第1章 1-1 計画の基本的事項 「緑の基本計画」の位置づけ (1)計画の役割 「緑の基本計画」とは、市町村が定める、緑全般に関する幅広い総合的な計画です。都市緑地法(平 成 16 年6月公布、12 月施行)第4条に基づき、緑地の保全や公園の整備をはじめとして、公共施設 や民有地の緑化の推進などを計画的に実施するための指針となるものです。 また、 「緑の基本計画」は、市民に身近な緑に関する計画であり、計画策定にあたっては自然環境、 歴史文化、まちづくりの動向、緑に対する市民の意識など地域の特性を反映させた計画です。 さらに、地域の緑を守り育てるためには、市民・事業者・行政が協働して取り組みを進めることが 必要であり、三者が一体となって緑のまちづくりに取り組むために、計画を公表し、周知を図ること とします。 (2)計画の位置づけ 本計画は「久慈市総合計画」に即するとともに、「久慈市都市計画マスタープラン」等の上位計画 をふまえ、本市の緑に関する施策の方針を定めるものとして策定します。 久慈市の計画 即す 久慈市総合計画 久慈市都市計画マスタープラン 即す 緑に関する計画との整合 久慈市緑の基本計画 図 計画の位置づけ 1 1-2 計画対象区域 本計画は、都市における緑地の保全及び緑化の推進を総合的かつ計画的に実施することを目的とし ていることから、計画の対象区域は、久慈都市計画区域4,584haとします。 1-3 計画の期間 本計画は、「久慈市都市計画マスタープラン」との整合性を図り、基準年次を平成29年、計画目標 年次を平成48年とします。なお、中間年次を10年後の平成38年とします。 1-4 計画の見直しについて 本計画は、平成48年を計画目標年次としますが、社会情勢の変化や都市の動向、市民の生活や自然 環境に対する価値観の変化などをふまえ、柔軟に見直しを行うものとします。 1-5 計画の内容と構成 本計画の構成は、以下のとおりです。 4.緑地配置方針 ○系統別緑地の配置方針 ○総合的な緑地の配置方針 1.現況把握 5.都市公園配置方針 2.緑に関わる課題の整理 6.緑地の保全及び緑化の推進に関する施策 ○新たな緑の創出を図る(つくる) ○緑の質的向上を図る(受けつぐ) ○市民・企業と連携する(支える) ○施策の体系化 3.基本方針及び計画目標 ○緑の将来像 ○目標水準 ○基本方針 7.重点施策策 8.今後の取り組み ○推進体制 ○新たな制度・システム 図 計画の内容と構成 2 1-6 緑の4つの機能について 本計画では、緑の持つ機能を以下の4つの系統に分類し、系統別に配置方針を検討します。 ①環境保全機能-環境を向上させ、豊かな生態系を保全する ・大気の浄化、都市気象の緩和、二酸化炭素の吸収など ・多様な生物が生息できる環境の保全と創出、生態系の保全 ②レクリエーション機能-自然に親しめるレクリエーション空間を提供する ・公園や河川敷、樹林地等、地域住民が自然と親しめる貴重な空間の提供 ③防災機能-安全で快適な生活環境を維持する ・工場等の騒音を遮断、静かな環境を維持 ・火災時の延焼防止機能、避難場所としてのオープンスペースの確保 ④景観機能-美しい景観を形成し、うるおいや安らぎを与える ・海岸線や山並み、歴史ある社寺林など、郷土景観の保全 ・豊かな緑による美しい都市景観の形成 1-7 対象とする緑、緑地の範囲 「緑の基本計画」において使用される用語のうち、 「緑」 「緑地」 「緑被率」 「緑地率」は頻繁に使用 されるため、その概念を整理しておく必要があります。 本計画では、 「緑」「緑地」「緑被率」 「緑地率」の用語の概念を以下のとおりとします。 ■「緑」 「緑」とは、実際に農地、樹林、草地、そのほか樹木、芝生などが単独もしくは一体となって構 成されている空間またはそれらの要素そのものを指し、水辺、水面もこれに含まれます。 ■「緑地」( 「図 緑地の分類」参照) 「緑地」は、 「施設緑地」と「地域制緑地」に分類されます。 「施設緑地」とは、その土地が社会的、制度的に一定の保全、担保がなされているものを指しま す。公園のように法律や条例で位置づけられているもの、社寺境内地のように公益的な施設で自由 に出入りができるもの、民間施設で公開されているものなどです。 「地域制緑地」とは、法規制や条例で守られている緑地のことを指します。 ■「緑被率」 「緑地率」 「緑被率」とは、例えば都市全域あるいは市街地など、一定の区域における前述の「緑」に覆わ れた面積の割合を言い、 「緑地率」も同様に前述の「緑地」に覆われた面積の割合を言います。 3 都市公園等 都市公園法で規定するもの 施設緑地 公共施設緑地 都市公園以外 民間施設緑地 緑 地 地域制緑地 都市公園以外で公園に準ず る機能を持つ緑地。農村公 園、開放された学校グラウン ド、公共施設の植栽地など 民有地で公開性があり、永続 性が高いもの。社寺境内地、 遊園地、ゴルフ場、公開され ている企業グラウンドなど 法によるもの 自然公園、緑地保全地区、風致地区、保安林、 農用地、生産緑地、河川区域など 協定によるもの 住宅団地や工場などにおける緑地協定など 条例等によるもの 県あるいは市の条例など 図 緑地の分類 4
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