「お茶の京都」構想(素案)(たたき台) 1 構想の趣旨 全国的に人口減少が進む中にあって、地域を維持し活力あるものにするためには、地 域に内在する真の価値を見出し磨き上げることを通じて、内の人には誇りを、外の人に は感動を沸き立たせることにより、活気のある地域をつくり、交流人口の拡大、地域経 済の活性化、雇用の創出を喚起し、定住人口の増加等を図ることが重要である。 地域振興を推進するためには、それぞれの地域の持つ価値、特色を今以上に分かりや すく、かつ他地域と異なるものを際だたせることが必要である。 京都府南部の山城地域は、中国からお茶が日本に伝えられて以来、時々の権力者と町 衆の支持を得て、栽培や製茶技術の工夫・革新を繰り返しながら、日本茶を代表する「抹 茶」「玉露」「煎茶」を生み出し、生活の中の喫茶など日本茶文化を支えてきた。また、 その中で「抹茶」「玉露」「煎茶」の生産に対応した平地や山間地、河川敷、などの地 形をいかした茶園や集落、水運の集積地として栄えた茶問屋の街並み景観などを形づく り、中世以来、宇治茶を生産し続けてきた山城地域は、まさに「日本茶のふるさと」で あり、受け継がれてきた茶生産の景観は、日本茶生産の伝統と技術革新の歴史を伝承す る物証として無二の存在である。 このような中、平成18年度から、『宇治茶を通した和の文化の継承と「お茶する生活」 の実現』を基本コンセプトにした「宇治茶の郷づくり」を、平成23年度から、宇治茶の 価値を日本や世界の人々に伝え・共有し、人類共通の貴重な宝として将来にわたって継 承していく仕組みづくりを進めるため、宇治茶の世界文化遺産登録を推進している。 山城地域は、京都と奈良という日本を代表する古都に挟まれ、多くの貴族の別荘や寺 院が建設され、人・もの・文化が盛んに行き来した交流の地という特徴を有しており、 さらに、平成 35 年度までに予定されている新名神高速道路の開通や、平成 34 年度の開 通を目指しているJR奈良線の高速化・複線化第 2 期事業、2020 年(平成 32 年)の東京オ リンピック・パラリンピック開催などにより、人・ものの流れが飛躍的に増大し、海外から も多くの人が訪れ、日本文化に触れて、その素晴らしさを体感するなど、大きな交流が生ま れ、地域がさらに元気になっていくことが期待される。 このような認識のもと、「お茶の京都」構想として、他産地にはない歴史と文化を有し、 日本茶の代名詞である「宇治茶」に着目し、古くから交流の舞台であった山城地域において、 歴史的・社会的背景や交通基盤整備の進捗、宇治茶の郷づくりの成果や宇治茶の世界文化遺 産登録の取組を活かし、宇治茶をテーマに、お茶の歴史・文化、魅力を感じる交流エリアの 創造・発信や美しく個性的な茶畑景観維持、お茶を中心とした観光振興、回遊システムの整 備、また、これらの取組を支えるお茶産業の振興など、総合的・計画的な地域振興策を、地 域住民・団体、関係市町村、府等が役割分担・協働して推進する。 対象地域は、原則として、世界文化遺産登録を目指すなど、宇治茶生産の基盤、美しく個 性的な景観を有する山城地域一帯(12市町村のエリア)とする。 1 2 めざす姿 宇治茶の生産や美しい茶畑等の景観が将来にわたって維持・保全・継承される中で、お茶の 価値・素晴らしさを地域住民自らが実感し、さらに磨きをかけることによって、地域の新た な魅力を生みだし、誇りが高まること。 宇治茶をテーマに地域の様々な資源をつなぎ、多くの人々に戦略的・総合的に伝え、発信す ることにより、「日本茶のふるさと」として、魅力ある強い集客力をもつ交流圏が形成され、 地域経済への波及効果を生み出す持続的な仕組みが、民主導により構築されていること。 3 現状と課題 山城地域には美しい茶畑景観や茶問屋街など、優れた資源があるが、広い範囲に点在し地域 としての発信力に欠けている現状にあり、統一感のある景観整備や資源のストーリー付け、 情報発信、入込客等が長時間滞在できる魅力的なコンテンツや周遊システムづくり、少額な 観光消費単価の増強対策が必要。 交流人口の拡大や経済的な効果の循環等、地域の持続的な発展を図るためには、これまで進 めてきた茶業振興や宇治茶の郷づくり、世界文化遺産登録推進に加え、交通基盤整備や観光 振興など、地域振興に効果があがる総合的なハード・ソフト両面からの対策が必要。 山城地域は、日本茶のふるさととして、玉露、抹茶、煎茶の産地が形成され、日本のお茶産 業をリードしてきたが、消費の減少や茶価の低迷、生産者の高齢化などが顕在化してきてお り、お茶をテーマに地域振興を進めていくためには、その基盤となる宇治茶産地を維持、発 展させていくことが不可欠であり、そのためには、嗜好品としての競争力の強化など、これ らの課題に対応する新たな対策が必要 4 基本戦略 シナリオ(論理展開) ① 美しく個性的な茶畑景観等の維持・保全を図るとともに、宇治茶をはじめとする地域 資源の素晴らしさをさらに掘り起こし、磨きをかけ、地域の人たちが改めて価値を見 いだし、誇りをもつこと ② 地域の強み、価値を内外にアピールし、マーケットに届けるため、その戦略的な交流 拠点づくりを進めるとともに、これらの地域資源のネットワーク化、統一的な発信を 図る ③ 民主導の取組を徹底し、経済的な効果を地域に循環させ、交流人口の拡大を図り、持 続的な地域振興につなげる ④ 「お茶の京都」の基盤となる宇治茶生産の維持・継承、競争力の強化など、これまで 培われてきたお茶産業のさらなる振興を図る 2 行動原則 ① 「民主導」の徹底 ② 「景観」・「デザイン」の重視 ③ 「集中とネットワーク」戦略 ④ 「高品質・ほんもの」の追求 5 施策展開方向 (1)お茶の歴史・文化、魅力を感じる交流エリアの創出・発信 ① 「宇治茶生産の景観」の価値の共有・発信 緑茶として独自の発展を遂げた宇治茶の生産と山城地域の風土により形成された茶畑や茶 問屋の街並みなど、日本茶のふるさと「宇治茶生産の景観」の価値を国内外に発信するため、 景観資産価値の裏付け・向上や府民運動展開を図り、宇治茶の世界文化遺産登録を目指す。 (事業例) ・海外類似資産事例調査をはじめ景観資産価値の裏付け・向上 ・シンポジウムや宇治茶文化講座の開催など「府民運動の展開」 ② 戦略的な交流拠点づくり 宇治茶生産の景観の維持・保全の取組をもとに、美しい茶畑景観や茶問屋の街並み、喫茶 など宇治茶をはじめとする歴史・文化を、多くの人々が観て、感じて、味わうことができる 戦略的な交流拠点づくりを進め「お茶」をキーワードとした魅力ある交流エリアとして発信 (事業例) ・宇治茶生産景観の維持保全のための茶園等の修景整備 ・茶問屋の街並み等、魅力ある景観形成に資する関連施設の修景整備 ・展望施設、散策道、案内看板等、景観活用の施設整備や周遊道路の改良 ・直売所、縁側カフェ、農家レストラン、体験施設等の交流拠点整備 ※戦略的な交流拠点づくりの内容(別表) ③「お茶」を中心とした地域資源を活用した観光振興及び情報発信 茶畑景観や抹茶スイーツ、お点前体験など、多面的な観光資源としての魅力を持つお茶と、 歴史・文化、産業など様々な物語性やテーマ性を持つ地域資源を組み合わせることにより、 山城地域に繰り返し訪れたり、長時間楽しめる観光ルート等の開発など、山城地域全体で広 域的な観光振興施策を展開 また、増加する個人旅行客や外国人旅行客にも対応するため、山城地域の魅力を情報誌や インターネット、SNSなど様々な方法で集中的・継続的に情報発信 3 (事業例) ・観光事業者、交通事業者と連携した新たなツアーの造成 ・トータルコンセプトによる情報発信と、テーマやターゲットを明確にした広域的な 観光プロモーション活動の展開 ・交流拠点や茶畑景観等の観光資源をつなぎ、発信する着地型ツアー商品の造成 (2)お茶の魅力をつなぐお茶の回遊システムの整備 各地域の茶畑景観や交流拠点をつなぎ、回遊できるよう、景観にマッチしたアクセス道路 の改良・修景整備等を行うとともに、「宇治茶かおり回廊(仮称)」づくりや公共交通網の 整備など、国内外からの来訪者の幅広いニーズや指向に的確に対応する高品質の滞在・回遊 システムづくりを進め、山城地域全体をお茶をテーマにした「おもてなしの大交流圏」を目 指す。 (事業例) ・アクセス道路の改良・修景整備、案内標識、観光案内看板の設置 等 ・宇治茶かおり回廊(仮称)の整備 ・交流拠点を結ぶ広域サイクリングロードの整備 ・回遊性とアクセス強化のための公共交通網の整備 ○宇治茶かおり回廊(仮称)の概要 お茶の景観を活かした「お茶の京都」づくりのため、山城地域の「宇治茶」に関わる魅力的 な拠点を巡る「回廊」を選定し、ソフト・ハード両面から整備するとともに、内外にその魅力 を発信、交流を通じた地域振興につなげる。 ① 街道の選定 各市町村の「お茶の京都」の交流拠点・エリアを結ぶ「街道(回廊)」を、原則として国 道又は府道から選定するとともに、それぞれの市町村にある、お茶に関わる①景観を楽し んだり、②歴史や文化を学んだり、③魅力を体感したり、④商品を購入したり、⑤飲食を 楽しんだりできるさまざまな拠点を巡る「街道(回廊)」を、府道、市町村道、林道から選 定する。 これらに加えて、歩いて拠点を巡るルートやサイクリングロードも選定し、「街道(回 廊)」と区別できるわかりやすい名称(例:「○○の小径」、「○○探訪ルート」等)を検討 する。 ② 街道の整備 各地域の景観計画等とも整合を図りつつ、府道及び府管理国道を中心に、設備更新時 期も見据えながら、「お茶の京都」にふさわしい整備を行うとともに、市町村道や林道に ついてはガイドラインを示し、統一のとれた整備を行う。 ・街道(回廊)の名称、「お茶の京都」のマーク等を示す「標識」の設置 ・交流拠点・エリアや地域のさまざまな拠点への「案内標識」の設置 ・ガードレールへの「お茶の京都」のマークやライン等の表示 4 (3)お茶産業の活性化 ① 宇治茶の生産振興、研究・人材育成 宇治茶をテーマにした地域振興のためには、その基盤である宇治茶の生産・景観が維 持・継続され、さらなる質の向上がなされることが重要である。このため、茶園等の基 盤整備や効率化によるコスト削減、新たなブランド対策により、生産性、収益性を高め るとともに、茶業研究所の研究・人材育成の機能強化により、宇治茶産業の活性化を図 る。 (事業例) <宇治茶の生産振興、景観保全、担い手対策、ブランド・販売戦略> ・山なり茶園など「宇治茶生産の景観」維持のため農道等整備 ・高級てん茶・玉露の本ず被覆生産対策や「摘み子」登録制度の創設など手摘み人材確保 ・茶産地の経営力向上・担い手確保のための受託組織の支援や老朽茶園・茶工場整備、 乗用摘採機導入等の支援 ・手摘み茶 100%など「プレミアム宇治茶」の開発によるブランド戦略や水出してん茶、 水出し玉露など新たな商品販売戦略の展開 <研究・人材育成機能の強化> ・経営力向上のための「宇治茶アカデミー」の開設や後継者育成研修の実施 ・「茶業研究所機能強化」に向けた基本・実施設計、産学官連携による機能性食品の開発、 ICT を活用した最先端生産管理システムの開発等 ② 宇治茶の消費拡大 歴史、景観、品質で日本を代表する宇治茶の「ほんもの」の強みをさらに活かし、現地か ら国内外へ様々な世代や価値観に応じて宇治茶の魅力を広く発信することにより、宇治茶の 消費拡大を図り、併せて宇治茶づくしの文化・地域振興につなげる。 (事業例) <宇治茶の歴史と文化の再発見運動の推進> ・地域及びターゲット層を特定した宇治茶の魅力発信 (山城地域) ○小学生を対象としたお茶育の実施 ○各小・中学校等での「お茶」をテーマにした授業、サークル活動等の推進 ○府、市町村、団体、企業、地域住民等を対象としたお茶作法等の習得支援 (京都市域) ○お茶関係、観光関係の企業等に対する販売等の促進 (首都圏・海外) ○富裕層を対象とした「おもてなしツアー」、高級宇治茶の販売促進 ・「宇治茶の郷づくり応援団」による「お茶の京都」づくり推進に向けた取組支援 5 ・健康食品としての宇治茶の魅力を健康関連企業へ発信 ・SNS等による情報発信の強化、宇治茶カフェの首都圏進出、「お茶の京都」宇治茶ま つりの開催 6 推進体制 以下の組織を新設し、役割分担・協働しながら推進する。 (1)お茶の京都推進会議 ・地域の住民・実践者、地域内外の有識者、関係市町村・府等で構成 ・構想の検討・策定や、構想実現に向けた実践等を行う (2)お茶の京都プロジェクト ・京都府、関係市町村の関係部局で構成 ・「お茶の京都」推進に係る全体調整や、行政の実施する事業についての検討・調整 (3)お茶の京都観光協議会 ・関係市町村、観光連盟、各観光協会、交通事業者、京都府で構成 ・山城地域全体で広域的な観光振興施策を民間団体も含めて検討、推進 以下の既存組織と効率的に連携・協働しながら推進 (1)宇治茶の郷づくり協議会 (2)宇治茶の世界文化遺産登録推進プラットフォーム 6 戦略的な拠点づくりの内容(概要) ■宇治市 ①戦略的な拠点のエリア 宇治橋周辺地区 ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~「お茶の京都」中核エリアとして、歴史・文化が体感できるまちづくりを展開~ ●宇治らしさを極める 市内にある歴史・観光資源や景観、まちの文化を大切にするとともに、さらに磨きをか け、個性豊かな宇治を創造する ●おもてなし力を極める 宇治茶が生活の中に息づく地域文化の醸成を図り、来訪者に対しておもてなしの意識を もつとともに、外国人観光客にも観光しやすい環境整備を推進する ●情報発信力を極める 宇治茶を始めとした宇治の歴史や文化、魅力を解りやすく国内外に情報発信する ③ 主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■城陽市 ①戦略的な拠点のエリア 五里五里市、文化パルク城陽・城陽旬菜市直売所、荒見神社(仮称)道の駅梅の郷青谷 ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~農産物直売所「五里五里市」等をほんものの宇治茶(抹茶)のおもてなし・発信の場としての 整備を目指す~ 【五里五里市】 「味わう・買う・給茶・休む」ことのできる「おもてなし」の場所として整備を目指す。 (当直売所敷地は、かつては、茶工場であり手揉みの茶が生産されていた場所) 【文化パルク城陽・城陽旬菜市直売所】 施設内の本格的な茶室「梅菖庵」で、「ほんまもんに触れる」をコンセプトに、城陽の オリジナル抹茶「鷺坂の昔」を使ったお茶席の定期開催などの拠点整備を行う。 【荒見神社】 荒見神社では、毎年10月第3日曜に「城陽茶まつり」として、口切の儀、茶席、お茶 の入れ方教室、茶そば等を実施。「歴史」をコンセプトに、城陽オリジナル抹茶「鷺坂の 昔」を使った、お茶席を定期的に開催できる施設と併設して、茶の歴史に触れられる展示 スペース整備等を行う。 【(仮称)道の駅梅の郷青谷】 京田辺・城陽・宇治田原と玉露・てん茶・煎茶の産地を結ぶ「お茶街道」でもある国 道307号線青谷バイパス沿道に計画中の(仮称)道の駅「梅の郷青谷」について、梅だ 7 けでなく本市の特産物であるお茶や金銀糸等もPRする拠点とも考え、茶室と併設して茶 の歴史や抹茶づくり体験、茶の販売・給茶できる施設としての整備を検討 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■八幡市 ①戦略的な拠点のエリア 京阪八幡市駅から四季彩館、木津川流れ橋・河川敷茶園、伊佐家住宅へ通じる路線沿い。 また、石清水八幡宮から松花堂・円福寺を結ぶ東高野街道沿い ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~やわた流れ橋交流プラザ「四季彩館」を核に、ほんものの宇治茶を味わい、河川敷茶畑景観 や松花堂庭園など歴史的観光資源を結び発信~ 四季彩館は、都市農村交流施設としてH14年開設。木津川流れ橋を含め河川敷に広 がる茶畑景観のビューポイントで、年間10万人の来場者がある。また、木津川サイクリ ングロードのほぼ中間点に位置し、サイクリストのオアシスとなっている。 また、石清水八幡宮から南へ延びる東高野街道沿いには、お茶にかかわる施設だけにか かわらず、歴史的な観光資源が点在する。これらを活かし、地域の活性化を図る。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■京田辺市 ①戦略的な拠点のエリア 普賢寺と飯岡(草内及び東を含む) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~普賢寺ふれあいの駅、飯岡の覆下茶園景観を結び、最高級宇治茶「玉露」を見て、知って、 味わい楽しむことができる交流・発信エリア整備~ 普賢寺ふれあいの駅でお茶と新鮮な地元産農産物を味わい、茶器・茶道具の専門店で お買い物を楽しむ。3月~5月は寒冷紗で覆われる飯岡の茶園を見て、その独特な景観 の経緯について知り、先人の知恵に思いをはせる。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■木津川市 ①戦略的な拠点のエリア 木津川市上狛地区、当尾・瓶原・H・RP(ハイタッチリサーチパーク)をつなぐ環 8 ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~茶問屋街の歴史的景観を中心に、魅力ある観光資源をつなぎ、「あふれる歴史とお茶が薫る 『環』の回廊」として一体的に整備~ 市内には、魅力あふれる歴史文化の薫る地域が多く存在している。 また、茶文化については、上狛南部地域に今も35軒ほどの茶問屋が存在し、古い町 屋が軒を連ねる歴史的景観を形成している。当該地域では、お茶を煎る香りが漂い、お茶 の文化が地域文化として根付いていることから、当該地域を中心に市内全域を「あふれる 歴史とお茶が薫る回廊」として、一体的な整備を進める。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■久御山町 ①戦略的な拠点のエリア クロスピアくみやま(久御山JCT、イオンモール久御山隣地) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~クロスピアくみやまを核に、「お茶の京都」の北の玄関口として、お茶のおもてなし、観光案内に より山城地域の発信・交流 を促進~ 、 クロスピアくみやまは、久御山町の産業や観光をなどの情報を発信する拠点施設であり バス待合コーナーや商工業の製品を紹介する展示ロビーのほか、地元野菜や商工業製品 の販売コーナーがある。お茶の京都として、展示・販売・観光案内や宇治茶のおもてな しなどを検討する。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■井手町 ①戦略的な拠点のエリア 井手町まちづくりセンター「椿坂」周辺~フルーツライン(観光農園)周辺 ※椿坂からフルーツラインの間は、山背古道や万灯呂山のすそ野を抜ける林道で結ばれ ており、道中には茶園も点在 ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~井手町まちづくりセンター椿坂を核に、まちづくり活動とお茶のコラボによる交流・発信~ 町内の観光拠点であるまちづくりセンターを中心にお茶を使った体験観光などについて 検討を進める。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) 9 ■宇治田原町 ①戦略的な拠点のエリア 宇治田原町湯屋谷エリア(宗圓生家、茶宗明神、上大福茶園) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~永谷宗円生家を核に、観光客を呼び込み、回遊できる拠点整備を行い、日本緑茶発祥の地を 全国に発信~ 宗圓翁生家から上大福谷までの郷之口湯屋谷線の道路整備がされている。 今後町内で初めて茶を植えられた地(上大福)までの通行が可能となるため、上大福で 宗圓翁が耕作していた場所の茶園整備を行い、宗圓翁生家・茶宗明神社・大滝との連携を 持って日本緑茶発祥の地を全国に発信し観光客の集客を図る。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■笠置町 ①戦略的な拠点のエリア わかさぎ温泉笠置いこいの館、笠置山(笠置寺行場めぐり) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~豊かな歴史・文化をもとに、周辺地域とのつながりの中で、お茶や豊かな自然を活かした観光 振興~ お茶どころである山城南部地域において、笠置町の歴史・文化を基に他地域とのつなが りの中で、お茶や豊かな自然を活用した観光振興を図る ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) 10 ■和束町 ①戦略的な拠点のエリア 中核拠点和束茶カフェを中心とした、茶源郷交流エリアに存在する文化的景観、文化財 が点在する地域(天空カフェ・安積親王陵墓・弥勒磨崖仏・八坂の杉・鷲峰山金胎寺 和束茶カフェ・集落景観) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~美しい茶畑景観、文化・歴史、自然を巡り満喫できる茶源郷交流エリア、回遊システムの整備~ 本町の観光資源は、郷土景観であり、その土地の産業、生産や風習、人の織りなす風 景など、その土地の自然環境や歴史、文化を表す特徴的な景観を構成している。この事を 大切にし産業、生産の振興により風景の維持・管理をしていくための整備を行っていく。 また、拠点については茶源郷交流エリアにある文化的景観、文化財を結び、中核拠点( 和束茶カフェ)を中心に、茶畑景観を楽しんでもらうために面的、線的な広がりと、自然 、歴史、文化を知ってもらえるような資源の整備を行う。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) ■精華町 ①戦略的な拠点のエリア けいはんな記念公園及び精華町内スイーツ店(和菓子・洋菓子) ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~南部の一大集客施設けいはんな記念公園を核に、お茶やスイーツをテーマにした広域的な 交流・発信~ 【記念公園】 ・京都南部(南山城)の原風景をテーマにした、日本的な風情のある公園。 ・お茶のPRにも最適な庭を有する施設であり、誰でも気軽に利用できる公園で、茶畑 風景と庭をセットにした環境の提供ができる。 ・大阪や奈良からのアクセスもよく、自主事業も年間150回程度実施、イベント開催 のノウハウもあり、集客を見込む。(年間60万人の来場者数) 【まちづくり】 ・精華町はスイーツ(和菓子・洋菓子)店が多く、その特色を活かした地域づくりをす る。そのイベント拠点としてけいはんな記念公園を見込む。イベントにおいては、店 舗まで足を運べる仕組みを構築し、実施する。(スタンプラリーの実施など)お茶の 文化発信を視野に入れたイベントの企画について、連携 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) 11 ■南山城村 ①戦略的な拠点のエリア 南山城村農林産物直売所(将来的には整備中の「道の駅」及び「少年自然の家」)を拠点 として、高尾地区、田山地区、北大河原地区、野殿地区、童仙房地区の茶畑を中心とした村 内全域をエリアとする ②拠点づくり・整備の基本方針(コンセプト等) ~美しい茶畑景観をはじめ地域の資源・魅力を巡る回遊システム・体験プログラム等を構築し、宇 治茶の主産地から発信~ 歴史ある茶畑景観などの地域資産の魅力の再発見により、サイクリングやウォーキング コースといった茶園を巡る回遊システムの構築並びに案内板や案内マップ、給茶スポッ トなどの整備を行うと共に、直売所や道の駅、少年自然の家、童仙房生涯学習センターなど を拠点とした体験プログラム等の実施により、南山城村を訪れる来客者に対して『宇治茶の 主産地南山城村』を広く村内外にPRする。 ③主な実施事業(役割分担、スケジュール等) 12
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