たばこ事業におけるCSRの取り組み PDF:1.08mb - JT

事業を通じたCSRの取り組み
たばこ事業におけるCSRの取り組み
事業を通じたCSRの取り組み
たばこ事業における
CSRの取り組み
J Tグルー プの経 営
未成年者喫煙防止の推進
広告・販売促進活動の自主規準
JTでは一層の社会的責任を果たす観点から、未成年者喫煙防
止等に関し、日本国内での広告・販売促進活動について日本専売
活様式が未確立であり、かつ、判断力も十分でなく、加えて法律に
公社当時から自主規制として取り組んでおり、1969年以降、公
よって未成年者の喫煙が禁止されていることから、未成年者は決し
共の媒体を使った広告規制を順次開始しました。
て喫煙すべきではないと考えています。
1987年、
(社)日本たばこ協会(TIOJ)設立以降は、TIOJが
未成年者喫煙問題は、たばこ業界だけで解決できる問題ではな
設けた自主規準を業界全体で誠実に遵守しており、1998年4月
く、家庭教育も含めた社会全体で取り組む必要のある問題です。私
以降はテレビ、ラジオ、2004年10月以降は公共交通機関、
たちとしても、未成年者喫煙防止に向け関係団体との連携を一層
2005年4月以降は屋外広告看板を中止しています。
強化し、今後とも引き続き諸対策に積極的に取り組んでいきます。
日本国内における業界自主規準に関する詳しい情報について
事 業 を 通 じ たCSRの取 り 組 み
未成年者は、心身の発達過程にあってそれぞれの性格および生
はTIOJのホームページをご覧ください。
地域における未成年者喫煙防止活動
JTでは、自治体・警察署や各地域のたばこ販売組合などの関
TIOJ ホームページ
URL
www.tioj.or.jp
係団体と連携しながら、未成年者の喫煙を防止するために、未成
成人識別たばこ自動販売機導入による対応
たばこメーカーとしての社会的責任を果たす
協力など、さまざまな取り組みを進めています。
未成年者喫煙防止においては、未成年者が自動販売機でたばこ
JTも会員である(社)日本たばこ協会(TIOJ)では、未成年者
を購入しないよう対策を講ずることが重要です。業界では、これまで
私たちはたばこメーカーとして、原料調達から販売までのあら
喫煙防止を訴えるステッカーやポスターなどを製作しています。
も未成年者喫煙防止ステッカーの貼付や深夜稼動自主規制などに
ゆる場面において、お客様を大切にし、品質にこだわり、誠実に行
全国たばこ販売協同組合連合会では、これらの啓発ツールを使
取り組んできました。2008年には、
(社)日本たばこ協会(TIOJ)、
動することが重要と考えています。加えて、たばこを吸われる方
用し、たばこ販売店店頭での注意や啓発を行っています。また、
全国たばこ販売協同組合連合会、日本自動販売機工業会の3団体
「愛の一声」運動などの活動も行っています。
はもちろんのこと、吸われない方の期待にも応えていきたいと考
社会と共生する﹁良き企業市民﹂を目指して
年者喫煙防止協議会の開催や啓発キャンペーンなどへの参加や
を中心に成人識別たばこ自動販売機を導入し、たばこ業界全体で
えています。
TIOJでは、このほかにも強調月間を設けて、未成年者喫煙防
未成年者喫煙防止取り組みを強化してきたところです。
そこでJTグループでは、たばこを吸われる方と吸われない方
止キャンペーンなどに取り組んでいます。 成人識別たばこ自動販売機の導入に伴い、自動販売機でたば
地 球 環 境への取 り 組 み
こを購入するには成人のみに発行されるICカード「taspo」が必
の協調ある共存を目指し、これまでさまざまな取り組みを行ってき
ました。その取り組みには、喫煙をめぐる環境の改善のために喫
新聞広告による啓発活動
要となりました。現在、業界全体で「taspo」の普及を図っており、
煙場所の設置や分煙コンサルティング、喫煙マナー向上を呼びか
JTでは業界全体の取り組みへの協力に加え、未成年者の喫煙
JTも独自で「taspo」申し込みイベントを開催するなど積極的に
けるマナー広告の実施などがあります。
防止の啓発を目的とする、新聞広告を全国紙および地方紙に掲
取り組んでいます。
市民参加型の清掃活動「ひろえば街が好きになる運動」では、
載しています。
今後とも、JTは業界のリーディングカンパニーとして「taspo」
この春で開催回数が1,000回を突破しました。ごみを「ひろう」こ
の社会への普及を図ると同時に、未成年者喫煙防止の徹底に向
とを通じて「すてない」という気持ちを育てたいとの想いから、こ
け取り組んでいきます。
の活動を2004年から展開しています。
また、私たちたばこ業界の最重要課題の一つとして、未成年者
喫煙防止があります。地域のたばこ販売店様や行政の方々ととも
に、未成年者喫煙防止キャンペーンや新聞広告などの啓発活動
「taspo」カード
に取り組んでいます。
全国紙、地方紙などで未成年者喫煙防止を訴える
JTグループは皆様からの期待に応えるために、たばこメーカー
として社会的責任を確実に果たしてまいります。
みつ おみ
たばこ事業本部長 25
CSR報告書 2010
小泉 光臣
成人識別たばこ自販機
CSR報告書 2010
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事業を通じたCSRの取り組み
マナー向上に向けた取り組み
JTではマナー広告を通じて、たばこを吸われる方の周辺への
分煙コンサルティング
J Tグルー プの経 営
たばこを吸われる方と吸われない方の共存
お客様に信頼される品質を目指して
配慮やたばこを吸われない方への気遣いの必要性を訴えていま
たばこを吸われない方に配慮した上で、たばこを吸われる方に
JTグループでは、お客様に高品質なたばこを提供するため、最
きる社会の実現を目指し、公共の場所での適切な分煙や喫煙マ
す。
「あなたが気づけばマナーは変わる。」をキャッチフレーズに
満足していただける分煙方法を施設管理者の方々に提案してい
終製品の品質はもちろんのこと、各工程においてあらゆる品質に
ナー向上など、喫煙をめぐる環境の改善に取り組んでいます。
TVCM「マナーの気づき」篇を展開するほか、新聞やポスターな
ます。それがJTの「分煙コンサルティング」です。
こだわった「モノづくり」に取り組んでいます。
分煙については、たばこを吸われる方にとっても吸われない方
どを通じて啓発に取り組んでいます。
JTでは、排気風量やレイアウトなどの条件を任意に設定できる
製造現場では、品質管理体制のグローバル化をはじめ、お客様
にとってもさまざまな選択肢が整っていることが望ましいと考えて
また、東京都港区が行っている「みなとタバコルール」に参加
部屋(分煙試験室)を社内に設け、さまざまな環境を想定した上
のニーズを踏まえた製造工程の改善、品質の安定した信頼の高
います。さまざまな選択肢が選べる「分煙社会」を目指し、公共の
し、港区・企業等と連携しながら、歩行喫煙やポイ捨てをしないよ
で、最適な分煙方法を検証しています。
い葉たばこ調達の推進などの取り組みを進めてきました。また、こ
場所への喫煙スペースの設置に加え、たばこの煙の流れをシミュ
うにマナー・モラルの向上を呼び掛けています。
また、ホームページ「SMOKERS' STYLE」において、分煙の
うした取り組みを確実に実現していくため、各工場における現場
レーションした分煙ノウハウの提供や事例の紹介などを行ってい
基本知識やポイント、分煙コンサルティングの取り組み内容など
社員一人ひとりが主体的に考え、行動するという「現場主動」を
ます。
を紹介しています。
徹底しています。
また、共存できる社会の実現のためには、たばこを吸われる方
SMOKERS' STYLE ホームページ
また、お客様相談センターにいただいた貴重なご意見は社内に
URL
自身がマナーを守ることも必要だと考えています。そのために、
www.jti.co.jp/sstyle
事 業 を 通 じ たCSRの取 り 組 み
JTでは、たばこを吸われる方、吸われない方が協調して共存で
・・・・
フィードバックし、さらなる品質・サービス向上に役立てています。
JTでは関係団体と連携しながら喫煙マナー向上を呼び掛けてい
ます。
新聞マナー広告
ホームページで紹介しています。
SMOKERS' STYLE ホームページ
URL
www.jti.co.jp/sstyle
分煙.com ホームページ
URL
bun-en.com
公共の場所における喫煙スペース設置
全国の自治体と協働で喫煙スペースを設置することにより、ポ
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CSR報告書 2010
分煙試験室と簡易分煙ブース
イ捨て防止や喫煙マナーの向上に取り組んでいます。
品質保証とお客様に喜んでいた
だける「たばこ」をつくるための
2003年8月の東京都港区の新橋駅前への喫煙スペース設置
ひろえば街が好きになる運動
品質改善活動を行うことです。原
を皮切りに、2010年3月末までに835か所の喫煙スペースを全
JTでは、2004年から、市民参加型の清掃活動「ひろえば街が
材 料 、出 荷 製 品 の 品 質 管 理を
国185の自治体と協働で設置しています。喫煙スペースの設置に
好きになる運動」を全国各地の催事に合わせて展開しています。
日々行い、問題が発生した際は、
より、周辺のポイ捨
ごみを「ひろう」という体験を通じて「すてない」気持ちを育て
適 切に処 置し、品 質を保 証しま
てが著しく減少し
たいという願いを込めて全国47都道府県で実施しているこの清
す。また、各部門で、前日の製造
た事例も報告され
掃活動は、全国各地の自治体・企業・学校・ボランティアをはじめ、
進捗、品質状況などを情報共有することで、品質向上に
ています。
各催事の実行委員会や参加団体などと協働して運営しています。
も取り組んでいます。特に品質に関する問題においては、
JT九州工場 品質管理部長
馬場聡子
2010年4月17日には開催回数1,000回を突破、これまでの
迅速に関係部門と連携をとり、原因の究明、再発防止策
参加者数も約104万人となり、協働した団体数も1,987団体に
に対応しています。
のぼります。
たばこは人がつくるものです。その品質についても一
「ひろえば街が好きになる運動」に参加した方々からは「楽し
人ひとりがこだわりをもって自分の仕事をしっかり行うこ
各種施設における喫煙環境整備
い」
「有意義」
「これからはもう捨てない」という感想が寄せられ
とが基本だと私は考えます。
JTでは、自治体、施設管理者などのさまざまな関係者と協力し
ています。JTは今後も、もっと「すてない」人を増やしていきたい
て喫煙環境の整備に取り組んでいます。
という願いのもと、より多くの
具体的には、数多くの方が乗り降りする駅や観光・ビジネス客で
方々とともに「ひろえば街が
混雑する空港、家族連れなど買い物客でにぎわう大型商業施設
好きになる運動」を推進して
に、たばこの煙の流れをシミュレーションした分煙ノウハウの提供
まいります。
堺駅前喫煙所(大阪府堺市)
や事例紹介などの分煙コンサルティングを実施し、喫煙環境の整
丸の内パークビルディング内喫煙スペース(東京都千代田区)
私たちの仕事は、出荷製品の
備に取り組んでいます。
ひろえば街が好きになる運動 ホームページ
URL
www.jti.co.jp/sstyle/manners/clean
地 球 環 境への取 り 組 み
JTの分煙の取り組みを紹介するTVCM
徹底した品質管理でお客様に喜ばれる
「たばこづくり」を行います
TVCMを通じたマナー啓発
社会と共生する﹁良き企業市民﹂を目指して
「たばこを吸われる方と吸われない方の共存」への取り組みは
さらなる改善に向けミーティングを行う
CSR報告書 2010
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事業を通じたCSRの取り組み
たばこメーカーとしての基本姿勢
歴史におけるたばこ
製品情報開示
たばこを吸われる方と吸われない方の共存
製品に対する基本認識やたばこ事業を行うにあたっての基本姿
たばこは、マヤ文明の時代から永きにわたる歴史的背景をも
たばこを吸われる方が、自分の吸っているものについて、その
たばこの煙はたばこを吸われない方にとって不快なものとなる
勢を明らかにしています。
ち、世界各国で多くの人々に親しまれ、その歴史の中で多様な文
情報を知りたいと考えることは自然なことと考えます。私たちは、
ことがしばしばあります。また、吸いがらのポイ捨ては街や自然の
化を築いてきました。
たばこに使用されている添加物についての情報をたばこを吸われ
美観を大きく損ない、火災の原因となることもあり得ます。人ごみ
近世において葉たばこは経済価値の高い重要な農作物とな
る方にお知らせするために今後も適切に情報開示していきます。
での喫煙は周囲の人に危険を及ぼすことすらあります。
たばこに関するJTの基本認識
J Tグルー プの経 営
私たちは、JTグループミッションの考えに基づき、たばこという
たばこを吸われる方はたばこを吸われない方に対し常に配慮
り、各種たばこの製造も家内工業から急速な技術革新を経て、他
産業よりもいち早く19世紀末にはグローバル産業への進展を見
リスク低減製品開発努力
し、喫煙マナーを心がける必要があります。
認識します。
せました。一方で、庶民にとっては贅沢な愉しみであるなどの理由
私たちは、喫煙のリスクを完全に取り除くことは困難であるもの
私たちは、たばこを吸われる方とたばこを吸われない方が共存
で禁制とされたこともあり、近年では健康の観点からさまざまな
の、リスクを低減させることは可能であると考えています。私たち
できる社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。
喫煙者にとってのたばこ
議論がなされています。
は、リスクを低減する可能性のある製品の開発に努めていきます。
たばこは、豊かな味わいや香りを愉しむため、リラックスしてひ
たばこは歴史的にも議論の多い製品ですが、500年以上にわ
とときのゆとりを得るため、あるいは集中力を高めるためなどさま
たり、そして今も変わらず、多くの人々から支持されています。
事 業 を 通 じ たCSRの取 り 組 み
私たちJTグループは、主力商品であるたばこを以下のように
未成年者喫煙防止活動
未成年者は、決して喫煙すべ
す。一方で、喫煙はリスクを伴います。また、喫煙はなかなかやめ
きではありません。未成年者の
られないという方々も多くおられます。
喫煙は社会全体で取り組む必要
私たちは、成人の方には喫煙のリスクに関する情報をもとに、
のある問題ですが、私たちとし
喫煙の是非を自ら判断し、個人の嗜好として愉しむ自由があると
ても引き続き積極的に未成年者
考えます。
の喫煙防止に向けた活動を行っ
社会と共生する﹁良き企業市民﹂を目指して
ざまな理由から世界中の約3分の1の成人により愛用されていま
ていきます。
社会にとってのたばこ
たばこは、会話に「句読点」をつくるため、その場の緊張を解き
ほぐすためなど、さまざまに人々とのコミュニケーションを演出す
あんどん
行灯形朱塗りたばこ盆(江戸時代)
る道具としても愛用されています。
迷惑なものとなることがあります。たばこを吸われる方は常にマナ
ーを守り、たばこを吸われない方に十分配慮することを心がける
地 球 環 境への取 り 組 み
国内たばこ事業
URL
www.jti.co.jp/corporate/enterprise/tobacco
一方、たばこを吸われない方々にとってたばこの煙はしばしば
たばこ事業運営指針
べきです。
また、社会経済の視点から見ると、たばこは耕作者から販売店
たばこについてはさまざまな意見があり、それゆえ、たばこ事業
にいたるまで幅広い産業の担い手により支えられている製品であ
の運営は誠実で透明であるべき、との社会の期待は大きいと、私
り、世界中の多くの人々の生計の糧となっています。たばこを吸わ
たちは考えています。こうした社会の期待に応えるために私たち
れる方々が負担しているたばこ税は世界各国の財源に大きく貢
は自らを律する運営指針を定め、この原則を忠実に実行していき
献しているということも忘れてはならない事実です。
ます。
喫煙と健康に関するJTの考え方
たばこについてはさまざまな意見があり、喫煙はリスクを伴うということは各国の政
府当局の結論です。私たちは当局が喫煙者にアドバイスするための取り組みを支持し
ています。
企業としての責任を果たし、社会からの期待にお応えするために、喫煙と健康に関
するさまざまな問題について、私たちがどのように考えているかをホームページに掲
喫煙リスクの認識
載しています。
「喫煙と健康に関するJTの考え方」に関する詳しい情報についてはJT
各国政府当局は喫煙が多くの疾病をもたらす、あるいは、喫煙
のホームページをご覧ください。
は多くの疾病のリスクファクターであると結論づけています。私た
ちは当局が喫煙者にアドバイスするための取り組みを支持します。
喫煙と健康に関するJTの考え方
URL
www.jti.co.jp/corporate/enterprise/tobacco/responsibility
成人の方々は喫煙のリスクを知った上で喫煙を開始すべきです。
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