Worksheet2-05 - nifty

刑法各論 Worksheet(2-05)
刑法各論 Worksheet(2-05)
個人的法益に対する罪(財産罪) (09)事後強盗罪における「窃盗の機会」
【設例】Xは、留守中のA宅に、無施錠であった 2 階の窓から侵入して、1 階居間にある書類
棚の引出しから現金 58,000 円と商品券(額面 2 万円相当)を奪った。そして、窃盗
の犯意を持ち続けて天井裏に約 3 時間潜んでいた後に、2 階の居室にある机の引出し
から銀行の預金通帳 2 通と銀行印とを奪い、玄関から逃走しようとしたところ、たま
たま訪問して来たセールスマンBと鉢合わせしたので、逮捕を免れるためナイフをB
に突き付けて脅迫して、逃走した。
Xの罪責を論じなさい(なお、特別法違反の関係を除く。)。
【参考】最決平成 14 年 2 月 14 日・刑集 56 巻 2 号 86 頁(天井裏潜伏事件)
最判平成 16 年 12 月 10 日・刑集 58 巻 9 号 1047 頁(窃盗目的での再訪)
【Q1】設例におけるXの行為について、何罪の成否が問題となるか。また、Xは、その犯罪
について有罪か無罪か。
【Q2】事後強盗罪(刑法 236 条)の成立要件を明らかにしたうえで、事後強盗罪が身分犯か
否かを説明しなさい。
【Q3】事後強盗罪(刑法 238 条)における暴行・脅迫の強度は、どの程度のものが必要か。
【Q4】暴行・脅迫行為が財物奪取行為に後行する事後強盗を強盗罪として処罰する理由を説
明しなさい(事後強盗罪の処罰根拠)。
2014/10/02 00:10
刑法各論 Worksheet(2-05)
【Q5】事後強盗罪においては、暴行・脅迫が「窃盗の機会」に加えられることが必要である
とされる。事後強盗罪の処罰根拠との関係に留意して、その理由を明らかにしなさい。
【Q6】事後強盗罪における「窃盗の機会」の判断基準を明らかにしなさい。
【Q7】事後強盗罪の未遂も可罰的である(刑法 243 条)。では、既遂と未遂とをどのように
区別するべきなのかを説明しなさい。
個人的法益に対する罪(財産罪) (10)脅迫行為による強盗致傷罪の成否
【設例】金銭を強奪しようと企てたYは、某日深夜、目出し帽をかぶって、帰宅途中のCの面
前に突然立ちはだかり、「痛い目に会いたくなければ、財布を置いていけ。」と申し向
けた。これに驚いたCは、踵を返して逃げ出したが、縁石に蹴躓いて転倒し、加療約
14 日を要する傷害を負った。
Yの刑事責任を論じなさい(なお、特別法違反の関係を除く。)。
【参考】大阪高判昭和 60 年 2 月 6 日・高刑集 38 巻 1 号 50 頁
【Q1】強盗の手段である脅迫によって傷害を生じさせた場合にも強盗致傷罪(刑法 240 条)
が成立するか。
2014/10/02 00:10
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個人的法益に対する罪(財産罪) (11)強盗殺人罪の擬律・強盗致死傷罪における強盗の機会
【設例】遊ぶ金に困っていたZは、高利貸しをしているDを殺害して金銭を強奪しようと考え
て、借金の申し入れを装ってD宅を訪問し、Dに宅内へ招き入れられた。借用書を作
成した後、金庫から金を取り出すためにDがZに背を向けて金庫を開扉したとき、Z
は所携の登山ナイフでDを背部から 4 回にわたって突き刺して、Dを死亡させた。Z
は、金庫に保管してあった現金約 3,000 万円を自分の鞄に移し替えた後、さらに宅内
の物色を継続していた。約 2 時間後、巡回連絡に来た警察官Eに驚いたZは、現金の
入った鞄を置き忘れたまま、玄関先に立っていた警察官Eを突き飛ばして加療約 10
日の傷害を負わせて、逃走した。その約 1 時間後、D宅から約 2 キロメートル離れた
路上で、D強盗殺人事件を受けて警戒にあたっていた警察官Fに職務質問を受けたZ
は、逮捕を免れるために所携の登山ナイフで警察官Fの胸部を刺突して、死亡させた。
Zの刑事責任を論じなさい(なお、特別法違反の関係を除く。)。
【参考】最判昭和 24 年 5 月 28 日・刑集 3 巻 6 号 873 頁
【Q1】設例におけるZの行為について、何罪の成否が問題となるか。また、Zは、その犯罪
について有罪か無罪か。
【Q2】強盗致死傷罪においては、被害者を殺害後に財物を奪取した場合にも占有侵害を認め
ることになる。その理由を説明しなさい(死者の占有)。
【Q3】結果的加重犯とはどのような犯罪類型か。具体例を挙げて説明しなさい。
【Q4】強盗致死傷罪は結果的加重犯であり、死傷結果について故意が認められる場合を含ま
ないとする見解は、どのような理由から、どのような結論を導くのかを説明しなさい。
2014/10/02 00:10
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【Q5】強盗致死傷罪には死傷結果について故意が認められる場合を含まないとする見解には、
どのような問題点があるのかを説明しなさい。
【Q6】強盗致死傷罪には死傷結果について故意が認められる場合も含まれる(不真正結果的
加重犯)とする見解は、どのような理由から主張されているかを論じなさい。
【Q7】強盗殺人罪の既遂時期の判断基準を説明しなさい。
【Q8】警察官Eに対しても強盗致傷罪が成立するか。また、警察官Fに対しても強盗殺人罪
が成立するか。事後強盗罪との関連に留意しつつ理由を明らかにして論じなさい。
警察官Eに対する強盗致傷罪の成否:
警察官Fに対する強盗殺人罪の成否:
【Q9】強盗致死傷罪において、死傷結果は、強盗の手段としての暴行・脅迫行為から生じる
必要があるか。理由を明らかにして論じなさい。
【Q10】強盗致傷罪において、死傷結果は、たんに強盗の機会に生じる(機会説)だけでは
足らず、強盗行為に通常付随してそれと密接な関連性のある行為から生じる必要があ
る(密接関連性説)との見解の根拠と密接関連性の判断基準を論じなさい。
2014/10/02 00:10