前期課程授業科目/単位

理学研究科
化学専攻
F I E L D O F S T U DY
◆
専 攻 の ポイント
PICK UP
学生と教員が一体となり取り組む研究
設計に基づく分子自在制御の
各教員のもとで、学生は教員と一体となって未知の問
Chemistry
化学をめざして
題に対する研究を行います。また博士課程前期課程 1
学年の学生数約 20 名に対してきめ細やかな少人数教
化学の醍醐味を知る
立教大学理学研究科化学専攻では、研究プロジェクト「設計に基づく
分子自在制御の化学」が文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援
研究助成金の積極的な活用
事業(2013 年度− 2017 年度)として採択されています。これは、実験
的な精密分子合成と計算化学が密接に連携して機能分子開発を行う、分
研究成果の発表には、学会発表奨励金および本研究科
子技術の分野におけるユニークな研究拠点の形成をめざすものです。従
独自の海外学会発表補助金制度(立教大学「理学部創
来、機能分子の開発は、まず天然物の持つ機能に着目し、それを模倣する
立 50 周年記念大学院学生海外活動助成金」)が用意さ
物質の性質や変化を体験し、
「新しい物質を作り出す楽しみ」「原因を解明する喜び」を
大学院生は各教員の研究室に配属され、最先端の研究を学び、
未知の課題に取り組みます。
また、理化学研究所、産業技術総合研究所の連携大学院の
れ、積極的に活用されています。
形で進められるのが通例でした。しかし、天然には存在しない、真に革
外部講師による授業を多数用意
があります。本プロジェクトは、まず目的とする機能の理論的解析を行
本学の教員による講義だけでなく、他大学、企業およ
し、その機能解析の結果を理論にフィードバックするシステムを構築し、
新的な機能を持つ分子を作り出そうとすると、そのような方法では限界
い、それを基に機能分子を設計し、それに基づいて分子を実験的に合成
び研究所の講師による時代の要請に応じたトピックス
化学専攻
味わうことに化学を学ぶ醍醐味があります。
理学研究科
物質の性質や変化を体験し
育を行っています。
そのサイクルを回すことにより革新的な機能をもつ分子を開発すること
の授業も多数用意しています。
をめざしています。化学専攻では、このような研究を本学に設置されて
研究室で研究を行うことも可能です。
いる「未来分子研究センター」を拠点に展開しており、光に応答して形
や発光機能を変える分子、人工光合成触媒、薬理作用を持つ分子の開発
など、産業界からも大きな期待が寄せられている成果を生み出しつつあ
ります。
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化 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
枝元一之 教授
松下信之 教授
常盤広明 教授
表面化学。超高真空系内でさまざまにデザインされ
た固体表面を作成し、光電子分光を主体として電子
線回折、昇温脱離分光などを組み合わせた複合表面
分析手段によりそれらの物性、反応性を研究する。
特に、表面電子状態と表面反応性の相関を解明する
ことにより、表面の示す反応性の本質を明らかにす
ることを目標としている。
錯体化学・固体物性化学。色や光物性、その他固体
物性が、光、温度、圧力、溶媒、ガス、pH など外部刺
激に応答して変化する遷移金属錯体(フォトクロ
ミック金属錯体やベイポクロミック金属錯体など)
に関して、金属錯体の合成から、構造解析、物性測
定・解析、物性と構造の相関の考察、仕組みの解明
まで一貫した研究を行っている。
理論創薬化学および分子設計。特に、
「脂質の生理
活性と機能の解明に基づく画期的創薬」
「核内受容
体を標的とした効率的創薬手法の開発およびその応
用」
「ワクチンおよび化学療法剤のないウイルス感
染症に対する新規抗ウイルス薬の設計開発」を研究
テーマとしている。
HORN, Ernst 教授(2017 年 3 月 退職予定)
望月祐志 教授
有機金属錯体。X 線結晶学。遷移金属を中心とした
有機金属錯体の合成ならびに X 線結晶解析や核磁気
共鳴スペクトルなどを用いた構造決定。特に最近は、
抗癌作用をもつ金の錯体の合成やそれらの物性解析
に取り組んでいる。また、化学科学生に対する化学
英語教育の研究も行っている。
The Application of FT-IR and N.M.R. Spectroscopy
to the Synthesis of Potentially Bio-active
Transition Metal Complexes, and their Molecular
Structure Analysis via X-ray Crystallography.
黒田智明 教授
天然物有機化学。①中国雲南省産植物の化学成分に
関する研究(海外共同研究)②天然有機化合物およ
び関連化合物の合成に関する研究。合成に有用な新
反応および生体反応を意識した反応の開発研究も
行っている。
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量子化学を主軸とする計算分子科学。特に、大規
模分子の扱いが可能なフラグメント分子軌道法を
援用する電子状態計算の応用とプログラムの開発
。応用の対象は「光応答タンパク質」
(ABINIT-MP)
「無機表面系」
「ナノバイオ系」
「高分子シミュレーショ
ン」など。
箕浦真生 教授
有機元素化学・物理有機化学。周期表上の様々な元
素の特性を引き出すことを目的とし、新規有機元素
化合物の合成と構造・反応・物性に関する実験的お
よび理論的研究に取り組む。これまでに未知である
化学結合の性質解明による学術的再生産や元素の性
質を活かした機能性分子創製、新反応の開発をめざ
している。
大山秀子 教授
三井正明 教授
高分子物理化学および材料科学。高分子材料の高性
能化・高機能化をめざして多成分系高分子材料の研
究に取り組んでいる。異物質間の界面制御法の検討
と「成形̶構造̶物性」の関連性の解明に照準を当
てながら、医療用材料、易崩壊/生分解性材料、難燃
材料、耐熱材料など幅広く研究を行っている。大学
外の研究機関(企業・他大学・産業技術総合研究所)
と活発に共同研究を実施している。
光物理化学。顕微分光法を用いた単一分子計測や局
所分析により、デバイスの 構成部品 として機能す
る分子の光物理過程、デバイスの 部分構造 に相当
する薄膜・界面における電荷移動過程、さらには デ
バイスそのもの の特性や動的過程に関する分光学
的研究を進め、有機デバイスやソフトマターの機能
に関わるダイナミクスの分子論的な理解をめざして
いる。
宮部寛志 教授
分析化学、分離化学。高速液体クロマトグラフィー
及びキャピラリー電気泳動法の新たな解析体系
(モーメント理論、実験法や解析手順)を構築し、分
離系の特性や機構を解明する。流通式実験法を分子
間相互作用や物質移動現像の速度解析法へと展開す
ると共に、特徴的な構造特性を有する分離剤や新規
分離システムの開発による分離系の高性能化や高機
能化についても研究を行っている。
山中正浩 教授
有機合成化学および計算化学。高精度量子化学計算
と実験の緊密な連携により、分子レベルの理解に基
づいて、
現代の精密有機合成に適した分子触媒開発、
およびその反応解析に関する研究を行っている。主
に「高機能金属触媒」
「高機能有機分子触媒」の開
発と理論的解折に取り組んでいる。
田渕眞理 准教授
ナノバイオ分析。時代の最先端技術:ナノテクノロ
ジーとバイオテクノロジーを取り入れた分析技術開
発を展開。最近、ダイエタリー食物繊維のナタデコ
コのナノファイバーに着目し、光増幅器、癌変異の早
期検出技術、白血病早期診断技術を開発し、新聞・
雑誌・テレビ等多数のメディアに環境に優しい次世
代のバイオナノ材料として注目されている。ナタデ
ココやナノ化粧品など身近な材料をもとにナノス
ケールの構造物性解析に取り組んでいる。
森本正和 准教授
有機光化学。フォトクロミック分子を中心とした機
能性分子結晶に関する研究を行っている。分子が精
密に集積された結晶を設計・合成し、その構造や反
応、物性を解析することにより、分子の光化学・光
物理過程(光異性化反応、発光など)と結晶の物性
(光学物性、電気物性、磁気物性など)とが強く関係
した新しい物質を創出することをめざしている。
和田亨 准教授
錯体化学。エネルギー・環境問題の観点から大きな
注目を集めている燃料電池や人工光合成などのエネ
ルギー変換システムを構築する上で、欠かす事の出
来ない電気化学的な酸化還元反応を触媒する遷移金
属錯体の開発を行っている。精密にデザインされた
錯体を合成し、平衡電位近傍での水の酸化反応や酸
素還元反応をめざしている。
前期課程授業科目/単位
必修科目
輪講1∼4 …………………………………各1単位
特別研究1∼3 ……………………………各3単位
修士論文指導演習 ………………………… 3単位
選択科目 Ⅰ
無機・分析化学特論1∼3…………各2単位
X 線結晶学 ……………………………………… 2単位
錯体化学特論 ………………………………… 2単位
生物無機分析化学特論 ………………… 2単位
選択科目Ⅱ
物理化学特論1∼3 ……………………各2単位
量子化学特論1・2 ……………………各2単位
固体化学 ………………………………………… 2単位
選択科目 Ⅲ
有機化学特論1∼3 ……………………各2単位
高分子科学特論 ……………………………… 2単位
有機金属化学特論 ………………………… 2単位
選択科目 Ⅳ
特別講義1∼ 12 …………………………各2単位
化学英語 ………………………………………… 2単位
修了に必要な単位
必修科目 ……………………………………… 16 単位
選択科目 ………………………………… 14 単位以上
Ⅰ∼Ⅲ …………………… 各2単位以上
Ⅳ …………………………… 4単位以上
合計 ………………………………………… 30 単位以上
※単位互換協定校の授業科目において修得した
単位を、10 単位を上限として、修了に必要な選
択科目の単位にあてることができます。ただし、
この単位はグループⅠ∼Ⅳの選択科目群の単位
に替えることはできません。
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用くださ
い。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
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