インサート軸受ユニット 取 扱 説 明 書 - 旭精工

HE13
HE13-
13-004
インサート軸受ユニット
(偏心輪固定方式)
取 扱 説 明 書
目次
Page
1.適用範囲・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2.各部の名称及びはたらき・・・・・・・・・・・・2
3.軸の選定・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
4.取付け方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
5.点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
1)騒音・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
2)温度上昇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
6.潤滑・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1)潤滑グリース・・・・・・・・・・・・・・・・・6
2)グリースの補給方法・・・・・・・・・・・・・・7
3)グリースの補給量・・・・・・・・・・・・・・・8
4)グリースの補給間隔・・・・・・・・・・・・・・8
7.軸受の取替え・・・・・・・・・・・・・・・・・9
別紙
偏心輪固定方式の原理
旭精工株式会社
1.適用範囲
この取扱説明書は表1.1,1.2に示すインサート軸受ユニットに適用する。
表1.1
印ろう付
角フランジ形
ピロー形ユニット
ひしフランジ形
テークアップ形 カートリッジ形
丸フランジ形
ユニット
ユニット
ユニット
ユニット
ユニット
UGP204
―
UGPH204 UGPA204
UGF204
UGFC204
UGFL204
UGFK204 UGFA204
UGT204
UGC204
UGP205
―
UGPH205 UGPA205
UGF205
UGFC205
UGFL205
UGFK205 UGFA205
UGT205
UGC205
UGP206
―
UGPH206 UGPA206
UGF206
UGFC206
UGFL206
UGFK206 UGFA206
UGT206
UGC206
UGP207
―
UGPH207 UGPA207
UGF207
UGFC207
UGFL207
UGFK207 UGFA207
UGT207
UGC207
UGP208 UGIP208 UGPH208 UGPA208
UGF208
UGFC208
UGFL208
UGFK208 UGFA208
UGT208
UGC208
UGP209 UGIP209 UGPH209 UGPA209
UGF209
UGFC209
UGFL209
UGFK209 UGFA209
UGT209
UGC209
UGP210 UGIP210 UGPH210 UGPA210
UGF210
UGFC210
UGFL210
UGFK210
UGFA210
UGT210
UGC210
UGP211 UGIP211
―
―
UGF211
UGFC211
UGFL211
―
UGFA211
UGT211
UGC211
UGP212 UGIP212
―
―
UGF212
UGFC212
UGFL212
―
―
UGT212
UGC212
UGP213 UGIP213
―
―
UGF213
UGFC213
UGFL213
―
―
UGT213
UGC213
表1.2
ピロー形ユニット
印ろう付
角フランジ形 角フランジ形
ひしフランジ形 テークアップ形 カートリッジ形
ユニット
ユニット
ユニット
ユニット
ユニット
UGP306
―
UGF306
UGFS306
UGFL306
UGT306
UGC306
UGP307
UGP308
UGP309
―
―
―
UGF307
UGF308
UGF309
UGFS307
UGFS308
UGFS309
UGFL307
UGFL308
UGFL309
UGT307
UGT308
UGT309
UGC307
UGC308
UGC309
UGP310
UGP311
UGP312
―
―
―
UGF310
UGF311
UGF312
UGFS310
UGFS311
UGFS312
UGFL310
UGFL311
UGFL312
UGT310
UGT311
UGT312
UGC310
UGC311
UGC312
UGP313
UGP314
UGP315
UGIP313
UGIP314
UGIP315
UGF313
UGF314
UGF315
UGFS313
UGFS314
UGFS315
UGFL313
UGFL314
UGFL315
UGT313
UGT314
UGT315
UGC313
UGC314
UGC315
UGP316
UGP317
UGP318
UGIP316
UGIP317
UGIP318
UGF316
UGF317
UGF318
UGFS316
UGFS317
UGFS318
UGFL316
UGFL317
UGFL318
UGT316
UGT317
UGT318
UGC316
UGC317
UGC318
備考:この取扱説明書は、表1.1,1.2に記載した標準品以外で、補助記号(注1)・集約記号(注2)付
きのユニットにも適用する。
(注)1.軸受,軸受箱,主要部品の精度や形状、追加工等の特殊・変更記号。
2.呼び番号で、字数が多過ぎたり、複雑になったりした特殊品の簡略化記号。
- 1 -
2.各部の名称及びはたらき
スリンガ
:内輪に固定され、内輪と共に回転するため、遠心力により塵埃の侵入を防止する。
ゴムシール
:外輪に固定され、リップ部は内輪に接触しているのでグリースの漏出、外部からの塵埃や湿気
の侵入を防止する。
グリースニップル:潤滑グリースを補給するための部品であり、使用される環境に応じた間隔にてグリースを補給
することで、軸受寿命を長くすることができる。
固定用ピン座
:この位置にピン穴を設けることで、軸受交換時のインサート軸受ユニットの位置決めが容易に
行うことができ、さらに、取付けボルトの補強に便利である。
回り止めピン
:外輪の連れ回りを防止し、軸受・軸受箱間のはめあい面の摩耗を防ぐ。
偏心輪
:インサート軸受と軸とを固定する。偏心部を設けており、この偏心部が内輪偏心部と、軸上で
円周上にくさびを構成することで、軸へ固定される。
- 2 -
3.軸の選定
ユニットを取付ける軸は、曲りやかえりのないものを使用し、軸端は、面取りを施す。
内輪と軸とのはめあいは、取扱いの便宜上、一般にすきまばめで行なわれることが多い。このようにゆるい
はめあいを行なう場合の軸の寸法許容差は、表3.1に示す値が適当である。
高速回転、重荷重もしくは衝撃荷重を受ける場合などには、内輪と軸とのはめあいをしまりばめにすること
が望ましい。このようにかたいはめあいを行なう場合の軸の寸法許容差は、表3.2に示す値が適当である。
尚、偏心輪付きユニットをしまりばめで使用する場合には、偏心輪を使用しなくてもよい。
軸受と軸とをかたいはめあいで使用する場合、初期すきまを大きいものにしなければならない。
表3.1
軸の寸法許容差(ゆるいはめあいを行なう場合)
軸径(mm)
軸の寸法許容差(μm)
を超え 以 下 js7
h7
h8
10
18 ± 9
0~-18 0~-27
18
30 ±10.5 0~-21 0~-33
30
50 ±12.5 0~-25 0~-39
50
80 ±15
0~-30 0~-46
80 120 ±17.5 0~-35 0~-54
備考;js7を原則とする。
表3.2
軸の寸法許容差(かたいはめあいを行なう場合)
軸径(mm)
軸の寸法許容差(μm)
を超え 以 下
n6
n7
m6
m7
10
18 +23~+12 +30~+12 +18~+ 7 +25~+7
18
30 +28~+15 +36~+15 +21~+ 8 +29~+8
30
50 +33~+17 +42~+17 +25~+ 9 +34~+9
50
80 +39~+20 +50~+20 +30~+11 +41~+11
80 120 +45~+23 +58~+23 +35~+13 +48~+13
備考;軸径30mm以下の場合には、m6以外は使用しない方がよい。
4.取付け方法
1)ユニットを静かに軸に通し、所定の位置にもってくる。(写真4.1)
2)ユニットを機台に取付けボルトで確実に固定する。(写真4.2)
写真4.1
写真4.2
- 3 -
3)軸受の内輪に設けた偏心部に偏心輪の偏心部をはめ込む。(写真4.3)
4)偏心輪を軸の回転方向へ手で締め付ける。
写真4.3
写真4.4
5)止めねじを六角棒スパナで締付けて、偏心輪を軸に固定する。
備
考
1.偏心輪を軸に通す際、止めねじの先端が内径から出ていないかを確かめる。
もし出ている場合は、止めねじをゆるめる。
2.ユニットを軸に通すとき、こじれないように注意すると共に、内輪側面を直接たたいた
り、
スリンガをたたいたりしない。
インサート軸受
インサート軸受ユニット
軸受ユニットに
ユニットに強い衝撃を
衝撃を与えると両側
えると両側の
両側のスリンガが
スリンガが移動し
移動し、シールと
シールと接触する
接触する可
する可
能性がある
能性がある。
がある。その場合
その場合には
場合には、
には、回転トルク
回転トルクが
トルクが大きくなり、
きくなり、そのまま運転
そのまま運転すると
運転すると異常発熱
すると異常発熱や
異常発熱や異常音
発生の
発生の原因となる
原因となる。
となる。ユニット取付後
ユニット取付後、
取付後、軸へプーリや
プーリやスプロケット等
スプロケット等の伝動装置取付時において
伝動装置取付時において
も軸へ強い衝撃を
衝撃を与えると同様
えると同様のこととなるので
同様のこととなるので、
のこととなるので、インサート軸受
インサート軸受ユニット
軸受ユニットに
ユニットに強い衝撃が
衝撃が加わ
らないようにする。
らないようにする。
3.ユニットを取付ける機台は、軸受箱の変形を防ぐため、じゅうぶん剛性を持たせ、平面度をよ
くしておかなければならない。(カートリッジ形、テークアップ形を除く)
内径番号13以下(軸径φ65以下)は、平面度0.1mm以下。
内径番号14以上(軸径φ70以上)は、平面度0.15mm以下。
4.正・逆回転する装置では、次のいずれかの方法を講ずる。
a)偏心輪を手で締めたのち、より大きなトルクで締め付ける。(偏心輪きり穴にたがねなど
の治具を挿入し、プラスチックハンマで増締めする。)(写真4.4)
b)段付き軸を用いて、その肩に内輪を当てる。
c)2個の偏心輪付きユニットを対で使う場合には、偏心輪が共に外側あるいは内側になるよ
うに取り付ける。(この場合、大きなアキシアル荷重を受けることはできない。)
d)アキシアル方向固定用のカラーを用いて内輪を固定する。
5.止めねじの締め付けトルクは表4.1に示す値が適当である。
6.軸受箱固定ボルトの締め付けトルクは表4.2に示す値が適当である。
表4.1
止めねじの適正締め付けトルク
軸受の呼び番号
UG+ER
204,205
-
206
306
207~210
307~310
211,212
311~313
-
314
-
315~317
-
318
止めねじの呼び 六角棒スパナの呼び 適正締め付けトルク
(N・m)
M6×0.75
3
4.9
M8×1
4
11.8
M10×1.25
5
23.5
M12×1.5
6
39
M14×1.5
6
39
M16×1.5
8
66.6
M18×1.5
8
66.6
- 4 -
表4.2
軸受箱固定ボルトの締め付けトルク
トルク
ねじの呼び
(参考値)
トルク
ねじの呼び
N・m
トルク
ねじの呼び
N・m
N・m
M5
1.7~2.7
M14
38~61
M24
196~319
M6
2.8~4.5
M16
59~95
M27
294~466
M8
6.9~11
M18
81~130
M30
397~632
M10
14~22
M20
118~186
M33
539~862
M12
24~38
M22
157~250
M36
691~1107
5.点検
ユニットの取付けが終われば、その取付けが適正であるかどうかを検査する。
最初は軸を手で回し、円滑に回転することを確かめ、異常がなければ動力で回転させ、騒音、温度上昇などを
点検する。
1)騒音
軸受箱に聴音棒、ドライバーなどをあてて運転中の音を聞き、異常がないことを確かめる。(写真5.1)
正常な運転状態であれば、円滑な回転音が聞こえるが、取付けなどに異常があれば異常音となって現れる。
2)温度上昇
運転中に軸受外輪または軸受箱の外周の温度を測定する。(写真5.2),(写真5.3)
温度上昇は一般に運転開始後2~3時間で飽和し、定常状態に達するが、取付けその他に異常がある場合に
は、極端に温度が上昇してなかなか定常状態には達しない。(カートリッジ形の温度測定は軸受箱側面部で
行う。)
以上のことを試運転時に点検し、異常のないことを確かめてから本格的な稼働に移る。
なお、稼働中にも間隔を決めて定期的に点検を行い、軸受の故障を早期に発見することが望ましい。
また、騒音や温度上昇は、定常時との比較を行い、変化がないか監視することが事故や機械の損傷を未然に防
止する有効な対策となる。
写真5.1
聴音棒による回転音の確認
写真5.2
温度測定(接触式)
- 5 -
写真5.3
温度測定(非接触式)
6.潤滑
1)潤滑グリース
このインサート軸受には、表6.1に示すグリースを封入している。したがって、補給の際には、封入グ
リースと同一のグリースを使用することが望ましい。
表6.1 標準封入グリースの性状
種類
補助記号
一般用
-
耐熱用
HR4
HR5
耐寒用
CR2A
食品機械用
FD
HR20
Li
滴点
(℃)
182
使用温度範囲
(℃)
-20~+135
3
Ca複合
300以上
-20~+200
-
エーロシェルグリース7 昭和シェル石油
-
(マイクロゲル)
約250
-70~+150
NLGI No.1,2
の中間に相当
CLARION®FOOD
MACHINERY HTEP
GREASE,NO.2
2
Al複合
260
-12~+163
商品名
メーカー名
NLGI No.
石けん基
3
アルバニヤグリースS 昭和シェル石油
スーパールーブ
油研工業
CITGO Petroleum
Corporation
備考
-
備考1:表中の使用温度範囲は、グリースに対するものであって、ユニットとしての使用温度範囲はつぎ
の通りである。
一般用・・・・・・・・・・・・-15~+100℃
耐熱用
HR4・・・・・・・・ 常温 ~+120℃
耐熱用
HR5・・・・・・・・ 常温 ~+200℃
耐熱用
HR23・・・・・・・ 常温 ~+230℃
耐寒用
CR2A・・・・・・・-40~+100℃
食品機械用
FD・・・・・・・-10~+100℃
食品機械用(耐熱)
HR20・・-10~+150℃
備考2:耐熱仕様については、軸受ラジアル内部すきまを予め大きく設定しているので、C3、C4等のす
きま記号が補助記号として付される。
*HR23仕様について
HR23仕様は、インサート軸受内部に、ふっ素系高性能耐熱グリースを封入しており、無給油方式(メ
ンテナンスフリー)を標準としている。
無給油方式とは、軸受箱呼び番号に補助記号「G00」が付いている完全無給油式の軸受箱を用いた仕様、
及び「KU」「KA」鋼栓にて軸受箱のグリースニップル穴を塞いだ仕様など、グリースの補給機構を持た
ない仕様のユニット全てのことを示す。(図6.1~6.3)
図6.1 給油式ユニット
呼び番号例:UGP205
図6.2 無給油式ユニット(G00仕様) 図6.3 無給油式ユニット(鋼栓詰め仕様)
呼び番号例:UGP205G00
- 6 -
呼び番号例:UGP205,/KU
2)グリースの補給方法
グリースの補給は、軸受箱に取付けられたグリースニップルよりグリースガン(写真6.1)を用いて行
う。補給グリースには、ごみや異物がはいらないように注意する。グリースニップルが汚れている場合は
補給前にきれいに拭く。
グリースは、グリースニップルの補給口から球状軸受座の円周上に設けられたグリース溝を通って外輪
のグリース穴より軸受内部へ注入される。注入されたグリースは軸受の回転に伴って攪拌され、軸受内部
で初期封入グリースと混合し、余剰グリースは、ゴムシールリップ部を通ってスリンガと外輪との間より
排出される。(写真6.3、図6.4)
補給はグリースを軸受内部に一様にゆきわたらせるために、できるだけ運転中に行う。しかしながら、
高速運転中に補給することで危険を伴うときなどのように運転中の補給が困難な場合は、静止中に一部補
給した後、手回しまたは運転して攪拌させる様に、間欠運転させながら行なう。
静止中に
静止中に多量の
多量のグリースを
グリースを一気に
一気に補給すると
補給するとグリース
するとグリースにより
グリースにより両側
により両側ゴムシール
両側ゴムシールへ
ゴムシールへ内圧が
内圧が作用して
作用してゴムシール
してゴムシール
が外れ、スリンガに
スリンガに接触する
接触する可能性
する可能性がある
可能性がある。
がある。その場合
その場合には
場合には、
には、回転トルク
回転トルクが
トルクが大きくなり、
きくなり、そのまま運転
そのまま運転する
運転する
と異常発熱の
異常発熱の原因となる
原因となる。
となる。
写真6.1
グリースガン
写真6.2
グリースガンによる給油例
グリースの循環経路
補給機(グリースガン)
グリースニップル
ゴムシール
スリンガ
写真6.3
軸受内部からの正常なグリース排出状態
図6.4
グリースの循環経路
*低トルク仕様(補助記号:TAA)について
TAA仕様
TAA仕様は
仕様は、非接触式の
非接触式のゴムシール(
ゴムシール(図6.5)を使用し
使用し、封入グリー
封入グリー
スをアルバニヤグリースS
アルバニヤグリースS1(NLGI No.
No.1)、初期グリース
初期グリース封入量
グリース封入量を
封入量を標準の
標準の
1/3にした低
にした低トルク仕様
トルク仕様であるため
仕様であるため、
であるため、グリース補給
グリース補給を
補給を行うと、
うと、内部グリ
内部グリ
ース量
ース量が増えトルクが
トルクが増加するので
増加するので、
するので、注意が
注意が必要である
必要である。
である。
図6.5
- 7 -
非接触シール
3)グリースの補給量
グリースの補給量は、表6.2の量が適当である。定量的な補給が困難な場合は、補給量の目安として外輪
とスリンガとのすきまから劣化したグリースがにじみ出る程度まで補給する。(写真6.3)
表6.2
グリース補給量
単位:g
軸受の呼び番号
グリース補給量
軸受の呼び番号
グリースの補給量
UG204
1.2
-
-
UG205
1.4
-
-
UG206
2.2
UG306
3.8
UG207
3.2
UG307
5.7
UG208
3.9
UG308
7.8
UG209
5
UG309
9.4
UG210
5.4
UG310
12.8
UG211
7.4
UG311
16.4
UG212
10
UG312
21
UG213
11.8
UG313
26
―
―
UG314
31.5
―
―
UG315
38
―
―
UG316
41
―
―
UG317
52
―
―
UG318
62
注)補給量は一回当たりの量を示す。
4)グリースの補給間隔
グリースの補給間隔の目安を表6.3に示す。
表6.3
グリースの補給間隔
環境条件
軸受の運転温度
℃
かなりきれい
ごみが多い
非常にごみ、湿気、水しぶきが多い
50以下
3年
6ヶ月
3ヶ月
70
1年
2ヶ月
1ヶ月
100
2.5ヶ月
2週間
1週間
120
1.5ヶ月
1週間
3日間
150
2週間
3日間
毎 日
- 8 -
7.軸受の取替え
インサート軸受ユニットを交換する場合、軸受・軸受箱のいずれかの損傷が軽微な場合は、そのどちらか一
方を交換することが可能である。
軸受を軸受箱に組み込むときは、軸受外輪を軸受座に対して直角にして軸受箱の切欠き部にはめ込み、軸受
を回す。(写真7.1)
このとき、外輪回り止めピンは必ず軸受箱の切欠き部に入るようにする。回り止めピ
ンを切欠き
切欠き以外の
以外の軸受座に
軸受座に無理に
無理に押し入れると、
れると、外輪割れを
外輪割れを起
れを起こす恐
こす恐れがあり、
れがあり、注意が
注意が必要である
必要である。
である。(写真7.
2)
また、グリース補給の際、グリースをスムーズに軸受内部へゆきわたらせるため、外輪の給油穴が軸受
箱のグリースニップル穴と近くなる様に軸受を組み込むことが望ましい。(写真7.3)
軸受箱切欠き部
外輪給油穴
回り止めピン
外輪回り止めピン
写真7.1
写真7.2
グリースニップル穴
外輪給油穴
写真7.3
以
- 9 -
上
別紙
偏心輪固定方式の原理
内輪端部に内側、又は外側の偏心した凹状又は凸状部を設け、これに対応した偏心輪で円周上にくさびを形成して
偏心量
偏心量
軸へ固定する方法です。
内輪
偏心輪
内輪と軸とのはめあいは、取扱いの便宜上、一般にすきまばめで行われることが多く、この際、内輪と軸(偏心
輪)との間にはすきまがあり、軸(偏心輪)と内輪の回転は一致しなくなります。
内輪が相対的に回転しようとする方向
軸と内輪との円周長さの違いにより、軸1回転毎に円周差分だけ、内輪
がずれることとなり、相対的には、内輪が軸回転方向とは逆の方向に回
内輪
転するように見えます。言い換えると、偏心輪は軸に固定しているの
軸の回転方向
で、内輪に対しては回転方向に締め付けようとしているように見えま
す。
内輪が軸に対して軸回転方向と逆の方向に回転するように見える力は、
軸
作用するラジアル荷重に比例して大きくなり、この荷重によって、偏心
模式図
部のくさびを形成することで、非常に優れた固定力を発揮することとな
ります。
仮に、偏心輪を軸の回転方向とは反対に締め付ければ、運転に伴い、一旦緩んで、再度締まるといったこととなり
ます。
よって、偏心輪取付の際は、軸回転方向へ手で締め付けるだけでよいということとなります。
軸受が正逆回転の繰り返しで使用される場合には、上記と同様なことが起きるため、偏心輪取付の際は、軸回転方向
へ手で締め付けた後、偏心輪キリ穴にたがねなどの治具を挿入しプラスチックハンマで増締めする必要がありま
す。
以
- 10 -
上