第5章 安来市立病院の果たすべき役割(881KB)

第5章
安来市立病院の果たすべき役割
新改革プランでは、新たな視点として地域医療構想を踏まえ役割の明確化及び地域
包括ケアシステムの構築に向けた役割の明確化が求められている。
島根県地域医療構想(松江構想区域)及び地域包括ケアシステムを踏まえ、本院の
果たすべき役割について以下のとおりとする。
二次救急を主体とした急性期医療の提供
一般急性期医療への対応
処置・手術に対応した急性期入院患者の受け入れを行う。
圏域の重点課題である5疾病については、がん対策、脳卒中対策、糖尿病対策を
担う。5事業については、小児救急を含む小児医療(開業医休診日である毎週木曜
日に小児科夜間救急に対応)
、救急医療(救急告示病院)、地域医療(地域医療拠点
病院)、災害医療(災害協力病院、初期被ばく医療機関、中海圏域4病院災害時相互
応援協定)を担う。
救急医療の提供
救急告示病院として、二次救急を主体とし、骨折や外傷、腹痛、意識障害、胸部
症状等の検査・診断及び治療に対応する。救命や先進医療等の高度な医療が必要と
判断された場合は、松江・米子など近隣の三次医療機関へ紹介する。
松江・安来地区メディカルコントロール協議会の構成団体として、消防本部が行
う救急医療活動と連携し、中山間地域をはじめ地域における救急医療体制の充実に
努める。
リハビリテーションの提供
急性期医療における脳血管疾患等リハビリテーション、運動器リハビリテーショ
ン、呼吸器リハビリテーション、がん患者リハビリテーション等を主体とし、他の
医療機関と連携を図り、患者の生活復帰支援に努める。
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在宅医療への対応
保健・医療・福祉・介護の連携
(1) 地域医療拠点病院として、かかりつけ医等と緊密な連携を取り、急性期における
適切な検査・治療を担う。
(2) 地域包括ケアシステムでは、多種多様な疾患や健康問題への対応が求められるこ
とから、総合診療専門医の招聘に努める。
(3) 安来地域を超えて患者が流出している現状があるため、地域包括ケア病床を有効
的に活用し、市外で高度急性期治療を終えた患者の受け入れを促進する。
(4) 地域包括ケア病床を有効的に活用し、急性期治療を終えた患者が在宅で治療でき
るようリハビリテーション等による ADL(日常生活動作)の回復に努める。
(5) 安来地域の在宅を担う医療機関、介護施設等と連携しスムーズな退院を支援す
る。
(6) まめネット(在宅医療ケア情報共有サービス)・おしどりネットを活用し、安来地
域の他の医療機関や介護施設等と連携を図る。
在宅医療の支援
(1) 病状が悪化・急変した在宅療養患者の急性期を担う。
(2) 無医地区等南部地域をカバーするかかりつけ医として、地域に不足する外来診療
を提供する。
(3) 無医地区等南部地域をカバーするために、訪問診療、訪問看護、訪問リハビリの
提供を目指す。
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予防活動への対応
1. 各種健康診査及び人間ドックの実施
(1) 各種健康診査及び人間ドックに対応し、疾病の早期発見や早期治療に努める。ま
た、人間ドックに併せて実施できる各種オプション検査を推奨し、通常の健診では
発見できない疾病の早期発見や早期治療に努める。
2. がん検診の実施
(1) 高度医療機器を活用した脳ドック(MRI)、肺がん検診(CT)
、乳がん検診
(マンモグラフィ)や、胃がん検診(胃カメラ)
、子宮がん検診、大腸がん検診等の
がん検診に対応し、疾病の早期発見に努める。
(2) 日曜日がん検診の継続、胃カメラの対応件数の増加を図るなど、受診機会をより
多く提供することにより、受診率の向上に努める。
生活習慣病への対応
(1) 生活習慣病の予防・診断・治療に対する医療需要への対応、糖尿病対策の一環と
しての健康教育等の啓発、生活習慣病に関連する診療科や部門との連携による予防
活動の充実を図る。また、早期に治療や保健指導等の対策につなげることで、疾病
や障害の重症化防止に努める。
医療技術職の人材育成と確保
1. 医師の人材育成と確保
鳥取大学医学部附属病院の卒後臨床研修の地域医療実習生、島根大学医学部の地域
病院実習生を受け入れる。
また、本院の医師が総合診療指導医資格を取得した上で、後期研修プログラムを策
定し、後期研修医の受け入れを行い、地域医療に必要とされる人材育成及び確保を目
指す。
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2. 看護師等の人材育成と確保
看護師・薬剤師・管理栄養士等の養成施設や大学の実習生、安来市消防本部の救急
救命士養成実習生を受け入れる。
3. その他
地域の中学生や高校性の医療現場体験等の受け入れに幅広く対応し、人材の育成確
保に努める。
医療機能等指標に係る数値目標
新公立病院改革ガイドラインにおいては、当該公立病院が、その果たすべき役割に
沿った医療機能を充分に発揮しているかを検証する観点から、医療機能等指標に係る
数値目標の設定を求めている。
前述の本院の果たすべき役割を達成するため、以下のとおり医療機能等指標に係る
数値目標を設定する。
医療機能・医療品質に係る指標
26年度
27年度
(実績)
(実績)
758
712
667
662
656
651
646
2,200
2,117
2,030
2,014
1,998
1,982
1,966
404
389
327
298
275
275
275
紹介件数(件)
1,545
1,511
1,356
1,345
1,334
1,324
1,314
逆紹介件数(件)
2,426
2,430
2,167
2,150
2,133
2,116
2,099
44,928
49,951
52,091
59,049
60,864
60,864
60,864
691
636
708
780
840
840
840
0
0
0
60
120
240
360
指 標
救急搬送患者数〈人)
時間外受診患者数(人)
手術室手術件数(件)
リハビリテーション件数(単位)
リハビリテーション総合計画
評価件数(件)
訪問看護件数(件)
28年度
29年度
30年度
31年度
32年度
その他の指標
26年度
27年度
28年度
(実績)
(実績)
(実績)
外来患者満足度(%)
52.5
44.7
39.2
80.0
80.0
80.0
80.0
入院患者満足度(%)
76.2
55.3
79.3
80.0
80.0
80.0
80.0
指 標
58
29年度
30年度
31年度
32年度