2 0 0 7 0 % 肝 切除群, 7 日 目. 肝 L a ぃ
g e r h a n s 島の α, β 細胞 の構成 はいずれ の観察 日に
図 9 HE染
おいて も差を認めない。
= 対 肝
日 鮮瞬
吻囲
前
行
2 l B
lJoan !
3,14,21日
SO
日で の 泌IRI(5),ΣzIRI(30)は ,い ず れ
も両群間で有意差 を示 さなか った 。
5.病 理組織学 的所見
│
1)肝 臓
とも術後 いずれ の観察 日に、いて も Langerhans島 の
分布,数 お よび 2,β 細胞 の構成 について差を認 めな
対照群 では術後 のいず れ の観察 日において も,肝 細
かった (図 9).
│
胞 の大小不 同,核濃染像,有系分裂像 は認 め られ なか っ
た。 一 方,70%肝 切群 では術後 3日 目に肝細胞 の大小
考 察
肝再生 時 の 門脈 内因子 中,特 に イ ンス リンは He‐
不 同,核 や核小体 の大型化や濃染像 がみ られ,小 葉辺
縁帯 か ら中間常 にかけてかな りの有系分裂像 がみ られ
して重要視 され,多 くの方面 か
patotrophic factorと
121∼
1ゆ
らの報告がある
。しか し広範肝切除後 の静脈内糖
た。 また と ころ どころに門脈 を中心 とす る肝細胞 の輪
た。術後 14日 日以降では,右 系分裂像 は認 め られず輪
負荷時の耐糖能 とその際 のインス リン分泌 自体 が,肝
再生 の進行完成 とともに,い かなる推移を示す かにつ
いてはまだ研究 も少な く不明の点が多 い。 また,肝 切
除後 のインス リン分泌態度 と耐糖能 の推移を理解す る
ことは,臨 床的に術後 の栄養管理のみな らず術後の肝
状配列傾 向 も消失 した 。
不全対策の観点か らも重要である。そ こで著者 は実験
状配列傾 向を認 めた (図 8).術 後 7日 目では肝細胞 の
大小不 同,核 の大型化や濃染像 は認 め られ な くな るが,
少数 の有系分裂像 が存在 し,輪 状配列傾 向 も認め られ
2)解 臓
HE,AF染
色で検討す るか ぎ り対照群 お よび肝切群
的 に広範肝切除 ラットを作製 し,経 時的 に静脈内糖負
荷試験を施行 し,そ の耐糖能 と血 中イ ンス リン分泌を
30(2354)
肝広範切除術後 の肝再生 と耐糖能 に関す る実験的研究
検 討 した 。
ndersonい
の 方 法 に従
肝 切 除方 法 と して H i g g i n sA‐
い中葉 お よび左葉 を切除 し, 7 0 % 肝 切 除 ( 肝切) を行 っ
た。 ラ ッ トにお け る肝切 後 の肝再生 の進 行 につ いての
報告 は多 い. すなわ ち, 肝切後肝細胞 にお け る D N A 合
にか けてみ られ
成 の ピー クは2 4 時間 l D から3 6 時間 1 り
,
m i t o t i c a c t i v i t指標
y を とす れ ば 2 日 か ら 3 日 にか け
てそ の ピー クがみ られ る1 0 とされてい る. ま た肝 湿重
量 の増加速度 は術後 2 日 で最高 にな る と共 に, 乾 燥肝
重量 では術後 3 日 目が そ の増加速度 が最 高 とな る2 い
,
さ ら に 術 後 7 日 目で 湿 肝 重 量 は 術 前 推 定 重 量 の
日消外会誌 19巻 12号
イ ンス リン分泌反応 は,門 脈 血 イ ンス リン濃度 におい
て対照群 に くらべ 差 を示 さなか った。 また,両 群間 で
II.,T.I.I.,および zIRI(5),Σ ttIRI(30)ヤ こも差 は な
か った.こ の現象 は次 の 2点 か ら論ず るこ とがで き よ
う。す なわ ち第 一 に,肝 切後 に肝重量 の急速 な回復期
におけ る残存肝 の イ ンス リン代謝 の面 か らであ る。こ
の 点 Lerertら 261はラ ッ トの 肝 切 後 1251_inSnulinを
用
いて実験 し残 存肝細胞 の イ ンス リン リセ プターの増加
を認 めてい る。 一 般 に末補動脈 血 と門脈血 との イ ンス
リン濃 度 差 また は 比 は,肝 で の イ ンス リン remOVal
rateす なわ ち hepatic extractionを示す2". し か しこ
8 0 ∼9 0 % に 回復 して1 0 ∼2 0 日には術前重量 に戻 る とい
。れ らの報告 をふ まえ
う報告 が 多 い2 1 ) こ
, 著者 は本実験
れ には肝切群 で 門脈 血 流量 が対照群 と同 じであ ること
での7 0 % 肝 切除術後 の観察 目を 3 , 7 , 1 4 , 2 1 日 日とし
肝 血 流量や 門脈 血 流量 はほ とん ど変化 しない とい う報
2ゆ
告 が ぁ る。し たが って著者 は負荷前 の問脈 血 イ ンス
リン濃度 と末檎動脈血 イ ンス リン濃度 の平均値 の比 を
と.
ブ
本実験 における体重 および肝重量 の変化をみ ると,
肝切群 の体重 は 3日 目に最低 となって以後次第 に増加
傾向を示 し,14日 目で対照群 と差がな くなった。肝重
量については肝切群 は 3日 目まで急激に増加 した後,
以後 も順調に増加 して14日日では対照群 と差がな くな
り, この時点で肝再生 が終了 した もの と考 えられた。
本実験での肝重量 の回復過程 は,Leongら 221ゃ
後藤2め
の報 告 と一 致 した。肝 切後 の血 液 生 化学 的検 査 の
GOT,GPT,Al‐ Pに ついての報告 は Leongら 2り
,Rik・
kersら20など数多 くみ られるが,著 者 の成績 もこれ ら
とほぼ一致 した。
従来 の肝切後血糖 および血 中 イ ンス リン濃度 の変化
を観察 した報告 はいずれ も単に末浦血 レベルの変化を
しか も241)∼
48時間2,とぃ ぅ早期 においてのみ観察 し
た ものがほ とん どで,イ ンス リンについて末裕 お よび
門脈血 レベル両方 の変化を肝再生完成期 まで観察 した
報告 は著者 の調べ た範囲 ではない。Jungeら いは ラッ
が前提 とな る。事実70%肝 切 ラ ッ トでは,24時 間以降
求 めた。 そ の結果,対 照群 で は術後 3日 目を含 め全経
一
一
過 を通 じて1.50前後 に 定 していた。 方肝切群 で は
術後 3日 目には この 関脈 ・末檎 血 イ ンス リン濃度比 は
2.15と 高値 を示 した 。こ の ことよ り,肝 重量 が約 2倍
と急激 に増加 す る 3日 目で は もっ と もイ ン ス リン の
hepatic extractionが大 き くな り,糖 負荷前 末浦動脈
血 イ ンス リン レベル の低 下 を導 いた と考 え られ る。
第 2に 肝切 3日 目の血糖値 の変動 の観点 か ら論 じて
みた い。す る と,肝 切群 の術後 3日 目にみ られ る糖 負
荷前血 糖値 の低値 とK値 の低 下が注 目され る。 まず肝
切 3日 目にみ とめ られ るK値 の低下す なわ ち糖 処理能
の 低 下 は, 術 後 早 期 に お け る s t r e s sa と
drenalin,
どの イ ンス リン作
glucocorticoid,growth hOrmoneな
用 に措抗す るネル モ ンの増加 に伴 う末精 での糖利用 の
3の
低下 を反映 してい る と考 え られ る2の
.術 後 3日 日の
肝切群 での糖 負荷前 血 糖値 の低値 につ いて も, この時
トの70%肝 切除後24時間 まで観察 し,末檎血の血糖値,
イ ンス リン値 の低値を認 めるが,関 脈血 インス リン値
期 の 再生 中 の肝 は まだ GOT,GPT,Al‐ Pの 高値 を示
す こ とと肝重量 も術前 の65%に しか回復 していない こ
は術後12時間 まで低下 し,そ れ以降24時間 までは術前
値 を示 す と報 告 して い る。Watanabeら 2,は同 じ く
ラッ トの70%肝 切除後48時間まで観察 し,末 梢血 イン
と よ り,再 生 肝 細 胞 で の 糖 新 生 な ど の gluCose
metabolismの 低 下 もそ の 原 因 の ひ とつ と推 察 され
る。事実,木 田31)は
肝切犬 を用 いて ラ ン ダ ム糖 負荷 を行
ぃ,血 糖値,イ ンス リン値,グ ル カ ゴン値 の 4次 元 自
ス リン値 は次第 に低値を示す が,門 脈血 インス リン値
は高値を示す と報告 している。
さて著者 の肝切除後 3日 日の成績で は糖負荷前 の末
浦動脈血血糖値 お よびインス リン値 は対照群 に比べ て
低値 を示 し,糖 負荷後 のインス リン値 は両群 で 同様 の
変動を示 した.さ らに糖処理能を示す K値 は肝切群 で
は対照群 に比べ て低値を示すが,そ の際 の糖 に対す る
己回帰分析 よ り肝切後早期で は血 糖制御活動 の不 良性
を認 め るが,そ の原 因 は両 ホル モ ムンの作用部位 での
障害 で あ り,肝 の絶対量不足 に よる糖代謝異常 に起 因
す る と報告 してい る。
次 に肝再生 がかな り進 行 した肝切後 7日 日で は,糖
負荷前 の末檎動脈 血血 糖値 お よび イ ンス リン値 は両群
1986年12月
31(2355)
間で差を示 さなかった。し か し,肝 切群において糖負
荷前 の問脈血 インス リン値 は高値を示す のみな らず,
糖負荷後 のそれ も高値 を示 した。 このインス リン動態
肝再生に関す る諸家の報告によると, ラッ トでは肝
切直後 か ら核酸 の合成 が盛 んで あ り,細 胞 分裂 は 2
∼ 3日 で ピークとな り141急
激に肝重量 が回復 し 7日 目
は I.I.,T.I.I.,zIRI(5),お
よび ΣZIRI(30)を 指標 と
して も,肝 切群 は対照群 に比べ有意 の高値を示 した。
一般 に血 中 インス リン濃度を規定す るもの として,(i)
解 か らの分泌状態3の
,(11)肝 やその他 の臓器 でのイ ン
ス リン分解状態2つ
が関与す る。前述の著者の成績 にお
では手術前 の80∼90%に 達す る。 さらに12日か ら20日
前後で肝再生が完了す るとい う21)。
し か し残存肝重量
が順調 に回復す るのに対 して代謝機能 も回復す るわけ
ではない。Braunら 30は,肝 切後24時間で肝重量 は約
15%増 加す るが,albumin合 成 は盛 んでな く, 7日 目
ける門脈血 インス リン濃度 の態度 は,定 常状態お よび
ブ ドウ糖刺激時 において膵 か らのインス リン分泌 の明
に肝 重 量 が90%に 回復 す る こ ろ に なって 初 め て al‐
bumin合 成 は盛 んになって くる こ とを指摘 している。
らかな克進を示唆す る。し たがって この時期 における
同様 に本実験結果 か ら肝切後 3日 目では耐糖能 の低下
が生 じ, 7日 目で は耐糖能 の元進 とイ ンス リン分泌元
K値 の増加 と糖負荷後30分の血糖値 の低値 は, この元
進 した イ ンス リン分泌 が生物学的効果を発揮 した もの
と考 えられた。 さらに肝重量が術前の約80%に 回復 し
た 7日 日では肝細胞の機能的分化 が進 んで肝 のインス
リンに対す る反応性や糖代謝がかな り正常化 している
ことも一 因 と考 えられた。 この時期 の肝細胞 の分化 に
ついて,Braunら 3め
は ラッ トを用 い,肝 切後24時間に
進 に移行 し, この ことが再生肝細胞 の形態的機能的分
化を円滑 に促進 し,肝 再生 が終了す る14日日以降で耐
糖能 が正常化す ると考 えられた。すなわち,肝 切後 の
代謝機能 は早期 では手術侵襲による代謝機能の低下 と
それに対す る緊急的代償 の状態にあ り,そ の後形態的
な回復がお こるとともに代謝機能 も盛んにな り,肝 再
は肝重量 は約15%増 加す るに もかかわ らず albumin
合成 は回復せず 7日 目に肝重量が90%に 回復す るころ
生が進行完成す るもの と考 えられた。
になって初 めて alhmin合 成 が盛 んにな るこ とを指
摘 している。 この ことは著者 の成績 と時期的 に一致 し
復期 に分けて行 うべ きであ り,耐 糖能 の低下がみ られ
る手術侵襲期 では,過 剰 の糖補給 は容易に異常高血糖
てお り興味深 い。 また,イ ヌにおいては肝切後肝重量
が90%に 回復す る 2週 目で耐糖能 の改善 と糖利用 の元
や,hyperosmolar dehydrationに
おちいる危険性 があ
り,慎 重 になされ るべ きであ り,耐 糖能 の元進 してい
進 が存在 し, 2カ 月 日以降血糖 曲線 は対照 と差がな く
なるとの報告 もみ られ る3つ
。 さて何故にこの時期 にイ
ンス リン分泌 が元進す るかは興味のあるテーマである
る回復期 では積極的な糖補給 が肝再生を促進す る上で
有効 であると考 えられた。
以上 よ り広範肝切除術後 の糖補給 は手術侵襲期 と回
結
論
広範肝切除後 の耐糖能 のインス リン分泌反応をみ る
が,今 回の実験では これを明 らかにで きなかった。 し
か し,少 な くとも HE,AF染 色でみ るか ぎ り肝切群 に
ために,実 験的 に肝切除 ラットを作成 し,プ ドウ糖負
おいて対照群 と比較 して Langerhans島 の β細胞 致
の増加 は認 めなかった。 ところが中鳴3"の電顕 に よる
荷試験を術後 3週 まで経時的 に施行 した。その結果,
以下 のよ うな結論をえた。
検討では,肝 切 ラットにおいて解 Langerhans島 の β
細胞 の糸粒体 の球形化や数 の増加,粗面小胞体 の発達,
1.肝 切除後最初 の 3日 間 で急激 な肝重量 の増加 を
示 し,引 続 きゆっ くりとした肝重量の増加を示 しなが
Golgi complexの拡大,芯 を有 しない顆粒限界膜 の増
加な どの細胞機能 の元進 による変化を認めた と報告 し
ている。一方,イ ンス リン分泌刺激因子 の観点か ら,
肝切後 7日 目において血 中 alanine,leucine,arginine
の高値 が認 め られ るとい う報告3い
がぁ る。し たが って
ら14日目で対照群 と肝重量の差がな くなって肝再生終
了へ と移行 した。
2.肝 切除後 3日 日で は糖処理係数 K値 の低下 を示
したが,イ ンス リンレベルは末浦 ・門脈血 とも低下 し
今回著者 が観察 した分泌元進 の成因 には, これ らの血
中 ア ミノ酸 の上 昇 が関与 してい る可能性 も考 え られ
3.肝 切除後 7日 目で はインス リン分泌 の克進 をみ
とめ同時にK値 の上昇を認めた。
る。
ていなか った。
4.肝 切除後14日日以降,肝再生 の終了 とともに糖負
対熱群と肝切群の間にはK値のみならずインス'ン分
荷時の耐糖能 とインス リン レベルの正常化をみた。
これ らの事実は,肝 再生時糖代謝 のみ な らず膵島機
泌反応 において も差 は認 め られ な くな った。
能 とくにイ ンス リン分泌 が肝細胞 の形態的機能的分化
さらに肝再生が完成 した 肝切後 1 4 日目, 2 1 日 目で は
肝広範切除術後 の肝再生 と耐糖能 に関する実験的研究
32(2356)
に密 接 に 関連 す る こ とを示 し,臨 床 的 に は 肝 切 後 早 期
筒易測定 キ ッ ト. 臨 成人病 2 ! 2 0 9 - 2 1 0 , 1 9 7 2
12)Starzl TE,Francavilla A,Halgrinson CG et ali
の 糖 補 給 は 慎 重 に な され るべ きで あ り,
にお いて過 乗」
The origin, homonai nature and action of
回復 期 に は積 極 的 な糖 補 給 が 肝 再 生 促 進 に 合 理 的 で あ
hepatotrophic substances in portai venous
る こ とを示 唆 した 。
blood Surgery 137, 179-199, 1973
稿 を終 えるにあた り,御 指導 と御校 閲を賜 わ りま した思
13)Price JB,Takeshige K,Max MH etal: Gluca・
師宮崎逸夫教授 に深甚 なる謝意を捧 げ ます 。 また本研 究 に
あた り終始御指導 と御助言を頂 きま した永 川宅和博 士 ,倉
知 国 博士 ,並 びに本学第 2内 科中林 肇 博 士 に深謝 しま
14)WhittemOre AD,Kasuya M,Voorhees AB et
Hepatic regeneration in the absence of
portal viscera.Surgery 77:419-426, 1975
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