和田興産 (8931・JASDAQ スタンダード) 2014 年 12 月 12 日 低調な戸建販売を好調なマンション販売でカバー 上期決算は期初予想を上振れも通期会社業績予想は据置き アップデートレポート 15/2 期 2Q 累計(3-8 月)決算は、売上高 143 億円(前年同期比 82.0% 増)、営業利益 11.9 億円(同 12.0 倍) 。上期としてはマンションの引 ㈱ティー・アイ・ダヴリュ 堀部 吉胤 渡戸数が 380 戸(年 184 戸増)と多く、大幅増収増益となった。期初 計画に対しても、売上高で 3.9 億円、営業利益で 2.9 億円、それぞれ 上回った。戸建販売は 17 戸(同 7 戸減)と消費増税の影響が想定以上 主要指標 2014/12/11 現在 に厳しく、計画の約半分にとどまったが、分譲マンション計画地の素 株 価 年初来高値 年初来安値 704 円 759 円 (2014/01/20) 587 円 (2014/04/15) 発行済株式数 10,000,000 株 売 買 単 位 100 株 地売却が約 4 億円あったことや、マンションの粗利益率が 18.1%と販 売好調により想定の約 17%を上回ったことによる。 通期会社業績予想は据置き。戸建販売は期初計画 115 戸に対して 70 戸弱にとどまりそうだが、マンションの粗利益率が想定より強含みな ことや上期の素地売却などでカバーし、会社利益計画をクリアしよう。 過去最大となる三宮の大型物件は 11 月末で早期完売 2Q 累計のマンション用地の仕入れは、取得競争激化の中でも 230 戸 時 価 総 額 7,040 百万円 予 想 配 当 22.0 円 引渡予定の用地のストックは約 1,500 戸。17/2 期 3Q(9-11 月)引渡分 114.00 円 までのラインアップは揃っている。当社にとって過去最大の物件とな ( 会 予 想 社 ) E P S ( ア ナ リ ス ト ) 実 績 P B R 0.44 倍 の大型用地を含め 680 戸と通期計画 840 戸に対し好調。16/2 期以降の る「ワコーレシティ神戸三宮」 (総戸数 471 戸、2015 年 10 月下旬竣工 予定)は 5 月に販売を開始し、想定より大幅に早く 11 月末で完売。当 物件の過半は 16/2 期に、残りは 17/2 期に引渡になる見込み。当初の 直前のレポート発行日 想定粗利益率は 18.8%だったが、22%程度と高採算になるもよう。こ ベーシック 2014/07/03 アップデート - 業 績 動 のため 16/2 期はマンション引渡戸数を 15/2 期よりも抑えながら 15/2 期並みの業績を確保できよう。 売上高 百万円 向 前期比 % 2014/2 2Q(3-8 月) 実 績 7,910 13.6 2015/2 2Q(3-8 月) 実 績 14,393 2014/2 通 実 績 32,480 期 新 ・会 社予 想 (2014 年 10 月発表) 旧 ・会 社予 想 2015/2 通 2016/2 通 期 期 営業利益 百万円 99 前期比 % 経常利益 百万円 前期比 % 当期純利益 百万円 前期比 % EPS 円 -53.3 -449 赤拡 -353 赤拡 -35.33 82.0 1,195 12.0 倍 861 黒転 511 27.9 2,872 8.4 1,981 0.8 1,066 40.0 106.63 黒転 51.17 期初予想から変更なし (2014 年 4 月発表) 32,000 -1.5 2,600 -9.5 1,900 -4.1 1,100 3.2 110.00 新・アナリスト予想 30,660 -5.6 2,680 -6.7 2,000 1.0 1,140 6.9 114.00 旧・アナリスト予想 (2014 年 7 月発表) 32,400 -0.2 2,700 -6.0 2,000 1.0 1,150 7.9 115.00 新・アナリスト予想 30,420 -0.8 2,750 2.6 2,050 2.5 1,170 2.6 117.00 旧・アナリスト予想 33,200 2.5 2,900 7.4 2,200 10.0 1,250 8.7 125.00 (2014 年 7 月発表) アナリストレポート・プラットフォーム 1 業 績 経営環境(近畿圏のマンション市況)解説 2014 年 1-10 月の近畿圏のマンション供給戸数は、15,216 戸(前年同期比 近畿圏の 2014 年 のマンション供給 は、2 万戸程度に とどまろう 25.8%減) 。10 月は 1,427 戸(前年同月比 1.6%増)と 11 カ月ぶりに前年同 月を上回ったが、2013 年 9 月に 3,671 戸(同 85.3%増)と消費増税前の駆 け込み供給が行われた反動で翌 10 月の水準が低かったことによるもので、 10 月としては低水準(経過措置で 2013 年 9 月までに契約すれば、引渡が 4 月以降でも旧消費費税率が適用された) 。引続き供給は低調といえる。 供給が低調な要因としては、①労務逼迫による建築費の高騰を受け、ディ ベロッパーがゼネコンの選定・交渉に時間を要するようになり供給が後ろ倒 しになった、②中堅ディベロッパーやマンション専業ディベロッパーの中に は、2015 年 10 月に予定されていた消費再増税による駆け込み需要を狙って 意図的に年明け以降に供給を先送りする動きが一部みられた(経過措置で 2015 年 3 月までに契約すれば現行の 8%が適用される筈だった) 、③4 月の 消費増税後、建築費や用地価格の上昇をどこまで価格転嫁できるか、ディベ ロッパーが慎重に見定めようとしている(1 回当たりの供給を抑える小分け 供給が増えているのはこれを反映したものとみられる) 、④建築費や用地価 格上昇による採算に合う用地の取得難、が考えられる。 近畿圏の 2014 年の年間マンション供給戸数は、年初には 25,000 戸程度と 2013 年の 24,691 戸を若干上回るとみられていたが、20,000 戸程度にとどま りそうな情勢。尚、10 月で 15,216 戸と 20,000 戸に対しても進捗が遅くみ えるが、例年、12 月は供給が多い。 マンション供給戸数の先行指標となる着工戸数は、10 月に全国ベースで 2015 年の供給戸 数は 2014 年並み となろう 10,146 戸(前年同月比 23.3%増)と 9 カ月ぶりに増加した。しかし、2013 年 9 月の駆け込み着工の反動で同年 10 月の水準が低かった面があり、 また、 牽引したのは首都圏(特に東京都)で近畿圏は 1,629 戸(同 33.3%減) 。近 畿圏の 1-10 月のマンション着工戸数は 19,155 戸(前年同期比 15.7%減) にとどまっている。尚、着工戸数には分譲マンションだけでなく、1 棟売り が含まれている。 2015 年の近畿圏の供給戸数は、先送りされていた物件が資金回収のため 供給されてくるとみられることもあり、2014 年並みの 2 万戸は維持されよ う。 マンション販売については、戸建のような顕著な消費増税前の駆け込みと マンション販売は 好調が続く その反動減はみられず、好調を維持。近畿圏の初月契約率は好不調の目安と される 70%を 2 月以降上回って推移している。10 月は首都圏では 63.3%と 郊外物件の苦戦により 70%を下回ったが、近畿圏では 74.1%と堅調だった。 アナリストレポート・プラットフォーム 2 業 績 販売堅調の要因としては、供給戸数の減少、超低金利の継続、住宅ローン 減税などの政策支援、株高による資産効果、不動産の先高観による投資目的 の購入や 2015 年 1 月からの相続増税を受けた相続税対策の購入が一部みら れること、都市部へ人口が集中する流れの継続などに加え、近畿圏では用地 価格や建築費の高騰が首都圏ほどではなく販売価格上昇が限定的なことが 挙げられよう。円安などを受け、台湾、中国などアジア富裕層による日本の マンション購入が増加しているが、対象は東京都心のタワーマンションや高 額物件に主に限られ、近畿圏では大阪中心部を除くと余り見られないようだ。 11 月 18 日に安倍首相は消費再増税の時期を 2015 年 10 月から 2017 年 4 超低金利継続と供 給減などにより、販 月に 1 年半延期すると発表したが、長期金利は日銀の追加緩和や原油価格急 売は今後も堅調に 推移しよう ーン金利は史上最低を更新している。12 月 2 日にムーディーズが日本国債 落による期待インフレ率の低下により、むしろ低下し、それに連れて住宅ロ の格付けをワンノッチ引下げたが、長期金利はほとんど反応しておらず、不 動産業界が懸念していた消費再増税先送りによる長期金利上昇は回避され ている。2007 年にも土地価格上昇や中国の建設ラッシュによる資材価格高 騰に伴う建築費上昇を販売価格に転嫁する動きがあったが(新価格、新新価 格と呼ばれた) 、当時は長期金利上昇も伴っていたため、消費者が付いてい けず、販売が一気に冷え込んだが、今回は、①超低金利が続いていること、 ②近畿圏の供給が当時の 3 万戸程度から 2 万戸程度に減少していること、③ 着工戸数減に伴い労務逼迫がやや緩和していることや原油価格の下落によ り建築費の上昇に歯止めがかかってきたこと、などから、販売は今後も堅調 に推移すると考える。 (戸) 近畿圏マンションの供給戸数、初月契約率の月次推移 (%) 4,000 100 供給戸数 3,500 90 初月契約率(右軸) 3,000 80 2,500 70 2,000 60 1,500 50 1,000 40 500 30 0 20 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 1 5 9 06 07 08 (出所)長谷工総合研究所 アナリストレポート・プラットフォーム 09 10 11 12 13 14 (年月) 3 業 績 マンション用地の仕入れ環境は、引続き厳しい。その要因として、①優良 用地の仕入れ環境 は引続き厳しい な大規模マンション適地の減少、②不動産の先高観による売り惜しみ、③首 都圏郊外のマンション需要の減退や東京都心の用地価格高騰を受け、大手総 合不動産会社などが近畿圏の都市部での仕入れを積極化している、などが考 えられる。 2015 年 1 月からの相続増税を受けた土地の供給増に期待したい。 15/2 期 2Q 累計(3-8 月)業績解説 15/2 期 2Q 累計業績は、売上高 143 億円(前年同期比 82.0%増)、営業利 2Q 累計業績はマ ン シ ョ ン 引渡 戸 数 の大幅増により、 大幅増収増益 益 11.9 億円(同 12.0 倍) 、経常利益 8.6 億円(前年同期は▲4.4 億円) 、純 利益 5.1 億円(同▲3.5 億円) 。9 月 22 日に業績予想の上方修正が発表され ており、ほぼそれに沿った結果になった。 マンションの引渡は下期、特に 4Q(12-2 月)偏重になることが多いのに 対し、今上期は「ワコーレ神戸岡場ステーションマークス」 (総戸数 72 戸の うち 71 戸引渡)など通期計画 793 戸の約半分の 380 戸(前年同期比 184 戸 増)を引渡したため、大幅増収となった。増収効果により、超大型物件「ワ コーレシティ神戸三宮」 (総戸数 471 戸、2015 年 10 月下旬竣工予定)など の販売に伴う広告宣伝費の増加 1.1 億円など販管費の増加 2.7 億円を吸収し、 営業大幅増益となった。加えて、前年同期の一過性の金融費用 1.8 億円(大 型用地取得に伴うシンジケートローンの組成フィー0.9 億円及び賃貸用資 産のシンジケートローンの借入金利引下げのための組替えに伴うアレンジ メントフィー0.9 億円)がなくなり営業外損益が改善したことにより、経常 利益段階でも黒字化した。 期初会社予想に対しては、売上高で 3.9 億円、営業利益で 2.9 億円、経常 戸建販売の遅れを マンション販売の 好調などでカバー し期初計画上振れ 利益で 3.6 億円、純利益で 2.1 億円、それぞれ上回った。 マンション引渡戸数は計画を 1 戸下回ったほか、戸建販売が 17 戸(前年 同期比 7 戸減)と計画の約半分にとどまったが、神戸市中央区北野町の分譲 マンション計画地を素地のまま 3.9 億円で学生寮を建設目的の専門学校に 売却したことが売上高の上振れの主因となった。尚、既にゼネコンの選定が 決まっていたことなどから、当社が、元受としてこの学生寮の建設請負を約 4 億円で請け負っており、16/2 期の売上計上になる見込み。建設請負の受注 は初めてとなる。当社自体に施工能力がないことから、利益はほとんど見込 めないもようで、今後、建設請負を拡大していく計画はない。 アナリストレポート・プラットフォーム 4 業 績 戸建販売は、消費増税の影響が 3,000 万円前後の低価格帯物件に特に強く 表れ、通期引渡計画 115 戸(売上高 39 億円)に対し、上期は 17 戸(同 5.5 億円)と大きく出遅れた。契約も 15 戸と非常に低調。 戸建販売の遅れを吸収し、営業利益が 2.9 億円上振れた主因は、①マンシ ョン販売好調により値引きが想定より少なく済み、マンションの粗利益が計 画を 1.5 億円上振れた、②先述の分譲マンション計画地の素地売却 3.9 億円 の粗利益が約 1 億円となった、③マンション販売好調による販促費の未消化 及びマンションギャラリー関連費用の下期への期ずれ 0.5~0.6 億円。 マンションの粗利益率は 18.1%(前年同期比 1.7pt 増)と「ワコーレ神 戸岡場ステーションマークス」など比較的高採算物件があったことから建築 費の上昇を吸収し、むしろ改善した。期初の想定は 17%程度だった。 マンション販売は一部の物件を除き総じて好調で、2Q 累計の契約戸数は 471 戸の超大型物 件は想定より早く 11 月末で完売 722 戸(前年同期比 351 戸増)と急伸。2Q 末の未契約完成在庫は 3 戸のみ。 5 月に販売を開始した「ワコーレシティ神戸三宮」 (総戸数 471 戸)は初 月に 326 戸を契約し(兵庫県の初月契約戸数で過去最多)、2Q 末では 414 戸 まで進捗。当社としては過去最大となる物件のため、周辺物件に比べ割安感 のある保守的な値付けを行った結果、当初の想定よりも大幅に早く 11 月末 で完売した(今期の販売計画は 250 戸だった)。賃貸需要も充分に見込める エリアで、賃貸に出した場合の表面利回りは 7%程度になりそうなため、投 資目的の購入も少なくなかったとみられる。粗利益率は 22%程度と当初の 想定 18.8%を上回ったもよう。プレセールス時の反響をみて当初計画より はやや強気の値付けをしたこと、ほとんど値引きをせずに済んだことによる。 昨年末に販売を開始した 100 戸超の大型 2 物件「ワコーレ舞子グランテラ ス」(総戸数 143 戸) 、「ワコーレ KOBE 灘ハウス」(同 108 戸)の契約進捗率 は 2Q 末でいずれも 76.9%、足元ではそれぞれ数戸を残すのみとなっている。 後者は 15/2 期に全戸引渡予定。 人口が兵庫県下で神戸市に次いで多い姫路市での初の供給となる「ワコー レ姫路京口マークス」 (総戸数 45 戸)は 6 月に販売を開始。足元の契約の進 捗率は 5 割強と想定線の販売状況となっているもよう。 販売中の主な物件 総戸数 住戸専有面積 竣工(予定) 所在 最寄駅 (戸) (㎡) ワコーレ芦屋ディアハウス 61 2014年8月 芦屋市 JR芦屋駅徒歩15分 75.27~101.05 ワコーレKOBE灘ハウス 108 2015年1月下旬 神戸市中央区 JR灘駅徒歩7分 67.70~83.96 ワコーレ舞子グランテラス 143 2015年5月中旬 神戸市垂水区 JR舞子駅徒歩9分 76.23~81.71 ワコーレKOBEザ・ファースト 48 2015年8月下旬 神戸市兵庫区 神戸電鉄新開地徒歩1分 60.52~72.33 ワコーレ トアロード ザ・スイート 48 2015年8月下旬 神戸市中央区 三宮駅徒歩3分 68.71 ワコーレ姫路京口マークス 45 2016年1月下旬 姫路市 JR京口駅徒歩3分 80.22~90.60 ワコーレ深江駅前ガーデンズ 88 2016年3月下旬 神戸市東灘区 阪神本線深江駅徒歩2分 58.34~80.42 ワコーレKOBE元町通 66 2016年3月下旬 神戸市中央区 元町駅徒歩3分 40.85~56.33 (出所)会社HP 物件概要をもとにTIW作成 (注)総戸数は住戸部分。住戸専有面積、販売価格は現在販売中のもので総戸数に対するものではない 物件名 アナリストレポート・プラットフォーム 販売価格 (万円) 3,960~5,490 2,950~4,260 3,380~4,270 2,390~3,780 3,890~3,980 2,890~3,840 2,230~4,290 1,990~3,740 施工 大末建設 長谷工コーポレーション 鍛冶田工務店 岡工務店 大木工務店 ノバック 大末建設 村上工務店 5 業 績 2Q 累計のマンション用地の仕入れは通期計画の 840 戸相当に対して 680 厳しい用地取得競 争下でも大規模用 地の取得により仕 入れは好調 戸相当と厳しい取得競争下でも好調だった。神戸市中央区三宮の JT(2914) の旧神戸支店跡地(230 戸相当)を取得したのが大きく寄与した。同物件は 入札で取得したが、利便性に優れた好立地で、当社が目処とする粗利益率 18%を確保できる見通し。18/2 期の引渡になる予定。 下期の仕入れは厳しい仕入れ環境を反映し、11 月末までで 42 戸にとどま っているが(11 月はゼロ) 、100 戸超の大型案件の候補が複数あるもようで、 通期計画はクリアできそうな状況。 不動産賃貸事業においては小型店舗・事務所 1 棟を 3.2 億円で取得した。 売却は区分所有マンション 1 室 1,000 万円だけだった。下期に入って 2 物件 (1 件はレジデンス開発用地、1 件はレジデンス)を取得したとしているが、 優先度としてはマンション用地の仕入れが高く、賃貸資産(固定資産)の取 得にはそれほど積極的ではない。また、下期に固定資産の売却の予定はない。 半期業績の推移 11/2 12/2 13/2 上期 下期 上期 下期 上期 下期 売上高 11,919 16,312 13,515 9,035 6,961 18,435 分譲マンション販売 6,022 13,845 11,440 7,148 5,267 15,441 戸建住宅販売 1,384 839 745 624 483 1,853 その他不動産販売 3,220 448 187 151 120 97 不動産賃貸収入 1,240 1,177 1,123 1,099 1,067 1,022 レジデンス 883 779 756 730 735 711 店舗・事務所 266 316 278 285 257 243 駐車場 70 68 66 60 53 50 トランクルームほか 20 14 20 25 18 21 その他 52 3 19 13 23 22 売上原価 10,189 13,324 10,584 6,786 5,403 14,520 売上総利益 1,729 2,988 2,931 2,248 1,557 3,916 分譲マンション販売 371 2,572 2,304 1,606 903 3,162 (売上総利益率)(%) 6.2 18.6 20.1 22.5 17.2 20.5 戸建住宅販売 204 78 91 101 76 275 その他不動産販売 529 41 ▲5 50 43 18 不動産賃貸等 624 579 540 492 513 440 販管費 1,376 1,293 1,236 1,374 1,343 1,479 営業利益 353 1,695 1,694 875 214 2,436 営業外収益 26 2 10 2 23 7 営業外費用 423 809 361 371 356 360 経常利益 ▲ 44 888 1,343 506 ▲ 119 2,083 特別利益 37 4 241 0 0 3 特別損失 30 69 78 448 0 527 税引前当期純利益 ▲ 36 822 1,506 58 ▲ 118 1,558 法人税等 ▲ 13 370 692 200 ▲ 28 706 純利益 ▲ 23 451 814 ▲ 143 ▲ 90 851 (出所)決算短信、会社資料をもとにTIW作成 (注)CEは会社予想。15/2期下期CEは通期予想から上期実績を単純に差引いたもの その他不動産販売は1棟売り、木造アパート販売、素地売却 アナリストレポート・プラットフォーム (単位)百万円 14/2 15/2 上期 下期 上期 下期CE 7,910 24,570 14,393 17,607 6,079 20,307 12,386 13,414 789 1,488 555 3,345 0 1,697 393 ▲ 93 1,002 1,040 1,030 970 705 747 750 na 212 218 212 na 48 49 47 na 35 27 20 na 39 37 27 ▲ 27 6,372 20,070 11,482 na 1,538 4,499 2,910 na 993 3,544 2,238 na 16.3 17.5 18.1 na 86 216 64 486 0 209 99 na 425 491 482 na 1,438 1,727 1,715 na 99 2,773 1,195 1,405 17 8 15 na 566 350 349 na ▲ 449 2,430 861 1,039 0 0 0 na 100 34 0 na ▲ 549 2,395 861 na ▲ 196 976 349 na ▲ 353 1,419 511 589 6 業 績 15/2 期業績予想 2Q 累計業績は期初会社予想を上振れたが、通期会社業績予想は、期初予 戸建の下振れをマ ンションの粗利益 率改善や素地売却 等でカバーし、利益 計画は達成しよう 想が据置かれている。 戸建販売は、11 月頃から神戸市内などの比較的高額な物件に動きが出て きたものの、期初の通期引渡計画 115 戸に対し、11 月末で契約は 42 戸にと どまっている。今期の引渡は 70 戸弱が精一杯だろう。尚、下期に入って 10 区画分の戸建販売計画地をパワービルダーに約 1.5 億円で素地売却し、若干 の売却益を得ている。その他不動産販売では、こうした素地売却以外に、新 規事業の富裕層向けの土地付き木造アパート販売が下期に 2 棟、約 1 億円計 上される予定。この粗利益率は 20%台になる見通し。木造アパート販売は、 この 2 件以外に 8 件のプロジェクトが進行中。うち 1 件は本事業に関し業務 提携した日住サ-ビス(東証 2 部 8854)から土地の紹介を受けたようだ。 通期のマンション引渡予定戸数 793 戸に対する契約の進捗率は 11 月末で 94%程度(2Q 末約 80%)のもよう。一部の物件で販売が遅れており、10 戸 程度計画を下回るとみる。一方、粗利益率は通期でも上期並みを確保できそ うな状況で、想定の 17.5%を上回り、18%台に乗せるとみる。 戸建やマンションの引渡戸数・売上の下振れを、マンションの粗利益率の 改善、素地売却、販管費の若干の下振れなどでカバーし、利益は計画をクリ アしよう。足元までの状況を踏まえ、TIW 業績予想は、前回予想から売上高 を下方修正したが、利益はほぼ据置いた。尚、3Q(9-11 月)のマンション の引渡予定戸数は 66 戸と少なく、3Q は赤字になるだろう。 16/2 期業績予想 16/2 期は「ワコーレシティ神戸三宮」など約 950 戸のマンションが竣工 16/2 期は三宮の 引渡戸数を調整 し、小幅増益とな ろう 予定。マンションの粗利益率は、高採算の三宮の寄与により建築費高騰を吸 収し、18%台後半へと 15/2 期よりも向上しよう。戸建販売は 15/2 期よりは 若干販売戸数が増加しよう。その他不動産販売では、木造アパート販売は 15/2 期と同じく 2 棟を売却するとみられるが、素地売却の反動減で減収と なろう。全体で小幅増益になるように三宮の引渡戸数を調整するとみられる。 15/2 期はマンションの引渡が上・下期で平準化されたが、14/2 期の用地 仕入れが 621 戸と少なかったことや三宮の引渡が 4Q(12-2 月)からのため、 再び下期偏重になる。2Q 累計決算は前年同期比大幅減収減益となろう。 17/2 期以降の業績の見通し 17/2 期業績は横 ばい圏を予想 17/2 期は既にマンションのラインアップがかなり揃ってきており、高採 算の三宮の残りもあるため、業績は横這い圏を維持できよう。18/2 期以降 の業績は今後の用地仕入れにかかっているが、建築費の落着きは明るい材料。 アナリストレポート・プラットフォーム 7 業 績 要約損益計算書、貸借対照表など(非連結) 売上高 分譲マンション販売 戸建住宅販売 その他不動産販売 不動産賃貸収入 レジデンス 店舗・事務所 駐車場 トランクルームほか その他 売上原価 売上総利益 分譲マンション販売 戸建住宅販売 その他不動産販売 不動産賃貸等 販管費 人件費 営業利益 営業外収益 営業外費用 支払利息 経常利益 特別利益 特別損失 税引前当期純利益 法人税等 純利益 07/2 30,629 26,400 0 2,404 1,769 na na na na 56 24,317 6,312 4,673 na 691 948 2,994 731 3,318 24 606 557 2,736 101 310 2,526 1,169 1,357 08/2 29,564 22,345 546 5,080 2,093 na na na na 45 22,570 6,993 4,231 73 1,727 1,033 2,973 805 4,020 34 990 742 3,063 73 206 2,930 1,316 1,613 09/2 32,333 24,544 667 4,482 2,508 1,886 491 124 25 132 26,754 5,579 3,724 92 475 1,287 3,001 862 2,577 69 1,098 749 1,548 10 1,113 445 327 118 10/2 29,890 21,359 851 5,095 2,535 1,769 596 135 35 49 26,561 3,329 1,705 89 372 1,161 2,755 788 573 40 984 694 ▲ 370 278 101 ▲ 192 33 ▲ 226 11/2 28,231 19,867 2,223 3,668 2,417 1,662 582 138 34 55 23,513 4,717 2,943 282 288 1,203 2,669 768 2,048 28 1,232 717 844 41 99 786 357 428 12/2 22,550 18,588 1,369 337 2,222 1,486 563 126 45 32 17,370 5,179 3,910 189 17 1,032 2,610 841 2,569 12 732 608 1,849 241 526 1,564 892 671 13/2 25,396 20,708 2,336 217 2,089 1,446 500 103 39 45 19,923 5,473 4,065 351 61 953 2,822 847 2,650 30 716 622 1,964 3 527 1,440 678 761 (単位)百万円 14/2 15/2CE 15/2E 16/2E 32,480 32,000 30,660 30,420 26,386 25,800 25,500 25,100 2,277 3,900 2,350 2,600 1,697 300 700 150 2,042 2,000 2,060 2,120 1,452 na 1,500 1,550 430 na 430 440 97 na 90 90 62 na 40 40 76 0 50 450 26,442 na 24,600 24,300 6,037 na 6,060 6,120 4,537 na 4,620 4,730 302 550 320 360 209 na 150 30 916 na 970 1,000 3,165 na 3,380 3,370 908 na 1,000 1,000 2,872 2,600 2,680 2,750 25 na 30 30 916 na 710 730 614 na 620 640 1,981 1,900 2,000 2,050 0 na 0 0 134 na 0 0 1,846 na 2,000 2,050 780 na 860 880 1,066 1,100 1,140 1,170 総資産 現預金 棚卸資産 販売用不動産 仕掛販売用不動産 有形固定資産 有利子負債 流動 固定 自己資本 53,720 4,727 26,676 2,778 23,898 20,552 27,863 14,144 13,719 12,348 59,788 5,077 31,356 9,077 22,279 21,554 30,912 18,508 12,404 13,746 57,422 3,515 26,282 8,417 17,865 25,079 34,479 20,010 14,469 13,606 53,249 5,091 21,930 11,954 9,976 23,893 30,518 16,543 13,975 13,229 48,233 9,672 13,041 4,174 8,867 23,658 24,395 7,929 16,466 13,612 47,408 6,674 15,833 2,663 13,170 23,285 26,102 8,257 17,845 14,186 54,107 12,001 17,298 658 16,640 23,372 27,011 9,773 17,238 14,802 58,328 12,263 20,684 236 20,448 23,815 29,219 8,615 20,605 15,693 na na na na na na na na na na 62,000 11,000 24,000 1,000 23,000 24,000 32,000 16,613 65,000 12,000 24,500 6,500 18,000 24,300 34,000 17,543 2.3 1.9 23.0 11.0 2.2 1.9 23.0 11.7 2.5 2.3 23.7 0.9 2.3 1.9 24.8 ▲ 1.7 1.8 1.1 28.2 3.1 1.8 1.4 29.9 4.7 1.8 1.0 27.4 5.1 1.9 1.1 26.9 6.8 na na na na 1.9 1.3 26.8 6.9 1.9 1.3 27.0 6.7 D/Eレシオ(倍) ネットD/Eレシオ(倍) 自己資本比率(%) ROE(%) 分譲マンション関連指標 引渡戸数 契約戸数 供給(発売)戸数 仕入戸数 期末契約(受注)残戸数 期末未契約完成在庫 粗利益率(%) 戸当り販売単価(百万円) (単位)戸 07/2 08/2 09/2 10/2 11/2 12/2 13/2 14/2 15/2CE 15/2E 16/2E 880 783 620 623 614 585 653 786 793 783 770 850 471 429 566 926 673 746 759 910 1,120 890 788 343 560 374 910 773 737 885 930 930 900 871 381 505 503 546 835 1,394 621 840 860 830 919 377 186 129 442 530 622 595 712 932 1,052 18 na 34 123 2 25 24 0 na 3 3 17.7 18.2 15.2 8.0 14.8 21.0 19.6 17.2 17.5 18.1 18.8 30.0 28.5 39.6 34.3 32.4 31.8 31.7 33.6 32.5 32.6 32.6 分譲戸建関連指標 (単位)戸 07/2 08/2 09/2 10/2 11/2 12/2 13/2 14/2 15/2CE 15/2E 16/2E 引渡戸数 15 18 32 51 37 73 67 115 68 75 粗利益率 13.4 13.8 10.5 12.7 14.0 15.1 13.3 14.1 13.6 13.8 1棟当り販売単価(百万円) 36.4 37.1 26.6 43.6 37.0 32.0 34.0 33.9 34.6 34.7 (出所)決算短信、会社資料をもとにTIW作成 (注)CEは会社予想、EはTIW予想 アナリストレポート・プラットフォーム 8 (出所)㈱QUICK 上記チャート図の一部又は全部を、方法の如何を問わず、また、有償・無償に関わらず第三者に配布してはいけません。 上記チャート図に過誤等がある場合でも㈱QUICK 社及び東京証券取引所は一切責任を負いません。 上記チャート図の複製、改変、第三者への再配布を一切行ってはいけません。 2012/2 株 価 推 移 2013/2 2015/2 予 (アナリスト) 2014/2 株価(年間高値) 円 463 660 996 - 株価(年間安値) 円 232 387 588 - 月間平均出来高 百株 1,738.58 2,901.08 6,337.92 - 売 上 高 百万円 22,550 25,396 32,480 30,660 営 業 利 益 百万円 2,569 2,650 2,872 2,680 経 常 利 益 百万円 1,849 1,964 1,981 2,000 百万円 671 761 1,066 1,140 業 績 推 移 当 期 純 利 益 E P S 円 67.15 76.17 106.63 114.00 R O E % 4.8 5.3 7.0 6.9 流動資産合計 百万円 23,025 29,722 33,333 - 固定資産合計 百万円 24,383 24,385 24,995 - 資 百万円 47,408 54,107 58,328 - 産 合 計 貸借対照表 流動負債合計 百万円 14,193 20,991 20,925 - 主 要 項 目 固定負債合計 百万円 19,029 18,314 21,709 - 負 百万円 33,222 39,305 42,635 - 株主資本合計 百万円 14,192 14,804 15,690 - 純 資 産 合 計 百万円 14,186 14,802 15,693 - 営業活動による CF 百万円 -5,175 3,624 56 - 投資活動による CF 百万円 367 921 -1,895 - 財務活動による CF 百万円 1,606 757 2,028 - 現金及び現金同等 物の期末残高 百万円 4,812 10,116 10,306 - キャッシュフ ロー計算書 主 要 項 目 債 合 計 アナリストレポート・プラットフォーム 9 リ 事 関 ス ク 分 す 業 る リ 析 に ス ク 事業に関するリスク 建築費やマンション用地価格の一段の上昇を受けた販売価格の上昇、消 費増税、雇用・所得環境の回復の遅れ、長期金利(住宅ローン金利)上 昇などによる消費者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)の低下。 少子高齢化の進展、人口減少により、長期的にマンション需要が減退す る可能性。 震災の復興需要、2020 年開催予定の東京五輪、景気回復などに伴う建 設投資の回復により建設技能労働者不足が一段と深刻化し、建築費がさ らに上昇する恐れ(ただし、足元は一服している) 。 建設技能労働者不足などを遠因とする施工ミスの発生。こうした場合、 ディベロッパーの信用が傷つく恐れがある。 用地取得競争の一層の激化。 低価格戸建住宅を供給するパワービルダーとの販売上の競合。ただし、 基本的に棲み分けがなされている。 業 関 す 界 る リ に ス ク 業界に関するリスク 消費増率が 10%に引上げられた後、住宅需要が減退する恐れ。 労務費や資材価格の上昇により建築工事費が上昇した場合、販売価格へ の転嫁が進まないと粗利益率の低下要因となる。 アナリストレポート・プラットフォーム 米金融緩和縮小、世界的な景気回復などによる長期金利の上昇。 住宅取得に係る政策支援の縮小。 10 デ ィ ス ク レ ー マ ー 1.本レポートは、株式会社東京証券取引所(以下「東証」といいます。 )が実施する「アナリストレポー ト・プラットフォーム」を利用して作成されたものであり、東証が作成したものではありません。 2.本レポートは、本レポートの対象となる企業が、その作成費用を支払うことを約束することにより作 成されたものであり、その作成費用は、当該企業が東証に支払った金額すべてが、東証から株式会社テ ィー・アイ・ダヴリュ(以下「レポート作成会社」といいます。 )に支払われています。 3.本レポートは、東証によるレビューや承認を受けておりません(ただし、東証が文面上から明らかに 誤りがある場合や適当でない場合にレポート作成会社に対して指摘を行うことを妨げるものではありま せん) 。 4.レポート作成会社及び担当アナリストには、この資料に記載された企業との間に本レポートに表示さ れる重大な利益相反以外の重大な利益相反の関係はありません。 5.本レポートは、投資判断の参考となる情報の提供を唯一の目的として作成されたもので、有価証券の 取引及びその他の取引の勧誘又は誘引を目的とするものではありません。有価証券の取引には、相場変 動その他の要因により、損失が生じるおそれがあります。また、本レポートの対象となる企業は、投資 の知識・経験、財産の状況及び投資目的が異なるすべての投資者の方々に、投資対象として、一律に適 合するとは限りません。銘柄の選択、投資判断の最終決定は、投資者ご自身の判断でなされるようにお 願いいたします。 6.本レポート作成にあたり、レポート作成会社は本レポートの対象となる企業との面会等を通じて、当 該企業より情報提供を受けておりますが、本レポートに含まれる仮説や結論は当該企業によるものでは なく、レポート作成会社の分析及び評価によるものです。また、本レポートの内容はすべて作成時点の ものであり、今後予告なく変更されることがあります。 7.本レポートは、レポート作成会社が信頼できると判断した情報に基づき記載されていますが、東証及 びレポート作成会社は、本レポートの記載内容が真実かつ正確であり、そのうちに重要な事項の記載が 欠けていないことやこの資料に記載された企業の発行する有価証券の価値を保証又は承認するものでは ありません。本レポート及び本レポートに含まれる情報は、いかなる目的で使用される場合におきまし ても、投資者の判断と責任において使用されるべきものであり、本レポート及び本レポートに含まれる 情報の使用による結果について、東証及びレポート作成会社は何ら責任を負うものではありません。 8.本レポートの著作権は、レポート作成会社に帰属しますが、レポート作成会社は、本レポートの著作 権を東証に独占的に利用許諾しております。そのため本レポートの情報について、東証の承諾を得ずに 複製、販売、使用、公表及び配布を行うことは法律で禁じられています。 <指標の説明について> 本レポートに記載の指標に関する説明は、東京証券取引所ウェブサイトに掲載されております。 参照 URL ⇒ http://www.tse.or.jp/listing/analystreport/index.html アナリストレポート・プラットフォーム 11
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