PDFで読む - 日興アセットマネジメント

楽読
(ラクヨミ)
2017年2月6日
Vol.
1,189
景況感の改善を背景に、
上昇が期待される米国株式
トランプ大統領が就任後、矢継ぎ早にパイプライン計画などの大統領令に署名し、市場ではインフラ投資や
規制緩和などの政策実現へ期待が高まったことなどから、NYダウ工業株30種平均は1月下旬に史上初とな
る2万米ドルをつけました。その後、同大統領の移民政策や保護主義的な貿易政策などに対する懸念などか
ら、株価は軟調な展開となりましたが、足元では再び高値圏となっています。
米国景気に目を向けると、雇用市場は雇用者数を中心に改善基調が続いているほか、昨年上期に落ち込ん
だ経済成長率も下期には堅調な個人消費を背景に緩やかに持ち直しています。1月のFOMC(連邦公開市
場委員会)では、事前の予想通り政策金利が据え置かれた一方で、声明では「消費者と企業の景況感が改
善した」とされ、大統領選後の景況感の改善を評価しています。個人の景況感は、所得増や株価上昇に対す
る期待などを背景に高水準に達し、消費者が今後の成長加速を見込んでいるとみられるほか、企業の景況
感も製造業・非製造業ともに改善基調が続くなど、今後の企業収益拡大への期待が高まっています。
また、トランプ大統領は米国内の雇用増加を重視する方針を掲げていることから、大企業を中心に新規雇用
計画数が急増しています。既に改善基調にある雇用市場で今後も雇用増加が続けば、緩やかな上昇に留ま
る賃金も上昇の勢いを増す可能性があります。さらに、同氏は規制改革を幅広く進める方針を打ち出してお
り、今後、企業寄りの規制緩和が行なわれれば、企業収益の追い風になると考えられます。
トランプ大統領の過激な発言や政策に対する懸念が高まった場合、株価は短期的に大きく変動する展開が
予想されます。しかし、米国経済は大統領選挙以前から回復基調が続いていることに加え、足元の景況感の
改善は、今後の実体経済の回復を後押しすると考えられることなどから、米国株式は中長期的に上昇基調
が続くと期待されます。
(米ドル)
25,000
米国株式の推移
(2014年1月初~2017年2月3日)
(ポイント)
2,500
S&P500種(右軸)
22,500
2,250
20,000
2,000
17,500
1,750
米・実質GDP成長率の推移
(%)
(2014年1-3月期~2016年10-12月期)
6
*前期比年率
4
2
0
-2
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
14年
15年
16年
米・景況感指数の推移
(2014年1月~2017年1月)
120
1,500
15,000
NYダウ工業株30種平均(左軸)
100
60
80
50
非製造業※(右軸)
12,500
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
70
CB消費者信頼感指数(左軸)
1,250 60
17/1 (年/月)
14/1
(信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成)
14/7
15/1
※ISM景況指数
製造業※(右軸)
15/7
16/1
16/7
40
17/1
(年/月)
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