JAHIS 内視鏡データ交換規約 の策定

JAHIS
内視鏡データ交換規約
の策定
検査システム委員会
医用画像システム専門委員会
池田 勝
はじめに
本日説明を行う「内視鏡データ交換規約」は、下記の両専門委
員会下WGとの共同展開による成果として、昨年8月に
「JAHIS内視鏡データ交換規約Ver.1.0」として制定された。
ここでは、この規約に関する概要を説明する。
„
相互運用性委員会
…
メッセージ交換専門委員会
„
„
HIS-RISメッセージ交換WG
検査システム委員会
…
医用画像システム専門委員会
„
内視鏡部門システムWG
背景/経緯
• H16年度より経済産業省の委託事業「相互運用性実証事業」
内視鏡検査部門としての取り組み。
• 内視鏡部門情報システムに向けたマルチベンダ接続のための標準は無かった。
各ベンダは各社が独自の仕様で接続実装。
DICOMやHL7対応と言っても、放射線の枠組みをそのまま適応させたもの。
• 放射線部門システムにおけるモダリティの一つとして位置づけられた
内視鏡部門システムの導入設計。
• 内視鏡分野ユーザでは、ITへの用意や関心は未だ十分ではない。
• 導入時,リプレース時での作業工程の負担。
これらを背景に、工業会の立場から各ベンダにとって、システム
導入の効率向上を意図して、本規約の策定を実施。
適応範囲
• 内視鏡検査と一口に言っても、その種類や適応範囲は様々。
軟性鏡,硬性鏡(腹腔鏡)
上部消化管及び下部消化管,気管支,耳鼻科,婦人科用,泌尿器,
その他、外科用や血管用等
• 部門や診療科によっては検査の方法や運用も異なる。
全てを対象に内視鏡検査として規約を作ることは現実的ではない。
最初であるVer.1.0では、最も基本的である上部及び下部の両方を対象とした
消化器向け検査を適応範囲として限定した。
・ 消化器に限定したとは言え、基本骨格としては各診療科に対応出来るように配慮。
・ 本規約では消化器向けに“サンプルマスタ”を用意したが、オーダ用マスタを差し替えることで
各診療科に適応できるように配慮。
内視鏡検査の特徴
„
放射線とは似て非なる内視鏡の業務フロー
… 検査実施者
… オーダ特性
… オーダ内容
… 検査単位
… 画像の取扱い
… 他科依頼
… 検査前後処置
„
技師⇔医師
指示⇔依頼(実施者の判断)
オーダ内容≠実施内容 もあり
検査⇔検査と処置
検査と処置が同時 もあり
画像取得⇔レポート完了
診断画像⇔備忘録画像,二次的利用
セカンドオピニオン,カンファレンス
病理部門への検体検査依頼
鎮静剤,リカバリ等もフローとして管理
特に検体という“物”の流れの管理。
メッセージの整備と概要
„
画像検査に関する各機能においては、放射線と同じあ
るいは近似しているものが多々ある。
… 流用可能なところが多い。
… 先行する放射線データ交換規約を雛形として、内視鏡業務の
特徴や差異を考慮して進めた。
… 既存の成果を雛形とすることで、他規約との整合性を確保。
„
進め方
… これまで検討が進められてきた内視鏡IHEのフレームワーク
(内視鏡IHEテクニカルフレームワークVolumeⅠ)をベース。
… そこから、HL7のトランザクションに当たるところを抽出して検
討を開始。
内視鏡SWF(Scheduled Workflow)の概要
→ 6 Pre-procedure PPS
→ 7 Modality PPS in Progress
→ 8 Specimen PPS
→ 9 Modality PPS Completed
→ 24 Post-procedure PPS
← 4 Procedure Scheduled
e-PPS
Manager
Pre/Post
Procedure
Terminal
→ 7 Modality PPS in Progress
→ 9 Modality PPS Completed
ADT
← 1 Pt.Registration
← 21 Pt.Update
e-Order
Filler
Placer Order Management →
Order
Placer
Pathology
Order Filler
↓ 4 Procedure Scheduled
↓ 25 PtUpdate
↓26 Procedure Update
↑ 13 Image Availability Query
Image
Manager
↑ 12 Storage Commitment
← 7 Modality PPS in Progress
← 9 Modality PPS Completed
→ 5 GP Worklist Provided
← 8 Specimen PPS
(DICOMのインスタンスナンバーで返す)
人間の端末操作による入力
→ 1 Pt.Registration
→ 21 Pt.Update
← 2 Placer Order Management
→ 3 Filler Order Management
→ 患者到着確認/レポート完了通知
→ 5 Modality Worklist Provided
Blue: HL7 Messages
Green: DICOM Messages
病理IHEでの
定義範囲
→ 4 Procedure Scheduled
→ 25 PtUpdate →
→ 26 Procedure Update
← レポート作成完了ステータス
Image
Archive
↑ 10 Modality Image Stored
↑ (11 Modality Presentation State Stored)
Acquisition
Modality
Specimen Specimen
Manager Label Printer
Report
Creator
Report
Manager
Report
Repository
Report
Reader
Image
Display
←
←
←
←
14 Query Images
(15 Query Presentation State)
16 Retrieve Images
(17 Retrieve Presentation State)
→ 検体検査依頼メッセージ
まずは、オーダ連携から検討を開始
„
部門システムの構築において、最も上流となるところがオーダの
連携機能。
„
オーダ連携部分は、マルチベンダ環境を実現において標準化の
効果が最も期待される部分。
„
まず、ここを最初に固める必要がある。
…
HL7によるトランザクションを抽出。
…
オーダ連携の仕組みは、HISとの連携。
…
HISとの連携部分をHL7で定義。
…
つまり、 HIS連携I/FをHL7で標準化,規定化するということ。
Workflow for Endoscopy ; HL7に限ったトランザクション関係
← Rad -1 Pt.Registration
← Rad-21 Pt.Update
← Rad-4 Procedure
Scheduled
e-Order
Filler
ADT
→ Rad-1 Pt.Registration
→ Rad-21 Pt.Update
Order
↓ Rad- 4 Procedure Scheduled
↓ Rad-25 PtUpdate
↓ Rad-26 Procedure Update
Pre/Post
Procedure
Terminal
EIS
Image
Manager
PACS
言い換えれば、
HIS,EIS,PACS,Report
Systemの間のデータ交換
の規約を作ること
Report System
Report
Manager
Blue: HL7 Messages
人間の端末操作による入力
HIS
← Rad-2 Placer Order Management
Placer
→ Rad-3 Filler Order Management
→ ORUによる患者到着確認/レポート完了通知(Rad)
→ Rad- 4 Procedure Scheduled
→ Rad- 25 PtUpdate
→ Rad-26 Procedure Update (OMIによるオーダー)
← ES-5内視鏡報告書状態通知 (※MDM^T01)
→ ES-4 内視鏡報告書通知
(※MDM^T02)
新たな定義/ポイント
„
新たに、EIS(Endoscopy Information System)という言葉も定
義した。
…
„
EISとReport Systemを結ぶトランザクションが加味。
…
„
これは、HISらかのメッセージ交換に対応する内視鏡情報システムの機能
であり、放射線情報システムのRISや臨床検査情報システムのLISに相当
するもの。
内視鏡の検査単位としてのレポートの必要性による。
Report SystemからHISに対する報告書通知。
取得した検体を病理部門に対して検査依頼を行うための仕組み。
ここでは、Report SystemからOrder Placerに検体検査の情報を伝え、
Order Placerから病理部門へオーダを出す流れとなっている。
… この仕組みは、内視鏡部門から直接病理部門へ検査オーダを出すとう形
にはせずに、HIS経由で検査オーダを出すものとして定義した。
… これにより、病理部門においても検体検査依頼は必ずHISから来るものと
り、整理された流れとなる。
…
…
病理との連携イメージ
外来
受付
放射線科
薬剤
オーダ情報
HIS
(Order Placer)
循環器科
その他診療科
(眼科など)
内視鏡室
病棟
臨床検査
病理
内視鏡データ交換規約の対象範囲
•
これ等要件に加えて新たに患者到着メッセージの追加も行い、JAHISのデー
タ交換規約に合わせて、更に整理した。
② 患者情報通知
② 患者情報通知
④ 検査依頼
⑤ 検査通知
PACS
(画像サーバ)
⑥ 検査結果照会
HIS
(電子カルテ) ① 患者情報照会
③ 検査依頼照会
EIS
(内視鏡情報
システム)
② 患者情報通知
⑤ 検査通知
⑦ 到着確認報告
⑧ 検査実施情報
⑨ 報告書状態通知
⑩ 報告書通知
REPORT
(報告書作成
システム)
メッセージの概要
① 患者情報照会(QRY/ADR)
患者情報をQRYメッセージで問合せ、それに対する回答をADRメッセージで返す。
② 患者情報通知(ADT/ACK)
患者に関する各種イベントの情報をADTメッセージで通知し、それに対する応答をACKメッセー
ジで返す。
③ 内視鏡検査依頼照会(OSQ/OSR)
内視鏡検査依頼のオーダ情報をOSQメッセージで問合せ、それに対する回答をOSRメッセージ
で返す。
④ 内視鏡検査依頼 HIS-EIS(OMG/ORG)
内視鏡検査依頼のオーダ情報をHISからEISにOMGメッセージで通知する。それに対する応答
をORGメッセージで返す。
⑤ 内視鏡検査通知 EIS-PACS/REPORT(OMI/ORI)
内視鏡検査依頼のオーダ情報をEISからPACS及びREPORTにOMIメッセージで通知する。そ
れに対する応答をORIメッセージで返す。
⑥ 内視鏡検査結果照会(QRY/ORF)
内視鏡検査結果をQRYメッセージで問合せ、それに対する回答をORFメッセージで返す。
⑦ 患者到着通知 EIS-HIS(ORU/ACK)
患者到着をORUメッセージで通知し、それに対する応答をACKメッセージで返す。
⑧ 検査報告書状態通知 REPORT-EIS(MDM/ACK)
検査報告書状態をMDMメッセージで通知し、それに対する応答をACKメッセージで返す。
⑨ 検査報告書通知 REPORT-HIS(MDM/ACK)
検査報告書をMDMメッセージで送信し、それに対する応答をACKメッセージで返す。
典型シナリオに基づくサンプルの用意
„
他のデータ交換規約に習って、本規約でも使い方としてのサンプルを用意。
下記に示す代表的な6種類のオーダに対するシナリオを基にサンプルを用意してある。
・Case1 最も典型的な通常の検査依頼であり、ここでは臓器の特定部位の指定や観察用モダ
リティの指定及び検体取得の指示等が無い場合の検査オーダである。また、実施内容とし
ても検査全体をとおした報告のみであり、他に検体検査の依頼が発生するなどが無い場合
の検査である。
・Case2 処置依頼があるオーダのケースである。病変部の病理検査のための検体取得等、詳
細な手技を依頼する場合の例である。
・Case3 これも詳細な手技を依頼するものであるが、ERCPとして放射線部門へ同時にオーダ
を出し、両方のモダリティを用いるケースである。
・Case4 同様に詳細な手技を依頼するものであるが、通常の内視鏡と超音波内視鏡の複数モ
ダリティを用いる場合を示す。かつ、内視鏡医の判断で検体取得を行い病理への検査依頼
を出すケースである。
・Case5 経過観察等に見られる詳細な手技の依頼としてのケースである。ここでは、観察部位
詳細指定と検体取得指示に基づく病理検査依頼がある場合を示している。
・Case6 検査依頼を取り消す場合である。
※ これは全てのケースを包含しているわけでは無く、あくまで参考として代表的なものを示したものである。
様々なオーダのケースに応じたメッセージ例
Case
パターン
メッセージ
シナリオ
1
通常検査依頼
検体取得なし
全体報告のみ
1A-1 (HIS→EIS)
1A-2 (EIS→HIS)
1B-1 (EIS→PACS,REPORT)
1B-2 (PACS,REPORT→EIS)
1C-1 (EIS→HIS)
1C-2 (EIS→HIS)
1D-1 (REPORT→EIS)
1D-2 (EIS→REPORT)
1E-1 (REPORT→HIS)
1E-2 (HIS→REPORT)
HIS_FUJIYAMAからEIS_NIHONへV2.5仕様の日本語を含む内視鏡検査依頼メッセージ
HIS_20080120103020を2008年1月20日10時30分20秒に送信。
患者氏名は東京太郎、男、1950年12月14日生、患者IDは12345678である。
患者さんは外来で内科にかかっており主治医は中田隆先生である。患者さんには視覚障害がある。
患者さんは○月×日強い上腹部痛を感じた。翌日になっても軽快しなかったため、来院。胃潰瘍の
疑い(臨床病名)。
新橋晴彦先生は臨床病名に対する精査のため、上部消化管の検査を、2008年1月20日の14時
30分の開始予定で、検査前日に依頼した。オーダ番号は200801192110350である。
患者さんの血液型はA型Rh+である。
2
処置依頼
詳細手技依頼
2A-1 (HIS→EIS)
2A-2 (EIS→HIS)
2B-1 (EIS→PACS,REPORT)
2B-2 (PACS,REPORT→EIS)
患者さんは入院で内科にかかっており、主治医は田中一郎先生である。病棟はE02棟21号室である。
東京和夫先生は、患部切除処置を含む検査を、2008年1月20日16時50分の開始予定で、検査前日に依頼した。
3
詳細手技依頼
検体取得なし
ERCP;放射線部門
同時オーダ
3A-1 (HIS→EIS)
3B-1 (EIS→PACS,REPORT)
3D-1 (REPORT→EIS)
3E-1 (REPORT→HIS)
患者さんは以前黄疸を主訴とし近医を受診、エコー検査により胆管/膵癌の疑い(臨床病名)がある。
中田隆先生は臨床病名に対する精査のため、ERCPを2008年2月21日の10時30分の開始予定で、検査1週間
前に依頼した。
4
モダリティ指定あり
複数のモダリティ;
超音波内視鏡を併
用
4A-1 (HIS→EIS)
4B-1 (EIS→PACS,REPORT)
4D-1 (REPORT→EIS)
4E-1 (REPORT→HIS)
患者さんは胃底部に病変あり。前回検査のサンプルの病理検査の結果では偏平上皮癌。
縞原善夫先生は粘膜下腫瘍の壁進達度の精査のため、2008年10月20日の14時30分の開始予定で、上部通常
内視鏡に加えて超音波内視鏡の併用による検査を依頼。
5
観察部位詳細指定
検体取得指示
5A-1 (HIS→EIS)
5B-1 (EIS→PACS,REPORT)
5D-1 (REPORT→EIS)
5E-1 (REPORT→HIS)
患者さんは昨年、大腸がん(臨床病名)を患った。その後の処置ににおける経過観察のため来院。
中田翔三先生は経過観察のため、2007年11月22日の14時30分の開始予定(依頼日から2日後)で、下部消化
管の検査を依頼。患部であるS状結腸・下行結腸意向部より3cmのところの下行結腸周辺の検体サンプル取得を
合わせて依頼した。
6
検査依頼取り消し
/検査通知取り消
し
6A-1 (HIS→EIS)
6B-1 (EIS→PACS,REPORT)
HIS_FUJIYAMAからEIS_NIHONへV2.5仕様の日本語を含む内視鏡検査依頼取り消しメッセージ
20080925111111.998を2008年9月25日に送信。
新橋晴彦先生は2008年9月25日11時09分にオーダ番号200809240012300の内視鏡検査を取り消しする。
検査依頼を入力した。癌の転移状態の有無を観察するため、食道・胃・十二指腸の各臓器の精査を併せて依頼。
切除部位は胃上部。検査範囲は食道・胃・十二指腸。オーダ番号は200801191835230である。
電文サンプル (一部抜粋)
„
1A-1
…
通常検査依頼、検体取得なし、全体報告のみ(HIS→EIS)
HIS_FUJIYAMAからEIS_NIHONへV2.5仕様の日本語を含む内視鏡検査依頼メッセージ。HIS_20080120103020を2008年1月20日10時30分20秒に送信。
MSH|^~¥&|HIS_FUJIYAMA||EIS_NIHON||20080120103020||OMG^O19^OMG_019|HIS_20080120103020|P|2.5|||||JPN|ASCII~ISO IR87||ISO 2022-1994<cr>
…
患者氏名は東京太郎、男、1950年12月14日生、患者IDは12345678である。
PID|||12345678^^^^PI||東京^太郎^^^^^L^I~トウキョウ^タロウ^^^^^L^P||19501214|M|||虎ノ門1-19-19^^港区^東京都^105-0001^^H||03-3506-8010^PRN^PH<cr>
…
患者さんは外来で内科にかかっており主治医は中田隆先生である。患者さんには視覚障害がある。
PV1||O|||||112233^中田^隆^^^^^^^L^^^^^I|||01<cr>
…
患者さんは○月×日強い上腹部痛を感じた。翌日になっても軽快しなかったため、来院。胃潰瘍の疑い(臨床病名)。新橋晴彦先生は臨床病名に対する精査のため、上部消化管
の検査を、2008年1月20日の14時30分の開始予定で、検査前日に依頼した。オーダ番号は200801192110350である。患者さんの血液型はA型Rh+である。
ORC|NW|200801192152100|||||||20080119215210|556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I||556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I|01^^^^^C||||01^内科||||||||||||O<cr>
TQ1|||||||||R<cr>
OBR||200801192152100||11^検査.上部^LENDO|||20080120143000|||||||||556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I||||||||||||||CART<cr>
ORC|PA|200801192152100|||||||20080119215210|556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I||556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I|01^^^^^C||||01^内科||||||||||||O<cr>
TQ1|||||||||R<cr>
OBR||200801192152100||11^検査.上部^LENDO|||20080120143000|||||||||556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I||||||||||||||CART|^臨床病名に対する精査<cr>
OBX|1|CE|5H0100000018101^血液型-ABO式^JC10||1^A^LBLABO||||||F<cr>
OBX|2|CE|04-03^視覚障害||SV^重度||||||F<cr>
OBX|3|TX|&GDT||(外来所見);○月×日強い上腹部痛を感じた。翌日になっても軽快しなかったため、来院。||||||F<cr>
OBX|4|CE|&IMP||^胃潰瘍の疑い(臨床病名)||||||F<cr>
ORC|CH|200801192152101||||||200801192152100|20080119215210|556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I||556677^新橋^晴彦^^^^^^^L^^^^^I|01^^^^^C||||01^内科
||||||||||||O<cr>
TQ1|||||||||R<cr>
OBR||200801192152101||11-000000000^検査.上部.(指示なし).(指示なし).(指示なし).(指示なし)^LENDO|||20080120143000|||||||||556677^新橋^晴彦
^^^^^^^L^^^^^I|||||||||||||200801192152100|CART<cr>
内視鏡向けマスタのサンプルも用意
„
本規約におけるもう一つの付録解説として、内視
鏡向けのマスタをサンプルとして用意した。
… 放射線分野では、JJ1017などの整備がされているが、内
視鏡では、これに相当するものが無い。
„
今回の規約では、内視鏡分野の実際を基にしたサ
ンプルとしてのマスタを用意して説明を行っている。
… ただし、あくまで“サンプル”であるので、各施設が用意して
いる独自のものを用いることも可能である。
… マスタを用意していないところでは、本マスタを採用してい
ただくことで、システム仕様を固める上での効率が高まる
と期待する。
オーダ用サンプルマスタ(一部抜粋)
内視鏡データ交換規約 オーダ用サンプルマスタ
通常依頼(親オーダ)
目的
種別
検査
治療
1
2
上部
下部
胆・膵
1
2
3
Ver.0.5
詳細指示(子オーダ)
臓器
臓器(部位)
00
00
食道
01
E-Gジャンクション
01
胃
02
噴門周辺
02
十二指腸
03
穹窿部(胃底部)
03
直腸
04
体部
04
S状結腸
05
小湾部
05
大腸
06
大湾部
06
胆管(胆道)
07
胃角部
07
膵管
08
胃角
08
小腸
09
前庭部
09
幽門前部
10
幽門周辺
11
十二指腸球部
12
前壁
13
後壁
14
肛門
21
肛門管
22
直腸S状部
23
S状結腸・下行結腸移行部24
下降結腸
25
脾湾曲
26
横行結腸
27
肝湾曲
28
上行結腸
29
盲腸
30
虫垂
31
回盲弁
32
回腸
33
2008/3/12(改定)
手技(モダリティ)
上部通常内視鏡
下部通常内視鏡
超音波内視鏡
カプセル
十二指腸内視鏡
小腸内視鏡
◎表記
・親オーダは”目的”及び”種別”からなる。
親オーダ=目的+種別
・子オーダは”臓器”,”臓器(部位)”,”手技(モダリティ)”及び”手技(詳細)”から
なる。
子オーダ=臓器+臓器(部位)+手技(モダリティ)+手技(詳細)
・親オーダと子オーダはハイフンで接続。
”親オーダ”-”子オーダ”
00
01
02
03
04
05
06
手技(詳細)
000
101
EGDs
102
EGDs (EUS)
103
EGDs (EUS-FNA)
104
EGDs (マーキング)
105
早期食道悪性腫瘍 (EMR)
106
早期食道悪性腫瘍 (ESD)
107
食道・胃静脈瘤硬化療法 (EIS)
108
内視鏡的静脈瘤結紮術 (EVL)
109
内視鏡的静脈瘤造影法 (EVIS)
内視鏡的硬化療法・結紮術同時併用療法 (EISL) 110
111
胃、十二指腸ポリープ・ポリペクトミー
112
胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 (EMR)
113
胃、十二指腸・粘膜下層剥離術 (ESD)
114
内視鏡的消化管止血術
115
透視下上部消化管狭窄拡張術
116
上部消化管狭窄拡張術
117
上部消化管ステント留置術
118
内視鏡的異物摘出術
119
透視下内視鏡的異物摘出術
120
胃瘻造設術
121
胃瘻交換
(100,121~199未使用:将来拡張用)
201
CS
202
透視下CS
203
CS (EUS)
204
CS (マーキング)
205
CS(ポリペクトミー)
206
CS (EMR)
207
CS (ESD)
208
内視鏡的止血術
209
経肛門イレウスチューブ留置
210
内視鏡的結腸異物摘出術
211
透視下内視鏡的結腸異物摘出術
212
透視下小腸・結腸狭窄部拡張術
213
小腸・結腸狭窄部拡張術
214
小腸内視鏡(経肛門的)
普及への取り組み
„
技術的だけでなく、普及に向けても積極的展開を図っている。
…
„
昨年の10月に開催された日本消化器内視鏡学会総会JDDW2008
において、本規約の宣伝を行うという取り組みも実施。
内視鏡分野における医療情報関連の取り組みは活発とは言
い難い。
「JAHIS内視鏡データ交換規約」のパンフレットを作成し、配布を実施。
… 内視鏡情報システム関連ベンダにはJAHISの会員ではない企業も
多々あり。
標準化動向に関しては明るくない企業も存在する。
ユーザだけでなく、これらのシステムベンダ向けへのアピールと言う
ことも意識した。
…
ちなみに、JAHIS標準(規約)に向けたパンフレットの作成と配布はJAHIS
としては初めての試みであるということである。
海外との連携
„
内視鏡分野の標準化の取組みは日本のみ。
内視鏡向け規格/標準に関しては、欧米においても関心は高くない。
… 世界的なベースラインのためには少なくとも欧米の両地域において
内視鏡分野向けの検討組織を立ち上げる必要がある。
…
„
このため国外への取り組みとして、
当面は日本の内視鏡IHE-WGとJAHISが、DICOMのWG13(Visible
Light)と協力関係を持つ。
… 欧米の両地域の実態やユーザの関心という状況を把握。
… 日本での取り組み紹介を通して、啓発を与え検討の場として展開。
…
„
本規約の完成と同期して英文翻訳版を用意
具体的な内容を紹介。
… 日本から世界に向けてのリーダシップへつなげられるものとなる。
…
今後の展開
„
実施結果を返す仕組みの検討を行い、Ver.2.0としてその成果を反映さ
せる予定。
…
…
„
内視鏡-病理の部門間連携
…
…
…
„
すでに内視鏡部門システムWGでは実施結果の取り扱いに関して作業に
入っている。
また、今後は所見,診断等のレポートとしての取り扱いにも対応していくもの
となる。
医用画像システム専門委員会の病理部門システムWGにおいて、病理部門
のためのデータ交換規約の検討が進められている。
これが完成すれば、内視鏡と病理の連携の仕組みが完成することになる。
単に内視鏡と病理の間のみの連携ではなく、他科、他部門との連携モデルと
なることを期待している。
内視鏡IHEへの反映の支援
…
Scheduled Workflow(SWF)の内視鏡テクニカルフレームワークにおける実
装定義として規約の反映支援。
おわりに
„
関連する様々な標準が不足していることも明確になった。
…
検査オーダ時のマスタや検査結果報告のマスタなど。
„
„
今回の規約でマスタのサンプルを用意したが、
…
今後は学会等の臨床側組織で検討してもらえるように投げかける必要がある。
„
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学界の中で関心が高まれば、今後更なる市場の展開が進むものと期待される。
本成果の期待
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これ等は、主に臨床側の課題となるため、関心を高める必要がある。
品質や価格及び納期の面でも利点を与える。
ベンダのみならずユーザにも接続性や互換性を通して価値を提供。
折角、標準を作成しても定着させる努力が無ければ意味が無い。
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本来、標準はユーザだけでなくベンダにとってのメリットが有ってこそ。
ある程度以上の期間と実績を積み重ねていくことで標準化の効果が現れてくる。
商談対応で従来のやりかたが楽であるということであれば、定着も進み難くなる。
仕様整合から納品したシステムがリプレースされるまでの全てのフェーズを含め
トータルでの視点で捉えた対応で、標準化の価値が出てくると思う。
ここを理解してを採用してもらうことを期待としたい。