HT23134 - 日本学術振興会

平成23年度
ひらめき☆ときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKENHI
(研究成果の社会還元・普及事業)
業 務 完 了 報 告 書
HT23134
【プログラム名】京都の食文化に活きている食の美学を学び、感じ、体
験し、食べるプロになろう
開
プログラムの様子を
伝える写真を貼り付
けてください。
催
日 : 平成23年12月18日(日)
実 施 機 関 : 京都府立大学(生命環境学部
(実施場所)
食保健学科給食経営管理実習
食堂および調理実習室)
実 施 代 表 者 : 大谷 貴美子
(所属・職名)
(生命環境科学研究科・教授)
受
講
生 : 小学5・6年生 16 名
中学生 21 名
関 連 URL :
【実施内容】
≪受講生に分かりやすく研究成果を伝えるために、また受講生に自ら活発な活動をさせるためにプログ
ラムを留意、工夫した点≫
・今回は副題を「和で彩るクリスマス」として、子どもたちの身近なテーマを通して日本の食の美学を学ぶ
ことができるように工夫した。
・初対面の子どもたちがみんなで楽しく学ぶことができるように、伝言ゲームを用いたアイスブレイクを取
り入れ、楽しい雰囲気作りに努めた。
調理実習を行う とでみんなで作る楽しさを感じ、また昼食会の際には自分で作ったものを食 る と
・調理実習を行うことでみんなで作る楽しさを感じ、また昼食会の際には自分で作ったものを食べること
ができるように配慮し、食べることの楽しさを感じてもらった。
・講義②「クリスマスってなあに?」では、グループ対抗のクイズ形式にすることで、子どもたちが積極的
かつ意欲的に取り組めるように工夫した。
・講義③「和食の美学を学ぼう」では、ペープサートを用いた物語形式にすることで、子どもたちが物語に
入り込み、楽しく、自然に京の食文化のエッセンスが学べるように工夫した。
≪当日のスケジュール≫
9:30~開会式 みんなと仲良くなろう
10:05~講義① 調理実習の説明
10:35~調理実習 和風クリスマス料理にチャレンジ!!
11:50~講義② クリスマスってなあに?
12:20~昼食会 みんなで楽しむクリスマスパーティー♪
13:35~講義③ 和食の美学を学ぼう
14:55~茶話会 大学生とおしゃべりタイム
15:25~修了式 未来博士号授与
≪実施の様子≫
調理実習の様子
講義②の様子
調理実習では、大学生や大学院生と一緒
にクリスマスツリーケーキ、しょうが風味の
ローストチキン、飾り野菜を作った。写真
左は、抹茶のスポンジケーキを重ね、小
豆や金平糖などの和の素材で好みに飾っ
た自分だけのクリスマスツリーケーキを
作っている様子。1羽丸ごとのチキンを触
るのは初めての体験で、子どもたちは初
めは恐る恐るであったが、しだいに積極的
に触ることができるようになり、命を戴くこ
とを理解してもらった。写真右上は、みん
なで協力して鶏のおなかにしょうがご飯を
詰めている様子。また、人参をやカブを星
形やベル型に抜いて、飾り切りに挑戦して
もらい、見た目にも美味しく盛り付ける工
夫を体験してもらった。
講義②「クリスマスってなあに?」では、グループ対抗でク
イズに答えていきながら、クリスマスの由来やクリスマス
に世界で食べられている料理などについて学んでもらった。
写真は、グループで答えをまとめ、クイズに答えている様
子。実施後のアンケート結果から、子どもたちも同伴者の
方々も初めて知ったことが多く、楽しかったとの感想が多
数みられた。
昼食会の様子
昼食会「みんなで楽しむクリスマスパーティー♪」では、和で彩るクリスマスというテーマにちなんだ食事を
提供した。写真右上は料理の写真。子どもたちには、自分自身で作ったクリスマスツリーケーキをプレゼ
ント箱に忍ばせて提供し、自分たちのグループで作ったしょうが風味のローストチキンと飾り野菜も子ども
たちの目の前で大学生が切り分け、食べてもらった。料理写真の右下に移っているクリスマスカードは、
子どもたちが調理実習をしている間に、同伴者の方々に作っていただいたクリスマスリースを使って作っ
たお品書きである。水引を使って、クリスマスリースやマリネに添えてある柊、箸置きを作り、料理に添え
ることで「和」を演出した。柊、箸置きは、大学生が子どもたちのために一つ一つ手作りしたものである。
昼食会終了後には、お品書きや柊などを記念に持ち帰る子どもたちもたくさんいた。
講義③の様子
講義③「和食の美学を学ぼう」では、不思議の国のアリスをモチーフにした外国人のアリスとともに日本の
食文化を学んでいくという創作ストーリーにより、京野菜のことや、走り・旬・名残について、茶道の心、箸
のマナーや五味・五色・五法を五感で味わうこと、おもてなしの心などを学んでもらった。子どもたちは、物
語に入り込み、学んだことを一生懸命冊子に書き込んでいた(写真右)。
茶話会
茶話会では、トナカイに見立てた薯蕷饅頭と抹茶を楽しみな
がら、大学生との交流を楽しんでもらった。その後、未来博
士号の授与を行った。
≪事務局との協力体制≫
・管理課経理担当が、委託費の管理と支出報告書の確認等を行った。
・企画室企画担当が、振興会との連絡調整、提出書類の確認・修正等を行った。
・学務課の生命環境科学研究科の事務担当が、実施者との連絡調整、広報活動、提出書類の調整等を
行った。
≪広報体制≫
・大学生が作成したポスターを市内に貼付、チラシも設置した。
・京都市発行「GoGo土曜塾」に掲載していただいた。
・大学ホームページに掲載した。
・関係各所にチラシを配布した。
≪安全体制≫
・調理実習、参加者への昼食提供を行うにあたり、実施者全員が検便検査を行った。
・大学院生も指導に参加させた。
・全体の進行状況や安全を確認するために大学生を2名配置し、子どもたちが調理実習する際には、各
班 名ず
大学生お び大学院生を 置 た
班2名ずつの大学生および大学院生を配置した。
・大学生、大学院生および子どもたちには、エプロン(割烹着)・三角巾(帽子)・マスクを着用させ、手洗
い、消毒も徹底させ、食品安全衛生に配慮した。
・子どもたちおよび大学生、大学院生を団体傷害保険に加入させた。
≪今後の発展性、課題≫
・本プログラムは、小学5・6年生および中学生を対象に一般募集で参加者を募ったが、定員30名であっ
たにもかかわらず49名の応募があった。リピーターも多く、参加希望者は年々増加傾向にあり、このよう
なプログラムの実施が求められている強くと感じた。
・しかし実際には、本プログラムを実施するには、大学生も教員も多大な時間を要しているのが現状であ
り、年に1回実施するのが限度である。
・そのため、小・中学校での食育活動につなげるなど、子どもたちの食の世界の広がりにつながるよう、
継続的な食育活動になるとよいと思われる。
【実施分担者】
松井 元子
村元 由佳利
【実施協力者】
【事務担当者】
吉田 朋子
36
生命環境科学研究科・准教授
生命環境学部・助手
名
企画課企画担当