CFA NEWSLETTER グローバル金融アナリストの情報誌 No.034/2014年11月号（隔月刊） CONTENTS Topics ■日本CFA協会新体制スタート ■12月10日（水）特別シンポジウム「金融の将来」イニシアチブを開催 CFAJ Update ■コミッティ活動報告 CFA News & Trend ESGコラム（最終回） ■ESG投資の拡大と機関投資家並びに企業への影響 CFA Magazine 11- 12月号より ■新興国企業の信用力を測るより良い方法 ■リトル・ビッグ・データ ■前向きな将来予測情報には後ろ向き？ ■アルファ機長のフライングサーカス ■マネーフローと共に CFA People ■今後の主な予定本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA®（CFA協会認定証券アナリスト）の認定・推進機関であるCFA協会の活動から、情報をお届けいたします。取材の参考資料としてご活用いただくことができれば幸いです。 CFA協会ならびに日本CFA協会の詳細はホームページをご参照ください。 ■CFA協会／http://www.cfainstitute.org ■一般社団法人日本CFA協会／http://www.cfasociety.org/japan Topics 日本CFA協会、新体制スタート新理事2名が着任去る10月31日、日本CFA協会総会がこの度、新しく理事に就任致しまし行われ、新年度からの新しい執行部た田原一彦と申します。CFAは1996 が承認されました。年に取得し、日本CFA協会はその設立以来のレギュラー・メンバーです。（役員一覧）本職は、大和投資信託で年金資金の会長：瀬尾周一,CFA 運用、及びコーポレート・ガバナン副会長：橋本幸憲,CFA ス関連の仕事をしております。執行理事：小池敏雄,CFA 執行理事：古宇田義規,CFA ＜新任あいさつ＞この度、日本CFA協会の理事に就任いたしました阪田聡人（さかたあきひと）です。理事：小澤大二,CFA 主にエンプロイヤー・アウトリーチの分野を担当させていただくことに理事：阪田聡人,CFA 理事：佐々木龍,CFA なりました。どうぞ宜しくお願いい簡単に自己紹介させていただきます理事：宝田めぐみ,CFA のが約20年前の30歳台前半の頃に理事：田原一彦,CFA なります。その後、内外の運用機関で株式・債券のファンド運用や外部委託のマネージャー選択業務に従事理事：原田武嗣,CFA した後、現在はISCアドバイザーズ理事：本間晶,CFA 社のCIOとしてハイネットワース向けの運用を行っております。理事：山口勝業,CFA 監事：青砥政孝,CFA 監事：菱川精記,CFA とつは翻訳グループで、株主権に関いくつかの書物で、翻訳の一部を担当致しました。もうひとつはプログラム・コミッティの一員として、会員向けセミナーたします。と、CFAの資格を取得いたしました理事：中瀬康彦,CFA つの分野で関わって参りました。ひする書籍や、運用報告書の原則など、執行理事：田中由美,CFA 理事：神谷精志,CFA CFA協会においては、今まで主に2 これまでもCFA協会の活動に興味を持ってはおりましたものの、業務に忙殺されるなどで十分な参加状況ではありませんでしたが、今回様々なご縁から理事として活動させていただく機会を頂戴しました。これまでお世話になった資産運用業界とCFA 会員の皆様に何か少しでも恩返しが出来るよう、微力ながら努めて参りたいと思います。（阪田聡人,CFA） 1 の企画運営をサポートして参りました。新任の理事としては、主にプログラム・コミッティの運営に関わっていく所存です。また、個人的な趣味として過去数年、中国語と韓国語を勉強しております。アジア諸国のソサエティとの交流に、多少なりとも語学を生かせる機会があれば嬉しいな、と期待しております。よろしくお願い致します。（田原一彦,CFA）日本CFA協会特別シンポジウム開催日本版スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード日本CFA協会では12月10日（水）に ◆シンポジウム概要 (CFA協会基準および金融市場信頼日本IR協議会のご協賛で「金融の将・日時:2014年12月10日(水)13:20-1 性部門ヘッド来イニシアチブ―日本版スチュワー 6:30 CFA) ドシップ・コードとコーポレートガ・会場:東京金融ビレッジ（東京都千バナンス・コード」と題し特別シン代田区大手町 1-9-7 大手町フィナポジウムを開催します。ンシャルシティサウスタワー5階） C FA 協会は、ジョン・ケイ教授を http://www.fine-tokyo.com/access/ 14:55-16:25(90分) 議長とする有識者諮問会議のアドバ言語:日本語・英語(同時通訳付) パネルディスカッション: イスを受けながら、信頼性と先見性参加費用：無料「日本版スチュワードシップ・コーを併せ持ち、社会に貢献できる金融トニー・タン博士、休憩 14:40-14:55(15分) ドとコーポレートガバナンス-日本業界の形成を目指して、「金融の将 12:50 受付開始版スチュワードシップ・コードの実来プロジェクト(the Future of Fina 13:20-13:30(10分) 効性を高め、日本におけるコーポレ nce Project)」を推進しています。開催の挨拶:CFA 協会アジア太平ートガバナンスの向上のために今、当プロジェクトは、金融に携わる全洋地域本部代表ポール・スミス氏何をなすべきか？」ての人が関心を持つべき課題として、 (パネリスト予定者:早稲田大学大学 1.投資家（顧客）第一主義、2.金融 13:30-14:00(30分) 院ファイナンス研究科教授首藤恵知識、3.財務報告の透明性と公平さ、基調講演:「コーポレートガバナンス氏、オムロン株式会社執行役員経 4.退職後の生活保障、5.適切な規制向上に向けて～日本版スチュワード営IR室長安藤聡氏、企業年金連合会と施行、6.金融システムの安定の6つシップ・コードを中心に～」(金融庁参与コンプライアンス・オフィサの主要トピックスに焦点を当ててい総務企画局企画課保険企画室総括ー桂照男氏、日本投資顧問業協会ます。本特別シンポジウムは、この課長補佐（前会長岩間陽一郎氏) 中の「1.投資家（顧客）第一主義」課総務企画局企業開示課長補佐）笠原基和氏) に焦点を当て、安倍政権の日本再興モデレーター:日本CFA協会理事原戦略において重要な位置づけを与え 14:00-14:20(20分) られている日本版スチュワードシッ講演:「日本の株式市場と企業経営－プ・コードとコーポレートガバナン投資家の視点から」(年金積立金管理 16:25-16:30(5分) ス・コードをテーマとしております。運用独立行政法人(GPIF) 調査室長閉会の挨拶:日本CFA協会会長瀬尾清水時彦氏) 周一 14:20-14:40(20分) 詳細・申し込みは日本CFA協会ホー講演:「日本版スチュワードシップ・ムページをご覧ください。コードとコーポレートガバナンス・ http://www.cfasociety.org/japan/Pag コードについて」 es/default.aspx 2 田武嗣 CFAJ Update このコーナーでは、メディアおよび会員の皆様に日本 CFA協会の各分野での活動状況をお知らせしております。メンバーシップ 10月21日から23日までの3日間、当協会としては初めて米国の金融専門教育プロバイダー、ウォール・ストリート・トレーニングと協力し、財務モデリングと企業評価に関する集中講座を開催いたしました。実際にエクセルを使ってのトレーニングは大変好評でした。 11 月 22 日には Level I 試験受験者の方々を対象に CFA模試を開催し試験直前の腕試しに取り組みました。12月10日には、今年レベルIIIに合格し晴れてCFA資格者になられる方の資格授与式ならびにイヤーエンドパーティを開催いたします。他の会員や業界関係者とのネットワーキングの良い機会ですので多数のご参加をお待ちしております。さらに来年1月23日にはCFA プログラム準備対策セミナーを予定しております。受験準備のためのノウハウ、あるいは受講そのものを決めかねている方も、今後の勉強の進大学大学院の北川教授にモデレータウトリーチ）の活動をお手伝いいたーを務めていただき、ドンキホーだくことになりました。どうぞよろテ・ホールディングスの貝沼氏、ニしくお願いします。ッポン・ライフ・グローバル・インベスターズシンガポールの辻本氏、経済産業省の福本氏にご登壇いただき、パネルディスカッション形式にてお話しいただきました。 11月13日にはEPFR Globalのアダム・ロングネッカー氏によるファンドフローとインベストメントプロセスについてのセミナーを行いました。また、11月18日には専修大学の田中教授に、アメリカ連邦準備制度 (FRS)の金融政策についてご講演いただきました。お持ちの方がいらっしゃいましたら是非お勧めください。 CFA 協会の重点施策である「金融の将来プロジェクト (the Future of Finance Project)」に継続的に取り組んでいます。よりよい社会に奉仕し、信頼の置ける未来志向の金融業界を形成することというミッションのもと、CFA 協会本部と連携して当プロジェクトに関連する諸々の施策を推進して行きます。その一環として、12月10日(水)に我が国上場企業、年金基金、資産運用 12月以降、2015年も引き続き会員の皆様に役立つセミナーを開催していきたいと思いますので、関心のあるトピックのご提案、セミナー講師をつとめていただける方のご紹介などを歓迎しますので、日本CFA協会事務局までご連絡ください。め方などで参考になる部分も多いと思います。CFAプログラムに関心をアドボカシー/倫理教育会社および研究者等の皆様をお招きして、日本CFA協会特別シンポジウム「金融の将来」イニシアチブ-日本版スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コード-(日本IR協議会協賛)を開催します。「金融の将来プロジェクト」は、金融に携わる全ての人が関心を持つべエンプロイヤー・アウトリーチこの度、新しいコーポレート・スポンサーとしてインベスコ・アセップログラムト・マネジメント株式会社に加わっ 10月8日にはアライアンス・バーンていただくことになりました。協会スタインのアリソン・マーティエ氏の活動に理解と賛同いただいた上で、に、「 Boarder Horizon – The その支援を引き受けていただける企 Evolving High-Yield Landscape」と業が少しずつでも増えていくことは、題してご講演いただきました。10月誠に喜ばしいことと考えています。 14日にはGAMCO会長マリオ・ギャ私ども理事一同大変感謝をしておりベリ氏にGAMCOインベスター社のます。また、10月に開催された総会バリュー投資の極意についてご講演で、新しい二名の理事が選任されまいただきました。10月21日には「伊した。その一人である阪田新理事に藤レポート」を取り上げ、青山学院は、当委員会（エンプロイヤー・ア 3 き課題として、1.投資家（顧客）第一主義、2.金融知識、3.財務報告の透明性と公平さ、4.退職後の生活保障、5.適切な規制と施行、6.金融システムの安定の6つの主要トピックスに焦点を当てています。本特別シンポジウムは、この中の「1.投資家（顧客）第一主義」に焦点を当て、安倍政権の日本再興戦略において重要な位置づけを与えられている日本版スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードをテーマとしております。 CFAJ Update ユニバーシティ・リエゾン第7回のCFA協会リサーチチャレンジの決勝戦に出場する4チームがついに決まり、12月5日の当日に向けて最後の準備を行っています。また、その学生たちに鋭い質問を浴びせつつ厳正な審査を行う今年の審査員は、三瓶裕喜氏 (フィデリティ投信株式会社ディレクターオブリサーチ)、出川昌人氏(ブラックロック・ジャパン株式会社代表取締役社長)、前田正吾氏(シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社取締役日本株式運用統括)（50音順）の3名の方々です。定校等に対する職業倫理研修が実施ジン最適化、CRMの導入など、実験されました。筑波大学大学院ビジネ的な活動にも取り組んでいます。ス科学研究科、一橋大学大学院国際上記とは別にHappy Hourとして定企業戦略研究科(ICS)、そして、青山期的に会員相互の親睦を深めるため大学大学院国際マネジメント研究科の企画をしています。これまで何度の多くの受講生の皆様にご参加頂き、か大手町"Drunk Bears"にて開催しクイズやチーム発表を含むインタラてきましたが今後も開催場所やトピクティブな講義を通じて職業倫理とックを変えながら様々な企画をしては何であるのかを紐解いて行くプロいきたいとおもいます。グラムは大変好評でした。コンダクトリスクや金融機関のカルチャーが再び注目を集めている昨今、次世代の金融の専門家たちにレクチ広報・出版ャーを行うことにご興味のある方は、 CFAブログの翻訳・ウェブ掲載やニ是非ご連絡を下さい。ュースレターの発行等を行なっています。広報活動の一環として、ブロ予断を避けるために大学名を隠してグ翻訳が雑誌メディアで取り上げら行われるこの大会ですが、決勝戦でテクノロジー優勝チームの発表が行われると同時テクノロジー・コミッティは他のコに、大学名の発表も行われます。会ミッティと違い、特に定期的に集ま員の皆さんの出身校も多数参加してって企画・運営するというよりもそいらっしゃると思いますので、後輩のときにでたアイデア、問題等に応たちの活躍を是非ご覧になって下さじて柔軟に活動しています。前回い。 Youtubeの利用、Lineを利用したグ会場は大手町フィナンシャルシティループについて紹介しましたが、他ー金融ビレッジ5階、開場18時、開にも地味な活動になりますが、クラ始は18時20分です。ウドの利用、オンライン支払い手段また、9月から11月にかけて、神谷の確保といった協会のインフラ整備理事、山口理事によるプログラム認やGoogle Analyticsの利用、検索エンれました。ニュースレターでは、 4 ESGコラムは今号が全5回の最終回です。次号からは別の活動について取り上げる予定です。協会としてツイッターの公式アカウント（@cfajapan）を開始して1年が経ちました。リツイートされた内容には、ブログ翻訳記事やCFAの人気ツイートの紹介が多く見られます。今後とも皆様のニーズに合った活動を展開したいと考えています。 CFA News & Trend （最終回） ESGコラム ESG投資の拡大と機関投資家並びに企業への影響荒井勝今年になって、社会的責任投資フォしか話題とならなかった。その課題（DJSI）2013/2014に選ばれた日本企ーラムのメンバーの雰囲気が、がらが日本経済の成長戦略の一部として業は21社あったが、韓国企業が23社りと変わった。投資家の手応えを感位置づけられたことで、さまざまなと日本を抜いた。企業を選ぶユニバじるようになったからだ。日本の責政策が実現化しだした。ースは日本の333社に対して韓国は任投資元年は1999年と言われるが、注目すべきもうひとつの取り組みが 65と少ないにも関わらず、この結果欧州・米国ではその頃から年金基金ある。GPIFがESG投資について検討である。DJSIは各業種から世界のトが責任投資に取り組み始め、2006年し始めたことだ。「スチュワードシッップ数社を選ぶベストインクラス方以降はESG投資の取り組みが急拡プ責任及びESG投資のあり方につ式を採用している。韓国企業が環境大し、その資産規模は6兆ドルを超いての調査研究業務」を日本のや社会への取り組みを進め、一方でえている。 Global QUICKに委託調査し、この調査は英日本企業の取り組みは遅れたが、こ Review) 国ロンドン証券取引所の子会社で責の評価結果につながったと考えられ一方で、日本の年金基金や機関投資任投資指数のFTSE4Goodで有名なる。家はこれまで全くと言っていいほど指数運営会社FTSEに再委託されて当「ESGコラム」でこれまで紹介の関心を示さなかった。いる。あったアセットオーナー、アセットところが、昨年後半から雰囲気が変 ESG投資の世界的な急拡大は2006 マネージャー、企業は、いずれも日わった。GPIF（年金積立金管理運用年に発表された国連責任投資原則本でトップクラスの取り組み例であ独立行政法人）の運用・ガバナンス（PRI）がきっかけとなっている。PRI り、残念ながら多く投資家や企業はの改革、日本版スチュワードシッは、投資対象となる企業に対してその水準からはほど遠い。プ・コードの導入、企業報告ラボや ESG課題のエンゲージメントを行 CFA 伊藤レポートなど、政府や官庁によい、またESG課題を開示することを、る一連の取り組みが進み始めたから署名した年金基金や機関投資家に求 Governance だ。背景にはアベノミクスによる民めている。11月現在で世界の1318機 Companies – A Manual for Investors” 間投資を喚起する成長戦略がある。関が署名し、日本からも31機関が署を発表し、CFA試験でもESG課題を平成25年6月に閣議決定された「経名している。その資産額合計は4500 レベル２とレベル３でカバーしてい済再生運営と改革の基本方針」には、兆円を超えている。る。難関のCFA資格を取得し日本の次の課題が示されている。世界の年金基金上位20のうち、PRI 投資家をリードする立場にあるCFA 「経済社会の発展を可能にする中長に署名した10基金を含む11基金が Japanのメンバー諸氏には、積極的期投資」、「多様なステークホルダー ESG投資に取り組んでいる。20基金に世界的レベルでのESG投資に取の価値還元」「異なる文化･伝統を持、の資産比率に占める割合は49％とり組み、企業に対してESG対応と開つ国･地域の需要」、「地球温暖化外交なる。署名していない年金基金には、示を求めるエンゲージメントを期待戦略」、「自然との共生」、「循環型社日本のGPIF、地方公務員共済組合連したい。その取り組みが日本の金融会の実現」、「女性の力の最大限の発合会、企業年金連合会が含まれるが、市場の健全化と日本企業の価値向上揮」「資源･エネルギーの経済安全保、これら3基金が署名すれば資産比率と競争力強化、また日本経済の成長障の確立」、「持続可能なエネルギーで79％となる。につながると信じている。社会」対応の遅れが目立つのは日本企業もこれらの課題は、過去には企業の同様である。世界的な責任投資指数 ESG部門担当者やSRI投資家の間での Dow Jones Sustainability Index Sustainable (2012 Investment “ 協会は Environmental, （荒井 2008 Social Factors 勝 at 年に and Listed NPO法人社会的責任投資フォーラム会長） CFA News & Trend このコーナーでは、 CFA Institute会員に配布される隔月刊の会員誌 CFA Institute Magazineの最新号から 5本の記事を日本語で要約しています。原文は以下の URLをご参照ください。 http://www.cfapubs.org/toc/cfm/2014/25/6 新興国企業の信用力を測るより良い方法 Better Credit Metrics for Emerging Markets ディヴッド・スミス、CFA 新興国市場は高成長、国富の増大、投資家の利回り追求の動きが続く中、新興国市場への投資において、形式消費主義の隆盛などの経済発展を取新興国市場は新たな投資機会と課題的な確認や誤った定量化を招きかねりこむ、魅力的な投資機会を提供しをもたらします。新興国の債券市場ない定量的分析への過度な依存は禁ています。綿密な調査・分析を行うは発展段階にあり、企業の設立経過物です。これは事実に目をつぶるこ投資家は高い収益の獲得を期待でき年数が短く、情報が不足しています。とになります。投資家は企業の質をますが、コーポレートガバナンスのこれらの問題への対応策として、当重視し、従来の財務指標と定性的要欠如により収益が減少する可能性が社はコーポレートガバナンスを企業素を分析することにより、市場の混あります。実際に新興国におけるガ調査の重要な要素として位置付けて乱要因になりかねない新興国企業のバナンスに関するリスクはかなり高います。発行体に関する従来の財務ガバナンス問題の時限爆弾を回避すいと言えます。投資家の利益を保護指標だけではなく、株主または創業ることが出来るでしょう。するためには高水準のガバナンスが者株主の経歴や実績を含めて投資先必須条件ですが、新興国市場への投のガバナンス状況を徹底的に分析す資においてはなおさらの事です。る必要があります。（要約翻訳：森由紀、CFA）リトル・ビッグ・データ Little Big Data エド・マッカーシービッグデータ（Big Data、以下、BD）オフィスではコンプライアンス、モます。これはリトル・データ・アプの潜在的価値は増幅し続けています。ニタリング及びリスク管理に生かさローチと言われます。例えば、RIA 通常のBDは、”三つのV”として定義れます。にとり鍵となる価値を有する、顧客されることで知られています。Vと資産が10億ドルを超える大きな登とのリレーションシップの分析結果は、規模（volume）、速度（velocity）録投資顧問業者（registered から情報を得たりしています。及び多様性（variety）の三つをいい investment adviser、以下「RIA」）で BDの幅がさらに広がれば、ウェルます。さえ、三つのBDの定義に満たないこス・マネジメントではウェルス・マコンサルティング会社であるCelent とがあります。そして、BDの開発のネージャーよりもデータ・マネジャ社は、BDの潜在的利益をフロント、ためのコストは高額過ぎます。ーを雇うことになるでしょう。ミドル及びバックオフィスで見出し独立系のRIAの中には、BDを導入すています。フロントオフィスでは、る困難を認識すると同時に、会社が顧客とのリレーションシップに活用その業務の過程で得たデータを組織します。ミドルオフィス及びバック化し、分析する方法等で対応してい 6 （要約翻訳：吉野雅法、CFA）前向きな将来予測情報には後ろ向き？企業開示に関する議論には投資家の視点を交えることが必要 Backward on Forward-Looking Information? CFA協会ではこれまで、会計基準やする上で極めて重要な情報である。て減価償却期間の設定に当たって取開示基準を制定する当局に対して投例えば、償却原価のような過去の情り入れられているからである。この資家の視点を提供することに努めて報よりも現在の状況と将来の予測をように資産と負債でそれぞれ測定方きたが、2013年には「将来予測情含んだ公正価値とその前提の方が投法やその概念が一致していないこと報：SECの開示制度見直しにおいて資家にとっては有用である。加えて、が、会計情報の利用者に混乱を来た熟慮すべきこと」と題するレポート金融危機以後はリスクや流動性も公している。を発行した。正価値を知る上で重要な開示要素にどこに将来予測情報を記載して、どそのレポートの中で米国の証券取引なった。こにしないのか、その線引きをいく法やSEC規制で定義される将来予しかし投資家がその有用性を指摘しらしたところで求められる会計の質測情報の変遷を調査したところ、米ているにも関わらず、これらの情報の向上の制約にしかならない。当局国会計基準（US GAAP）には将来予を財務諸表に記載することについて、は財務諸表上の位置という瑣末な議測情報に関する定義がなく、そのた会計基準委員会（FASB）の動きは論ではなく、その向上すべき会計のめ財務諸表の中に将来予測情報を書遅い。当協会は、こうしたFASBの質とは何かを考えてもらいたい。くのをためらっている企業があるこ動きは一貫性を欠いていると考えてとが分かった。しかし、投資家にといる。なぜなら、将来予測の概念は、って将来予測情報は投資意思決定を既に金融商品会計や減損会計、そし（要約翻訳：槙野NAO）アルファ機長のフライングサーカス Captain Alpha’s Flying Circus ラルフ・ワンジャー、CFA プロフェッショナルな投資家も人間す。負います。なぜなら彼らは勝ちたいであり、人間であれば誰にでもバイなぜアクティブ運用は人気を失って気持ちが強いからです。勝つためにアス（先入観や偏向）はあります。いるのでしょうか。一つには、過去は、より多くのリスクを負わなけれバイアスは悪くもあり、中立であり、 7年間で良い成績を残せていないかばなりません。彼らの好戦的な気質また良くもあります。何より私たちらです。ヘッジファンド業界においは、法を犯す程に無鉄砲となることにとって重要なバイアスの一つは、て自己を神格化している天才でさえさえあります。投資家のアクティブ運用に対する関悲惨な結果となっています。しかし、では、プロフェッショナルな投資家心です。最近FAJに掲載された記事投資の世界は常に周期的な性質を有はどうするべきでしょうか？3つのにおいて、チャールズ・エリスはパしています。クオンツな考え方からステップが助けとなるでしょう。一フォーマンス重視の投資は時代遅れすると、個別銘柄と市場との相関性つ目は、他の人々のバイアスに気をであると公言していました。しかし、が今後低くなればアルファが突出し、付けることです。次に、自分自身のそれでもなお多くのプロフェッショアクティブ運用が再度ファッショナバイアスを認識することです。そしナルがCFA協会認定証券アナリストブルになるに違いありません。て最後に、もし自身が持つバイアスを目指そうと決めたのは、私たちはもう一つ重要なバイアスを挙げるとが有害なものであれば、自身の行動聡明であり、勇敢な勝負師であり、すると、ファンドマネージャーのリを改めることです。向こう見ずなトップガンパイロットスクを厭わない姿勢です。時にファだからです。パッシブ運用は、定期ンドマネージャーは、クライアント航空パイロットに過ぎないと思いまが心地よく思わない程のリスクを背 7 （要約翻訳：木村貴明）マネーフローと共に Go with the Flow ネイサン・ジェイ、CFA 金融危機というものは、一般的に金それが発生する前に大量な投資資金は、マネーフローを注視することに儲けのために規制の網をすり抜けるが国境を越えて流入し、その国の通よって運用資産の売買タイミングをような行為によって引き起こされる貨や資産価格が急激に上昇している探ることができます。次にマネーフと考えられています。例えば2008年ことです。そしてその急速な上昇がローの状況に応じて銀行資本の十分の米国での金融危機については、銀維持できなくなったとき、資金の借性を考慮する等、金融規制をより効行などの金融機関がリスクの高い資り手の返済が滞り、不動産や金融資率的なものにできるでしょう。また産に多く投資し過ぎたことが原因と産の価格は急落し、遂には金融危機マネーフローが資産価格や家計所得されています。しかしそれは正しくが発生するのです。さらに外貨建て等に与える影響を考慮することで、はありません。2008年の例でいえば、で借り入れを行っていた場合には、中央銀行による金融政策もより効果そのような危機がなぜ1988年とか通貨危機も同時に発生します。この的にすることができます。更には、 1998年には起きなかったのかが説ようにマネーフローの変動こそが金各国間におけるマネーフローの不均明できないのです。銀行などによる融危機の本当のメカニズムだと言え衡な状態を最大限解消するような国リスク性資産への投資は1988年かるでしょう。際的な金融制度の構築にも役立つでら2005年にかけてなんら変化してこのようにメカニズムを理解するこしょう。いないのですから。とによって、次のように応用するこ過去の金融危機に共通しているのは、とができます。まず投資家にとって 8 （要約翻訳：金子豊和、CFA） CFA People 12月以降、日本CFA協会が主催する主なセミナー等の予定は以下のとおりです ●12月 5日（金）とコーポレートガバナンス・コード- 時間：19：00- ●12月 10日（水） ●1月 23日（金）会場：東京金融ビレッジラウンジ CFA資格アワードセレモニー CFA試験対策セミナー時間：18：20- 会場：東京金融ビレッジラウンジ会場：東京金融ビレッジ時間：18:30- 19:30 時間：19：00- 「CFA協会リサーチチャレンジ最終審査会及び表彰式」 ●12月 10日（水） Year-end Party 日本CFA協会特別シンポジウム会場：東京金融ビレッジラウンジ ●1月 27日（火）協賛:日本IR協議会時間：19：30- 「説得するビジネス・プレゼンテー会場：東京金融ビレッジルーム1,2,3 ション」- 目的を達成するプレゼン時間：13:20- 16:30 ●1月 19日（月）テーションを行うために「金融の将来」イニシアチブ CFAキャリアセミナー会場：東京金融ビレッジ -日本版スチュワードシップ・コード会場：東京金融ビレッジ時間：19：00- 9 ［報道に関するお問い合わせ先］CFA協会広報事務局担当：株式会社ppc福嶋・松本 Tel 03-6809-2690/Fax 03-6909-2691 E-mail：[email protected] 10