PDF:1833KB - UR都市機構

Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
Ⅰ-3-(1)
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
(1)ニュータウン整備事
業
(1)ニュータウン整備事
業
(1)ニュータウン整備事
業
・ニュータウン整備事業につ
ニュータウン整備事業につ
ニュータウン整備事業につ
いては、事業リスクの管理を
いては、事業リスクの管理を徹
いては、事業リスクの管理を徹
徹底しながら、中期目標期間
底しながら、中期目標期間中に
底しながら、中期目標期間中の
中に工事を完了し、大街区で
工事を完了するとともに、地価
工事完了に努めるとともに、地
民間事業者に供給するなど完
動向等の市場環境の変化にも
価動向等の市場環境の変化に
成前の状況でも供給・処分を
留意しつつ、第三期中期目標期
留意しつつ、第三期中期目標期
進め、地価動向等の市場環境
間中の土地の供給・処分完了に
間中の土地の供給・処分完了に
の変化にも留意しつつ、第三
向けた取組を一層推進するこ
向けた取組を一層推進するこ
期中期目標期間中の土地の供
とにより、業務完了の前倒しに
とにより、業務完了の前倒しに
給・処分完了に向けた取組を
努める。
努める。
一層推進することにより、業
務完了の前倒しに努めるこ
と。
・地区毎の慎重な需要予測に
①
工事実施に関する取組
イ
地区毎の慎重な需要予
①
工事実施に関する取組
イ
地区毎の慎重な需要予
基づき、供給・処分に必要な
測に基づき、供給・処分
測に基づき、供給・処分に
範囲に限定した投資計画とす
に必要な範囲に限定した
必要な範囲に限定した投
ること。
投資計画とする。
資計画とし、費用削減に努
める。
・追加工事を行う場合にあっ
ロ
追加工事を行う場合に
ロ
追加工事を行う場合に
ても、公共施設の整備水準の
あっても、公共施設の整
あっても、公共施設の整備
見直しを行うなど、徹底した
備水準の見直しを行うな
水準の見直しを行うなど、
コスト削減を行い、必要最小
ど、徹底したコスト削減
徹底したコスト削減を行
限の工事とすること。
を行い、必要最小限の工
うとともに、費用対効果を
事とする。
踏まえ必要最小限の工事
とする。
・地区毎の供給・処分の状況
ハ
毎年、地区毎の供給・処
ハ
地区毎の供給・処分計画
に応じ、さらに必要な事業計
分計画と実績の乖離を分
と実績の乖離を分析し、さ
画の見直しを行うとともに、
析し、さらに必要な事業
らに必要な事業計画の見
弾力的に事業を実施するこ
計画の見直しを行うとと
直しを行うとともに、供
と。
もに、供給・処分の見通
給・処分の見通しを踏まえ
86
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
しを踏まえた段階的な実
た段階的な実施など、弾力
施など、弾力的に事業を
的に事業を実施する。
実施する。
・中期目標期間中に、
②
供給・処分に関する取組
②
供給・処分に関する取組
2,600ha 以上のニュータウ
次に掲げる具体的な方策
次に掲げる具体 的な方
ン用地を供給・処分(やむを
により、中期目標期間中に、
策により、平成 25 年度に
得ない場合等に賃貸すること
2,600ha 以上のニュータ
ついては、400ha 程度の
を含む。
)すること。
ウン用地を供給・処分(や
ニュータウン用地を供
むを得ない場合等に賃貸す
給・処分(やむを得ない場
ることを含む。
)する。
合等に賃貸することを含
む。
)する。
イ
毎年、地区等毎の供給・
イ
今後供給・処分する土地
処分計画を策定し、四半
の状況を敷地毎に点検し、
期毎に進捗状況を管理す
販売上の課題に応じた販
る。
売促進策を計画的に講じ
る。
・多様なニーズに対応するた
めの用途規制の緩和
・ニーズに応じた敷地分割や
造成形状等の変更
ロ
地区等毎の供給・処分計
画を策定し、四半期毎に進
捗状況を管理する。
ハ
従来の販売用途別営業
体制を見直し、広域営業体
制及びエリア単位の営業
体制とすることにより、顧
客別及びエリア別需要に
きめ細かく対応し、営業推
進を図る。
ロ
大街区で民間事業者に
ニ
大街区で民間事業者に
供給するなど完成前の状
供給するなど完成前の状
況でも供給を進めるとと
況でも供給を進めるとと
もに、民間事業者との連
もに、民間事業者との連携
携強化、供給方法の多様
強化、供給方法の多様化
化(インターネット等の
(インターネット等の活
87
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
活用による事前PR、競
用による事前PR、競争入
争入札方式による競争原
札方式による競争原理の
理の徹底、信託方式の活
徹底、民間の営業ノウハウ
用等)などの方策により
活用等)などの方策により
供給を推進する。また、
供給を推進する。
宅地整備を行わずに現況
ハ
ホ
宅地整備を行わずに現
のまま処分する土地につ
況のまま処分する土地に
いては、地方公共団体へ
ついては、地方公共団体へ
の早期処分、開発オプシ
の早期処分、開発オプショ
ョン権方式の活用など企
ン権方式の活用など企業
業ニーズへの柔軟な対応
ニーズへの柔軟な対応等
等により、一層処分を推
により、一層処分を推進す
進する。
る。
国民の居住ニーズの個
ヘ
国民の居住ニーズの個
別化、多様化、高度化の
別化、多様化、高度化の動
動向を踏まえ、多様なラ
向を踏まえ、多様なライフ
イフスタイル、居住ニー
スタイル、居住ニーズに対
ズに対応した選択肢を提
応した選択肢を提供する
供するため、宅地募集の
ため、顧客への意向調査
都度実施する顧客への意
や、民間住宅事業者説明
向調査や、毎年実施する
会、施設誘致企業説明会等
民間住宅事業者説明会、
を通じて、ニーズを幅広く
施設誘致企業説明会等を
捉え、「新・郊外居住」等
通じて、ニーズを幅広く
の商品企画に反映させる
捉え、
「新・郊外居住」等
とともに、「安心・安全」、
の商品企画に反映させる
「環境共生」、
「コミュニテ
とともに、「安心・安全」
ィ支援」等のまちの魅力向
「環境共生」
「コミュニテ
上を図る取組を推進する。
ィ支援」等のまちの魅力
向上を図る取組を推進す
る。
88
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
年度計画の目標設定
中期計画において 2,600ha 以上のニュータウン用地の供給・処分を目標としているが、
平成 20 年のリーマンショックによる土地需要の急激な減退等の影響により、平成 24 年度
末時点におけるニュータウン用地の供給・処分実績は、累計 1,170ha であった。
平成 25 年度においては、施設用地を中心に依然として厳しい市場環境が継続する中、
効率的な工事執行等を進め、民間事業者との更なる連携強化、供給方法の多様化などの販
売促進方策を実施するとともに、「安心・安全」、「環境共生」、「コミュニティ支援」等の
まちの魅力向上に取り組むことにより、平成 24 年度の実績(391ha)を上回る 400ha 程度
のニュータウン用地の供給・処分を行うこととした。
平成25年度業務実績

ニュータウン整備事業
① 工事実施に関する取組
(1)工事完了及び事業見直しの取組
①
第二期中期目標期間中の工事完了に向け取組んだ結果、概ね工事を完了した。
(平
成 16 年7月機構設立時未整備面積約 15,250ha のうち、補償交渉の長期化や貴重種
保護等のための工事期間制限等により、やむを得ず8地区約 760ha の区域で工事が
未完了となったものの、約 95%の区域で工事を完了)
【図表Ⅰ-3-1】機構設立時(平成 16 年7月)未整備区域の工事進捗状況(平成 25 年度末)
(工事(未)完了面積/機構設立時(平成 16 年7月)未整備面積)
工事完了(事業中止地区を含む)
31%
1
5
,
2
5
0
ha
69%
26%
74%
23%
77%
工事未完了
19%
81%
5%
事業期間
延伸地区
(8地区・760ha)
95%
法(
定換
事地
業処
完分
手
了続
中
を
含
む
)
平成21年度末 平成22年度末 平成23年度末 平成24年度末 平成25年度末
平成 25 年度は、工事を完了した地区のうち、下表のとおり 10 地区で法定事業を完了
し、現在、12 地区で換地処分の手続きを実施中である。工事未完了の8地区は、事業期
間を延伸※1した。
※1 事業計画変更手続き中を含む
89
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
【図表Ⅰ-3-2】
(法定事業を完了した地区)
事業手法
地 区 名
地区数
飯能大河原(埼玉県飯能市)、酒々井南部(千葉県酒々井町)、成瀬第二
土地区画整理事業
8
(神奈川県伊勢原市)、学園南(兵庫県神戸市)、盛岡南新都市(岩手県盛岡
市)、山形新都市(山形県山形市・上山市)、今治新都市(愛媛県今治市)、
本庄新都心(埼玉県本庄市)
新住宅市街地開発事業
2
千葉北部(千葉県白井市、印西市)、和泉中央丘陵(大阪府和泉市)
【図表Ⅰ-3-3】
(換地処分手続き中地区)
事業手法
地 区 名
地区数
金田東(千葉県木更津市)、寺崎(千葉県佐倉市)、真田・北金目(神奈川県
平塚市)、三郷中央(埼玉県三郷市)、八潮南部中央(埼玉県八潮市)、越
土地区画整理事業
12
谷レイクタウン(埼玉県越谷市)、葛城(茨城県つくば市)、萱丸(茨城県つくば
市)、下高井(茨城県取手市)、国際文化公園都市(大阪府茨木市、箕面
市)、木津中央(京都府木津川市)、福間駅東(福岡県福津市)
【図表Ⅰ-3-4】
(事業期間を延伸した地区)
事業手法
地 区 名
地区数
中根・金田台(茨城県つくば市)、新市街地(千葉県流山市)、柏北部東(千
土地区画整理事業
8
葉県柏市)、西八千代北部(千葉県八千代市)、物井(千葉県四街道市)、浦
和東部第二(埼玉県さいたま市)、岩槻南部新和西(埼玉県さいたま市)、
大宮西部(埼玉県さいたま市)
②
早期事業完了に向けて区域縮小などの方策について検討の上、地方公共団体と協
議を実施し、下表のとおり区域縮小を行った。また、早期事業完了や需要の動向等
に対応した土地利用計画の見直し等について、下表のとおり適宜実施した。
90
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
【図表Ⅰ-3-5】
(区域縮小、土地利用計画の見直し等を行った地区)
見直し区分
地 区 名
地区数
区域縮小※1
1
柏北部東(千葉県柏市)
真田・北金目(神奈川県平塚市)、成瀬第二(神奈川県伊勢原市)、物井(千
葉県四街道市)、寺崎(千葉県佐倉市)、西八千代北部(千葉県八千代市)、
金田東(千葉県木更津市)、新市街地(千葉県流山市)、浦和東部第二(埼
早期事業完了や、需要
の動向等に対応した土
地利用計画の見直し等
(事業計画変更等)
玉県さいたま市)、岩槻南部新和西(埼玉県さいたま市)、大宮西部(埼玉県
23
※2
さいたま市)、越谷レイクタウン(埼玉県越谷市)、三郷中央(埼玉県三郷
市)、八潮南部中央(埼玉県八潮市)、葛城(茨城県つくば市)、萱丸(茨城
県つくば市)、中根・金田台(茨城県つくば市)、下高井(茨城県取手市)、
国際文化公園都市(大阪府茨木市・箕面市)、木津中央(京都府木津川
市)、福間駅東(福岡県福津市)、山形新都市(山形県山形市・上山市)、今
治新都市(愛媛県今治市)、本庄新都心(埼玉県本庄市)
※1 事業計画変更手続き中
※2 平成25年度に法定の事業計画変更等を行った地区を記載
(2)効率的な工事執行
平成25年度においては、販売促進につながるものや平成25年度工事完了に向けて必要
な工事に優先投資した。また、工事コストの縮減や工事目的物の品質確保に向けた取組
を継続実施するとともに、更なるコスト縮減に向けた取組等を行い、約860億円の工事を
執行した。
(3)平成25年度のコスト縮減取組等
工事コストの縮減については、平成25年度工事完了を契機とし、公共団体等との負
担金の見直し協議を実施し、負担額を削減した。また、資材臨時価格調査に基づく資
材調達(※)といった取組を実施した。
◆ 取組内容
① 負担金の見直し ▲88 億円(22 地区)
② 資材臨時価格調査による材料等の単価設定 ▲3.5 億円 (1,700 品目)
※資材臨時価格調査に基づく資材調達:一定額以上の資材調達について、メーカー等と
建設業者間の実勢価格を調査し、積算単価に反映させコスト縮減を図るもの。
91
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
② 土地の供給・処分に関する取組
住宅系・施設系事業者等の需要動向や地区毎の宅地完成計画等を踏まえた地区別・用途
別の供給・処分計画に基づき、毎月の進捗状況を管理した。
また、平成 30 年度のニュータウン用地の供給・処分完了を見据え、郊外の残存物件が多
くなる中、業種・エリア毎の需要に漏れなく対応するため、平成 25 年度より、首都圏及び
西日本において従来の用途別(住宅用地、施設用地)営業体制から業種別(広域営業)及
びエリア別営業が連携して販売する体制への見直しを行った。
さらに、機構全体の宅地販売に係る営業機能を強化するため、ニュータウン部門に限ら
ず、他部門の土地等についてもワンストップで対応できる体制を構築し、企業の土地取得
ニーズに対する横断的な情報共有を図りつつ、土地の供給・処分に向け、民間事業者等と
の連携強化、供給方法の多様化等の取組を推進した。
(1)民間事業者等との連携強化
民間事業者等との連携強化による販売促進に向けて以下の取組を行った。
①
あっせん制度の活用及び民間事業者との連携強化
イ あっせん制度の活用等による不動産業者等の販売営業網の活用を図るとともに、
大
手都市銀行、ゼネコン、信託銀行、総合商社、不動産業者等の間接営業先からの情
報量の拡大を図るため、同制度を訴求しつつ、定期的な情報交換を行った。
<あっせん実績>
平成 25 年度:75 件、78ha (平成 24 年度:67 件、20ha)
ロ 主要地方銀行の取引先企業への販路を拡大するため、情報交換会の開催や支店窓口
への機構パンフレット設置などを実施し、幅広く情報提供を行うとともに、新たに
20 超の地方銀行との間で継続的な情報交換が可能な関係を構築した。
②
地方公共団体との連携強化
地方公共団体と連携して、企業誘致に向けた定期的な情報交換を実施した。
(コラム参照)
<定期的な情報交換を実施した地方公共団体(平成 25 年度実績)>
山形県、青森県、茨城県、栃木県、千葉県、大阪府、京都府、兵庫県、稲城市、
龍ケ崎市、橋本市、など 25 の府県・市
92
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
③
地域密着営業の強化
各都府県における民間住宅事業者への販路拡大のために、エリアマネージャー(委託
販売員)の活用等により、URパートナーズ制度(会員制の地域密着型民間住宅事業者
に対する販売用地の情報発信)の新規会員登録拡大と既存会員への訪問営業の強化を
図るとともに、地場不動産仲介業者を対象にUR事業用地の販売取扱店として組織化
を図る制度を新たに導入し、エリア需要の掘り起しを図った。
「UR 事業用地取扱店」制度による地元不動産仲介業者の組織化
UR 事業用地の取扱店として登録した不動産仲介
業者は、店頭にステッカーを掲示し地場工務店等
に UR の住宅用地を紹介
例)UR 不動産
(2)供給方法の多様化
供給方法の多様化による販売促進に向けて以下の取組を行った。
① 事業者ニーズに対応した商品の供給
イ
事業者ニーズの高い地区等において、事業者の早期取得ニーズを確実に取り込む
ため、宅地完成前の段階であっても販売条件の早期確定と新規情報開示に努め、事
業者ニーズに対応した営業活動や募集・契約を実施した。
<宅地完成前段階で事業者と契約した実績>
平成 25 年度:40 件、67ha(平成 24 年度:45 件、128ha)
ロ
現行用途では販売に至らない用地を対象に、需要を踏まえた都市計画変更による
用途規制見直し等(施設系→住宅系などの用途転換や、施設系単独→住宅も可とす
るなどの複合用途への拡大等)を図るため、地元公共団体との協議を継続的に行い、
早期の募集・契約に向けた営業活動を実施した。
<募集用途を転換・拡大して募集し事業者と契約した実績>
平成 25 年度:11 件、46ha
ハ
戸建住宅事業者の完成宅地ニーズや小中規模宅地ニーズに対応するため、当初現
況での販売を予定していた大街区を、機構が区画割工事を行うことにより完成宅地
化するなど売れ筋の形状・画地に変更した。
93
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
② 販売促進制度の拡充・活用
イ 進出条件提案方式募集制度を活用した営業活動の実施
主に一団での土地活用が困難な大規模な用地を対象に、立地検討事業者の要望を
踏まえつつ、機構が画地分割条件等を定めて販売を行う制度(進出条件提案方式募
集)を活用し、物流事業者等に対して、ニーズに対応した営業活動を実施した。
平成 25 年度実績:37 件、76ha(平成 24 年度:7 件、19ha)
ロ
承継制度の実施
ゼネコンが事業者に代わり機構の宅地に申込み、優先協議権を一定期間保有し、
協議が整い次第、ゼネコンから事業者に優先協議権を承継して機構が事業者と土地
譲渡契約を行う制度(
「承継制度」)を創設し、ゼネコンに対する営業活動を実施し
た。
H25.8.29 日刊建設通信新聞
<利用許諾済>
ハ
大街区分割引渡し制度の拡充・活用
住宅事業者の用地取得時の資金負担軽減を図るため、大街区戸建用地の引渡しを
段階的に行う制度について、完成戸建用地への適用拡大を図るとともに、同制度を
活用し大街区の販売を促進した。
平成 25 年度実績:2 件、7ha(平成 24 年度:1 件、5ha)
(3)民間住宅事業者向け説明会、施設事業者向け説明会を活用した情報発信
住宅及び施設事業者向けに機構の新規物件等の情報を発信するため、圏域全体の事
業者を対象とした全体セミナーの他、中小の事業者にもきめ細かな営業を展開するた
め、地域密着型や業種別の事業者向けセミナーを実施した。
94
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
首都圏における民間住
宅事業者向け説明会
【図表 1—3-6】開催した用地説明会
区分
内容
開催年月
参加者数
埼玉セミナー
茨城セミナー
千葉セミナー
58 名
H25.6
栃木セミナー
住宅事業者
向け説明会
54 名
26 名
東京・神奈川セミナー
H25.7
40 名
京都セミナー
H25.10
23 名
神奈川セミナー
兵庫セミナー
施設事業者
向け説明会
58 名
H25.11
39 名
19 名
ハウジングロケーションセミナー関西
H26.3
158 名
企業価値向上セミナー
H25.7
101 名
ビジネスロケーションフォーラム関西
H25.10
354 名
ロジスティックセミナー
H25.11
75 名
(4)事業中止地区等の素地処分の推進
事業中止地区等の素地の早期処分に向けた取組として、伊香立地区(滋賀県大津市)
の一部において、地元公共団体と開発条件等の協議を進めつつ営業活動を行い、具体
の引き合いを得て土地譲渡契約を締結した。また、荒川本郷地区(茨城県稲敷郡阿見
町)においては、一部を民間開発事業用地として事業者へ譲渡するとともに、地元公
共団体との調整を行った上で官公庁オークションを試行的に実施し、素地等用地の販
売ツールの拡大に取り組んだ。
(5)まちの魅力向上に向けた取組
ニュータウン用地の早期処分とまちの魅力向上を図るため、住民や専門家の意見を
聞きながら、「環境共生」、
「安心・安全」、「子育て支援」、「コミュニティ支援」「低炭
素」など、社会的なテーマに沿ったまちづくりを実施した。
(コラム参照)
95
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
3 ニュータウン用地の供給・処分実績
住宅用地については、住宅の市況が改善してきた一方、ニュータウン用地販売の過
半を占める施設用地については、市況悪化前の水準に回復しておらず、依然として厳
しい市場環境が継続する中、平成 25 年度の供給・処分面積は、年度計画面積(400ha)
・
前年度実績(391ha)ともに上回る 464ha の実績となった。(図表Ⅰ-3-7、Ⅰ-3-8)
【図表Ⅰ-3-7】供給・処分面積
内
平成 25 年度計
供給・処分
分譲による
賃貸による
中止地区等の
宅地供給面積
宅地供給面積
素地処分面積
319ha
62ha
83ha
464ha
面積
訳
【図表Ⅰ-3-8】計画と実績の比較
参考
単位:(ha)
464
500
391
83
400
300
228
2
288
56
140
65
1
245
施設
住宅
205
159
100
0
素地
71
213
200
158
263
400
68
93
103
113
136
124
H21
H22
H23
H24
H25
H25
計
計画
・住宅用地については、消費増税に伴う駆込み需要や消費増税後の住宅ローン減税拡充
等を背景に、民間住宅事業者の仕入れ意欲の向上が見られ、住宅用地全体として前年
度実績を上回った。
(平成 25 年度実績 136ha ← 平成 24 年度実績 113ha)
・施設用地についても、大規模な需要が見られる物流施設、太陽光発電施設等の動向を
捉えた営業活動の強化等により、前年度実績を上回った。
(平成 25 年度実績 245ha ← 平成 24 年度実績 213ha)
供給・処分計画を策定した 94 地区について見ると、全体では計画を 62ha 上回って
おり、それぞれ地区単位で分類(計画と実績がほぼ一致した地区、計画を上回った地区、
計画を下回った地区)すると下記の通りとなる。(図表Ⅰ-3-9)
96
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
【図表Ⅰ-3-9】 計画と実績の乖離の対比
350
300
H25計画
250
単位:(ha)
319
H25実績
計画対比 +137
200
計画対比 ±0
150
100
112
182
111
計画対比 ▲74
108
50
34
0
計画と実績がほぼ一致した地区
48地区
計画を上回った地区
21地区
計画を下回った地区
25地区
中期目標等における目標の達成状況
第二期中期目標期間中の工事完了に向け取組んだ結果、概ね工事を完了した。(平成 16
年7月機構設立時未整備面積約 15,250ha のうち、補償交渉の長期化や貴重種保護等のため
の工事期間制限等により、やむを得ず8地区約 760ha の区域で工事が未完了となったもの
の、約 95%の区域で工事を完了)
リーマンショック等による厳しい市場環境の中、事業者ニーズを捉えた販売促進制度の
整備拡充や営業活動を行ったが、ニュータウン用地の供給・処分は 2,600ha 以上の数値目
標に対し、実績は 1,634ha となった。
97
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
千葉ニュータウン法定事業の完了
千葉県北総地域に位置する「千葉ニュータウン」は、昭和 41 年の千葉県による
建設構想の発表後、昭和 44 年に新住宅市街地開発事業の事業認可を受け事業が
始まり、機構の前身である宅地開発公団が昭和 53 年に千葉ニュータウン事業に参
画してからは、千葉県と機構との共同事業として事業が進められてきたが、それか
ら約半世紀に及ぶ時を経て、平成 25 年度末に法定事業が完了した。
千葉ニュータウンは、東京都心や成田国際空港との近接性を活かしながら、
「住む」
「働く」
「学ぶ」「憩う」など、各種機能の複合した総合的な都市づくりを進めると
ともに、首都圏における住宅・宅地需要に適応した、良好で計画的な宅地の供給を
図り、国の政策である首都圏の業務核都市や千葉県の施策である北総地域の中核都
市を形成することを目的として、整備を行ってきた。
機構は、これまで新住宅市街地開発事業を千葉県と共同で施行するとともに、特
定公共施設の直接施行制度に基づく関連道路・公園・河川等の整備、住宅・都市整備公
団線としての鉄道の整備、約 13,000 戸に上る住宅の供給など多面的に事業に携わ
ってきた。
この間、社会・経済状況等の変化により、大幅な区域縮小等の事業見直しを行い
つつ事業を進めてきたが、民間企業の調査による「住みよさランキング」で印西市
は 2 年連続全国トップとなるなど、千葉ニュータウンは住みやすい街として世間に
も評価されており、現在ではニュータウン区域内の人口は約 93,000 人、戸数は約
35,000 戸に上り、まちの熟成が進んでいる。
【千葉ニュータウン中央】ビジネスモールのまちなみ
【印旛日本医大】戸建住宅街区のまちなみ
[所 在 地] : 千葉県船橋市、印西市、白井市(印西市、本埜村、印旛村は平成 22 年 3 月に合併)
[事業手法] : 新住宅市街地開発事業
計画面積 1,930ha 計画人口 143,300 人
計画戸数 45,600 戸
[事業期間] : 昭和 44 年(1969 年) 5 月 13 日 から 平成 26 年(2014 年) 3 月 31 日まで
(船橋都市計画区域(小室駅圏)は平成 17 年(2005 年)度末に完了)
[事 業 費] : 約 1 兆 1,903 億円
[施 行 者] : 千葉県(企業庁)及び 独立行政法人都市再生機構の共同施行
98
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
つくば市総合運動公園用地の土地譲渡契約締結
【筑波研究学園都市地区:茨城県つくば市】
筑波研究学園地区において、平成 26 年 3 月、
「(仮称)つくば市総合運動公園」用
地として、茨城県つくば市大穂の高エネルギー加速器研究機構南側の 45.6ha の用地
について、機構と同市土地開発公社との間で土地譲渡契約を締結した。
同市は、平成 26 年3月「
(仮称)つくば市総合運動公園基本構想」を発表し、この
中で平成 26 年度に基本計画・基本設計を行い、平成 28 年度に整備着手し、陸上競技
場・ラグビー兼サッカー場・総合体育館等は平成 30 年度までに整備し、平成 36 年度
までに全施設整備完了の予定としている。
【
(仮称)つくば市総合運動公園基本構想(概要)
】
誰もが楽しめ、スポーツに関わる様々な人の連携や交流の拠点となる一体的
な総合運動公園の整備が必要で、平成 25 年 9 月には、市民から総合運動公園
の早期整備に関する要望書が提出されるなど、スポーツ活動の拠点となる施設
の整備が望まれている。
加えて、2019 年の茨城国体・全国障害者スポーツ大会、ラグビーワールド
カップ、2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催を控え、国内外の
多種多様な人々との交流を創出できるまたとない機会となり、つくば市の将来
を見据えたまちづくりとして、総合運動公園の整備が必要である。
総合運動公園用地
イメージ図
(仮称)つくば市総合運動公園基本構想
(平成 26 年 3 月)より
99
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
里山を活用した『森の保育園』の提案
~土地利用が困難な宅地の販売工夫~
【北神戸第一地区(神戸リサーチパーク鹿の子台):兵庫県神戸市】
当地区は、通常の土地利用が困難な斜面緑地などを抱える宅地があり、販売が進
まない要因の一つとなっていたが、従来の宅地を売る感覚から“緑地(里山)を売
る感覚”に頭を切り替え、緑地を里山として活用する提案を行い、譲渡契約を行っ
た。
具体的には、保育園児の自然教育の場として里山を利用した『森の保育園』を提
案。園児の親族や地域の里山好きの人たち(リタイヤ世代と保護者世代)は里山サ
ポーターとして、平日は里山を見守ったり、園児に自然遊びを伝えたりして里山保
育を行い、その他の時間は、各サポーターが分担して里山の手入れや果樹園・竹林
の育成等を行うというもの。里山保育というユニークな特徴と地域との接点により、
「子育て支援」や「地域コミュニティ支援」が図られ、今後、まちの魅力が一層向
上していくものと考えている。
シンボルツリーのある園庭イメージ
森の保育園サポート概要
ウッドデッキ広場イメージ
斜面遊び森イメージ
森の保育園イメージプラン
100
Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
メガソーラー(太陽光発電)事業の誘致
メガソーラー事業については、政府による積極的な促進取組等が行われているこ
とも踏まえ、機構においても、平成 24 年度からメガソーラー事業の誘致に向けた
事業者の募集を実施し、これまでに 5 件の契約を締結している。
平成 25 年度には、橋本隅田地区(紀北橋本エコヒルズ紀ノ光台:和歌山県橋本
市)や潤井戸地区(うるいど南:千葉県市原市)、南山地区(ひょうご東条ニュー
タウンインターパーク:兵庫県加東市)において、計 3 件のメガソーラー事業者と
契約を締結した。
特に、潤井戸地区では、平成 24 年度の 18ha に及ぶ敷地での大規模なメガソ
ーラー事業の誘致にかかる千葉ファインケミカル(株)との契約締結に続き、平成
26 年 3 月に上記 18ha に隣接する 20ha においてもメガソーラー事業者の募集
を行った結果、(株)クリーンエネルギー研究所との契約締結に至っている。
先行する 18ha の敷地でのメガソーラー施設は平成 26 年 6 月に稼働予定とさ
れており、後続する 20ha の敷地でのメガソーラー施設は平成 26 年 3 月の土地
引渡し後 5 年以内に施設等を完成させる予定となっていることから、今後隣接して
立て続けに大規模なメガソーラー施設が竣工となる見込みである。
また、平成 24 年度にメガソーラー事業者の募集を実施し、株式会社 NTT ファ
シリティーズと契約締結した西宮名塩地区(兵庫県西宮市)では、順調に建設工事
が進み、計画面積 3.4 万㎡、太陽電池容量約 2.0MW、想定年間発電量 2,056MWh
(一般家庭消費電力約 570 世帯分)のメガソーラー施設が、全国のニュータウン
における機構所有地初めてのメガソーラー施設として平成 26 年 1 月に竣工して稼
働している。
○メガソーラー施設(西宮名塩)
提供:株式会社 NTT ファシリティーズ
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Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
事業者誘致活動による大規模素地処分の実現
【伊香立地区:滋賀県大津市】
伊香立地区において事業中止した土地(素地)約148haの内、約72haについて土
地譲渡契約(H26.3)を行った。事業中止した土地は大津市により土地利用方針(大津
市北部地域新産業拠点形成計画)が定められ、
『ふれあい、交流、福祉各ゾーン』で構成
される開発エリアと『里山自然遊園ゾーン』の保全エリアに分かれており、今回契約し
た土地は、開発エリアに当たる。
事業者の誘致に当たっては、前記土地利用方針に基づいて市と開発条件等について協
議を進めつつ営業活動を行い、同方針に沿った計画を実現していただける事業者を決定
し、土地譲渡契約を行った。今後、事業者による事業化が進み、自然環境を活用した観
光や環境に関連する産業など地域にふさわしい「新産業」の開発・育成が期待される。
保全エリア
開発エリア
(今回譲渡地)
土地譲受事業者募集要項(土地利用方針図)
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Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
コ ラ ム
「地元県市と連携した企業誘致の取り組み」
【蔵王みはらしの丘:山形県山形市、上山市】
蔵王みはらしの丘では、山形県、山形市、上山市の協力のもと、商業及び業務系
企業の誘致を進めている。
山形市においては、山形県と山形市が、固定資産取得費や通信回線使用料の補助、
雇用創出奨励金などの優遇措置を適用し、機構と一体となって誘致を進めた結果、
「株式会社KDDIエボルバ」によるコールセンターの進出が決定した。同社の進
出により最大1000人規模の新規雇用が見込まれている。
上山市においては、アメリカ系量販店大手で全世界に約600店を持つ会員制倉
庫型店「コストコホールセールジャパン株式会社」を誘致した。広域から多数の顧
客を集める大規模集客施設を誘致し、蔵王みはらしの丘の活性化や賑わいの創出に
寄与するため、上山市において、都市計画の用途地域を準工業地域から近隣商業地
域に変更する手続きが迅速になされた。コストコの東北地方への進出はこれが初め
てで、早ければ平成26年冬に蔵王みはらしの丘に待望の大型商業施設が開業する予
定である。
KDDIエボルバ
建設が進むKDDIエボルバ社屋
ウッドデッキ広場イメージ
コストコ
土地利用計画と誘致対象区画
地区内から望む蔵王
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Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
Ⅰ-3-(2)
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
(2)特定公園施設の管理
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
(2)特定公園施設の管理
3
新規に事業着手しな
いこととされた業務
(2)特定公園施設の管理
施設利用の促進や安全衛生
公園利用者への適切なサー
公園利用者への適切なサー
管理の徹底を図りつつ、公園管
ビス提供や安全衛生管理の徹
ビス提供や安全衛生管理の徹
理者との調整等により第三期
底を図りつつ、公園管理者との
底を図りつつ、第二期中期目標
中期目標期間中の業務完了に
調整等により第三期中期目標
期間中に完了した 10 公園に引
向けた取組を行い、業務完了の
期間中の業務完了に向けた取
き続き、残る6公園について、
前倒しに努めること。
組を行い、業務完了の前倒しに
公園管理者、営業者との調整及
努める。
び手続等を進める。
中期目標期間中においては、
概ね6箇所の国営公園におけ
る特定公園施設業務を完了す
る。
年度計画の目標設定
公園利用者への適切なサービス提供や安全衛生管理の徹底を図りつつ、完了した10箇所
の国営公園に引き続き、残る6公園について第三期中期目標期間中の業務完了に向け、公
園管理者、営業者との調整及び手続等を進める。
平成25年度業務実績
 特定公園施設の管理
公園利用者への適切なサービス提供や安全衛生管理の徹底を図りつつ、第二期中期目標
期間中に完了した 10 公園に引き続き、残る6公園について、公園管理者、営業者との調
整及び手続等を進めた。
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Ⅰ-3 新規に事業着手しないこととされた業務
中期目標等における目標の達成状況
平成 24 年度までに既に中期計画で定めた箇所数(概ね6箇所)を上回る 10 箇所の国営
公園における特定公園施設業務を完了しているが、平成 25 年度は、施設利用の促進や安
全衛生管理の徹底を図りつつ、公園管理者との調整等により第三期中期目標期間中の業務
完了に向けた取組を行い、業務完了の前倒しに努めた。
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