細菌性髄膜炎 って 医療機関名 監修 SPJP.AHIB.16.03.0044 AHB1P00708-MQ 作成年月2016年5月 川崎医科大学小児科学 教授 中野 貴司 細菌性 髄 膜炎 って? 子どもがかかりやすいこわい病気 原因は主にヒブと 肺炎球菌 細菌性髄膜炎の原因菌の割合* その他 ヒブ 肺炎球菌 ●脳や脊髄を覆っている髄膜に起こる 24% 53% 感染症です。 早期診断・早期治療は難しく、 命にかかわることも、 重い後遺症が残ることもあります。 細菌性髄膜炎の原因菌で最も多いのはヒブで、 ●日本では、ワクチンが普及するまで年間約1,000人の 次いで肺炎球菌です。 子どもたちがかかっていました。 ヒブ:インフルエンザ菌b型(Hib)という細菌です。 (毎年流行するインフルエンザウイルスとは異なります。) ●5歳未満の子どもたちがかかりやすく、特に0歳、1歳で (年齢別髄膜炎の発症数は、P.6参照) 注意が必要です。 1 *新庄 正宜 他:感染症学雑誌 86 (5), 582-591, 2012 2 細菌性 髄 膜炎 って? 2つのワクチンで予防しましょう 小児 用 球菌 炎 肺 ン ワクチ ヒブ ン チ ク ワ 最近の話題 ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンは、2010年11月に公費助成 が開始され、多くの子どもたちに接種されています。 また最近では、細菌性髄膜炎の罹患率が減少していることが 報告されています。 これからも子どもたちを髄膜炎から守っていくために、 必要な 回数をきちんと接種していくことが大切です。 ●診断や治療が難しく、ワクチンによる 予防が大切です。 細菌性髄膜炎罹患率の推移(5歳未満人口10万人当たり) (人)9 ●主な原因菌であるヒブと肺炎球菌の 2つのワクチンを接種します。 ●両ワクチンとも、通常、4回接種です。 生後2ヵ月を過ぎたら初回免疫接種をはじめましょう。 また、1歳の追加免疫接種も忘れずにしましょう。 ●主な副反応は、接種部位の腫れや発疹、発熱などです。 通常一時的なもので数日以内に消失します。 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ヒブ髄膜炎 肺炎球菌髄膜炎 7.7 2.8 2.1 0.6 0.8 2008 - 2010 (年平均) (ワクチン接種スケジュールの詳細は、P.5参照) 3 3.3 2011 2012 1.1 0.2 2013 0.8 0 2014 (年) 庵原 俊昭 他:厚生労働科学研究費補助金「Hib、肺炎球菌、HPV及びロタウイルス ワクチンの各ワクチンの有効性、安全性並びにその投与方法に関する基礎的・臨床的 研究」平成26年度報告書より 4 ワクチン接種スケジュール Q それぞれ、4回 の接種が標準です。 標準接種 接種開始年齢 2ヵ月齢以上 7ヵ月齢未満 ヒブワクチン 出生時 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 7ヵ月 8ヵ月 10ヵ月 初回免疫(3回) 年 月 日 2歳…5歳未満※ 1歳 追加免疫(1回) 年 月 日 年 月 日 年 月 日 初回免疫は4~8週間の間隔で3回接種する。 (ただし、医師が必要と認めた場合には、3週間の間隔で接種可) 初回免疫後おおむね1年の間隔 をおいて、追加免疫接種を行う。 * *予防接種実施規則によると初回免疫終了後7ヵ月以上の間隔。 小児用 肺炎球菌ワクチン 出生時 2ヵ月 4ヵ月 6ヵ月 7ヵ月 8ヵ月 10ヵ月 初回免疫(3回) 年 月 日 追加免疫(1回) 年 月 日 年 月 日 年 月 日 初回免疫は27日間以上の間隔で3回接種する。 ます。生後2ヵ月から接種を始めて早く病気から守り ましょう。 Q 追加免疫接種は必要なの?いつ接種したらいいの? A 1歳代も発症率は非常に高いです。免疫を保つために、 追加免疫接種が可能な時期がきたら速やかに接種し ましょう(スケジュールはP.5参照)。なお、日本小児科学 会では、 1歳を過ぎたら早目の接種を推奨しています。 参考 年齢別にみたヒブと肺炎球菌による髄膜炎患者数 (人) 発症の (人)ピーク 15 10 80 5 60 0 (ただし、3回目接種から60日間以上の間隔をおく) 20 1歳の追加免疫も忘れずに接種しましょう 接種のタイミングがずれてしまった場合は、 かかりつけ医にご相談ください。 5 0 生後12ヵ月未満 20 100 40 ※定期接種対象年齢は生後60ヵ月に至るまでです。 25 120 (ただし、3回目接種については、12ヵ月未満までに完了) 追加免疫は生後12ヵ月以降、標準として12~15ヵ月齢の間に行う。 A Q 生後2ヵ月でワクチンデビューしないといけないの? A 細 菌性髄 膜 炎は、生後4ヵ月から発 症率があがり 2歳…6歳未満※ 1歳 & 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11(ヵ月) 肺炎球菌 髄膜炎 ヒブ髄膜炎 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112(歳) 新庄 正宜 他:感染症学雑誌 86 (5), 582-591, 2012より 6
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