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理学研究科
生命理学専攻
F I E L D O F S T U DY
Life Science
◆
専 攻 の ポイント
分子レベルの実証を基礎に解明
生物の示す諸現象は、無生物の現象と何が共通で、何
3領域(分子生物学、生物化学、分子細胞生物学)で構
成し、学外専門家との交流も密に、最先端の研究に従
事しつつ、現状を広く学習します。
さまざまな生物のゲノム情報が解読された現在、
基礎をより大切にした生命へのアプローチをめざしています。
新たな内容を付け加えることになります。
誰も答えを知らない生命の謎を解き明かしていきます。
各教員の研究室に所属し、教員 1 名あたり学生数名程
度という非常に充実した環境で最先端の研究に没頭す
ることができます。
胞システムの高度化」が、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成事業
(2012 年度− 2016 年度)として採択されています。このプロジェクトでは、
(A)共生バクテリアがどのようにしてミトコンドリアや葉緑体になってきた
かを解明する「オルガネラの誕生と維持機構」
(B)ミトコンドリア・葉緑体・
ゴルジ体などのオルガネラが細胞の分化や高機能化をどのように導いてきた
かを解明する「多細胞体制を支えるオルガネラの新機能」の2つのテーマで
研究を進めています。
学外の研究者との共同研究を進めるとともに、他大学や研究機関の研究者
によるセミナーを開催しており、それらを通してさまざまな分野の最新の知
見に触れることができます。また、研究施設・設備面では、共焦点レーザー
生命理学専攻
大学院での研究は、これまで学んできた人類共通の知識に
充実した少人数制教育
生命理学研究センターの研究プロジェクト「オルガネラが駆動する真核細
理学研究科
3 領域を軸に最先端の研究に従事
その謎を解き明かす
充実した研究環境
が違っているのか、生きているとはどういうことなの
かを、分子レベルの実証を基礎として解明します。
生命へのアプローチから
PICK UP
顕微鏡、DNA シークエンサー、質量分析装置などの共通機器が充実しており、
これらを活用して、思う存分に研究を行うことができます。
大学院生の多くが学会発表奨励金制度を利用して、研究成果を積極的に学
会発表しており、学外研究者との情報交換・交流、プレゼンテーション技術の
習得などのよい機会になっています。
生 命 理 学 専 攻 専 任 教 員 / 研 究テーマ
[分子生物学]
[分子細胞生物学]
松山伸一 教授
木下勉 教授
バクテリア(大腸菌)および植物(ヒメツリガネゴケ、
クラミドモナス)を材料にして、主に分子生物学的
手法を用いて以下の研究を行っている。①染色体、
オルガネラ DNA の組換え・修復・維持の機構、動く
遺伝子(トランスポゾン)の転移調節機構。②非翻
訳型 RNA(noncoding RNA)の機能。③バクテリ
アの細胞内共生によるオルガネラ誕生のプロセスを
支えた諸機構の解明。
膜タンパク質の解析を通して、生体膜の新しい機能
を見いだす。生体膜の構成成分であるリン脂質やタ
ンパク質などがどのように輸送され膜に組み込まれ
るのかを調べて、生体膜の生合成機構を明らかにす
る。取り扱いが容易な大腸菌を材料として、生化学
的手法を中心に遺伝学、細胞生物学的手法も駆使し
て研究を進める。
卵細胞は全ての体細胞を生み出す万能細胞であると
ともに、分化した体細胞核を初期化する能力を備え
ている。細胞分化に伴い初期胚がもつ細胞の多能性
は次第に失われていくが、成体組織の中には、組織
の再生・維持を行うための多能性幹細胞が維持され
る。本研究室ではPOUクラスV転写因子に着目して、
細胞の未分化性を制御する分子制御機構および成体
組織の再生機構を研究している。
後藤聡 教授
私達のような多細胞生物は、多種多様な細胞が協調
しあうことによって生存・活動することができる。
このように重要な細胞間のやりとりは、細胞表面に
提示または細胞外に分泌される蛋白質などを介して
行われている。したがって、それらの蛋白質の機能
やその制御を研究することは、多細胞生物を理解す
るうえで非常に重要である。私達は、そのような蛋
白質がどのように調節されているかについて、特に
翻訳後修飾という観点から研究を行っている。
塩見大輔 准教授
細胞の形態形成制御機構および細胞分裂制御機構の
解明を研究テーマとする。これら 2 つの制御は密接
に関連しており、また細胞の生育にとって必須の制
御である。分子生物学、遺伝学、生化学、細胞生物学
などの手法を用いて、これらの制御機構の全貌を分
子レベルで明らかにする。システムとして理解しや
すいバクテリアをモデルにして研究する。
原恵子 准教授
陸上植物は約4億 7 千万年以上前にシャジクモ藻類
のような祖先から分かれて進化してきたと考えられ
ている。その過程で、新しい遺伝子の獲得や、もと
もと持っていた遺伝子が新しい機能を獲得したこと
が重要な役割を果たした。陸上植物やその近縁種の
持っている遺伝子の配列やその遺伝子の機能を調べ
て比較することで、陸上植物の成立に関わった遺伝
子進化の解明をめざす。
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[生物化学]
関根靖彦 教授
花井亮 教授
分子構造生物物理学。タンパク質・核酸の分子構造
と機能の相関およびその細胞中における役割の解明
を目標とする。特に、DNA タンパク質複合体を対
象とし、生物物理学・分子生物学・生化学の諸手法
を組み合わせて研究している。
山田康之 教授
タンパク質の構造変化がどのように機能に影響する
かを明らかにする。主に FoF1-ATP 合成酵素を材料
として、その活性調節の分子機構を生物物理学的手
法、生化学的手法により研究している。ATP 合成酵
素の調節サブユニットがどのような変化をすること
で、ATP 合成酵素複合体の活性をどのように制御
しているかを、分子レベルで理解することをめざし
ている。
末次正幸 准教授
「ゲノム DNA 複製の生化学反応がどのように秩序
だって進行するのか?」という課題に対し、バクテ
リア(大腸菌、枯草菌)をモデルとして研究を行っ
ている。
「蛍光顕微鏡を用いて、生きている細胞内
の蛋白質動態を解析する手法」
、
「精製蛋白質により
人工的にゲノム DNA 複製を再構成する手法」によ
り、生命のもつ自己複製能に迫る。
眞島恵介 教授
細胞内情報伝達機構の分子的側面の解析を研究テー
マとする。免疫細胞を中心に細胞の分化・活性化な
どを誘導するリン酸化チロシンを介した情報の伝達
機構を明らかにするため、チロシン残基のリン酸化
に関与するタンパク質チロシンリン酸化酵素(PTK)
とタンパク質チロシン脱リン酸化酵素(PTP)につ
いて研究している。
岡敏彦 教授
細胞小器官(オルガネラ)はそれぞれ固有の機能と
形態をもっている。オルガネラの機能は細胞の生存
にとって必須だが、オルガネラの形態は細胞やオル
ガネラの機能にとってどのような役割があるのか?
この命題を、細胞内のエネルギー産生の場であるミ
トコンドリアに着目し、分子生物学や生化学的手法
を用いて、その膜形態の形成と制御機構を理解する
ことで、オルガネラ形態の生理的意義の解明をめざ
している。
堀口吾朗 准教授
顕花植物のモデルであるシロイヌナズナを用いて、葉
の形態形成に関する研究を行っている。具体的には、
①細胞増殖と細胞伸長を統御し、葉のサイズを決定
する機構、②葉の表と裏の領域を決定し、扁平な葉
の構造を作り出す機構について、遺伝学的、発生学
的、分子生物学的手法を用いて解析を進めている。
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前期課程授業科目/単位
必修科目
輪講1∼4 …………………………………各1単位
特別研究1∼3 ……………………………各3単位
修士論文指導演習 ………………………… 3単位
選択科目
生命理学概論 ………………………………… 2単位
生命理学特論 ………………………………… 2単位
分子生物学概論 ……………………………… 2単位
分子生物学特論1・2 ………………各2単位
生物物理学概論 ……………………………… 2単位
生物物理学特論 ……………………………… 2単位
生物化学概論 ………………………………… 2単位
生物化学特論1・2 ……………………各2単位
細胞生物学概論 ……………………………… 2単位
細胞生物学特論 ……………………………… 2単位
生命理学特別講義1・2 ……………各2単位
修了に必要な単位
必修科目 ……………………………………… 16 単位
選択科目 ……………………………………… 14 単位
合計 ………………………………………… 30 単位以上
※授業科目の詳細は、シラバス検索をご利用くださ
い。
https://sy.rikkyo.ac.jp/timetable/
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