平成29年2月(PDF:403KB)

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畜
項
産
目
作
業
内
容
(今月の作業のポイント)
○鳥インフルエンザ対策の継続
○豚流行性下痢の予防
○消毒薬の凍結防止
(1) 鳥インフ
1 月 25 日現在、6 道県 9 戸の農場で高病原性鳥インフルエン
ルエンザ対策 ザが確認され、野鳥や飼育下のハクチョウ等でも全国各地で連
の継続
日発生が確認されているため、引き続き、緊張感を持って、本
病に関する「飼養衛生管理基
準」による対策を徹底する。
特に、野鳥、ねずみ等の野生
動物対策として、侵入防止ネ
ットの点検と修繕、鶏舎壁面
の破損や屋根と壁の隙間等、
小型の野生動物が侵入しうる
経路の点検と修繕を必ず行う
(写真1)。また、疑わしい症
写真 1 鶏舎だけでなく倉庫や
堆肥舎にも防鳥ネットを張る
状を発見した場合には、直ち
に最寄りの家畜保健衛生所へ通報する。
その他の具体的な対策方法については、11~1月に掲載して
いる。また、下記の農林水産省(消費安全局)のホームページ
にも詳細が掲載されているので、参照して欲しい。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/index.html
豚流行性下痢(PED)は、特に若齢豚で症状が重篤化しやすく、
(2)豚流行性
哺乳豚での死亡率は時に 100%に達し、経営に大きなダメージと
下痢の予防
なる。今シーズンも9月から1月 25 日までに全国 9 県 24 農場で
発生している。
本病は糞便等を介して直
接的又は間接的に経口感染
し、冬期から春期までにか
けて流行しやすいという特
性を踏まえ、日頃からの飼
養衛生管理の徹底による侵
入防止が重要であり、「PED
写真2 細霧装置による畜舎内消毒
項
目
作
業
内
容
防疫マニュアル」や「飼養衛生管理基準」を参考に、農場や畜舎
出入口での消毒、作業者の衣服の更衣、長靴の履き替え等を徹底
するとともに、早期に異常を発見するために豚の観察を励行し、
疑わしい症状を発見した場合には、直ちに家畜保健衛生所へ連絡
する。
(3)消毒薬の
凍結防止
本県でも山間部等を中心に畜舎外側に置いた踏込消毒槽の消
毒液が凍結する場合がある。可能であれば消毒槽が凍る期間だ
けでも畜舎の入り口内側に置く。畜舎外側に消毒槽を置く場合
には、消毒液に凍結防止剤を添加すると凍らずに消毒効果を維
持できる。愛媛県では、-10℃を目安に希釈濃度を設定する(表
1)。
なお、踏込消毒槽に有機物が混入すると効力が低下するので、
長靴は必ず水洗いしてから踏込消毒槽で消毒する(写真3)。ま
た、畜舎ごとに専用の長靴を置き使用することも病原体侵入防
止の効果が高い。
表1
踏込消毒槽に利用できる凍結防止剤
凍結防止剤
使用方法
使用する消毒薬
規定量の消毒液を作 ・複合次亜塩素酸系消毒
り、消毒液の半分量
薬、塩素系の消毒薬
の凍結防止剤を加え ・500 倍希釈の逆性せっ
る(凍結防止剤の濃
けん(ウインドウォッ
食品・飼料添加物に
度が約 30%、約-10℃
シャー液のみ使用可)
用いられるプロピレ
まで有効)
自動車の不凍タイ
プのウインドウォ
ッシャー液※
ングリコール
※主成分がメタノールのもの(北海道十勝家畜保健衛生所資料より作成)
写真3 靴は汚れを落としてから消毒槽に入れる
(畜産研究センター)