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出るものより入るものの方が多いと・・・
Na+
上がる
Na
Na
Na
++
++
+
電位
K+
+
+
+
K
・K+イオンが外に出ている時でも、中に入るプラスイオンの方が多いと、細胞内の電位
は上がる。
入るものと出るものが同じだと・・・
変化しない
Ca
Ca
電位
+
+
+
K+
2+
K
+
+ +
・外に出る K +イオンと、中に入るプラスイオンが同じ数だと、細胞内の電位は変化せ
ず一定に保たれる。
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電気の見え方の基本
電池をみる場合は・・・
電流の流れる経路
-
-
+
電池で発生する
電流の向き
+
電流が(+)電極の方向に流れる
→上向きに振れる
・乾電池に豆電球をつなぐと光る。この時、電流は電池の+から流れだし、-に向かって
流れている。
・電球のかわりに心電図モニタの電極をつなぐと、
電池が発生した電流はモニタに流れる。
・モニタは+側の電極から電流が入ってくると上向きに振れる。
心臓で起きた電気と波形の向き
電流の流れる経路
電流の流れる経路
-
-
心臓で発生する
電流の向き
+
(1)電流が(+)電極の方向に流れると
→上向きに振れる
心臓で発生する
電流の向き
+
(2)電流が(-)電極の方向に流れると
→上向きに振れる
・電流は一方の電極から流れ込み、もう一方の電極を通って一周し体に戻る。
・心臓で発生した電流が+の電極に向かってくると波形は上向きに振れる。
・心臓で発生した電流が、+の電極から遠ざかる(-の電極に向かう)と波形は下向きに振
れる。
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電解質と心電図波形の関係
Ca
Na
K
R ST
T
Na Ca
K
・電解質イオンの出入りによって心電図波形が発生している。
・R 波は Na、T 波は K によって作られている。
・ST 区間は Ca と K のバランスで決まるが、K はすべての時間に関係しており、Ca は ST だけ
に影響する。
高 K 血症とはどんなことか
<高K血症>
<正 常>
細胞内
K+
細胞外
K+
K+
K+
K+
K+
細胞外
K+
K+
K+
高K
K+
K
K+
K+
K+ 濃度が高い
K+
K+
K+
K
K+
細胞内
K+
K+
濃度勾配が小さくなる
静止膜電位が上昇
正常
静止膜電位
・心筋細胞外の K +イオン濃度が正常よりも高くなるのが高 K 血症。
・細胞内外の K +イオン濃度勾配が小さくなるので、K +イオンの出方が悪くなる。
・その結果、細胞内の電位が十分に低くならず、静止膜電位が正常よりも高くなる。
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心筋虚血による T 波の増高
<虚血が心内膜側に留まっている場合>
虚血している部分の
再分極が最後になる
正常部位より
電位が高い
外側
内側
心室筋
+-
電流の向き
+
+
電極
T波が増高する
-
虚血と高K血症のT波の違い
高K血症では
T波の前半で大きくなる
心筋虚血では
T波の後半で大きくなる
・冠動脈の動脈硬化などによる狭心症の場合、心筋内膜側から虚血が起きる。
・虚血部位は、刺激による脱分極は影響を受けないが、再分極はよりゆっくりになる。。
・虚血部位は再分極が遅れて最後になる結果、電位が高い状態で残り、そこから正常部位
に向かって電流が発生する。これをとらえて T 波は増高する。
心筋虚血による陰性の T 波
<虚血が心外膜側まで及んだ場合>
外側
内側
虚血している部分の
再分極が最後になる
正常部位より
電位が高い
心室筋
電流の向き
+
+
+
電極
T波が陰転する
・酸素不足が持続すると心筋外膜側まで虚血する。
・虚血部位から流れ出す電流は、周囲の正常部位に向かう。
・電極を虚血部位の真上におくと、逆向きの電流をとらえることになり、下向きの陰性T波
となる。
・陰性で左右対称形の T 波を、冠性 T 波という。