NEWS RELEASE 2017年02月10日 【格付維持】 コロンビア共和国 外貨建発行体格付: BBB [格付の方向性:安定的] 格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。 【格付理由】 コロンビアは目下、原油価格の下落に伴う経済の調整局面の最中にあり、実質国内総生産(GDP)成長 率は2016年にかなり減速したもようだ。半面、金融政策の引き締めが功を奏しインフレは低下基調で、 経常赤字も縮小する見通しだ。財政面では、税制改革で当面の税収増にめどを付けた。為替や財政が受 けた影響は非常に大きいが、こうした政策的対応の結果、経済へのダメージは抑制されるとR&Iではみて いる。2017年以降、経済は緩やかながら回復に向かおう。建設が本格化する道路インフラ整備や、ゲリ ラ組織との和平合意がもたらす経済機会は中期的な経済の支えとなる。これらを勘案し、コロンビアの 外貨建発行体格付BBBを維持した。対外環境は引き続き厳しいが、経済がもう一段、減速する懸念は小さ いとみており、格付の方向性は安定的とした。 コロンビア政府によれば、原油価格の下落に伴う石油関連収入の減少と利払い費の増加で財政にはGDP 比数パーセントポイントに上る悪影響が出ている。これを歳出削減や時限増税の延長などである程度埋 め合わせた上で、中央政府の財政赤字の拡大を容認する算段だ。2016年の財政赤字は同4.0%と推計さ れ、2017年は同3.3%まで削減する計画だ。ただ、2016年は経済動向に関して政府の楽観的予測が裏目に 出た。2017年も予算で想定する経済成長率は市中予測よりも高めだ。赤字目標の達成には経済動向にも 注意が必要だろう。 R&Iでは、制度設計を含めて政府の財政規律はしっかりしていると評価している。中央政府の構造的財 政収支を、2022年までにGDP比1.0%の赤字まで削減する目標に変わりはない。このため、付加価値税増 税などを骨子とする税制改革を2016年12月に議会で可決した。経済が減速する中で、財政運営ガイドラ インの順守に向けた増税という難しい政治的課題をクリアしたことは高く評価したい。総じて、財政の 悪化が続き、政府債務比率が高まっていく懸念は限定的とみている。 原油や石炭など主要輸出品価格の下落で経常赤字は拡大したが、経済の減速に伴う輸入及び配当支払 いの減少、ペソの大幅な減価で回復した製造業など非伝統輸出品の競争力が、赤字幅圧縮の助けとなろ う。先行きはGDP比4%程度まで縮小していくとみられる。インフラ建設など必須の投資需要に鑑みれ ば、海外直接投資(FDI)を中心とした安定的な資金流入はこれまで以上に重要だ。当面、対外環境には 不確実性が伴うだけに、健全なマクロ経済運営の下、事業見通し・競争力の改善を継続していくことが 重要だ。 国民投票での受入否決というショックはあったが、代表的な反政府ゲリラであるコロンビア革命軍 (FARC)との和平合意で、50年以上に及んだ武力衝突を名実ともに終わらせた点は高く評価している。 ただ、合意はあくまで和平プロセスの始まりに過ぎない。コロンビア国民のゲリラへの反感は根強い。 国民投票の再実施ではなく議会可決という形の決着をどう受け止めるか。議会制民主主義の成熟度も試 されよう。2018年に控える総選挙の結果次第では、和平合意の実行スピードなどに影響が出ることも念 頭においた方が良いだろう。 【格付対象】 発行者:コロンビア共和国 名称 格付 格付の方向性 外貨建発行体格付 BBB(維持) 安定的 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc. NEWS RELEASE 信用格付に関わる事項 信用格付業者 登録番号 株式会社格付投資情報センター 金融庁長官(格付)第6号 直近一年以内に講じられた監督上の措置は、ありません。 主任格付アナリスト 関口 健爾 信用格付の付与について 代表して責任を有する者 細田 弘 信用格付を付与した日 2017年02月03日 主要な格付方法 ソブリンの格付の考え方 [2012.03.16] 上記格付方法は、格付を行うにあたり考慮した他の格付方法とともに以下のウェブサイトに掲載して います。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/methodology/index.html 評価の前提は、以下のウェブサイトの格付付与方針に掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/ratingpolicy/index.html 格付符号とその定義は、以下のウェブサイトに掲載しています。 http://www.r-i.co.jp/jpn/cfp/about/definition/index.html 格付関係者 コロンビア共和国 注 格付関係者は、金融商品取引業等に関する内閣府令第三百七条に基づいて、R&Iが判断したものです。 利用した主要な情報 政府を含む公的機関が作成した財政・経済資料 品質確保のための措置 政府を含む公的機関が作成した、またはそれに準じた信頼性が確保さ れている資料であること。 情報提供者 ― 信用格付の前提、意義及び限界 R&Iの信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定 通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見です。R&Iは信用格付によって、個々の債務等 の流動性リスク、市場価値リスク、価格変動リスク等、信用リスク以外のリスクについて、何ら意見 を表明するものではありません。信用格付は、いかなる意味においても、現在・過去・将来の事実の 表明ではありません。また、R&Iは、明示・黙示を問わず、提供する信用格付、又はその他の意見に ついての正確性、適時性、完全性、商品性、及び特定目的への適合性その他一切の事項について、い かなる保証もしていません。 R&Iは、信用格付を行うに際して用いた情報に対し、品質確保の措置を講じていますが、これらの 情報の正確性等について独自に検証しているわけではありません。R&Iは、必要と判断した場合に は、信用格付を変更することがあります。また、資料・情報の不足や、その他の状況により、信用格 付を保留したり、取り下げたりすることがあります。 利息・配当の繰り延べ、元本の返済猶予、債務免除等の条項がある債務等の格付は、その蓋然性が 高まったとR&Iが判断した場合、発行体格付又は保険金支払能力とのノッチ差を拡大することがあり ます。 信用格付に関わる留意事項 当該信用格付は、格付関係者からの依頼によるものではありません。 格付関係者から信用評価に重要な影響を及ぼす非公開情報は入手していません。 ■お問合せ先 :インベスターズ・サービス管理部 TEL.03-6273-7471 E-mail [email protected] ■報道関係のお問合せ先 :経営企画室(広報担当) TEL.03-6273-7273 株式 会社 格付投資情報センター 〒101-0054 東京都千代田区神田錦町三丁目22番地テラススクエア http://www.r-i.co.jp 信用格付は、発行体が負う金融債務についての総合的な債務履行能力や個々の債務等が約定通りに履行される確実性(信用力)に対するR&Iの意見であり、事実の表明ではありませ ん。また、R&Iは、信用リスク以外のリスクにつき意見を表明するものではなく、投資判断や財務に関する助言や、投資の是非等の推奨をするものではありません。R&Iは、信用格付に 際し関連情報の正確性等につき独自の検証を行っておらず、これに関し何ら表明も保証もいたしません。R&Iは、信用格付(変更・取り下げ等を含む)に関連して発生する損害等につ き、何ら責任を負いません。信用格付は、原則として発行体から対価を受領して実施したものです。なお、詳細につきhttp://www.r-i.co.jp/jpn/policy/policy.html をご覧下さい。 ⓒRating and Investment Information, Inc.
© Copyright 2024 ExpyDoc