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【沖縄大学】
【Okinawa University】
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遠隔教育におけるFlash Communication Serverの適用∼書
道教育∼
木曽, 隆; 宮城, コマキ
沖縄大学マルチメディア教育研究センター紀要 = The
Bulletin of Multimedia Education and Research Center,
University of Okinawa(4): 1-11
2004-03-31
http://okinawa-repo.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/okinawa/6374
沖縄大学マルチメディア教育研究センター
遠隔教育における Fl
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verの適用
一書道教育∼
木曽 隆,宮城 コマキ
沖縄大学マルチメディア教育研究セ ンター
プロツコ ・デ リ ・ア-キテクツ有限会社
概 要
昨今、インターネ ッ トを活用 した遠隔教育は国内外を問わず広が りを見せている。本稿で とりあげる書
道 もまたそのひ とつである。 しか しなが ら、今 までの書道遠隔教育の多 くはあ くまで 「
筆跡」の模写の
域 を出ず、「
筆運び」 といった 『
書道』の重要点を伝えるには限界があった。 この間題 に対 し、我々は書
道家玉舟の監修 を得て双方向の動画通信 による書道遠隔教育システムを実装 し、運用 を開始 した。本稿
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rの概説 と
では実装の基盤 となるサーバーアプリケーシ ョン Ma
その実例の一つ としての書道教育システムを紹介す る。
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-1-
背景
Ⅱ
1.1
インターネットを介した今までの書道教育
インターネットを活用した遠隔教育が盛んである。書道教育においても様々なサービス[1][2]
が展開されている。今回の実装において監修をいただいた書道家玉舟もインターネットを介し
た書道の遠隔教育[3]に既に取り組んでいる一人である。生徒はアメリカやブラジルなど海外
にまで達し、書道の発展と普及に尽力している。具体的にはイメージスキャナと電子メールを
使い、スキャンした書画イメージのJPEGファイルを介して手本/作品を交換、添削を行って
いる。初期の段階では生徒もみるみる上達をしたが、玉舟はこの手法について次のような限界
を認識していた。
゜筆の持ち方が伝わらない
筆を鉛直方向に動かさずに持っているか、手首をまわしていないか、生徒側も理解して筆
を運んでいても実際はそれと異なる場合が多く、生徒自身も書いている時はそれを認識
できない。教える側がその場で見て指導を加えることが求められるが実現できていない。
・筆の運び方が伝わらない
筆入れ(書き出し)、はらいなどの筆の運び方(軌道、速度)を教えられない。また、生
徒の筆の運び方も不明のため、適切な指導ができない。
・書いているときの姿勢が伝わらない
背筋を垂直にのばしているか、または書く動作に伴う筆を中心とした上体の動きなども
重要である。
以上のように「動き」を伝えることの限界があるため「筆跡」の添削の域を出ないのが現状
である。自明ではあるが書道の教育には「書き方」の指導が不可欠である。玉舟は「見本と同
じようにきれいに書くという入門レベルはなんとかなるが、それ以上のステップアップに行き
詰まりがある」と表している。
1.2書道遠隔教育の必要要素
以上の点からより高品位な通信書道教育を実現する上で提供すべき以下の3つの環境を考
えろ。
リアルタイムの添削生徒が書いているその場で先生が添削することができる同時双方向の映
像通信機能。
映像の記録と交換生徒が書いている姿を映像によって先生が確認、添削できる機能の提供。生
徒と先生の時間が合わない場合、月次の課題提出などに利用。自己の映像を再生するこ
とで自習にも活用ができる。
-2-
動きのわかる教材のアーカイブ生徒が繰返し見る事ができる手本や筆の手入れの方法などの
教材映像の提供
またこれらができる限り簡便な手順によって利用できる必要がある。
2既存メディアの検討
背景で述べた問題点を解消するポイントは映像の「撮影」、「配信」および「記録」である。
ここでは映像を扱ういくつかの既存技術によって、背景で定義した必要要素を実現できるか考
察する。
2.1ビデオテープの限界
玉舟はビデオ教材は特に用いていない。ビデオテープの使用においては次のような限界が存
在するため利用を避けている。
まず手本をビデオテープで提供することで、生徒に対し「書き方」を伝えることは可能とな
る。しかしビデオ教材はダビングの手間、配送の手間などから、通信教育会社を除く個人教室
などの指導方法としては適していない。それは生徒からの映像提出においても同様である。ま
たリアルタイム添削が不可能であるため、添削の指摘は提出されたビデオを見た後でというこ
とになる。この場合、特定の部分を後日文面等で指導したとしても、生徒にそれ以上のことは
伝わらない。まず生徒は自分の録画したテープをダビングし自分の手元にもおいておくか、先
生から返却してもらいプレイバックしないことには自分が実際にどう書いていたのかを思い出
す術がない。
22ストリーミングサーバーの限界
RealOne[4]やWindowsMedia9[5]などのストリーミングサーバーを利用した場合について考
察する。まず、手本の提供という点で先のビデオテープの例と比較するとその手間は短縮され
る。あらかじめストリーム形式にしてストリーミングサーバーに格納しさえすれば多くの生徒
に映像を用意する事ができる。しかしながらこの作業にはビデオキャプチヤ、エンコーデイン
父アップロード作業などの習字以外の作業時間が必要となるとともにそれらソフトウェアの
習得も必要となる。生徒の映像提出においても同様であり、この手間は生徒の学習時間を圧迫
する。
最後にリアルタイムの添削について考える。リアルタイム中継を行う場合、ストリーミング
サーバーに中継画像を送出するソフトウェアが必要となる。これらを生徒側も一様に負担(ソ
フト購入/インストール作業)しなければならず、扱うための敷居が高い。またこれらのソフ
トウェアは送信専用のソフトウェアであり、受信ソフトウェアとともに統一したインタフェー
スで提供することは困難である。
-3-
2.3ビデオチャットの限界
昨今、かなり一般に普及してきたビデオチャットを利用する場合を考察する。まず、双方向
ストリームによる添削はピデオチャットの本来の機能であるため容易に実現が可能となる。し
かしながら繰返し見直したい手本など記録映像を配信する機能を欠いており何かしら別のソフ
トウェアと組み合わせる必要がある。生徒の映像提出においても手本と同様、録画機能がない
ために、記録として残すことができない。
以上のようにいずれも一長一短であり、かつこれらを組み合わせたシステムを提供したとし
ても、送受信それぞれのインタフェースの一貫性を欠くおそれが存在する。無論、既存のスト
ワーミングサーバーやピデオチャットにはSDKなどの開発ツールも用意されているが、それら
をサーバーも含めて統合開発を行うのは個人教室が利用するシステムとしては開発コストが見
合わない恐れが存在する。
遠隔教育のための3つの機能を網羅し、かつ先生や生徒にとって「書く」時間以外の労力を
極力廃した統合環境を構築する上で、Macromedia社[6][71のFlashMX[8]及び、FlashCommunicationServerMX[9](以下FCS)を導入した。
3FCSの特徴と書道への適用
ここでは本システムで用いるFCSについて、その特徴について説明する。また、FCSを書道
教育に適用するにあたり書道教育の必要要素との対応を明らかにする。
3.1FCSの概要
FCSはMacromedia社が提供するサーバーソフトウェアの一つである。Webにおいて従来
からインタフェースプラットフォームとして評価の高いFlashをそのクライアントプラット
フォームとして利用することで全体のシステムを構成する(図1)。クライアントであるFlash
はActionScriptというオブジェクト指向スグリプティング環境を持ち、ロジック、画面制御、通
信をすべてスクリプトによって実装することができる。Flashにスクリプト実行環境があるた
めシステムロジックのほとんどをクライアント内に実装することが可能となる。FCSへの通信
は、Flashに用意されているいくつかのコミュニケーションクラス群を用いて行われる。FCSは
コミュニケーションクラス群を用いてクライアントに定義された共有オブジェクトやストリー
ムオブジェクトを交換する機能に特化している。この分担により、単純なアプリケーションで
あればサーバー側には特にプログラムを記述する必要はなく構築することが可能である。ユー
ザ管理などサーバー側でロジックが必要な場合やデータベースとの連携を必要とする場合は、
いくつかのクラス拡張がされたJaスノaScriptでサーバーサイドスクリプトを記述しサーバー上に
格納するかもしくはJaN,aなどによるアプリケーションサーバーと連携させる。
またクライアントとなるFlashは次のような機能を内包し、すべてスクリプトで制御するこ
-4-
とが可能である。
・パソコンに接続されたWebカメラの制御
・撮影されている動画をリアルタイムにエンコードしサーバーへ送出する機能
・サーバーから配信される映像をリアルタイムにデコードし画面上に映し出す機能
また、先生生徒を問わず利用者に対する最大の利点は、Webブラウザ(+Flashプラグイン)
のみで利用することが可能である点である。また、後述するが動画撮影のための機材は既存の
Webカメラをパソコンに接続するのみという手軽さがある。
以上のように、ロジック、画面制御、通信、カメラ、ストリーム映像を単一のスクリプト環
境で統合、実装できることがFlashとFOSの組み合わせの特徴となっている。
ウェププラウサzlFlashプラグイン
ウェププラウザ+Flashプラグイン
図1:システムの概要
3.2FCSのもつ代表的な機能と書道教育との対応
次にFOSの提供する主な3つの機能を紹介し、書道遠隔教育の必要要素との対応を述べる。
双方向ストリーム配信サーバーとの接続を担う基本オブジェクトにConnectionオブジェクト
(サーバー側ではOlientオブジェクトと呼ぶ)がある。その上にNetStreamオブジェクト
を生成することによりサーバーとクライアントとの間に映像十音声のストリームを生成
することが可能となる。
このNetStreamオブジェクトに画面に配置されるvideoオブジェクトをアタッチすれば映
像の受信ストリームとなる。また、パソコンに接続されたWebカメラを抽象化するcamera
オブジェクトをアタッチすれば撮影映像の送信ストリームとなる。一つのOonnectionオ
ブジェクト上には複数のNetStreamオブジェクトを生成することが可能なため、受信、送
信各々複数のストリームを構成し双方向ストリームを実現することが可能となる(図2)。
NetStreamオブジェクトは送受信時にストリーム名を付加しなくてはならない。コネク
ションを共有するクライアント間においてこのストリーム名によって送受信のやりとりを
-5-
行う。具体的には、クライアント上でNetStreamオブジェクトを生成し送信を開始する
と、FCS上で同名のNetStreamオブジェクトが生成される。以後、他のクライアントは
同名のNetStreamオブジェクトを生成し受信要求をサーバーへ送ることでリアルタイム
中継が成立する。先述のとおり、一つのOonnectionオブジェクトに任意の数の送信、受
信ストリームを生成できるため、帯域の許す限り多対多の双方向ストリーム配信を構築
することも可能である。
書道において、この双方向ストリーム配信は先生と生徒のリアルタイム添削に適用され
る。生徒が書いている途中で適宜、添削を声かけることが可能である。また、ストリーム
名さえ同じであれば、Flashクライアントが同一である必要はない。今回は、先生用と生
徒用に別々のFlashクライアントを実装し、各生徒は先生のみと、先生は同時に三人ま
での生徒と映像を交換する非対称なシステムを実装した。これにより先生は同時に複数
の生徒を見ることができるとともに、各生徒においては先生とマンツーマンの指導を受
けているような状況におくことができる。
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図2:オブジェクトの構成(双方向ストリーム)
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ストリーム録画cameraオブジェクトをアタッチされた(送信)NetStreamオブジェクトの場
合、ストリーム名とともに録画フラグをたててサーバーに送信を開始することで、FOS
はその送信ストリームをサーバー上に記録する。以後、videoオブジェクトをアタッチさ
れた(受信)NetStreamオブジェクトにおいて録画時と同じストリーム名を設定するこ
-6-
とで、記録されたストリームを受信(再生)することができる。図3はC1ientAからFCS
への録画要求を表している。ClientBは録画時のストリーム名を用いてリクエストするこ
とによりFOSのストレージ内の映像を受け取る事ができる。
このストリーム録画機能は、複数の用途で利用することができる。まず、生徒が先生に課
題(を書いている映像)を提出する用途。先生と時間が合わない場合に後で添削しても
らうよう、課題を提出することができる。次に先生が個々の生徒向けに添削映像を送る用
途。生徒から送られてきた映像を見て、あらためてその生徒にあった手本を音声も交え
た上でその場で録画して生徒に配布することができる。
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ストリームデータ
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CoImi厳loncbIecl
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図3:オブジェクトの構成(ストリーム録画と再生)
エンコード済動画ファイルインストールFOSではWebカメラからの映像だけでなく、DVカ
メラなどで撮影した映像をサーバー上にあらかじめ動画ストリームファイル(FIjV形式)
として格納する機能もある。こうすることでより高品位な動画をクライアントに提供す
ることが可能となる。FIjV形式のファイルは、AVI形式やMOV形式の動画ファイルを
SorensonSqueeze[10]やMacromediaFlashに読み込んで変換する。
基本ストロークや毎月の課題手本など、生徒が何度となく繰返し見る教材に関しては、
WebカメラではなくDVカメラを用いて高品位なストリームを別途用意している。この
場合においては、別途まとめて撮影を行い、弊社内で個別にエンコードしサーバーにアッ
プロードしている。オフラインで帯域調整や2パスエンコードなどを行うことができる
ため-ヶ月に-度程度の必要頻度であればこのような形で高品位な動画も提供すること
が可能である。
-7-
FCSによる書道教育システムの実際
4
4.1
双方向ストリームを鶴いたリアルタイム教寶
ここでは実際の書道教育システムの画面キャプチャを中心にその活用の様子を紹介する。(図
中の登場人物は本稿の資料用のボランティアであり、男性が先生役、女性が生徒役となっている)
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図4:先生画面(左)と生徒A画面(右)
図4は双方向ストリームによる複数生徒との同時中継の様子である。図4左は先生の画面で
ある。左側のボックスには先生自身のカメラのループバック映像が表示される。右側に縦に並
ぶ三つのボックスに最大3名の生徒の映像が表示される(ここでは2名が参加している)。中
央は生徒画像の拡大、回転を行う。3つの生徒映像のうちいずれかをクリックすることで中央
で拡大表示される。また、図5右のようにWebカメラを半紙の左側にたてることが多いため配
信映像は横向きとなる。これを修正するために映像の回転機能も備わっている。図4右は生徒
Aの画面である。左に生徒自身のループバック映像が、右側には先生の映像が表示される。
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図5:生徒B画面(左)と生徒Bカメラ入力(右)
-8-
図5左は生徒Bが自分で習字を書いているところである。自身の映像も回転表示が可能であ
る。図5右はWebカメラの下で実際に筆をとっている写真である。
4.2ストリーム録画を用いた添削教育
次にストリーム録画による生徒の学習と先生の添削を紹介する。図6は生徒の自習(先生と
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図6:生徒が自身の録画をする様子(左)と一度録画した映像を振り返る様子(右)
同時通信しない)画面である。各々左の映像は自身のカメラ映像で録画も担う。下部のリスト
は今までの録画リスト(ビデオライブラリ)である。自身の録画リストと先生から届いた録画
リストがタブで切り替えられるようになっている。右の映像はこれら録画リストの映像を再生
するプレイバックモニターとなっている。図6左は、右の映像に先生からの手本を再生し、そ
れを見ながら左の映像で自分自身を録画している様子である。録画を終了すると下部リストに
自動的に加えられる。図6右は、自身で録画した映像を右画面にてプレイバックしている様子
である(左画面は書き終わった状態がWebカメラで映し出されている)。録画は何度もできる
ため、納得した一本を先生に提出する。提出は下部リストにあるチェックボックスをチェックす
ることで行われろ。図7左は先生が生徒から提出された映像を右のプレイバックモニターで見
ている様子である。
4.3エンコード済動画インストールを用いた教材配布
DVカメラなどで撮影した映像をエンコードしサーバーに格納した後の様子を紹介する。図
7右はDVカメラで撮影した映像をエンコードした後に本システム上で再生している様子であ
る。草書のリズム感ある筆運びが再現されている。また画質もWebカメラによる録画と比較し
てきめ細かい。
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図7:先生が生徒の提出映像を見ている様子(左)DV録画した草書を確認している様子(右)
5今後の展望とまとめ
FlashとFlashOommunicationServerを用いて書道遠隔教育システムを構築した。FOSのも
つストリームオブジェクト機能とFlashのもつ優れたスクリプト環境により、映像の送受信、記
録といった要素を統一したインタフェースのもとに統合することができた。現状のシステムに
ある生徒3名+先生という4者での双方向通信において、映像遅延や画質に関しては学習用途
に支障ないレベルに既に達している。さらに快適に運用できるよう帯域調整や圧縮率調整など
の技術的調整、及び数値評価は今後の課題となっている。具体的なオブジェクト指向に基づく
ソースコードやその解説は割愛させていただいた。FOSを利用したプログラミング等の詳細に
ついては各種チュートリアル['2]を参照されたい。
本実装で得られた知見は書道のみならず様々な遠隔学習に展開していく予定である。話が飛
躍するが2003年のSARS発生の折、香港の大学は政府の指示により軒並み学校閉鎖する事態
が起きた。この時、香港バプティスト大学はこのFOSを用いて大学の講義をオンラインで継続
したという例['3]もある。遠隔教育の重要性は様々な意味において今後ますます増していくと
考えられる。
後日、実際にアメリカコロラド州の生徒と玉舟とで本システムの試用を行った。双方向スト
リームによる対面学習を経験した際の生徒の感想は意外にも「安心感がある」であった。書い
ている最中に随時先生からの指導を声や動きで受けることは、「(書き上げたが)本当にこれで
よいのか?」「(後日の先生からの返答で)理解できるだろうか?」といった今までの遠隔教育
で持っていた不安を払拭してくれるというのである。本来、先生と生徒が向き合って行った学
習を、遠隔になったことで不安を呼んでいたといえる。そしてまたその不安が払拭されたとい
うことは、本来の先生と生徒が向き合った学習を遠隔であっても同様に体験することができた
ということを意味するといえる。
本稿で紹介したシステムは現在実際に遠隔教育コースのひとつとして遠隔地の生徒に供給し
ている。生徒として入会せずともシステムを体験いただけるよう、弊社サイト[11]にデモシス
-10-
テムを構築しているので参考にされたい。
謝辞
本システムの構築にあたり、様々な示唆と検証をしていただいた玉舟先生、試験運用のため
に時差にも負けず同時通信にご協力いただいたアメリカコロラド州在住の小浜まよ様、概要の
翻訳およびサンプル画像の撮影にご協力いただいた植月明日香様に心より感謝の気持ちを述べ
たい。
参考文献
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本稿中に記載されている企業名、商品名、サービス名は各社の商標または登録商標である。
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