図解・平成27年度税制改正大綱 【速報版】

図解・平成27年度税制改正大綱
【速報版】
税理士法人名南経営
【平成27年1月6日時点情報】
平成27年度税制改正の全体像 ∼主要項目一覧∼
【個人所得税】
・医療用機器等の特別償却制度の延長・縮減
・ふるさと納税制度の拡充等
・NISA(少額投資非課税制度)の拡充
【住宅・土地税制】
・住宅取得資金贈与非課税制度等の延長・拡充
・住宅ローン減税等の延長
【資産税】
・特定資産の買換え特例(9号)の延長・縮減
・結婚・出産・子育て資金贈与非課税制度の創設
・事業承継税制の拡充
【国際課税】
・BEPS(税源浸食と利益移転)問題の是正
・出国時課税制度の創設
【法人税・法人事業税・法人住民税】
・法人税率の引下げと軽減税率の特例の延長
・欠損金の繰越し控除制度の見直し
・受取配当益金不算入制度の見直し
・外形標準課税制度の計算方法の見直し
・研究開発税制の見直し
・地方拠点強化税制
・その他(グリーン投資減税、所得拡大促進税制、
中小商業サービス活性化税制、生産等設備投資
促進税制)
・外形標準課税の見直し
・均等割の「資本金等の額」基準の見直し
【車体課税】
・自動車取得税・軽自動車税・自動車重量税等の見直し
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
・その他の改正項目
・今後の検討課題
【注意事項】
本資料の追加情報・正誤等がある場合や、今後の税制
改正の最新情報については、随時、弊法人のホームペー
ジ(http://www.meinan-tax.or.jp/)の「コラム・レポート」に
て掲載する予定ですので、ご確認ください。
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2
個人所得税関連
【1】 医療用機器等の特別償却制度の延長・一部廃止(法人税も同様) [大綱P77]
高度な医療の提供に資する機器
または先進的な機器に係る措置
⇒対象資産の見直しの上、2年延長
医療の安全の確保に資する機器
に係る措置
⇒適用期限をもって廃止
【2】 ふるさと納税の拡充 等 <地方創生> [大綱P39-40]
特例控除額の控除限度額の引上げ
個人住民税所得割額×20%(現行10%)
【適用時期】28年度以後の住民税
ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設
確定申告を行わない給与所得者等がふるさと納税を簡素な
手続きで行える制度
【適用時期】27年4月1日以後の寄附から
【3】 NISA(少額投資非課税制度)の拡充[大綱P13-17]
① ジュニアNISAの創設
対象:20歳未満
年間投資上限:80万円
非課税投資総額:最大400万円(80万円×5年間)
口座開設期間:平成28年∼平成35年
非課税期間:最長5年間
運用管理:親権者等の代理または同意の下で投資
18歳になるまで原則として払出し不可
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
② NISAの投資上限額の引上げ
年間投資上限:120万円(現行:100万円)
⇒平成28年分より適用
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3
【資産税】特定資産の買換え特例(9号)の延長・縮減
増税
減税
特定資産の買換え特例のうち9号買換え(長期保有(10年超)土地等の買換え)が、2年3か月(平成29年3月31日まで)
延長される。ただし、買換資産から①「機械装置・コンテナ用貨車」が除外され、②圧縮率が一部引き下げられる。[大綱P78]
譲渡資産
譲渡益100
買換資産
圧縮損
80
(80%)
② 圧縮率の一部引下げ
・地方※1⇒東京23区:70%
・地方⇒首都圏近郊整備地帯等※2:75%
・上記以外は現行通り80%
※1 東京23区・首都圏近郊整備地帯等を除いた地域
※2 東京23区を除く首都圏既成市街地、首都圏近郊
整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部
課税対象
20
地方拠点強化税制(本資料P12-13)
と同様に都市部集中を抑制するた
めと考えられる。
取得価格
【譲渡資産】
国内にある
所有期間10年超
の土地・建物等
【買換資産】
国内にある土地(300㎡以上)
・建物、 機械装置・コンテナ用
貨車等
①「機械装置・コンテナ用
貨車」の除外
取得費
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
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4
【資産税】結婚・子育て資金一括贈与非課税制度の創設
減税
① 受贈者(子・孫。20歳以上50歳未満)の結婚・子育て資金の支払に充てるためにその贈与者(親・祖父母)が一括
して金銭等を拠出した場合に、受贈者1人につき1,000万円(うち結婚資金は300万円)までが非課税 [大綱P43-45]
② 相続税回避を防止するため、贈与者が死亡した場合の残高は相続財産に加算 (ただし、相続税額の2割加算は対象外)
③ また、受贈者が50歳に達した日に口座は終了し、使い残しに対しては、贈与税課税
【適用期間】平成27年4月1日から平成31年3月31日までの拠出
※「教育資金一括贈与非課税制度」についても通学定期券代・留学渡航費等が追加され、平成31年3月31日まで延長
【注】扶養義務者間で必要な都度、贈与される
結婚・子育て資金は、現行でも非課税
【出典】財務省資料
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
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5
【資産税】事業承継税制の拡充
減税
事業承継税制のうち「非上場株式等の贈与税の納税猶予制度」の適用を受けている者(2代目)が、3代目に対する再贈
与(再度、「非上場株式等の贈与税の納税猶予制度」)を行う場合に、贈与税の納税義務が生じないようにするなど、本税
制が拡充される。[大綱P46-47]
【出典】経済産業省資料
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6
【法人税】法人税率の引下げと軽減税率の特例の延長
減税
○ 平成27年4月1日以後に開始する事業年度から法人税率が23.9%に引き下げられる。[大綱P60]
○ 大法人向けの法人事業税所得割については、外形標準課税の拡大にあわせて、標準税率が引き下げられる。
○ これらにより、国・地方を通じた法人実効税率(現行:34.62%(標準税率ベース))は、平成27年度に32.11%(▲2.51%)、
平成28年度に31.33%(▲3.29%)となる。
○ 中小法人等、一定の公益法人等などの軽減税率の特例(19%→特例15%)が2年延長される。
<法人税率の推移(下線部が改正案)>
H26.4.1∼H27.3.31
開始事業年度
H27.4.1∼H29.3.31
開始事業年度
25.5%
23.9%
①②以外の普通法人
例:資本金1億円超の株式会社
②中小法人等
例:資本金1億円以下の株式会社、
医療法人、公益・一般法人、NPO法人
③一定の公益法人等など
例:社会福祉法人・学校法人・宗教法人、
認定NPO法人、協同組合等
【年800万円以下】
25.5%
19%
特例15%
【年800万円以下】
23.9%
【年800万円以下】
19%
19%
特例15%
19%
特例15%
【年800万円以下】
19%
19%
特例15%
【実務上のポイント】
○税効果会計の実効税率の見直しに注意
○株価評価の純資産価額の計算上控除される法人税等相当額の控除率の改正、適用時期に注意
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7
(参考)法人税改革のイメージ[出 典:財 務省資料 ]
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8
【法人税】欠損金の繰越控除制度の見直し
減税
増税
① 大法人の控除限度額(現行:課税所得×80%)が、平成27年度に65%、平成29年度に50%に引き下げられる。
(中小法人等は現行と同様に対象外)。[大綱P61-62]
※赤字が先行しやすいベンチャー企業や、経営再建を行う企業については、雇用やイノベーションを生み出す
創業や円滑な事業再生を促進する観点から、7年間・100%控除できる仕組みが新たに導入される。
② 全法人について繰越期間が10年(現行:9年)に延長される。これに伴い、帳簿保存期間、欠損金に係る更正期間、
更正の請求期間も10年(現行:9年)に延長される。 [大綱P62-63]
【適用時期】②の改正は、平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額について適用される。
区分
大法人
中小法人等
内容
現行
H27年度
H28年度
H29年度
所得制限
80%
65%
65%
50%
繰越期間
9年
9年
9年
10年※
所得制限
100%
100%
100%
100%
繰越期間
9年
9年
9年
10年※
※H29年度以後生じる欠損金について10年間、繰越し可能
【実務上のポイント】
○大法人は、税効果会計への影響に注意が必要である。
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9
【法人税】受取配当益金不算入制度の見直し
減税
増税
○ 益金不算入の対象となる株式等の区分及びその配当等の益金不算入割合が次のとおり見直される。 [大綱P63-64]
○ 「その他の株式等」及び「非支配目的株式等」については、負債利子控除の対象から除外される。
【適用時期】 不明
現 行
区 分
株式 負債
不算入
保有等 利子
割合
割合 控除
完全子法人株式等
100%
関係法人株式等
25%
以上
100%
未満
上記以外の株式等
改正案
25%
未満
なし
あり
あり
100%
区 分
株式
保有等
割合
完全子法人株式等
100%
なし
100%
関連法人株式等
1/3超
100%
未満
あり
100%
その他の株式等
25%以上
1/3以下
なし
50%
(同上)
5%超
25%未満
なし
50%
非支配目的株式等
5%以下
なし
20%
100%
50%
負債
不算入
利子
割合
控除
関連法人株式等に係る
負債利子控除の簡便法の
基準年度
H27.4.1からH29.3.31までの
間に開始する事業年度
※株式投資信託の分配金について、全額益金算入(現行:分配金の1/2(1/4)の50%益金不算入)。
ただし、ETF(上場投資信託)の分配金は20%益金不算入
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10
【法人税】研究開発税制の見直し
増税
減税
研究開発税制が次のとおり見直される(所得税も同様)。 [大綱P64-65]
① 【恒久措置】オープンイノベーション型の抜本的拡充
② 【恒久措置】総額型(25%(現行30%))とオープンイノベーション型(5%)をあわせ、控除上限30%の確保
③ 繰越控除制度は廃止
総額型は現行30%から25%
に引き下げられるため、実質的
な増税となる。
【出典】経済産業省資料
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【法人税】地方拠点強化税制
減税
① 企業が、その本社機能等を東京圏から地方に移転したり、地方においてその本社機能等を拡充する仕組みを
支援するため、本社等の建物に係る投資減税措置が創設される(所得税も同様) 。[大綱P68-72]
② ①とともに、雇用促進税制の特例が設けられる。
【出典】経済産業省資料
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(参考)地方拠点強化税制の対象外となる「大都市等」
【出典】内閣官房資料
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法人税関連(その他)
※下記4つの改正は、所得税も同様
【グリーン投資減税】
○ 風力発電設備の即時償却が1年延長される。[大綱P75]
○ 太陽光発電設備については、延長の対象となっていない(適用期限の平成27年3月31日取得分までで廃止)。
【所得拡大促進税制】
○ 「要件①:給与総額増加要件」の割合が、次のとおり緩和される。[大綱P65]
【出典】経済産業省資料
【中小商業サービス活性化税制】
○ 対象設備が見直されて、2年延長される。[大綱P75]
【生産等設備投資促進税制】
○ 適用期限(平成27年3月31日)をもって廃止[大綱P75]
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【法人事業税】外形標準課税の見直し①
増税
減税
○ 資本金1億円超の法人事業税の外形標準課税が現行の2倍に拡大される。[大綱P65-67]
付加価値割:現行0.48%⇒0.72%⇒0.96% 資本割:現行0.2%⇒0.3%⇒0.4%
○ 所得割の税率が現行の2/3に引き下げられる(現行:7.2%⇒6.0%⇒4.8%)
【資本金1億円超の普通法人の法人事業税の標準税率】
【改正のイメージ】
現行
改正案(平成28年度∼)
付加価値割
付加価値割
0.48%
所得割
0.96%
所得割
資本割
7.2%※
資本割
4.8%※
0.2%
1
0.4%
:
3
1
:
1
※所得割の税率は地方法人特別税を含む
(参考)外形標準課税制度
①所得割:法人の所得×税率
②付加価値割:法人の付加価値※×税率
※収益配分額(報酬給与額+純支払利子+
純支払賃借料)+単年度損益
③資本割:法人の資本金等の額※×税率
(注)所得割の税率下段のカッコ内の率は、地方法人特別税を除いた税率
※資本金+資本金以外の金額の増減額
【資本金1億円超の普通法人の地方法人特別税の標準税率】
【出典】税制改正大綱
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【出典】財務省資料
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【法人事業税】外形標準課税の見直し②
減税
○ 税率の見直しに伴い、下記の①と②の特例措置が講じられる(赤字法人も適用可)。[大綱P65-67]
①賃上げした企業への特例(地方版「所得拡大促進税制」)
②中堅企業への特例(負担変動に対する配慮措置)
【出典】経済産業省資料
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【法人住民税】均等割の「資本金等の額」基準の見直し
減税
増税
○ 法人住民税の均等割の「資本金等の額」基準が次のとおり見直される。[大綱P66]
①資本金等の額に無償増資の金額を加算または無償減資の金額を減算する措置が講じられる。
②資本金等の額が「資本金+資本準備金」を下回る場合には、 「資本金+資本準備金」をもとに判断する。
○ 法人事業税の外形標準課税における資本割についても「資本金等の額」と「資本金+資本準備金」のうちいずれか
多い金額が課税標準となる。
【適用時期】不明
【法人住民税の均等割の場合】
法人税申告書別表五(一)
利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書(抜粋)
<名古屋市の例>
資本金等の額
50億円を超える法人
10億円を超え50億円以下の法人
1億円を超え10億円以下の法人
1千万円を超え1億円以下の法人
1千万円以下の法人
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区内の従業者数
50人超
50人以下
50人超
均等割(年額)
2,850,000円
389,500円
1,662,500円
50人以下
389,500円
50人超
380,000円
50人以下
152,000円
50人超
142,500円
50人以下
123,500円
50人超
114,000円
50人以下
47,500円
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17
【住宅・土地税制】住宅取得資金贈与非課税制度等の延長・拡充
減税
○ 住宅取得資金を贈与した場合の贈与税の非課税制度について、適用期限が平成31年6月30日まで延長されると
ともに、以下のとおり拡充される(平成27年1月1日以後の贈与より適用)。[大綱P41-43]
①平成28年1月∼9月は、消費税率10%引上げ前の駆け込み増を考慮して縮小
②平成28年10月∼29年9月は、反動減対策で最大3,000万円に引上げ
③平成29年10月∼31年6月は、反動減の影響が残ることを考慮して設定
○ 贈与者(60歳未満)の場合の相続時精算課税制度の選択特例についても、平成31年6月30日まで延長[大綱P42]
【出典】国土交通省資料
【出典】財務省資料
○ 住宅ローン減税等についても平成31年6月30日まで1年6か月延長される(詳細はP19参照)。[大綱P21]
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18
【住宅・土地税制】住宅ローン減税等の延長
減税
住宅ローン減税等の1年6か月延長[大綱P21-22]
イ 住宅ローン減税
ロ 特定増改築等に係る住宅ローン減税
ハ 既存住宅の耐震改修をした場合の所得
税額の特別控除
ニ 既存住宅に係る特定の耐震改修工事を
した場合の所得税の特別控除
ホ 認定住宅の新築等をした場合の所得税の
特別控除
※個人住民税の住宅ローン控除の特例、
すまい給付金についても同様
【出典】財務省資料
登録免許税の税率の軽減措置の2年延長[大綱P47]
イ 住宅用家屋の所有権の保存・移転登記
ロ 住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定登記
ハ 土地の売買による所有権の移転登記等
不動産取得税の税率の軽減措置の3年延長[大綱P55]
イ 住宅・土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例措置3%(本則4%)
ロ 宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例措置:価格の1/2
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【国際課税】BEPS(税源浸食と利益移転)問題の是正
増税
○ 近年、グローバル企業が、タックスヘイブンなど、2国以上の課税制度の違いを利用した国際的な節税対策が問題
となっており、BEPS(Base Erosion and Profit Shifting:ベップス。 「税源浸食と利益移転」)と呼ばれている。
○ 平成27年度税制改正では、この問題の是正の観点から、次のような改正が行われる。
【1】国境を越えた役務の提供に対する消費税制度の見直し
【2】損金算入配当の外国子会社配当益金不算入対象外
海外からのインターネット等を通じた電子書籍・音楽・広告の配信
やクラウドサービス等の役務の提供に消費税が課税されていない。
一方、国内では課税されていることから、海外からの場合も
「国内取引」と位置づけて消費税が課税される。[大綱P84-88]
オーストラリアやブラジル子会社配当などの損金算入配
当が外国子会社配当益金不算入制度の対象から除外さ
れる。[大綱P105-106]
【出典】財務省資料
【出典】経済産業省資料
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【国際課税】出国時課税制度の創設(BEPS問題の是正)
増税
【背景】
租税条約上、株式等の譲渡益(キャピタルゲイン)は、株式等を売却した者の居住国に課税権があるとされており、巨額の
含み益を有する株式を保有したまま、キャピタルゲイン非課税国(例:香港、シンガポール)に出国し、その後、売却をする
ことで、課税逃れを行うことが問題(BEPS問題の1つ)となっている。
【出国時課税制度(出国時の譲渡所得課税の特例)】 [大綱P27-32]
対象者:出国時の有価証券等の評価額が1億円以上、かつ、出国直近10年内において5年を超えて居住者であった者
対象:①所得税法に規定する有価証券・匿名組合契約の出資持分
②未決済デリバティブ取引・信用取引・発行日取引
内容:出国時に含み益に課税(有価証券等のみなし譲渡、未決済デリバティブ等のみなし決済)
※贈与・相続・遺贈により非居住者に有価証券等が移転する場合も対象となる。
所得税の納税猶予:一時的な出国や納税資金が不十分であることを勘案し、納税猶予も選択可能に(最長10年間)
適用時期:平成27年7月1日以後に国外転出をする場合、または同日以後の贈与・相続・遺贈
【改正案】
出国時に
含み益課税
【出典】財務省資料
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【実務上のポイント】
この改正に伴い、「財産債務明
細書」は「財産債務調書」となり、
提出基準が「①その年分の所
得金額が2,000万円超」かつ「②
総資産3億円以上または出国
時課税制度対象資産1億円以
上」となるため、②に該当しなけ
れば今後は提出不要となる。
平成28年1月1日以後に提出す
べき財産債務調書から適用
[大綱P113-114]
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21
【車体課税】自動車取得税・軽自動車税・自動車重量税等の見直し
新設
【出典】国土交通省資料
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22
その他の改正項目
【個人所得税】
・確定拠出年金法等の改正に伴う措置[大綱P32-33,36-37, 法人税は79-80]
・学校法人等のパブリック・サポートテストの絶対値要件の拡充(寄附金税制)[大綱P26-27]
【法人税】
・ヘッジ処理におけるオプション取引に係るヘッジの有効性判定方法の変更[大綱P73]
・不当景品類・不当表示防止法の課徴金制度の課徴金、延滞金を損金不算入に(所得税も同様)[大綱P79]
・医療法人の分割制度創設を前提に、資本・出資を有しない法人について、
適格分割(共同事業)の株式継続保有要件を除外して判定に[大綱P81]
【土地・住宅税制】
・住宅用地に係る固定資産税等の課税標準の特例から一定の空家等に係る土地を除外[大綱P48]
・土地に係る固定資産税の負担調整措置等の延長[大綱P45]
・会社分割に伴う不動産の移転登記等の登録免許税の軽減税率は期限到来をもって廃止[大綱P48]
【納税環境整備】
・特例措置へのマイナンバー制度の利用による住民票の写しの添付不要 [大綱P23-24,58-59,60]
・税務関係書類に係るスキャナ保存制度について金額基準の廃止等[大綱P114-116]
・日本国外に居住する親族に係る扶養控除等の書類の添付等義務化(28年以後)[大綱P32-33,35-36]
【その他】
・外国子会社合算税制におけるトリガー税率を20%未満(現行:20%以下)に引下げ等[大綱P109-111]
・クロスボーダー組織再編成の適格性判定特例の見直し[大綱P112]
・国外事業者による芸能・スポーツ等の役務提供に係る消費税の課税方式の見直し[大綱P104]
・外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充<地方創生>[大綱P83-84]
(①手続委託型免税店制度(地方の商店街等)、②クルーズ船寄港地における免税店の届出制度(地方のクルーズ埠頭)
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
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今後の検討課題
平成27年度税制改正大綱では改正項目とならなかったが、検討課題とされたものは次のとおり。[大綱P124-127]
【個人所得税】
・年金課税
・医療費控除
・デリバティブ取引を含む金融所得課税の更なる一体化
・寄附金税制
・寡婦控除
【資産税】
・個人事業者の事業承継に係る税制上の措置
・設備投資促進を目的とした固定資産税の償却資産課税に関する税制措置
・償却資産税のあり方
・セルフメディケーションの推進に資する薬局の役割や機能に関する制度設計を踏まえた
不動産取得税の特例措置等の検討
【法人税】
・小規模企業等に係る税制のあり方
・外国子会社合算税制のあり方(国際課税)
【消費税】
・医療に係る消費税等の税制のあり方
・国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税のあり方
【事業税】
・社会保険診療報酬に係る実質的非課税措置や医療法人に対する軽減税率のあり方
本資料は平成27年度税制改正大綱および各省庁資料に基づき作成していますが、
今後の法令通達により内容が変わる可能性がありますのでご注意ください。
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