9 出るものより入るものの方が多いと・・・ Na+ 上がる Na Na Na ++ ++ + 電位 K+ + + + K ・K+イオンが外に出ている時でも、中に入るプラスイオンの方が多いと、細胞内の電位 は上がる。 入るものと出るものが同じだと・・・ 変化しない Ca Ca 電位 + + + K+ 2+ K + + + ・外に出る K +イオンと、中に入るプラスイオンが同じ数だと、細胞内の電位は変化せ ず一定に保たれる。 13 電気の見え方の基本 電池をみる場合は・・・ 電流の流れる経路 - - + 電池で発生する 電流の向き + 電流が(+)電極の方向に流れる →上向きに振れる ・乾電池に豆電球をつなぐと光る。この時、電流は電池の+から流れだし、-に向かって 流れている。 ・電球のかわりに心電図モニタの電極をつなぐと、 電池が発生した電流はモニタに流れる。 ・モニタは+側の電極から電流が入ってくると上向きに振れる。 心臓で起きた電気と波形の向き 電流の流れる経路 電流の流れる経路 - - 心臓で発生する 電流の向き + (1)電流が(+)電極の方向に流れると →上向きに振れる 心臓で発生する 電流の向き + (2)電流が(-)電極の方向に流れると →上向きに振れる ・電流は一方の電極から流れ込み、もう一方の電極を通って一周し体に戻る。 ・心臓で発生した電流が+の電極に向かってくると波形は上向きに振れる。 ・心臓で発生した電流が、+の電極から遠ざかる(-の電極に向かう)と波形は下向きに振 れる。 17 電解質と心電図波形の関係 Ca Na K R ST T Na Ca K ・電解質イオンの出入りによって心電図波形が発生している。 ・R 波は Na、T 波は K によって作られている。 ・ST 区間は Ca と K のバランスで決まるが、K はすべての時間に関係しており、Ca は ST だけ に影響する。 高 K 血症とはどんなことか <高K血症> <正 常> 細胞内 K+ 細胞外 K+ K+ K+ K+ K+ 細胞外 K+ K+ K+ 高K K+ K K+ K+ K+ 濃度が高い K+ K+ K+ K K+ 細胞内 K+ K+ 濃度勾配が小さくなる 静止膜電位が上昇 正常 静止膜電位 ・心筋細胞外の K +イオン濃度が正常よりも高くなるのが高 K 血症。 ・細胞内外の K +イオン濃度勾配が小さくなるので、K +イオンの出方が悪くなる。 ・その結果、細胞内の電位が十分に低くならず、静止膜電位が正常よりも高くなる。 28 心筋虚血による T 波の増高 <虚血が心内膜側に留まっている場合> 虚血している部分の 再分極が最後になる 正常部位より 電位が高い 外側 内側 心室筋 +- 電流の向き + + 電極 T波が増高する - 虚血と高K血症のT波の違い 高K血症では T波の前半で大きくなる 心筋虚血では T波の後半で大きくなる ・冠動脈の動脈硬化などによる狭心症の場合、心筋内膜側から虚血が起きる。 ・虚血部位は、刺激による脱分極は影響を受けないが、再分極はよりゆっくりになる。。 ・虚血部位は再分極が遅れて最後になる結果、電位が高い状態で残り、そこから正常部位 に向かって電流が発生する。これをとらえて T 波は増高する。 心筋虚血による陰性の T 波 <虚血が心外膜側まで及んだ場合> 外側 内側 虚血している部分の 再分極が最後になる 正常部位より 電位が高い 心室筋 電流の向き + + + 電極 T波が陰転する ・酸素不足が持続すると心筋外膜側まで虚血する。 ・虚血部位から流れ出す電流は、周囲の正常部位に向かう。 ・電極を虚血部位の真上におくと、逆向きの電流をとらえることになり、下向きの陰性T波 となる。 ・陰性で左右対称形の T 波を、冠性 T 波という。
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