資料 No.4 平成 17 年度第 1 回岩手県大規模事業評価専門委員会 大船渡港港湾環境整備事業 補足説明資料 No.1 「再評価調書における付表の訂正について」 No.2 「大船渡湾水環境保全計画実施状況について」 No.3 「大船渡湾水環境保全計画アクションプランの概要について」 No.4 「湾内の水質環境改善対策に関する覚書について」 No.5 「平成 13、14、15 年度の底泥調査結果図」 様式5 事業名 路線名等 大規模公共事業 再評価調書 (付表) 港湾環境整備事業 大船渡港 補助・単独 担当部課名 地区名 県土整備部港湾空港課 市町村 大船渡市 1 現在までの事業の経緯 平成12年度 国庫補助事業による事業採択 浚渫を行うための工法検討、周辺に及ぼす影響調査 平成13年度 浚渫を行った場合の周りへ及ぼす影響調査(試験浚渫/冬期) 平成14年度 深度別の性状を確認するための底泥調査(5mの底泥採取) 浚渫を行った場合の周りへ及ぼす影響調査(試験浚渫/夏期) 平成15年度 大船渡湾の底泥の堆積状況を把握するための調査(5mの底泥採取) 2 事業を取り巻く社会経済情勢等の変化の具体的説明 ○大船渡湾水質浄化対策マスタープラン策定検討委員会について (1)目的: 大船渡湾水質浄化対策マスタープランは、流入汚濁負荷削減対策と連携して、海域内において 実施可能かつ有効な水質浄化対策を策定することを目的としている。 (2)経緯 第1回委員会(平成12年11月) ・上位計画(大船渡湾水環境保全計画)との整合性の検討 第2回委員会(平成13年2月) ・水質浄化対策の選定、効果の検討 第3回委員会(平成13年3月) ・具体的施策、事業化の検討 第4回委員会(平成15年3月) ・マスタープラン策定に係る諸課題の検討 ・水質浄化対策の検討案について 第5回委員会(平成16年3月) ・底質環境から見た浄化対策について ・海水環境対策からみた浄化対策について ・その他の水質浄化対策について ・マスタープランのまとめ (3)大船渡湾水質浄化対策マスタープラン策定検討委員会委員名簿(第5回) 委員長 東京大学教授 (前東京大学海洋研究所大槌臨海研究センター長) 宮崎 信之 大船渡湾水環境保全計画推進協議会 会長 (末崎漁協組合 組合長) 副委員長 小松 智友 緒方武比古 委 員 北里大学水産学部 教授 他 12名 (4)結論 浚渫について大船渡湾の底質は、湾口部の一部を除いて全域にわたって有機物量、栄養塩類等の含 有量が高い。また、深く(-5m以深)まで高濃度で堆積していることを確認した。このため、浚渫 による浄化効果(底泥からの溶出の低減)は期待できない。 覆砂等についても検討したが、現時点では有効な対策は見出せなかったため、今後の技術開発を踏 まえ長期的に取り組むことする。 3 住民意見の状況及びこれに対する対応 (1)住民意見 大船渡漁協 湾内の水質環境改善対策の要望 平成9年3月 大船渡漁協 湾内の水質環境改善対策に関する覚書の締結 平成9年3月 赤崎漁協 湾内の水質環境改善対策の要望 平成9年3月 赤崎漁協 湾内の水質環境改善対策に関する覚書の締結 平成9年3月 大船渡市 水質浄化対策推進の要望 平成13年11月 (2)住民意見に対する対応 大船渡漁協、赤崎漁協、大船渡市に対する事業計画の変更の説明 平成16年2月 大船渡漁協、赤崎漁協、大船渡市に対する大船渡湾水質浄化対策マスタープランの策定方針を事前説明 平成16年2月 赤崎漁協に対する大船渡湾水質浄化対策マスタープラン策定検討委員会の結果説明 平成16年3月 水質浄化対策については継続して検討するが、浚渫を行っても事業効果が期待出来ないことから浚渫事 業の進捗を見合わせることについて了承を得た。 4 費用便益分析の詳細(算定方法、算出根拠等) 算出方法: 別添 費用便益分析手法:港湾投資の評価に関する解説書 (単位:百万円) (平成16年10月 港湾投資の社会経済に関する研究委員会) 事業着手時 区 分 再評価時 参考 (基準年:平成12年) (基準年:平成16年) (基準年:平成16年) 建設費 費 用 項 目 総 費 用 (C) 生態系や自然環境の回復に対する便益 便 交流機会の増加に対する便益 益 項 目 総 便 益 (B) 費 用 便 益 比 (B/C) 4,724 4,724 125 5,557 5,120 5,120 − − 11,897 5,682 1.20 − − 6,107 0.50 11,897 136 5,971 事業着手時の費用便益比は、浚渫費を2mの浚渫を行った場合で算出した。 再評価時は、調査結果により深さ5m以深までCODが高い値を示しており、浚渫による水質改善効果は期待 できないことから便益は発生しないものとした。 参考については、調査結果により深さ5m以深までCODが高い値を示しており、浚渫による水質改善効果は 期待できないが、現段階で調査を終えている5mの浚渫を仮に行い、事業着手時と同様の手法で便益を計算 した場合の数値を示した。このことから効果を発現させるためには、5m以上の浚渫が必要となりその費用便益 比は0.5以下と想定される。 ※1 生態系や自然環境の回復に伴う便益とは、海底に堆積している有機汚泥など底生生物等の生息環境を 悪化させている要因を取り除くことにより生態系や自然環境が回復することに伴う便益である。算出方法 としては、波及範囲を設定し、需要を計測するとともに、その効果に対する一世帯当たりの1年間限りの支 払い意志額をアンケート調査により計測し、需要と支払い意志額により便益を算出する方法である。 ※2 交流機会の増加に伴う便益とは、水質が改善されることにより港湾来訪者の交流機会が増加することに 伴う便益である。算出方法としては事業の整備による交流機会の増加効果の範囲を設定し、需要を推測 するとともに、その効果に対する港湾来訪者の訪問1回当たりの消費者余剰により計測し、需要と便益に より計測をする方法である。事業効果の発現中は毎年便益が発生することから、交流機会の増加に伴う 便益は50年間発生するものとする。 大船渡湾水環境保全計画の実施状況 基本項目 施策目標 施策の方向 ※平成16年度の取組状況については現在取りまとめ中である 平成15年度の代表的な取組状況 事業主体 学校教育おける環境 ・廃油石鹸作りを実施し、環境保全と湾浄化について意識啓発を図る等、11事業のべ25小中学校 市内小中 において行われた。 学校 環境教育 教育の推進 及び環境 ・エコライフ推進事業により、湾及び河川の水質汚濁の現状や具体的な浄化対策、地球温暖化防止 市 対策等に関する学習会を開催した。 学習の推 社会教育の推進 各公民館 ・世代間交流事業を開催し、水生生物観察会及びヤマメ放流を行った。 みんなの参 進 加とパート 中央公民館 ・成人大学講座を行った。「水環境と科学」 指導者の育成 ナーシップ ・大船渡市環境保全推進協議会に対して助成し、清掃活動や湾内汚濁防止活動の推進を図った。 環境ボランティア活動の 市 による環境 ・大船渡市公衆衛生連合会に対して助成し、清潔な生活環境づくり等良好な地域環境の形成を図っ 環境保全活 支援と育成 づくり た。 動推進体制 の整備 民間団体等の自発的な ・国際大学ゼロエミッションフォーラム自治体ネットワークに参加をした。 市 活動の促進 環境情報の 環境情報センターの充 整備と提供 実 森林の水源かん養機能 ・間伐等3ヵ年計画や治山事業の導入により、計画的に森林の整備、水源涵養等保安林機能の維 振興局 の向上・保全 持推進に取り組んでいる。 水質の確保 と水辺の資 水辺の多様な生態系の ・地域住民と一体となりヨシ焼きを実施する等により良好な河川環境の保全に努めている。 源環境保全 確保 親水空間の整備 振興局 ・護岸を緩勾配とすることや自然石を用いること等により良好な親水空間の整備に取り組んでいる。 振興局 ・合併処理浄化槽の設置を、設置者に対し助成をした。(124基) ・市広報誌等に生活排水や廃棄物の適正処理等に関する記事を掲載し市民に湾浄化に関する協 力を要請するとともに、意識啓発を図った。 生活系排水対策の推進 ・市広報誌で下水道使用可能区域、水洗化改造資金融資あっせん・利子補給制度等を紹介し、下 水道の普及促進を図った。 ・汚水処理率については計画作成時の平成12年度末27%であり平成15年度末では33%となってい る。 市 ・排水規制対象事業所を対象に立入(採水)調査及び巡回指導を実施をした。 市 産業系排水対策の推進 ・排水規制対象外事業所(30事業所、排水量が50m3未満の事業所)を対象に立入(採水)調査及び巡 振興局 回指導を実施をした。 健全な環境 水環境の保 全 の確保 水質汚濁の事故防止 ・水質汚濁防止法等に基づく監視を継続して実施し、水質汚濁の事故防止を行っている。 底泥対策の推進 ・浚渫については底泥調査の結果より水産用水基準が満足できないことから、また、覆砂について は環境面や水質浄化効果の持続性等に課題があることから事業を中止とする。 振興局 ・底泥対策については、今後の技術開発を踏まえ長期的に取り組む。 海水循環対策の促進 ・負圧利用型海水交換システムの実用化に向け、引き続き大船渡港湾口防波堤に設置した揚水管 国 内に付着した生物の種類や量を把握するとともに、環境調査を実施した。 振興局 ・空気揚水筒を平成8∼11年で10基設置済みであり、毎年7∼11月に稼働を行っている。 水質及びプランクトン等の 調査研究事業の推進 ・大船渡湾のほか河川の定点の水質調査を継続して実施し、水質の状況を調査している。 ・児童。生徒父母及び教職員が、河川や海岸の清掃を実施した。 大雨時の湾内へ流入す ・道路側溝や河川の清掃等を重点とする市内一斉清掃に、市民一丸となって取り組んだ。 るゴミ対策 ・湾内清掃船「さんご丸」により、海面清掃業務を実施した。 大気環境の 大気汚染の常時監視 保全 ・大気汚染防止法に基づく監視を継続して実施し大気汚染防止を行っている。 市 振興局 市 振興局 実態把握とリスクコミュニケー ・ダイオキシンの地下水汚染について調査し、有害化学物質の状況を把握している 振興局 有害化学物 ションの推進 質対策の推 工場・事務所の有害科 ・水濁防止法等に基づく監視に併せて化学物質の適正管理指導やPRTR関連の情報提供を行って 進 振興局 学物資対策の推進 いる。 ゼロエミッション構想の 推進 ゼロエミッ ゼロエミッション型産業 ションの推 の育成・集積の促進 資源循環 進 廃棄物の減量化、再使 型の地域 用、資源化、リサクルの 社会の形 促進 成 適正な一般廃棄物(ご 廃棄物適正 み)処理の促進 処理推進 産業廃棄物適正処理の 促進と不法投棄の防止 環境保全のための融資 制度の拡充 みんなの役 環境保全に係る協定の 割 締結促進 環境と調和した産業の 環境に配慮 促進 した産業の 環境影響評価の推進と 振興と開発 支援 環境に配慮 した地域開 発 適正な土地利用の促進 ・国際大学ゼロエミッションフォーラム自治体ネットワークに参加した。 ・エコタウン事業実施計画(大船渡市環境産業振興プラン)の具体化に向け、調査及び啓蒙活動を 行ったほか、バイオマス発電事業化研究会を開催した。 市 ・集団資源回収を実施した団体に奨励金を交付し、ごみの資源化・減量化の推進を図った。 大船渡地 ・大船渡地区環境衛生組合の広報誌、ポスターとチラシにより湾浄化につながるごみの減量化やリ 区環境衛 サクル運動、資源古紙リサイクルの推進に努めた。 生組合 ・モデル地区を指定し、ごみの適正処理の実施活動の促進を図った。 大船渡地区環 境衛生組合 ・海岸へのごみの不法投棄状況を監視した。 市 ・鶏舎、排水処理施設及び尿溜施設等を整備した農業者に対し、農業経営基盤強化資金利子補給 市 補助金を交付した。 ・排水規制対象外事業所(30事業所、排水量が50m3未満の事業所)を対象に立入(採水)調査及び 市 巡回指導を実施をした。 ・林地開発行為(10,000㎡以上)による汚濁水が河川に流出しないよう、また、環境が破壊されないよ う指導監視を実施した。 市 ・都市計画区域内の開発行為(3,000㎡以上)において、関係課と調整図りながら、排水処理対策、環 境設備について指導した。 については、アクションプラン重点施策 湾内の水質環境改善対策に関する覚書について 1 経緯 大船渡港永浜・山口地区港湾整備事業の工事施行に関し、岩手県知事、大船渡市長、大船渡漁 業協同組合代表理事組合長、赤崎漁業協同組合代表理事組合長との 3 者により平成 9 年 3 月 17 日 に覚書の交換をした。 2 湾内の水質環境改善対策 覚書の第 3 条により、以下のとおり取り組むこととしています。 第3条 岩手県知事及び大船渡市長は、湾内の水質改善対策として、関係部局と連携した汚泥浚渫、 覆砂、空気揚水筒設置、ゴミの湾内拡散防止等の対策に取り組むものとし、また、海水交 換については、国と密接な連携のもとに実現化に向け重要な課題として取り組むものとす る。 2 前項に規定するほか、大船渡市長は、公共下水道の整備及び合併処理浄化槽の普及を一層 促進するものとする。 3 各項目に対する対応 汚泥浚渫・・・・・・底泥浚渫は、日本水産資源保護協会が水産用水基準として定めている底 泥の COD 値 20mg/g を上回っている部分の浚渫を行い、海底からの COD の 溶出を抑えることにより水質環境の改善を目指すことを目的としていま す。しかし、平成 13∼15 年度までの調査結果により、底質が当初の想定 以上に悪く、浚渫を行っても目的が達成されないことが明らかになった ため、汚泥浚渫を中止することで考えています。 覆砂・・・・・・・・覆砂については、河川等からの流入負荷による新たな堆積物によって、 効果の持続性に課題があることや、砂材の調達先が湾外からとなるため、 他の海域からの動植物の混入により養殖や生態系への影響が懸念される ことや、荒天時には珊琥島から野々田地区までの水域は避泊船舶が多い 時で 20 隻以上停泊することがあり、投錨やスクリューによる底泥攪乱が懸念 され効果の持続性に課題があることから実施は難しいと考えています。 なお、底泥対策については、有効な対策は見出せなかったため、今後の技術開発を踏 まえ長期的に取り組むこととしています。 空気揚水筒設置・・・平成8∼11年に大船渡湾内に10基設置を終えており、毎年夏 期7∼11月に稼働を行っています。 ゴミの湾内拡散防止・湾内清掃船「さんご丸」により、月1回程度の海面清掃を行っています。 海水交換・・・・・・国土交通省において湾口部の負圧式海水交換実証実験が行われておりま すので、今後の調査結果を踏まえて検討していきます。 公共下水道の整備・・大船渡湾水環境保全計画アクションプランにおいて重点的な整備を進め ています。 4浚渫について 現在、行っている永浜・山口地区の埋立工事において埋立土が不足していることから土取り浚 渫として湾内の浚渫を行っています。 平成13・14年度調査結果 14-5 14-1 14-3 14-4 14-6 14-2 14-8 14-2-1 14-14 14-12 14-13 14-10 14-7 14-11 14-9 13-1 浚渫予定箇所 5m迄の底泥採取箇所 試験浚渫箇所 COD値 深度 表層 1m 2m 3m 4m 5m 13-1 59.7 58.7 52.5 - 14-1 26.0 45.2 - 14-2 14-2-1 14-3 29.7 36.0 45.2 32.2 50.4 64.2 47.3 15.1 - 14-4 25.4 30.1 30.4 31.8 29.5 21.4 14-5 19.9 38.5 42.7 28.9 23.3 25.6 14-6 32.6 30.8 21.1 40.1 44.1 34.9 14-7 41.2 45.6 35.6 42.5 45.6 44.2 14-8 33.0 39.1 29.8 26.0 52.5 46.6 mg/g 14-9 14-10 14-11 14-12 14-13 14-14 44.2 21.3 27.5 24.9 63.0 56.0 42.1 40.7 28.6 33.0 53.0 32.3 47.6 45.3 42.1 50.0 45.0 42.0 39.6 33.7 35.0 53.3 37.9 29.2 31.3 65.0 26.5 23.7 24.8 - 平成15年度調査結果 15-21 15-20 15-13 15-16 15-17 15-1 15-19 15-18 15-4 15-11 15-14 15-12 15-3 15-5 15-10 15-9 15-8 15-7 15-2 15-6 15-15 浚渫予定箇所 5m迄の底泥採取箇所 COD値 深度 表層 0.5m 1m 2m 3m 4m 5m 15-1 27.4 25.0 20.7 20.7 24.6 38.8 47.1 15-2 34.1 34.2 26.8 22.0 31.8 36.9 29.4 15-3 28.8 26.3 32.2 25.8 24.1 30.5 30.0 15-4 29.3 29.9 34.7 36.7 28.0 23.4 18.6 15-5 29.9 45.3 41.3 49.4 36.0 35.0 41.3 15-6 24.7 34.4 27.4 24.4 18.3 15.6 30.9 15-7 34.9 35.7 43.6 37.7 37.4 28.7 25.2 15-8 39.4 41.6 40.3 39.8 26.5 26.2 25.3 15-9 31.1 36.3 39.0 30.0 27.8 13.5 8.6 mg/g 15-10 15-11 15-12 15-13 15-14 15-15 15-16 15-17 15-18 15-19 15-20 15-21 27.8 49.8 18.5 43.8 17.2 28.0 35.4 25.8 26.9 35.4 18.5 12.0 30.8 25.4 25.6 29.2 - 14.8 23.4 26.0 30.3 19.6 41.8 49.4 31.0 16.4 - 16.6 34.5 22.0 23.1 49.2 45.6 30.5 15.0 - 24.9 47.4 5.6 23.3 46.1 27.9 29.3 14.5 - 18.3 35.9 25.4 33.7 27.6 43.5 15.6 10.6 - 17.5 27.8 22.5 23.6 33.9 29.1 14.7 10.8 - 14.1 - 27.2 については、浚渫予定箇所
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