第5章 チャレンジ7プロジェクト解説

第5章 チャレンジ7プロジェクト解説
5.1.1 雑がみは有価物に出しましょう
ア) 雑がみの定義
コピー用紙、ワイシャツの台紙、パンフレット
カタログ、食品や菓子などの紙箱など
イ) 出し方
紙袋に入れて紐で縛る。
雑誌やカタログにはさんで出す。
ウ) 減量等の効果
平成 27 年度(夏期)のごみ組成調査によると、
図 5-1 可燃ごみ中の雑がみ等の割合
可燃ごみ中に資源化可能な紙類が 14.6%含まれており、そのうち雑がみが 3.0%、紙製容器包装
が 4.5%あり、平成 27 年度の可燃ごみ中に約 9,000t、1人1日あたりに換算すると約 40g 含まれ
ていると考えられます。
(図 5-1)
雑がみは資源化できる対象がわかりにくいとの意見がありますが、ティッシュペーパーの箱、お
菓子の紙箱など、判別が簡単で、きれいな状況で排出が可能な紙製容器包装だけでも取り組むこと
ができれば、資源化につながります。
5.1.2 生ごみの水切りをしましょう
ア) 減量等の効果
平成 27 年度(夏期)のごみ組成調査によると可燃ごみ中の生ごみ(厨芥類)は 34.6%を占めてい
ますが、ごみを乾燥させた場合、生ごみ(厨芥類)の組成割合は 6.4%まで減少します。
これを平成 27 年度の可燃ごみ量の実績で換算すると、約 41,500tの生ごみが約 7,600tまで減
少することになり、1人1日あたりに換算すると、149g の減少になります。生ごみを完全に乾燥
させるのは難しいですが、水切りをすることによって生ごみの約 10%を減量することができます。
イ) 水切りの工夫
水切りの工夫例
○三角コーナーや水切りネットを使用する。
○三角コーナーは水に当たらないように流しの中に置かない。
○捨てる前に一絞りする。
(絞れる三角コーナーや排水口用回転かごなど便利グッズも販売されています。
)
○野菜の皮など、乾いている生ごみと水分を含む生ごみとは別にする。
○野菜の皮など、天日干しして乾かす。
○新聞やチラシで紙箱を作り、残飯等を入れ水分を切る。
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5.1.3 毎月7のつく日は冷蔵庫の中身を整理しましょう
ア) 食品廃棄物等の実態
農林水産省による平成 25 年度の食品廃棄物の推計値は家庭系廃棄物が 870 万t、そのうち可食
部分(食べ残し、過剰除去、直接廃棄)は 302 万t(廃棄されている可食部分を食品ロスと言いま
す。
)あり、国民1人1日あたり約 136gにもなります。
家庭で食品ロスとなっているもの
調理の際に食べられる部分を捨てている
食べ残し
冷蔵庫などに入れたまま期限を超えた食品 など
発生量
約 302 万 t
他都市のごみ組成調査結果によると、生ごみ中の約 38%を食べ残しが占め、約 22%が手つかず
食品となっていました。また、手をつけずに廃棄された食品のうち賞味期限表示のあるものを細か
くみると、賞味期限前のものが約4分の1、賞味期限後1週間以内のものが約2割と、これらだけ
で手つかず食品の約半分を占めていました(出典:京都市ホームページ 平成 19 年度京都市家庭
ごみ組成調査(生ごみ)
)
イ) 減量等の効果
平成 27 年度(夏期)のごみ組成調査によると可燃ごみ中の生ごみ(厨芥類)は 34.6%を占めてい
ます。このうち4%が賞味期限後1週間以内で廃棄されたものと仮定すると、その量は約 1,660t
になり、1人 10 日で 73g になります。
冷蔵庫の中身を確認し、消費期限や賞味期限切れを起こさず使い切るだけでも、食品ロスを減ら
すことができます。
ウ) 食品ロス削減の工夫
食品ロス削減の工夫として、政府広報オンラインの情報を紹介します。
(1) 食材を「買いすぎず」
「使い切る」
「食べきる」
(2) 残った食材は別の料理に活用
(3) 「消費期限」と「賞味期限」の違いを理解
・
「消費期限」は品質の劣化が早い食品に表示されている「食べても安全な期限」のため、
それを超えたものは食べないほうが安全です。
・
「賞味期限」は、品質の劣化が比較的遅い食品に表示されている「おいしく食べられる期
限」であり、それを超えてもすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限を
超えた食品については、見た目や臭いなどで個別に判断しましょう。
など
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5.1.4 外食の食べ残しをなくしましょう
ア) 外食の食べ残しの実態
農林水産省の平成 27 年度食品ロス統計調査報告(外食調査)結果によると、宴会の食べ残し率
(飲料類を除く)は食堂・レストランの食べ残し率に比べ約5倍であり、結婚披露宴と比べても
1.4 倍と突出して高くなっています(表 5-1)
。
表 5-1 主な食品別食べ残し量の割合
食 品 区 分
調
査
対
象
食
単位
食堂・レストラン
結婚披露宴
宴会
数
食
2,719
359
470
計 ( 飲 料 類 を 含 む 。 )
%
3.6
12.2
14.2
計 ( 飲 料 類 を 除 く 。 )
〃
3.5
13.4
18.9
うち 穀
類
〃
2.7
16.9
18.2
野
菜
類
〃
3.7
19.2
18.1
果
実
類
〃
5.8
18.0
18.8
肉
類
〃
1.3
3.0
8.1
卵
類
〃
2.4
7.7
19.7
類
〃
2.3
5.1
11.2
品
〃
3.5
12.0
11.4
類
〃
14.2
11.8
11.8
魚
調
飲
介
理
加
工
料
食
資料:食品ロス統計調査・外食調査(平成 27 年度)
イ) 減量等の効果
外食産業から発生する生ごみのうち、宴会由来の発生量の把握は困難ですが、表 5-1からわか
るように、通常の外食より、食べ残しの割合がかなり大きくなっています。通常の外食より頻度が
低く、発生量自体は大きくないかもしれませんが、宴会の食べ残しを削減することは、外食由来の
食品ロスを減らすことにつながります。
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ウ) 外食の食品ロスの工夫
外食時食品ロス削減の工夫として、政府広報オンラインの情報を紹介します。
外食のときは、ボリュームが予想外に多い、注文時には気づかずに嫌いな食べ物が含まれ
ていたなどの理由で食べ切れない場合があります。こうした客の食べ残しが食品ロスの主な
原因になっていますので、次のような工夫をしてみましょう。
•小盛メニューがあれば利用する。
•料理を注文する際にボリュームを確認し、
「食べ切れないかも」と思ったら「少なめに
できますか?」とお願いする。
•セットメニューの中に食べられない物があれば、注文の際に、あらかじめそれを抜いて
もらう。
もし、量が多すぎて残してしまった場合には、持ち帰りができるかどうか、お店に確認し
てみましょう(ただし、持ち帰ったら自己責任となりますのでご注意ください)
。欧米の飲食
店では「ドギー・バッグ」と呼ばれる残した食べ物を持ち帰る箱や袋が用意されているのが
一般的になっています。近年は、日本でもそうした取組を実施している地域や飲食店が徐々
に増えています。
5.1.5 マイバッグ、マイボトル、マイ箸を使いましょう
ア) 容器包装の実態
容器包装の軽量化は企業努力により進んでいますが、清涼飲料 500ml 容器で約 25g 程度あります
(参考:PET ボトルリサイクル推進協議会統計データ)
。また、割り箸の重量は約5g 程度です。個々
の重量は大きくありませんが、レジ袋、ペットボトル、割り箸など、その使用数は莫大な数になり
ます。
イ) マイバック・マイボトル・マイ箸使用の効果
1人1人が通常の使用量を少しでも削減し、マイバックなどを使用することは、個人の意識の向
上につながり、その行動が積み重なってごみの減量や限りある資源の保護につながります。
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5.1.6 小型家電は回収ボックスに出しましょう
ア) 小型家電リサイクルの必要性
日本全体で1年間に使われなくなったパソコンや携帯電話といった小型家電は、約 65 万 t と推
定されています。
その中には鉄や銅、金や銀といった有用な金属が多く含まれており、金額にして約 844 億円にも
なるといわれています。このため、使われなくなった小型家電は、都市にある鉱山という意味で「都
市鉱山」とも呼ばれているのです。現在使用中の製品も含めて、日本国内の「都市鉱山」には、金
が 6,800t(世界の埋蔵量の約 16%)
、銀が6万t(世界の埋蔵量の約 23%)と、資源国をしのぐ
ほどの量が埋蔵されていると推計されています。
(出典:小型家電リサイクル回収ポータルサイト
環境省)
イ) 小型家電のリサイクル方法
回収ボックスで回収された小型家電は、認定事業者に引き渡され、含まれている金属などへリサ
イクルされています。国が認定した事業者は、小型家電リサイクル法などに基づいた適切な処理を
行うとともに、個人情報が含まれる小型家電をしっかりと管理しています。
出典:小型家電リサイクル回収ポータルサイト 環境省
ウ) 効果
小型家電の回収は貴重な金属等の資源回収につながります。
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5.1.7 事業者の方は有価物の分別を徹底しましょう
ア) 事業系ごみの実態
平成 27 年度の事業系ごみ排出量は 52,200tで平成 23 年度から5年間をみると増加傾向を示し
ています。
平成 27 年度のごみ組成調査によると、事業系可燃ごみ中に資源化可能な紙類が約 18.5%含まれ
ています。これは事業系の可燃ごみ中に約 8,700tの資源化可能な紙類が含まれていることになり
ます。
紙類
18.45%
紙類以外
その他
0.69%
資源物以外
80.86%
図5-2 事業系可燃ごみの資源物割合
イ) 減量等の効果
紙類の分別の徹底はその重量からごみの減量、資源化に直結し、その効果は大いに期待できます。
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船橋市一般廃棄物処理基本計画 資料編
~ 循環型社会実現に向けたステップアップ ~
平成 29 年2月発行
船橋市環境部資源循環課
〒273-8501 船橋市湊町2丁目 10 番 25 号
Tel 047-436-2433
Fax 047-436-2448
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