2005 年 3 月臨時増刊号[No.105] 平成16年のトピックス 1 平成 16 年に、新たに報告された HIV 感染者及び AIDS 患者の件数は 411 件となり、過去最高となった。 HIV 感染者・AIDS 患者とも報告数が増加し、HIV 感染者報告数は 308 件で、はじめて 300 件を超えた。 (図-1) 2 HIV 感染者は 20 歳、30 歳代の今後社会を担う世代に、AIDS 患者は 30∼50 歳代の働き盛りの年代に多 い。10 歳代の HIV 感染者報告数は 5 件で、数は少ないものの過去最高となった。 (図-7、図-9) 3 平日夜間と土日に HIV 検査を実施している東京都南新宿検査・相談室では、平成 16 年の検査件数は 11,326 件(前年比 21.5%増) 、陽性件数は 128 件(前年比 47%増)となり、検査件数、陽性件数及び 陽性率が過去最高となった。また、区保健所や都保健所の検査件数も増加した。 (図-14、図-15) HIV 感染者・AIDS 患者の発生動向 ・HIV 感染者・AIDS 患者を合わせた報告数は、過去 2 年間微減していたが、平成 16 年は増加した。 (図-1) ・全国の報告数に占める東京都の割合は、HIV 感染者で約 4 割、AIDS 患者は約 3 割であった。 (図-3) ・HIV 感染者・AIDS 患者報告ともに、日本国籍男性が 8 割以上を占めている。 (図-4) ・推定感染経路では、性的接触が 8 割以上を占め、同性間性的接触、異性間性的接触とも増加した。 (図-5) ・20、30 歳代では同性間性的接触の割合が高く、60 歳以上では異性間性的接触の割合が高い。 (図-7) ・推定感染地域では、国内での感染が増加している。 (図-8) ・30 歳代の HIV 感染者、AIDS 患者報告数が多く、HIV 感染者報告の 4 割が 30 歳代である。 (図-9) 検査・相談事業 ・東京都でのエイズ電話相談件数は近年で最も多くなっている。 (図-11) ・東京都南新宿検査・相談室及び都内の保健所の HIV 検査件数は、近年増加傾向にある。 (図-14) ・東京都南新宿検査・相談室及び都保健所の HIV 検査の陽性件数及び陽性率が過去最高であった。 (図-15) ・都内の保健所の HIV 検査では、10、20 歳代の女性及び 60 歳以上の男性の割合が、東京都南新宿検査・相 談室と比較して、高い。 (表-1、図-16) 性感染症検査の実績 ・クラミジア抗体陽性件数は女性に多く、梅毒陽性件数は男性に多い。 (表-2) ・区保健所(健康安全研究センター検査分)の女性のクラミジア抗体検査陽性率は、約 40%であった。 (図-20) 本「AIDS News Letter No.105」は、 「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」に基づいて、東京都に平成 16 年に法 定報告された HIV 感染者と AIDS 患者の統計及び区・都の保健所等における相談・検査業務の実績をまとめ、分析したものである。 なお、HIV 感染者・AIDS 患者の報告数、相談件数、検査件数については、過去のデータを見直し、更新されている。 また、図表中では、平成をH、平成元年をH1、東京都南新宿検査・相談室を南新宿と記載した。 1 1.HIV 感染者及び AIDS 患者の発生動向 350 300 250 報 告 件 数 ( 図-1 東京都の HIV 感 染者及び AIDS 患者報告数の 年次推移 450 400 200 150 100 ) 件 50 0 HIV 感染者; HIV(ヒト免疫不全 ウイルス)が体内 に入り、 「感染」し た状態になってい るが、 「発症(何ら かの身体的症状が あること) 」してい ない状態 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 合計 58 51 57 128 119 124 143 209 215 215 315 308 376 368 359 AIDS患者 HIV感染者 10 17 16 20 24 54 48 70 72 62 88 94 102 93 97 103 48 34 41 108 95 70 95 139 143 153 227 214 274 275 262 308 411 AIDS 患者報告数は前年と比較して 6 件の増、HIV 感染者報告数は 46 件の増となった。 HIV 感染者・AIDS 患者のいずれも、報告数は過去最高となった。 800 図-2 東京都以外の HIV 感染者及び AIDS 患者報告数 の年次推移 700 600 報 告 件 数 400 ( ) 件 500 300 200 合計 AIDS患者 HIV感染者 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 43 11 32 46 14 32 181 365 22 31 159 334 244 62 182 310 82 228 303 121 182 401 164 237 432 438 178 169 254 269 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 516 213 303 483 235 248 577 230 347 554 617 215 239 339 378 703 263 440 東京都以外の道府県においても、HIV 感染者・AIDS 患者報告数は増加し、過去最高となった。 なお、東京都に比べ道府県では AIDS 患者が占める割合が多くなっていることから、東京都 では AIDS が発症する前に発見される件数が、道府県よりも多いことが考えられる。 (平成 16 年の全国の報告数は、 エイズ動向委員会平成 17 年 1 月 26 日発表の速報値である。 ) 0% 0% H1 0 H1 1 H1 2 H1 3 H1 4 H1 5 H1 6 20% H8 H9 20% H5 40% H1 H2 40% H1 0 H1 1 H1 2 H1 3 H1 4 H1 5 H1 6 60% H8 H9 60% H7 東京都以外 東京都 80% H3 H4 東京都以外 東京都 80% 3(2)AIDS 患者 100% H6 H7 3(1)HIV 感染者 100% H5 H6 図-3(2) 全国に占める東 京都の AIDS 患者 報告数の割合の 年次推移 0 H3 H4 図-3(1) 全国に占める東 京都の HIV 感染 者報告数の割合 の年次推移 100 H1 H2 AIDS 患者; HIV により免疫機 能が低下し、「指 標疾患」と呼ばれ る決められた疾患 の症状が認められ た場合。 無治療の場合、感 染から症状が出る まで、数年から 10 数年かかるといわ れている。 東京都の HIV 感染者報告数は全国の約 4 割、AIDS 患者報告数は全国の約 3 割で推移している。 2 400 350 300 250 報 告 件 数 200 150 100 50 0 ( 件 ) 図-4(1) 東京都の HIV 感 染者及び AIDS 患者の国籍別、 性別報告数の 年次推移 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 日本・女性 外国・男性 28 8 20 24 9 12 34 3 13 54 3 20 59 7 25 86 5 18 97 6 22 138 17 39 163 11 23 155 11 33 248 14 29 241 17 33 295 18 47 313 17 29 303 12 29 345 20 32 外国・女性 合計 2 58 6 51 7 57 51 128 28 119 15 124 18 143 15 209 18 215 16 215 24 315 17 308 16 376 9 368 15 359 14 411 日本・男性 日本国籍男性の報告数は増加傾向にある。日本国籍女性の報告数は微増し、長期的に見ると 増加傾向にある。なお、国籍が不明の場合は外国国籍に合わせて示した。 300 250 報 告 件 数 200 150 ( 図-4(2) 東京都の HIV 感 染者の国籍別、 性別報告数の 年次推移 100 ) 件 50 0 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 日本・男性 21 16 22 39 45 40 60 89 106 106 186 167 222 238 225 259 日本・女性 外国・男性 7 6 3 3 5 4 5 14 8 9 9 13 14 12 9 18 18 6 9 16 18 12 15 23 14 25 15 25 27 22 18 22 外国・女性 2 6 7 50 27 14 15 13 15 13 17 9 11 3 10 9 合計 48 34 41 108 95 70 95 139 143 153 227 214 274 275 262 308 HIV 感染者報告数では、平成 11 年以降の日本国籍男性の伸びが著しい。近年、日本国籍女 性の報告数は、外国国籍女性より若干多くなっている。 図-4(3) 東京都の AIDS 患者の国籍別、 性別報告数の 年次推移 報 告 件 数 ( 件 80 60 40 ) AIDS 患者報告; 新たに AIDS 患者 として報告された 数に限られてい る。 HIV 感染者として 報告された人が AIDS を発症した場 合は、「エイズ病 原体感染者報告票 (病状に変化を生 じた事項に関する 報告) 」で任意報告 を行い、AIDS 患者 報告には含まれな い。 100 20 0 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 日本・男性 7 8 12 15 14 46 37 49 57 49 62 74 73 75 78 日本・女性 外国・男性 1 3 0 0 2 1 1 3 3 2 5 4 4 5 3 2 2 6 4 4 7 6 7 16 9 8 14 8 20 7 11 10 外国・女性 0 10 0 17 0 16 1 20 1 24 1 54 3 48 2 70 3 72 3 62 7 88 8 94 5 102 6 93 5 97 5 103 合計 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 86 AIDS 患者報告数では、平成 6 年以降、日本国籍男性が増加している。近年、日本国籍女性 の報告数は、外国国籍女性よりも少なくなっている。 3 300 図-5 東京都の HIV 感染 者及び AIDS 患者 の推定感染経路 別の年次推移 250 200 ( 報 告 件 数 150 100 ) 件 不明、その他; 静注薬物濫用・可能 性のある感染経路 が複数あるケース、 不明が含まれる。 50 0 同性間性的接触 異性間性的接触 不明、その他 合計 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 36 17 5 58 19 20 12 51 26 23 8 57 34 39 56 54 86 90 88 142 170 214 228 224 254 62 45 46 68 80 83 77 116 90 104 94 88 98 32 35 22 21 43 42 50 57 48 58 46 47 59 128 119 124 143 209 215 215 315 308 376 368 359 411 同性間性的接触による感染は、依然として増加傾向である。 平成 16 年の異性間性的接触による感染は、前年よりも 10 件増加している。 図-6(1) 日本国籍男性に おける HIV 感染者 の推定感染経路 の年次推移 200 150 100 ( 報 告 件 数 ) 件 50 0 同性間性的接触 異性間性的接触 不明、その他 合計 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 17 4 0 21 10 4 2 16 11 10 1 22 20 15 4 39 29 11 5 45 27 11 2 40 29 27 4 60 58 22 9 89 66 58 112 123 163 173 171 194 29 33 46 35 41 47 33 41 11 15 28 9 18 18 21 24 106 106 186 167 222 238 225 259 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 HIV 感染者報告数の伸びが最も大きい日本国籍男性でみると、平成 11 年から同性間性的 接触による感染が増加した。異性間性的接触によるものの伸びは低い。 図-6(2) 日本国籍男性に おける AIDS 患者 の推定感染経路 の年次推移 50 40 30 件 20 ( 報 告 件 数 ) 10 0 同性間性的接触 異性間性的接触 不明、その他 合計 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 5 0 2 7 3 3 2 8 8 3 1 12 10 4 1 15 4 5 5 14 31 9 6 46 19 11 7 37 21 19 9 49 17 25 15 57 20 19 10 49 24 29 9 62 35 26 13 74 36 27 10 73 38 24 13 75 42 22 14 78 47 22 17 86 AIDS 患者報告数の伸びが最も大きい日本国籍男性でみると、平成 12 年以降、常に同性 間性的接触による感染報告が異性間性的接触によるものを上回るようになってきてい る。 4 60歳以上 図-7(1) 東京都の HIV 感染 者の年齢別感染 経路(平成 16 年) 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 10歳代 0% 20% 40% 60% 80% 100% 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 その他・不明 1 4 9 7 4 60歳以上 7 異性間性的接触 同性間性的接触 1 16 28 16 6 5 3 72 94 21 11 3 20、30 歳代では、同性間性的接触による感染が多い。10∼50 歳代では、80%以上が性的接 触による感染であった。なお、平成 16 年の 10 歳未満の HIV 感染者報告は、なかった。 図-7(2) 東京都の AIDS 患 者の年齢別感染 経路(平成 16 年) 60歳以上 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 10歳代 0% 20% 40% 60% 80% 100% 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上 1 0 0 2 1 4 6 8 20 7 7 13 6 5 10 5 5 3 その他・不明 異性間性的接触 同性間性的接触 10∼30 歳代では、HIV 感染者に比べ、異性間性的接触やその他・不明の AIDS 患者報告の割 合が高い。なお、平成 16 年の 10 歳未満の AIDS 患者報告は、なかった。 図-8 東京都の HIV 感染 者及び AIDS 患者 の推定感染地別 報告数の年次推 移 400 300 200 ( 報 告 件 数 ) 件 100 0 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 国内 15 22 20 34 48 57 72 114 144 130 224 213 288 293 290 341 海外 25 24 31 60 42 32 34 50 35 35 35 43 29 35 25 24 不明 7 5 6 34 29 35 37 45 36 50 56 52 59 40 44 46 合計 47 51 57 128 119 124 143 209 215 215 315 308 376 368 359 411 推定感染地の多くが国内であり、平成 16 年は国内の件数が増加している。一方、海外で の感染は、近年若干減少している。 5 140 図-9(1) 東京都の HIV 感染 者の年齢別年次 推移 120 100 報 告 件 数 80 ( 60 40 ) 件 20 0 20歳未満 20歳代 30歳代 40歳代 50歳以上 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 0 45 26 15 9 2 57 48 25 7 0 54 45 27 17 0 51 68 16 18 2 83 62 45 35 0 66 76 32 40 1 106 93 43 31 1 92 105 33 44 3 81 98 44 36 5 92 131 44 36 HIV 感染者報告数は、今後社会を担う 20 歳代及び 30 歳代で増加しており、平成 16 年は 20 歳未満も微増した。20 歳代、30 歳代での感染が今後拡大すると、社会的損失も危惧 されることから、10 歳代から 30 歳代までの予防啓発が重要である。 50 報 告 件 数 40 30 ( 図-9(2) 東京都の AIDS 患 者の年齢別年次 推移 20 ) 件 10 0 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 1 20歳未満 0 0 1 1 0 1 0 0 1 20歳代 5 12 8 7 18 11 10 7 6 7 30歳代 15 20 29 20 22 31 40 28 40 34 40歳代 19 20 17 17 28 22 26 21 17 27 50歳以上 8 17 17 17 20 29 26 37 33 34 AIDS 患者報告数は、働き盛りである 30∼50 歳代が多く、この年代への早期検査につなが る情報提供が必要である。 4,000 件 数 ( 3,000 2,000 件 ) 図-10 東京都の HIV 感染 者・AIDS 患者累積 報告数と身体障 害者手帳交付数 (免疫機能障害) 1,000 0 身体障害者手帳(免 疫機能障害) ; 平成 10 年 4 月に 「ヒ ト免疫不全ウイル スによる免疫の機 能の障害」による身 体障害者認定が施 行され、手帳交付が 始まった。 HIV累積 AIDS累積 HIV・AIDS累積 手帳交付 (免疫機能障害) H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 970 1,197 1,411 1,685 1,960 2,222 2,530 414 1,384 502 1,699 596 2,007 698 2,383 791 2,751 888 3,110 991 3,521 377 592 795 1,007 1,236 1,507 1,836 HIV 感染者・AIDS 患者報告数の累積件数の増加に伴い、障害の程度に交付される身体障害 者手帳の毎年 12 月末時点での交付数(毎年 12 月末に手帳を所持している人数と一致)が 増加している。 6 2.相談・検査体制 図-11 東京都のエイズ 電話相談件数の 年次推移 40,000 35,000 30,000 相 談 件 数 ( 「平成 4 年」 ; AIDS 患者・HIV 感染 者が増加し、社会的 な問題となった。マ スコミ等でエイズ が大きく取り上げ られ、国や自治体を あげたキャンペー ンが行われた。東京 都でも「東京都エイ ズ対策基本方針」を 策定し、「エイズ対 策室」が組織化され た年。 20,000 ) 件 25,000 15,000 10,000 5,000 0 H1 H2 H3 東京都 エイズ電話相談 1,691 1,241 2,038 15,443 15,392 14,158 14,645 17,557 14,825 15,107 16,212 16,648 15,270 15,963 19,194 19,441 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 区保健所 2,294 2,326 3,967 33,049 24,582 13,500 9,209 10,079 6,127 6,126 5,895 5,617 5,103 4,980 5,373 6,061 都保健所 540 544 809 6,943 5,704 3,550 2,287 3,135 1,463 1,402 1,431 1,535 1,857 1,946 1,700 1,467 都立病院 3,190 2,397 2,478 7,563 5,618 3,923 1,897 1,843 1,280 829 741 690 588 347 299 218 合計 7,715 6,508 9,292 62,998 51,296 35,131 28,038 32,614 23,695 23,464 24,279 24,490 22,818 23,236 26,566 27,187 エイズが大きな社会問題となった平成 4 年には電話相談件数が、一時的に急増した。 その後減少し、ここ数年横ばいであったが、平成 15 年以降増加し、平成 16 年は全体で 27,000 件を超えた。 なお、 「東京都エイズ電話相談」は、平成 10 年度以前はエイズ対策係で行っていた電話相談 の件数が含まれている。平成 11 年度以降は、すべて「東京都エイズ電話相談」の件数である。 図-12(1) 「東京都エイズ 電話相談」の性別 の年次推移 12(1)性別 12(2)年齢別 100% 100% 80% 80% 図-12(2) 「東京都エイズ 電話相談」の年齢 別の年次推移 60% 60% 40% 40% 20% 20% 0% 0% 東京都エイズ電話 相談; 03-3292-9090 平日 午前 9 時から午後 9 時までと、土・日・ 祝日は午後 2 時か ら 5 時までエイズ 相談に応じている。 不明 女性 H10 H11 − − 3,601 3,395 11,506 12,817 男性 H12 H13 − − 3,161 2,852 13,487 12,418 H14 H15 29 25 2,806 4,069 13,128 15,100 H16 32 3,691 15,718 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 不明 1,181 2,279 3,695 3,785 3,657 4,380 4,885 50歳以上 40歳代 754 1,444 712 1,408 975 1,079 603 858 659 1,192 665 1,304 875 1,231 30歳代 3,300 3,433 3,464 3,235 3,007 3,901 4,134 20歳代 20歳未満 7,801 627 7,774 606 6,591 644 6,318 471 6,865 583 8,402 542 7,815 501 男女の別については、電話相談員が判断しており、約 8 割が男性で推移している。 年齢別では、20 歳代の相談が最も多い。 7 図-13 「東京都のエイ ズ電話相談」の相 談内容の年次推 移 100% 80% 60% 40% 20% 0% その他 知識 プライバシー 予防 症状治療 HIV検査 感染経路 感染不安 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 4,223 572 222 1,270 2,639 7,259 9,397 10,280 1,937 691 87 947 1,357 4,278 9,567 12,016 2,214 441 37 1,110 846 3,104 10,300 12,027 1,628 502 35 440 801 3,297 9,379 11,669 853 484 32 248 939 3,302 9,503 12,942 229 563 37 1,441 1,204 4,326 11,625 15,616 735 478 62 1,789 1,464 4,805 11,889 15,665 東京都エイズ電話相談の相談内容は、感染不安と感染経路に関するものが多い。平成 16 年 は、割合が少ないものの、予防に関する相談が増えた。 27,000 図-14 東京都の HIV 検査 件数の年次推移 21,000 検 18,000 査 件 15,000 数 12,000 件 9,000 ( ) 東京都南新宿検 査・相談室; 新宿駅南口すぐそ ばに位置する無 料・匿名で HIV 検査 が受けられる検査 機関。平成 5 年 9 月 に平日夜間の検査 が開始され、平成 15 年 4 月より、土 日の午後も検査を 開始した。 事業は、東京都医師 会に委託している。 24,000 6,000 3,000 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 区保健所 1,504 1,615 3,265 24,930 19,066 9,397 6,084 6,366 4,188 4,021 3,649 3,884 6,298 4,679 5,466 6,415 都保健所 427 485 755 6,462 4,940 3,027 1,953 2,377 1,351 1,502 1,541 1,548 3,526 2,445 2,850 3,327 2,478 7,147 5,700 6,402 6,134 7,814 8,318 8,459 7,984 7,368 9,318 11,326 26,484 19,571 13,737 15,145 11,673 13,337 13,508 13,891 17,808 14,492 17,634 21,068 南新宿 合計 − − − − 1,931 2,100 4,020 31,392 都内の保健所の検査件数は、平成 4 年エイズが社会問題となった後減少したが、平成 15 年以 降増加している。東京都南新宿検査・相談室の検査件数は、平成 10 年以降横ばいであったが、 土・日曜日の検査を開始した平成 15 年から増加し、平成 16 年は 11,000 件を超えた。 なお、平成 13 年 5 月∼10 月に、都内の保健所では HIV 検査時に希望者には C 型肝炎ウィルス 抗体検査が無料匿名で行われため、平成 13 年の都内の保健所での検査件数は、一時的に増加 した。 8 図-15 東京都の HIV 検 査の陽性率・陽 性件数の年次推 移 1.2 1.0 ( 陽 性 率 % ) 保健所; 東京都内の保健所 には、23 区内の特 別区の保健所と、多 摩・島しょ地域の東 京都の保健所があ る。ここでは、特別 区の保健所を「区保 健所」、東京都の保 健所を「都保健所」 とし、両者をさす場 合は、「都内の保健 所」とした。 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 区保健所陽性率 0.00 0.06 0.15 0.07 0.04 0.10 0.07 0.13 0.21 0.25 0.14 0.08 0.21 0.51 0.55 0.42 都保健所陽性率 0.00 0.00 0.00 0.06 0.02 0.03 0.00 0.00 0.07 0.07 0.06 0.19 0.11 0.37 0.11 0.39 南新宿陽性率 区保健所陽性件数 都保健所陽性件数 − 0 0 − 1 0 南新宿陽性件数 − − − − 0.20 0.20 0.32 0.42 0.65 0.54 0.69 0.63 0.89 1.11 0.93 1.13 5 17 8 9 4 8 9 10 5 3 13 24 30 27 0 4 1 1 0 0 1 1 1 3 4 9 3 13 5 14 18 27 40 42 57 53 71 82 87 128 − − 都内の保健所での検査件数が多かった平成 4 年から平成 6 年までよりも、近年の方が、陽性率 が高くなっている。東京都南新宿検査・相談室の陽性件数は、初めて 100 件を超え、陽性率も 過去最高となった。 表-1 東京都の HIV 検査 及び陽性件数の性 別 ・ 年齢別の年 次 推移 (平成 14 年から 16 年まで) 区 保 健 所 都 保 健 所 南 新 宿 20 歳未満 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳以上 不明 20 歳未満 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳以上 不明 20 歳未満 20 歳代 30 歳代 40 歳代 50 歳代 60 歳以上 不明 平成 14 年 男性 女性 63(0) 118(0) 1,045(5) 949(1) 1,113(10) 460(1) 371(1) 107(0) 224(4) 51(0) 145(2) 30(0) 1(0) 2(0) 62(1) 129(0) 722(5) 515(0) 506(2) 154(0) 141(0) 40(0) 75(1) 24(0) 47(0) 13(0) 9(0) 8(0) 94(0) 118(0) 2,198(43) 1,483(0) 1,944(30) 497(1) 588(4) 65(0) 267(4) 16(0) 93(0) 5(0) 0(0) 0(0) 平成 15 年 男性 女性 74(1) 120(0) 1,196(15) 1,135(0) 1,295(6) 573(0) 450(5) 139(0) 250(3) 40(0) 170(0) 18(0) 4(0) 2(0) 56(0) 178(0) 771(0) 625(0) 611(2) 192(0) 179(0) 52(0) 84(1) 25(0) 63(0) 14(0) 0(0) 0(0) 113(2) 134(0) 2,573(29) 1,803(1) 2,633(39) 685(2) 826(11) 95(0) 310(3) 10(0) 121(0) 15(0) 0(0) 0(0) 平成 16 年 男性 女性 70(0) 164(0) 1,469(8) 1,333(1) 1,543(10) 683(3) 514(3) 134(0) 255(1) 50(0) 164(1) 30(0) 5(0) 1(0) 92(2) 181(0) 898(5) 685(0) 768(3) 214(0) 224(2) 37(0) 108(0) 21(0) 74(0) 16(1) 6(0) 3(0) 147(1) 208(0) 3,185(49) 2,057(4) 3,251(60) 801(0) 991(11) 101(0) 389(3) 26(0) 158(0) 12(0) 0(0) 0(0) (カッコ内は陽性件数) 近年の年齢別の検査件数は、検査機関にかかわらず、20 歳代の男女、30 歳代の男性に多い。 平成 16 年の東京都南新宿検査・相談室の 20、30 歳代の男性の陽性件数が以前よりも多い。 9 9,000 不明 60歳以上 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 10歳代 8,000 7,000 検 査 件 数 6,000 5,000 ( 図-16(1) 東京都の性別・ 年齢別 HIV 検査 件数 (平成 16 年) ) 件 4,000 3,000 2,000 1,000 男 女 男 区保健所 図-16(2) 東京都の性別・ 年齢別 HIV 検査 陽性件数 (平成 16 年) 女 男 都保健所 女 南新宿 140 120 60歳以上 50歳代 40歳代 30歳代 20歳代 10歳代 ( 陽 100 性 80 件 数 60 ) 件 40 20 0 男 女 男 区保健所 女 男 都保健所 女 南新宿 検査件数で見ると、全体的に男性は女性の約 2 倍であるが、10 歳代では女性の方が多く、 30 歳以上では男性の方が女性の約 3∼5 倍となっている。陽性件数では男性の方が女性よ りもはるかに多い。また、都内の保健所では、東京都南新宿検査・相談室と比較すると、 20 歳未満の女性と 60 歳以上の男性の検査の割合が高い。 図-17(1) 東京都南新宿検 査・相談室の 1 日 当たりの平均検 査件数(平成 16 年、月別・性別) 35 平 30 均 検 25 査 件 20 数 15 男 女 ( 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 予防月間 (再掲) 30 平 均 検 査 件 数 女 20 15 ( 件 / 日 男 25 10 5 ) 「東京都エイズ予 防月間」 ; 世界エイズデー(12 月 1 日)を中心とす る 1 か月の 11 月 16 日∼12 月 15 日。 東京都では、この期 間中広く都民を対 象としたエイズに 関する予防啓発を 総合的かつ集中的 に展開している。 ) 図-17(2) 東京都南新宿検 査・相談室の 1 日 当たりの平均検 査件数(平成 16 年、曜日別・性別) 件 10 / 日 5 0 月 火 水 木 金 土 日 東京都エイズ予防月間の広報活動やマスコミ報道により、 11 月以降の検査件数が増加した。 平日と土・日曜日を比べると、業務時間が短いが、土曜日の検査件数が多く、土曜日の検査 ニーズが高いことが推察される。また、月曜日は、月により核酸増幅検査を実施している ことから、検査件数が多い。日曜日の女性の平均検査件数は、他の曜日より少ない。 10 図-18 東京都の HIV 感染 者報告数と都内 保健所等の HIV 検 査陽性件数の年 次推移 300 報 告 件 数 ・ 陽 性 件 数 200 150 100 ( 件 250 50 ) 後天性免疫不全症 候群の届出; 「感染症の予防及 び感染症の患者に 対する医療に関す る法律」では、後天 性免疫不全症候群 を診断した医師は、 最寄の保健所長を 経由して、都道府県 知事に届け出なけ ればならない、とし ている。 350 0 HIV感染者報告数 保健所等の陽性件数 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 48 0 34 1 41 5 108 21 95 14 70 24 95 22 139 143 153 227 214 274 275 262 308 35 50 53 63 59 88 115 120 168 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 HIV 感染者報告数と都内の保健所及び東京都南新宿検査・相談室 (図中では保健所等)の陽性件 数の合計を比較すると、近年、保健所等の検査で感染が判明する場合が多いことが示唆される。 なお、保健所等の陽性件数と保健所等からの HIV 感染者の届出数は必ずしも一致しない。 図-19 東京都の HIV 感染 者報告数の都内 保健所等または 他の医療機関か らの届出の割合 保健所等からの届 出件数 H16 他の医療機関から の届出件数 保健所等からの届 出件数 H15 0% 他の医療機関から の届出件数 20% 40% 60% 80% 100% 平成 16 年は、HIV 感染者報告数(保健所等を含む医療機関からの届出総数と一致)のうち、 3.性感染症 表-2 都内の保健所、東 京都南新宿検 査・相談室での性 感染症検査件数 と陽性件数(平成 16 年) 性感染症検査: 多くの保健所では、 HIV 検査受検時に、 希望者には、クラミ ジア・梅毒等の検査 を実施している。 東京都南新宿検 査・相談室では、東 京都エイズ予防月 間の期間中1か月 のみ性感染症(クラ ミジア及び梅毒)の 検査を実施してい る。 都内の保健所と東京都南新宿検査・相談室 (図中では保健所等)からの届出が約半数を占めて おり、保健所等の検査が早期発見に寄与していると考えられる。 梅毒血清反応検査 検査件数 区 保 健 所 都 保 健 所 男 性 女 性 男 性 女 性 男 南 性 新 女 宿 性 男 合 性 計 女 性 2,943 1,927 1,890 1,032 949 464 5,782 3,423 陽性件数 (陽性率) 81 (2.75%) 16 (0.83%) 20 (1.06%) 2 (0.19%) 24 (2.53%) 0 (0%) 125 (2.16%) 18 (0.53%) クラミジア抗体検査 検査件数 3,085 1,914 1,893 1,021 950 462 5,928 3,397 IgA陽性件数 (陽性率) 327 (10.6%) 448 (23.4%) 260 (13.7%) 269 (26.3%) 107 (11.3%) 75 (16.2%) 694 (11.7%) 792 (23.3%) IgG陽性件数 (陽性率) 550 (17.8%) 665 (34.7%) 337 (17.8%) 365 (35.7%) 170 (17.9%) 141 (30.5%) 1,057 (17.8%) 1,171 (34.4%) 淋菌遺伝子検査 検査件数 1,212 553 1,053 521 陽性件数 (陽性率) 3 (0.25%) 4 (0.72%) 7 (0.66%) 9 (1.73%) ―― ―― ―― ―― 2,265 1,074 10 (0.44%) 13 (1.21%) 梅毒の陽性率は男性で高く、淋菌の陽性率は女性で高かった。性器クラミジア感染症は、男女 ともに、他の性感染症に比べ陽性率が高く、特に女性の陽性率が高かった。(各保健所から報告 された件数であり、図-20、図-21 に示す健康安全研究センターでの検査分とは一致しない。) 11 60% 図-20 都内の保健所、東 京都南新宿検 査・相談室でのク ラミジア抗体検 査の年齢別陽性 率 50% 40% 30% 20% 10% 0% 男性 女性 男性 女性 区保健所 9.7% 18.2% 19.5% 24.5% 16.8% 32.7% 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上 男性 女性 都保健所 44.6% 40.6% 41.4% 44.1% 40.0% 41.2% 21.1% 20.8% 19.4% 24.9% 34.1% 29.4% 南新宿 33.9% 38.7% 37.1% 43.3% 41.2% 22.2% 18.8% 20.5% 19.8% 26.9% 8.5% 23.5% 27.3% 31.7% 39.3% 53.8% 0.0% 50.0% クラミジア抗体検査(東京都健康安全研究センター検査分)陽性率を性別・年齢別で見ると、 区保健所での 10 歳代女性と、東京都南新宿検査・相談室の 40,60 歳以上の女性が高い。男女 を比較すると、都内の保健所、東京都南新宿検査・相談室とも女性の陽性率が高い。 なお、IgA、IgG の両方またはいずれかが陽性の場合を陽性として計算した。 6% 図-21 都内の保健所、東 京都南新宿検 査・相談室での梅 毒検査の年齢別 陽性率 5% 4% 3% 2% 1% 0% 男性 女性 男性 女性 区保健所 10歳代 20歳代 30歳代 40歳代 50歳代 60歳以上 0.0% 0.9% 1.1% 0.0% 3.2% 2.2% 男性 女性 都保健所 0.0% 0.2% 0.6% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 1.4% 1.3% 1.2% 1.1% 0.0% 南新宿 0.0% 0.2% 0.6% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 1.2% 1.8% 3.8% 2.1% 5.9% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 梅毒検査(東京都健康安全研究センター検査分)陽性率を性別・年齢別で見ると、女性に比 べ男性の方が高い。 (検査機関;東京都健康安全研究センター) 発行:東京都福祉保健局健康安全室感染症対策課エイズ対策係 郵便番号 163-8001 新宿区西新宿二丁目 8 番 1 号 電話 03-5320-4487 ファクシミリ 03-5388-1432 e-mail [email protected] ★東京都南新宿検査・相談室(無料・匿名・電話予約) 月曜日から金曜日まで 午後 3 時から午後 8 時まで、土・日曜日 午後 1 時から午後5時まで 電話予約制 03-3377-0811(予約受付時間 は、月曜日から金曜日まで 3 時 30 分から午後 7 時まで、土・日曜日 午後 1 時から午後 4 時半まで、なお、検査受付は、業務時間の 30 分前まで) 聴覚障害をお持ちの方のみ、ファクシミリでの予約申込みができます。 ファクシミリ 03-3377-0821(予約受付時間 午後 3 時 30 分から午後 7 時まで、1 時から 4 時半) ★電話相談 電話 03-3292-9090 (月曜日から金曜日まで、午前 9 時から午後 9 時まで。土・日・祝日 午後 2 時から午後 5 時まで) ※エイズに関する相談・検査(匿名・無料)は各保健所へ(一部、性感染症検査も同時に可能) 12
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