第31号 絲海 " 31 号 (40周年記念) 伊丹市文化財保存協会 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 伊丹市文化財保存協会創立 40 周年記念行事 日時平成 1 8 年 1 1 月 1 8 日(土) 場所みやのまえ文化の郷 「日本庭園」 「旧岡田家住宅酒蔵j 第 ニ次 ① 近衛家会所石灯篠復元設置 = お披露目式 時間午前 9 時 30 分~ 場所みやのまえ文化の郷 「 日本庭園 」 1 経過報 告 2 テープ・カット 3 ② 感謝状贈呈 記念式典 時間午前 1 0 時 00 分~ 場所みやのまえ文化の郷 「旧岡田家住宅酒蔵J 1 挨拶 伊丹市文化財保存協会長 2 祝 辞 伊丹市長 3 来 賓紹介 4. 40 年の 歩み ③記念講演会 時間記念式典に引続き 場所みやのまえ文化の郷 「 旧岡田家住宅酒蔵」 演題「 伊丹郷と町会所j 講師石川道子氏 神戸大学文学部地域連携センタ 1 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 研究員 第31号 絲海 創立 4 0 周 年 によ せ て 伊丹市長藤原保幸 伊丹市文化財保存協会創立 40 周年、誠におめでとうござ います。 歯協会は、昭和 38 年 2 月 7 日に発足いたしました 「 伊丹 廃寺保存会 J を母体とされ、これを発展的に改組、昭和 40 年 1 1 月 t 8 R に設立され、爾来 40 年の長きに亘り年輸を 刻んでこられました。 これも偏に、村上会長並びに歴代会長をはじめ役員 会員 の皆様のご尽力の賜物と深甚なる敬宜を表する次第です 。 伊丹廃寺は昭和 33 午、畑の耕作中に水煙と基壇の一部が発見されたことから、昭和 4 0 年まで 7 年間にわたり控掘調査が実施されて、その全容が明らかとなり、法隆寺と同じ 出産配憶をもっ特徴的な古代寺院跡として重要であるとのことから昭和 4 1 年 3 月、「伊丹 廃寺跡」 として本市で初めて閣の史跡に指定されました。このことが伊丹市民の郷土の文 化財に対する深い関心とロマンを駆り立て、貴協会誕生の契機となったところであります。 賞協会では、この f 伊丹廃寺跡 j に関する取り組み以後、伊丹市内に所4医する文化財の 保護ならびにこれに閲する史実の研究とその知識の普及をはかられ、市民主化の向上に資 することを目的として今日まで傑々な事業を展開してこられました。 「 市内の史跡案内マッ プJ r伊丹の歴史を訪ねて J r 文化財愛護カルタ J r ふるさとの心をたずねて J r 伊丹の丈化 財スケッチ集 J r 文学碑を訪ねて J そして会報 f締海』 等の出版事業、旧西国街道猪名川渡 し場の「芭蕉翁あゆみの碑J をはじめ、市内 60 基もの『文学碑 J や「士化財愛護糠柱」 の設置等顕彰事業、 「 古事記 J r 万葉を読む J r 古代民俗学 J 等の講義 ・ 講座事業、そして市 内 r .J(化財愛護少年団 j の育成等々、まことに多岐にわたる事業であります. 文化財には、史跡、有形文化財、睡形文化財、民俗文化財そして記念物など犠々な種別 がありますが、伊丹市内にも国指定文化財が 9 件、県指定文化財が 1 3 件、そして市指定 主化財が 32 件の計 54 件の文化財があります。これらは長い年月に且;り先人たちの多大 の努力によって大切に守り、育てられながら今日に伝承されてきた大切な歴史的遺産です。 しかし、平成 7 年 1 月、折りしも当協会の創立 3 0 周年の年に尭生した「阪神 ・ 淡路大 震災 J においてその多くが倒填、損傷の被害を受けましたが、その際も置協会をはじめ、 多くの市民の皆様のご支援、ご協力のもとに復旧されたところでございま~, 皆様には、今後とも文化財の保護 ・ 顕彰等に、より 一 層のご支援、ご協力を賜りますよ うお願い申し上げます。 最後になりましたが、伊丹市文化財保存協会の今後益々のご発展と全員皆様のご健勝ご 活践を祈念いたしましてお祝いのことばといた し ます。 2 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 40 周年記念に想う 伊丹市文化財保存協会 会長村上敏展 1 ‘ 合FV 伊丹市文化財保存協会は、その前身である 「 伊丹廃寺保存会 j 設立以来、 4 0 周年を迎えました。 昭和 40 年、協会設立当初 より 2 代にわたり市長が会長に就任されるとしづ阪神問、広く 県内でも希有の協会として設立されました。 以来伊丹市、協会 役員・全員の皆様をはじめ、常に絶大なるご指導、ご支援を賜 った関係諸機関等のご後援のもと文化財の愛護 伝単・啓尭を 協会活動の量点目棟とし、未来への文化継承を担う文化財愛護少年団の育成 ・ 機関紙 「 紳 海 J 発行 ・ 輯海史学講座等々「歴史と文化遺産を今に生かした文化都市J づくりへの事業 活動を雄進して参りました . 昭和 60 年、協会創立 20 周年記念事業としては古代より景勝地として主朝歌人の古歌 に詠まれたゆかりの地に 60 基の文学碑を建立(平成 5 年完成) .市民の皆織はじめ阪神聞 は勿論、県外からも f 文学碑めぐり j のパスが来伊するなど好評をいただきました 。 平成 4 年(久保武茂第 6 代会長)より、私は文化財保存協会事務局畏として保存協会に 入会、会長 ・ 役員のご指導のもと翌日年 f 新田中野村開聖先駆者顕彰碑 」 建立・除幕式典 が初仕事でした。 平成 6 年、協士創立 30 周年記念事業(平成 7 年度事業)の企画に取組み、記念事業実 行委員会を中心に 6 年中には記念事業割画(江戸時代の伊丹酒積み出し場を偲ぶ常夜灯(高 さ 4. 403 米)の設計図も完成、翌 7 年に実行に着手する寸前、突然の大震災発生。記 念:事業計画は中止。急遁、役員全員による市内全域の文化財 ・ 史跡を巡回、想像を絶する 莫大な被害と復旧の岡難さを改めて知るところとなりました 。 いち早く募金活動を始めた協会に多くの市民 ・ 会員から、続々と復興復元のための基金 が寄せられたことは言 うまでもなく、役員会全員一 致の議決により、記念事業基金及び募 金のすべてを文化財修復 被害復旧のための賢金として市に寄付したのであります。 年内 の新規事業の自粛は当然でもあり、被災会員をはじめ、市外、県外への転出の方も多く、 恒例の事業の実施も困難な情勢ではありましたが、最小限の事業は何とか開催できたもの の募金中心の活動となり、協会創立記念事業も小規艇ながら会の運営を支えて頂いた協会 員感謝デーを企爾「創立 30 周年記念懇親会 J を開催したことと f 会員名簿 」 の作成が唯 一 の新規事業でありました。 思えば、今日まで事務局長・理事副会長会長代行として、 1 3 年 間 に亘り 6 ・ 7 8 代の 3 会長に仕え平成 1 2 年より 9 代目の会長として、陰に陽に協会役員 ・ 会員皆様の お世話になりながら、今年で 6 年目となり、協会事業に参画して以来、実に 1 5 年目にな 3 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 りました。 平成 9 年 2 月、小西酒造株式会社小西新太郎社長様のご厚意と白雪長寿蔵ミュージアム 館長虞田康夫傑のご尽力で共催事業として「伊丹歴史探訪」講座を開催し、同 1 8 年 1 月 まで実に 1 00 回の講座開催を達成、伊丹市民の皆様に伊丹にまつわる歴史、文化のみな らず世情、政治、経済等広範囲に亘る啓発事業の機会が与えられたこと、同 1 3 年よりは 伊丹市文化財保存協会の事務局が市庁舎教育垂員会事務局から国指定重要文化財 r I 日岡田 家住宅(店舗 酒蔵) J 内に移り同建物の管理委託も受けることとなったこと、同 1 5 年に は、岡田家築造 330 年記念企画イベン卜、同 1 年には「伊丹市制 65 周年記念イ ベント J 等に其々共同参画したこと。閉じく 16 年からは「市民まちづくり活動 J にも積極的に宰 加し、毎年 3 月 3 日に伊丹郷町館旧岡田家住宅にて明治・大正 昭和の 3 代にわたる 「七 段お雛飾り」を展示公開する等々、で市内の多くの関係諸団体との事業協力パイプライが できたことは大きな喜びであります. 40 周年記念事業としては、住居表示、町名改正等による地名呼称変更に伴う協会出版 物 f 文学 碑をたずねて j の改定、市内史跡 ・ 名勝地等の絵葉書「伊丹の文化財スケッチ集 I• DJ の出 版、そして 記念事業のメインとして明治に至るまで伊丹郷町の領主であ った 近衛家の会所(近衛殿)内庭にあった石灯簡を修復し「みやのまえ文化の郷」内に設置、 彼露式典並びに記念講演を企画いたしま した。 また、新規事業として市内文化財・史跡等の PR に協会ホームページを開設する計画等々 も進めております. 文化財保存協会の果たすべき役割をしっかりと把鑑し、協会の伝統的事業を大切にしな がら、さらに移り変わる時代に適合した協会像を模索、具現し f 夢と魅力のあるまちづく り」に役員 一 同ノウハウを結集し協会事業を推進していく所存です。 今後とも変わらぬご指導ご鞭櫨を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。 4 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 伊丹市文化財保存協会の足跡 (1963) (1965) 産量座奪議委轟極通認醸翻掻事輔蚕闘 幅漏志芯事 i~t." 相代金昼 伏見 E 国別表丹市量盤主主 昭和 4 1 年 3 月 22 日 伊丹廃寺 が国指定史跡に御願層古績が県指定史跡に指定 さる 昭和 4 1 年 5月 5 日 文化財量護少年団{寺本公団}結成国内 8 番目 昭和 4 1 年 10 月 1 自 市内史跡カラースライド制作 昭和 42 年 3月 3 1 日 市内の史跡案内マップ聾行 昭和 42 年 9月 県指定史跡「榔願履古墳解説書 j 控行 昭和 43 年 3 月 20 日 昭和 43 年 5月 1 日 1 日 「伊丹の歴吏をたずね て J を罪行 昆陽寺山門を市有形文化財に指定する 昭和 43 年 1 1 月 1 0 日 文化財量護少年団県より 『 ゆずり藁貰』受賞 昭和 43 年 1 2 月 1 5 日 協会特別会員制度(法人)を段ける. 昭和 44 年 2 月 27 日 " 文化財は 市民の宝 “の標柱を瞳股 昭和 44 年 3 月 25 日 昆陽寺町山門観音量が県文化財に 指定さる 昭和 44 年 7 月 23 日 昭和 44 年 1 2 月 25 日 昭和 45 年 4 月 29 日 昭和 45 年 1 0 月 20 日 25 社加入 「麦わら膏頭」 市無形文化財に指定する f 文化財畳 盟事力ルタ j を編集、費行 間廟属古墳史跡公園整備事業高成 文化財量護標柱を市内 4 箇所に珪設 昭和 46 年 1 月 1 9 日 『守ろう伊丹の文化財』 を制作 昭和 46 年 3 月 30 日 「ふるさとの心をたずねて J 控刊 昭和 46 年 4月 1 日 伊丹廃寺虫僻公園を一般公開する 昭和 46 年 1 2 月 9 日 伊丹廃寺跡に解説桓霞置 昭和 47 年 3月 1 8 日 須佐男神社本殿市文化財に指定する 昭和 47 年 7 月 25 日 旧西国街道の猪名川置 L 場に『芭蕉碑J を建設 昭和 48 年 1 月 協会会報『輯梅J 第 l 号発刊 昭和 48 年 9 月 24 日 I 伊丹原 j の碑陣幕式 昭和 48 年 10 月 22 日 師廟曜古墳顕彰碑除幕式 昭和 50 年 3月 1 8 日 鴻池神社ー樟 昭和 50 年 3月 3 1 日 昭和 50 年 4月 9 日 5 日 県指定文化財となる f伊丹の民謡とわらべう た J (上豊行) 有岡城跡揖掘調査始まる 5 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 ( 1975) 明lif1il~ 『伊丹の年中行事 j 亮 1円l 昭和 5 1 年 9月 昭和 5 1 年 9月 2 7 日 『伊丹の文 化財ス ケッチ展 J 昭和 5 2 年 3月 「伊丹の文化財スケ ァチ展 J (揖 2 閥)開 催 昭和 52 年 5 月 16 日 「伊丹の文化財スケ ッチ聾J 控 刊 昭和 53 年 3 月 3 1 日 「伊丹の伝統 J r伊丹の酒造り道具J 発刊 昭和 52 年 4 月 25 日 2 代田会長矢筈奥伊丹市長就任 昭和 54 年 4 月 28 日 阪急伊丹駅に文化財案内甑設置 昭和 54 年 6 月 25 日 『伊丹の文化財めぐり地図 j 葺刊 昭和 54 年 1 1 月 1 2 日 鴨塚にて有岡城落城四百年祭執行 1 日 2 日 昭和 54 年 12 月 28 ゚ (第 1 回)開催 有岡城跡が国指定史跡となる 3 代田会長楠 九兵歯止就任(以後市長から協会役員が会長に) 昭和 55 年 3 月 3 1 日 昭和 56 年 1 月 2 1 日 昭和 58 年 1 月 岨和 59 年 6 月 30 日 4 代目会長昔轟 三 吉氏自費仔 昭和 59 年 9 月 28 日 紳海史学文学講座 開講 (古事記1 ・ f 文学的散夢みち J 作成 「荒木村車反乱 j 写真展開催 協会会報 f 梓海J 第 2 号尭行 1 日 ( 1986) 扇布6 1 ギ冒百月 2 1 日 ÎiI~面玄2Q扇平面否ま泰守支学専 6"' ()-義建豆民事奇 昭和 61 年 8 月 26 日 文学碑写真パネル展示会 昭和 63 年 5月 1 9 日 平成元年 2月 1 6 日 平成元年 4 月 2 日 昆楊寺山門の保存修理工事落成式 平成元年 10 月 i 日 市内文学碑解説書 r j:学碑をたずねて j 尭刊 5 代自 会長 白井忠二氏就任 「和泉式部の墓J 案内仮設置 平成 2年 4 月 23 日 f 三 野小学校の肺j の碑除幕式 平成 2年 5月 2 1 日 6 代回全喜久保武市正信拝 平成 4年 7月 1 6 日 平成 5年 6 月 平成 6年 6月 2 1 日 協会創立 30 周年記念事業実行書員会設置 平成 7年 1 月 1 7 日 阪神・暁路大震斑聾生、市内文化財甚大なる被害あり 6 月 験玄海軍震直京司酪忌盃漫画 伊丹市文化財垂醸少年団結成 6S 浅野酷左衛門顕事碑除幕式 ( 1995 ) 平成 7年 1 ‘日 鍾話通豆睡蓮盟国車重量13顧問 平成 7年 8 月 平成 8年 5 月 23 日 平成 8 年 1 0 月 26 日 1 日 被民文化財摩復のため募金活動を推進(募金額約 700 万円) 7 代目会長山本正一正融再 西国街道顕彰碑建立(市内 10 基) 6 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 平成 瞳w.で被虫、修檀完了を期に 一般公開事業を実施{聾音寺 9 年 1 1 月 24 日 大黒 天立憧} 平成 10 年 5月 1 6 日 8 代目会長松野文夫正就任 平成 10 年 6月 1 6 日 講摘会 f 荒木村重研究~伊丹からの揖信 -J (講師石川道子丘) 平成 1 1 年 10 月 28 日 伊丹榔町マップ創刊( 2 万部作成) 平成 1 1 年 1 1 月 有岡措跡国指定史跡 20 周年記意事業を実施(講演会、シ y ポジ 3 日 ュウムほカリ 平成 1 2 年 5月 1 9 日 9 イセ回全長村ト 平成 1 5 年 4月 「伊丹市文 化財保存協会設立 40 周年記意事業基金の段置および l 日 敏展正就妊 管理に閲する要綱j の般置 ( 2005) 平成.1 7 年 3月 3 1 日 平成 1 8 年 3月 3 1 日 面支彦事T壬1fI扉t:た子高王,]!聾 平成 1 8 年 1 1 月 1 8 日 平成 1 8 年 1 1 月 18 日 (協 平成 1 8 年 1 2 月予定 平成 1 8 年度事業 「文学碑J めぐりの婁施 平成 1 8 年且=事業 ホームページの開鍛のための研究 平成 18 年度事業 有岡城(伊丹披)、清酒揖祥等に係わるわるリーフレットの作 成編集 (その他年聞の継続事費) 伊丹市文化財量蟻少年団への活動助成及び指噂育成(研修会、 カルタ大会、七夕祭り、史跡訪問他) f 万葉を読む J 講座の実施、「古代民俗講座j の実縮 会報「総海j における各界からの研究聾表 史跡めぐりパスツアーの実施 文化財保護強調月間に伴う史僻清掃の翼施 役員研修会 文化財関連刊行物の聾刊と販売 旧岡田寧住宅並びに旧石橋寧住宅の管理 その他文化財保護・啓聾に置する事業を実施 (凡例) , は、各周年事業として取り組んだもの。 7 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 伊丹市文化財保存協会創立 40 周年記念事業の紹介 く出版事業> ①改訂版「文学碑をたずねて j の刊行 伊丹市では、昭和 5 7 年に は“歴史を今に生かす市民文 化都市"のテーマで、新しい 町づくりが提唱され、その 一 環として伊丹に残された詩歌 や文章を石に刻み、文学碑と してゆかりの地に設置するこ とが決定しました。 この事業を伊丹市文化財保 存協会が担当することとなり、 市の助成や多くの市民の賛同 を得て多額の寄付を受ける等 して市内に 60 基の文学碑を 設置してまいりました。これ ら市内文学碑の解説書として 「文学碑を訪ねて J を平成元 年 1 0 月 1 日に初版発行、し かし、設置場所の地名変更並 びに道路整備の関係で未設置 であった文学碑の設置が完了したのを機に、併せて協会費1)立 40 周年記念事業 のー環として、改訂版を刊行いたしました。なお、句碑解説の文章については 初版の通りとし、内容を一部整備いたしました。 8 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 ②新版 「伊丹の文化財 スケッチ集 (1 ) ・ ( II) J の刊行 一一一・ 伊丹に残る文化財はすでに 30 年前にスケッチ集にして 出版しておりますが、時代の 趨勢とともに周囲の景観も変 化していることに鑑み、協会 創立 40 周年を機に、本協会 会員で水彩画のスケッチを良 くされる瀧田純子氏に伊丹の 文化財と題したスケッチ集の 作成を依頼いたしました。 スケッチ集(1)として、 御願塚古噴、伝和泉式部の墓、 有岡城跡、旧岡田家住宅、猪 名野神社内鬼買句碑、伊丹廃 寺跡、 l日西国街道、そして鴻 池稲荷洞碑の B ヶ所が、さら にスケッチ集( 日 )として、 辻の碑、皆同天満宮、伊丹郷 町の酒蔵、昆陽寺山門、旧大 阪道、城郭風の駅舎、猪名野神社そして、昆腸池公園の B ヶ所、計 1 6 ヶ所の スケッチをお願し、新たに刊行いたしました。 9 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 く建設事業> ① 「近衛家会所石灯健を復元設置 J / 江戸時代、酒造りで栄えた - --ー 伊丹の大半は、寛文元年(1 66 1 ) から明治維新まで摂 関家筆頭の近衛家の領地とな っていました。 町の中心部は「仲之町(現 中央三丁目地先) J には会所が おかれ、近衛家が町の酒造家 のなかから任命した惣宿老ら が町全体に関する政務すなわ ち訴訟・財政などの公用を近 衛家の指示をうけながら担当 しました。 当時、大阪 ・ 堺の町と同じ ように町民中心の自治制度で、 当会所はいわば伊丹の自治発 祥の地といっても過言ではあ りません。 この石灯籍は、会所の庭園 に設置されていたものです。 会所は、昭和 29 年 1 月、市庁舎火災の際、類焼してしまいました。その遺 品の瓦・長押飾り 水桶等は旧伊丹市図書館「郷土資料室」に展示され、当石 灯簡は、鯉石・手洗い鉢とともに旧伊丹立図書館裏庭にあった近衛家記念庭園 に移されました 。 その後、旧伊丹市図書館が閉館された際、当石灯能は解体され他の石造品と ともに市立博物館の裏庭に運ばれ、今日に至っておりました。 当協会では、創立 40 周年を機に、伊丹の文化財の保護、顕彰をする記念モ ニュメントの建設等をするために設けた創立 40 周年事業基金、市の助成、市 民の浄財等をもって当該石灯徳を“みやのまち文化の郷"内の日本庭園に復元 設置いたしました 。 10 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 「総 昭和 48. 海(し、とうみ) 1. 1 J r赫海J 創刊号には「伊丹 の古い書物を見ると伊丹という文字が出る前、 伊 丹のことを糸海と書かれている 。こ れは昔、伊丹 は海岸にあってそれから糸のような入海のつまっ たところに伊丹の村があったことか ら伝う J と記 述されていた。 しか し、史実としては「伊丹J の方が「称海j より古く、「紙海J は江戸時代の文人が、イタミを 風雅に呼んだ名である。 11 Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会 第31号 絲海 持海第 31 号 発行 日平成 1811'1 1 月 18 日 編集伊丹市文 化 財保存協会 宇品H描95 伊丹市宮ノ前2丁目 5番お号 市立伊丹郷町館(旧岡閏寧住宅内 ) 電話・ FAX 0 7 2 7 7 2 8830( 直通 } Copyright(C) 伊丹市文化財保存協会
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