Bridge Report イーピーエス(4282) - ブリッジサロン

ブリッジレポート(4282) 2012 年 12 月 10 日
Bridge Report
http://www.bridge-salon.jp/
イーピーエス(4282)
会社名
イーピーエス 株式会社
証券コード
4282
市場
東証 1 部
業種
サービス業
会長
厳 浩
社長
田代 伸郎
所在地
東京都文京区後楽 2-3-19
事業内容
CRO 関連事業を中心に、SMO 関連事業、CSO関連事業及びIT関連事業を展
開
決算月
9月
HP
http://www.eps.co.jp/
厳 浩 会長
田代 伸郎 社長
- 株式情報 -
株価
発行済株式数(自己株式を控除)
228,800 円
DPS(予)
178,826 株
配当利回り(予)
3,600.00 円
EPS(予)
1.6%
時価総額
40,915 百万円
PER(予)
15,984.11 円
ROE(実)
売買単位
14.9%
BPS(実)
14.3 倍
1株
PBR(実)
87,280.51 円
2.6 倍
*株価は 12/7 終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
- 連結業績推移 -
決算期
(単位:百万円、円)
売上高
営業利益
経常利益
当期純利益
EPS
配当
2009 年 9 月(実)
23,568
4,008
4,050
1,713
19,162.75
6,000.00
2010 年 9 月(実)
29,451
4,415
4,443
2,191
12,255.44
5,100.00
2011 年 9 月(実)
32,040
4,803
4,790
2,170
12,137.09
3,500.00
2012 年 9 月(実)
35,202
5,174
5,091
2,207
12,343.40
3,500.00
2013 年 9 月(予)
40,717
5,492
5,506
2,858
15,984.11
3,600.00
*予想は会社予想。10 年 4 月、1 株を 2 株に分割。
イーピーエスの 2012 年 9 月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
―目次―
1.会社概要
2.2012 年 9 月期決算
3.2013 年 9 月期業績予想
4.今後の注目点
1
ブリッジレポート(4282) 2012 年 12 月 10 日
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今回のポイント
・12/9 期は前期比 9.9%の増収、同 6.3%の経常増益。受注残の消化が進み、CRO、SMO、CSO の主力 3 事業で売上が増加。人
員増強で販管費が増加したが、増収効果で吸収して営業利益は 51 億 74 百万円と同 7.7%増加し、過去最高を更新した。
・13/9 期は前期比15.7%の増収、同8.2%の経常増益予想。国内事業が堅調に推移する中、中国事業を中心に海外事業が大きく伸
びる。先行投資負担から海外事業の利益貢献は来期以降になるものの、収益基盤である国内をけん引役に同 6.1%の営業増益。
配当は 1 株当たり 100 円増配の年 3,600 円を予定(上期末 1,600 円、期末 2,000 円)。
・収益源である国内事業の強化と並行して、ビジネスモデルの転換を念頭に GRC(グローバル事業)、CBC(中国事業)といった新
事業の育成に取り組んでいく考え。CBC は厳会長が、国内事業は田代社長が、GRC は Dan Weng 執行役員が、それぞれ統括し、
EPS の経営戦略本部及び管理本部が全体を俯瞰しグループ戦略を立案。13/9 期は更なる成長に向けた基盤固めの期となる。
1.会社概要
「価値あるソリューションの創出を通じて、健康産業の発展に貢献します」を企業理念に掲げ、臨床試験に関連して製薬会社を支援す
る CRO(Contract Research Organization) 、医療機関を支援する SMO(Site Management Organization)、MR 派遣等、医薬品や医療機
器等の開発に関わる業務を様々な角度からサポートし、グループ全体でフルサービス体制を構築している。
事業領域(13/9 期以降)は、CRO(臨床関連の IT を含む)、SMO(いずれも国内)、MR 派遣や DI(医薬品情報)の専門コールセンター
サービスを手掛ける CSO 事業、グローバル治験に対応した海外 CRO や海外 SMO の Global Research Company(GRC)、及び BPO・
ジェネリック研究開発・創薬の China Business Company(CBC、中国事業)に分かれ、国内 CRO で 1 位、国内 SMO で 3 位のポジションに
ある。
EPS グループの事業領域
事業領域
社名または EPS 本部・センター名
略号
イーピーエス(株)
EPS
(株)イーピーメイト
EP-Mate
エルエスジー(株)
LSG
イートライアル(株)
e-Trial
(株)イーピーミント
EP-Mint
(株)ファーマネットワーク
PNW
(株)メディカルライン
ML
イーピーエスグローバルリサーチセンター
EPS GR
EPS Global Research,Inc.
GRI(USA)
益新国際医薬科技有限公司
益新国際(上海)
CBC
益新(中国)有限公司
益新(中国)
(China Business Company)
イーピーエス中国事業本部
EPS CB
CRO
SMO
CSO
GRC
(Global Research Company)
売上高・営業利益の推移(百万円)
50,000
6,000
5,000
40,000
4,000
30,000
3,000
20,000
2,000
10,000
売上高
営業利益
1,000
0
0
99/9
00/9
01/9
02/9
03/9
04/9
05/9
06/9
07/9
08/9
09/9
10/9
11/9
12/9 13/9 予
2
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2.2012 年 9 月期決算
(1)連結業績
(単位:百万円)
11/9 期
構成比
12/9 期
構成比
前期比
期初予想
予想比
売上高
32,040
100.0%
35,202
100.0%
+9.9%
35,070
+0.4%
売上総利益
10,297
32.1%
11,651
33.1%
+13.2%
-
-
販管費
5,493
17.1%
6,476
18.4%
+17.9%
-
-
営業利益
4,803
15.0%
5,174
14.7%
+7.7%
4,824
+7.3%
経常利益
4,790
15.0%
5,091
14.5%
+6.3%
4,795
+6.2%
当期純利益
2,170
6.8%
2,207
6.3%
+1.7%
2,255
-2.1%
※数値には(株)インベストメントブリッジが参考値として算出した数値が含まれており、実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
売上高、営業利益、経常利益が過去最高を更新
売上高は前期比 9.9%増の 352 億 02 百万円。受注残の消化が進み、CRO、SMO、CSOP の主力 3 事業で売上が増加した。利益面で
は、人的リソースの不足が顕著な EPS 個別を中心にした人員増強で販管費が増加したが、増収効果で吸収して営業利益は 51 億 74
百万円と同 7.7%増加、過去最高を更新した。
個別業績
(単位:百万円)
11/9 期
売上高
構成比
12/9 期
構成比
前期比
期初予想
予想比
18,301
100.0%
20,752
100.0%
+13.4%
20,210
+2.7%
売上総利益
6,186
33.8%
7,117
34.3%
+15.1%
-
-
販管費
2,514
13.7%
3,457
16.7%
+37.5%
-
-
営業利益
3,672
20.1%
3,660
17.6%
-0.3%
3,710
-1.3%
経常利益
3,803
20.8%
3,751
18.1%
-1.4%
3,845
-2.4%
当期純利益
1,938
10.6%
2,244
10.8%
+15.8%
2,321
-3.3%
データマネジメント業務、モニタリング業務を中心に受注残の消化が進み、売上高が 207 億 52 百万円と前期比 13.4%増加したが、人
員増強に伴う販管費の増加が負担となり、営業利益は 36 億 60 百万円とほぼ前期並みにとどまった。
尚、モニタリング業務は抗がん剤及び中枢神経治療薬試験を中心に既存プロジェクトの遂行と新規プロジェクトの獲得が順調に推移。
データマネジメント業務も、統計解析業務、メディカルライティング業務、安全性情報業務、登録・進捗管理業務といった各業務におい
て、既存プロジェクトの遂行と新規プロジェクトの獲得が進んだ。
(2)セグメント別動向
セグメント別売上高・利益
(単位:百万円)
売上高
前期比
利益
前期比
モニタリング業務
11,312
+13.2%
-
-
データマネジメント業務
8,700
+7.8%
-
-
その他業務
3,049
+3.2%
-
-
CRO 事業
23,062
+9.7%
3,765
+0.8%
SMO 事業
5,962
+28.8%
785
+22.8%
CSO 事業
5,844
+7.8%
599
+48.4%
333
-65.5%
3
-80.9%
-
-
21
-
35,202
+9.9%
5,174
+7.7%
IT 関連事業
調整額
合計
3
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CRO 事業
データマネジメント業務、モニタリング業務共に受注残の消化が順調に進み、売上高が 230 億 62 百万円と前期比 9.7%増加した。た
だ、不足している人的リソースの拡充に取り組んだ事で人件費を中心に販管費が増加したため、セグメント利益は 37 億 65 百万円と
同 0.8%の増加にとどまった。
受注高は同 19.5%減の 225 億 28 百万円。データマネジメント業務が回復基調にあるものの、リソース不足から目先の案件を辞退せ
ざるを得ないケースが生じたモニタリング業務の落ち込みが響いた。受注残高は消化が順調に進み、312 億 85 百万円と前期末比
1.7%減少した。
SMO 事業
売上高は前期比 28.8%増の 59 億 62 百万円、セグメント利益は同 22.8%増の 7 億 85 百万円。プロジェクト管理体制の整備が進んだ
事もあり、受注残の消化が順調に進捗。収益性も向上し、M&A や人員増強等の先行投資負担を吸収して利益も高い伸びを示した。
受注高は同 16.1%増の 71 億 16 百万円、受注残高は前期期末比 22.9%増の 77 億 41 百万円。提携先医療施設のデータベースを活
かした提案営業の成果で受注が伸び、受注残も大幅に増加した。
CSO 事業
売上高は前期比 7.8%増の 58 億 44 百万円、セグメント利益は同 48.4%増の 5 億 99 百万円。受注残の消化が進む中、コントラクト
MR(製薬会社ではなく CSO に所属する MR)市場の環境変化を考慮した採用計画の見直し(採用コストの減少)効果等で大幅な増益
となった。
受注高は同 11.3%減の 54 億 12 百万円、受注残高は前期末比 10.2%減の 37 億 99 百万円。市場環境の変化による新規案件の減少
や進行中であった案件契約の更新打切り等が響いた。
セグメント別受注高・受注残高
(単位:百万円)
受注高
前期比
受注残高
前期末比
モニタリング業務
11,272
-34.1%
17,079
-0.2%
データマネジメント業務
8,213
+9.4%
13,136
-3.6%
その他業務
3,042
-9.8%
1,069
-0.7%
CRO 事業
22,528
-19.5%
31,285
-1.7%
SMO 事業
7,116
+16.1%
7,741
+22.9%
CSO 事業
5,412
-11.3%
3,799
-10.2%
455
-47.7%
278
+78.6%
35,513
-13.6%
43,104
+1.4%
IT 関連事業
合計
受注高は同 13.6%減の 355 億 13 百万円。提携先医療施設のデータベースを活かした提案営業の成果で SMO 事業の受注が伸びた
ものの、モニタリング業務においてリソース不足で受注辞退が発生した。CRO 事業や市場環境の変化で新規案件が減少した CSO 事
業の落ち込みが響いた。期末受注残高は前期末比 1.4%増の 431 億 04 百万円。
(3)事業領域別動向
事業領域別売上高
(単位:百万円)
売上高
前期比
期初予想
利益
前期比
国内 CRO
24,376
+12.2%
23,715
3,810
-3.8%
国内 SMO
5,905
+28.9%
5,490
788
+22.6%
GRC(海外 CRO+SMO)※1
1,202
+45.7%
1,058
78
-
CSO
5,881
+8.2%
6,118
677
+39.9%
696
+39.2%
810
3
-62.5%
IT
中国事業※2
416
+203.6%
430
-405
-
調整額
-3,274
-
-2,551
223
-
合計
35,202
+9.9%
35,070
5,174
+7.7%
※1:グローバルリサーチ(GRC)事業は EPS(グローバルリサーチセンター)を含む(グループ会社との取引分は消去)
※2:中国事業は EPS(中国事業本部)を含む(グループ会社との取引分は消去)
4
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国内 CRO 事業は人的リソースの拡充に向けた先行投資等で利益が減少したものの、利益率は同社が妥当な水準と考えている 15%
以上を維持。グローバルリサーチ事業は受注残案件が本格的に稼働。売上の増加と海外拠点を含めた管理強化で損益も改善した。
中国事業は計画通り先行投資を実施した事で損失となったが想定内。各事業実施のための合弁会社を設立しプラットフォームの整
備を進めた。国内 SMO 事業及び CSO 事業はセグメント別動向で説明した通り。
(4)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
財政状態
(単位:百万円)
11 年 9 月
12 年 9 月
11 年 9 月
現預金
8,639
10,576
売上債権
6,968
7,320
たな卸資産
流動資産
有形固定資産
無形固定資産
847
921
17,877
20,543
1,432
1,881
12 年 9 月
仕入債務
286
252
短期有利子負債
115
115
1,331
1,455
900
800
6,975
8,211
未払法人税等
長期有利子負債
負債
861
814
純資産
16,424
18,436
投資その他
3,228
3,408
負債・純資産合計
23,399
26,647
固定資産
5,522
6,104
有利子負債合計
1,015
915
キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
11/9 期
12/9 期
前年同期比
営業キャッシュ・フロー(A)
1,514
4,038
+2,523
+166.6%
投資キャッシュ・フロー(B)
-1,342
-945
+396
-
フリー・キャッシュ・フロー(A+B)
172
3,092
+2,919
+1,693.7%
財務キャッシュ・フロー
700
-1,101
-1,801
-
8,627
10,663
+2,036
+23.6%
現金及び現金同等物期末残高
期末総資産は前期末比 32 億 47 百万円増の 266 億 47 百万円。CF の改善による現預金の増加が総資産増加の主な要因。CF につ
いては、利益の増加と売上債権の回収が進んだ事等で営業CFの黒字が大幅に増加。設備投資資金の支払やM&A関連の支出が減
少し、投資 CF のマイナス幅も縮小。前期は 1 億 72 百万円だったフリーCF の黒字が 30 億 92 百万円に増加した。実質無借金経営で、
自己資本比率は 58.6%。グローバル展開の本格化に向け、資金は潤沢である。
3.2013 年 9 月期業績予想
(1)連結業績
(単位:百万円)
12/9 期 実績
売上高
構成比
13/9 期 予想
構成比
前期比
35,202
100.0%
40,717
100.0%
+15.7%
営業利益
5,174
14.7%
5,492
13.5%
+6.1%
経常利益
5,091
14.5%
5,506
13.5%
+8.2%
当期純利益
2,207
6.3%
2,858
7.0%
+29.5%
前期比 15.7%の増収、同 8.2%の経常増益
売上高は前期比 15.7%増の 407 億 17 百万円。CRO、SMO、CSO の国内事業が堅調に推移する中、新たな成長エンジンである CBC
(China Business Company:中国事業)や海外事業(GRC:Global Research Company:グローバル事業)が大きく伸びる。
営業利益は同6.1%増の 54 億92 百万円。海外事業は売上が大きく伸びるものの、先行投資が続くため利益貢献は来期以降となる見
込み。国内事業は EPS を中心に人員増強に伴う人件費の増加が予想されるがものの、増収効果で吸収する。
配当は 1 株当たり 100 円増配の年 3,600 円を予定(上期末 1,600 円、期末 2,000 円)。
5
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個別業績
(単位:百万円)
12/9 期 実績
売上高
構成比
13/9 期 予想
構成比
前期比
20,752
100.0%
23,170
100.0%
+11.7%
営業利益
3,660
17.6%
3,800
16.4%
+3.8%
経常利益
3,751
18.1%
3,931
17.0%
+4.8%
当期純利益
2,244
10.8%
2,431
10.5%
+8.3%
モニタリング業務及びデータマネジメント業務の順調な進捗が見込まれ、売上高は 231 億 70 百万円と前年同期比 11.7%増加する見
込み。引き続き人材投資が続くものの、増収効果で吸収して営業利益は 38 億円と同 3.8%の増加が見込まれる。
事業領域別売上高
(単位:百万円)
売上高
12/9 期 実績
国内事業
海外事業
13/9 期 予想
利益
前期比
12/9 期 実績
13/9 期 予想
前期比
CRO
25,047
27,439
+9.6%
3,828
3,996
+4.4%
SMO
5,905
6,700
+13.5%
788
938
+19.0%
CSO
5,881
6,001
+2.0%
677
514
-24.1%
CRC※1
1,202
1,532
+27.5%
78
48
-38.5%
416
2,303
+453.6%
-405
-107
-
調整額
CBC※2
-3,249
-3,258
-
208
103
-
合計
35,202
40,717
+15.7%
5,174
5,492
+6.1%
※1:EPS(グローバルリサーチセンター)を含む(グループ会社との取引分は消去)。※2:EPS(中国事業本部)を含む(グループ会社との取引分は消去)
国内事業では、CRO 事業及び SMO 事業は順調な受注と受注残の消化が見込まれるが、CSO 事業は CMR 市場の成長鈍化で小幅
な増収にとどまる見込み。一方、海外事業では、海外 CRO との提携等で GRC(グローバルリサーチ事業)の売上が大幅に増加する
他、CBC(中国事業)も今期設立予定の医療機器開発・販売を手掛ける子会社の寄与で売上が前期比 5.5 倍に拡大する見込み。
尚、臨床関連の IT に特化していた IT 事業(事業主体は e-Trial)は、当期より CRO 事業にセグメントされた。
(2)13/9 期の取り組み(3 カ年計画の最終年度に向けて)
国内 CRO、国内 SMO の強化を進めつつ、ビジネスモデルの転換を念頭に GRC(グローバル事業)、CBC(中国事業)といった新事業
の育成に取り組む。CBCは厳会長、国内事業(CRO、SMO、CSO)は田代社長、GRCはDan Weng執行役員が、それぞれ統括し、EPS
の経営戦略本部(関谷常務)及び管理本部(折橋常務)が上記 3 事業を俯瞰してグループ戦略を立案する。
(同社資料より)
6
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3 カ年計画のテーマと経過
テーマ
国内 CRO+SMO で、“No1”を目指す
経過
・CRO 業界 No.1:組織再編等で供給体制見直し・強化が進展。グループ再編
(EP-Mate が SCG をが吸収)も一巡
・SMO 業界 No3:M&A(EP-Mint がエスメディサを吸収合併)も駆使して順調に伸長
アジア CRO+SMO で、リーディングカンパニーを目指す
GRC による既存の海外拠点の管理強化が進展。海外 CRO との提携/M&A による
成長戦略模索
国内 CSO で、リーディングカンパニーを目指す
CSO 業界 No2:市場の成長鈍化を受け、経営課題を明確化し課題解決に注力(差
別化、ポジショニング、Group シナジー)
IT など新たなサービスを創出する
IT 関連の戦略機能(ITB 室)設置とリソース集約を実施
ITB(戦略機能) ⇒ e-Trial(IT リソース集約)
中国の事業基盤を確立する
本部機能の強化(組織再編)、事業実施主体となるプラットフォーム整備
本部機能
CB(+益新)
プラットフォーム(JV)
⇒
BPO(+益新) ⇒
益新四薬、GEP ・・・
EPI
数値目標については、3 ヵ年計画最終年の 13/9 期に売上高 450 億円、経常利益 60 億円を目指していたが、12/9 期決算と共に示さ
れた 13/9 期の予想は売上高 407 億円、経常利益 55 億円。国内 CRO、国内 SMO はほぼ計画通りの進捗だが、CSO や GRC(グロー
バル事業)及び CBC(中国事業)が下振れ要因となる。
このうち、業界 NO.2 のポジションにある CSO は、医師への接待にかかる自主規制に端を発した MR の需要減少で市場の成長が鈍
化している。このため、差別化、ポジショニング、Group シナジー等、経営課題を明確化して、てこ入れを図っていく考え。一方、GRC
及び CBC は収益計上で若干の遅れが生じているものの、基盤整備はいずれも順調。GRC は、中国・香港、韓国、シンガポール、台
湾と拠点の整備が進んでおり、今後、米国及び欧州で提携や M&A を視野に拠点整備を進めていく。また、管理体制の強化も進んで
おり、未だ事業規模は小さいものの、12/9 期は売上が大きく伸び、黒字転換。更なる事業規模の拡大が必須のため、13/9 期は先行
投資負担で利益が減少する見込みだが、黒字基調は維持される。また、CBC は本部機能の強化(組織再編)及び事業実施主体とな
るプラットフォームの整備が進んでおり、12/9 期には 4 億 16 百万円だった売上高が、13/9 期は益通(蘇州)医療技術有限公司(50%
出資)の寄与で 23 億 03 百万円に拡大する見込み(後述)。
CBC のコンセプトと進捗状況
CBC のコンセプトは、「日中間のヘルスケア分野における専門商社」。具体的には、日本の臨床関係企業の中国ビジネス支援やオフ
ショアニーズに応えると共に、日本製品や日本の臨床関係のビジネスモデル・ノウハウを導入したい中国企業や日本企業向け BPO
サービスの展開を指向する中国企業を支援する。コンサルテーションからスタートし、プロジェクト(商品)ベースでの業務受託、マイ
ナー出資、更にはメジャー出資(事業主導)と、状況に応じて展開を進めていく。
(同社資料より)
12/9 期までに、EPS 本体の中国事業本部と、中国の事業持株会社で、BPO 事業、ヘルスケア事業、及び医薬品事業を 3 本柱とする
益新を中核として事業を進めていく体制の整備が進展。並行して事業実施主体となるプラットフォームの整備も進み、BPO 事業を手
掛ける EPI(60%出資)、ジェネリック薬の研究開発を手掛ける益新四薬(45%出資)、創薬の GEP(50%出資)、及び中国全土の医療
施設に医療機器販売をしている益通(蘇州)医療技術有限公司(50%出資)の 4 社を設立もしくは資本参加した。この他に、清華大学
健康科学基金への資金拠出や益普思培训学校の運営による研修事業等、周辺事業として人材育成にも取り組んでいる。
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ブリッジレポート(4282) 2012 年 12 月 10 日
http://www.bridge-salon.jp/
(3)将来展望
現行の 3 ヵ年計画が 13/9 期で終了する事に伴い、同社は 14/9 期から新たな中期経営計画をスタートさせる考えだが、来期からの中
期経営計画は期間 5 年を想定しており、計画の策定方針を次のように説明している。
次期 5 ヶ年計画(14/9 期 4~18/9 期)の作成方針
・CRO+SMO で確固たる“No1”へ
・CSO でリーディングカンパニーへ
・日本発グローバル CRO へ
・中国事業を新たな成長エンジンへ
・グループ経営体制の確立
尚、数値目標に対する説明はなかったが、最終となる 18/9 期の売上高として、1,000 億円程度を視野に入れている模様。
4.今後の注目点
安定性と緩やかではあるが成長性を有する CRO、SMO を収益源に、新規事業を育成する戦略が順調に進んでいる。13/9 期は GRC、
CBC の両事業の売上高が連結売上高の 9.4%を占めるに至り、GRC は先行投資負担を吸収しての利益計上が見込まれている。
CBC は 1 億円強の損失が見込まれているが、これは EPS 本体の中国事業本部の経費であり、現地企業ベースでは損益が均衡する
ようだ。14/9 期からはじまる 5 ヵ年計画では、これまでの施策を更に進める考えで、GRC、CBC の育成によりビジネスモデルの転換
が進めば、潜在成長力が改めて高まろう。「企業の寿命○○年」と言った言葉をよく耳にするし、実際その様なケースが多いのだが、
同社においては画期的な試みが成果を上げようとしている。
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