第 146 回 県内企業・業況調査結果

平成 29 年 1 月 31 日
第 146 回 県内企業・業況調査結果
[ 調査要領 ]
対象期間
調査時期
調査方法
対象企業
回答企業数
特別質問項目
用
語
株式会社
鹿 児 島 銀 行
株式会社
九州経済研究所
平成 28 年 10~12 月期実績見込み
平成 29 年 1~3 月期見通し
平成 28 年 12 月下旬
郵送方式
県内主要企業 500 社
351 社(回答率 70.2%)
鹿児島県の景気の現状などについて
マイナス金利 の影響について
今
期 =平 成 28 年 10~12 月 期
来
前
期 =平 成 28 年 7~9 月 期
前 年 同 期 =平 成 27 年 10~12 月 期
予
想 =前 期 調 査 時(平 成 28 年 9 月 下 旬)の今 期 見 通 し
D.I.
期 =平 成 29 年 1~3 月 期
=「良 い」-「悪 い」、「増 加」-「減 少」、いずれも回 答 企 業 割 合
1.今期の業況 ~ほぼ横ばい
今期の業況 D.I.は▲10 となり、 前期(▲11)とほぼ横ばいだった (図表 1)。
新型車投入効果で販売が好調な自動車小売業 (前期▲9→今期 14)は大幅に改善
しプラス圏に浮上、また、プラス圏とはならなかったが、 年末の季節要因により百
貨 店・ ス ー パー ( 同▲45→0) や 、車 載 用 電 子 部品 な ど の受 注 が 堅 調 な 電 機 ・ 電子
部品製造業(同▲34→▲9)も大きく上昇した(図表 2)。
これらのほかに、前期に天候不順で仕入れ等に影響を受けた食料品卸売業(同
▲5→0)、食料品製造業(同▲21→▲14)も改善した。
一方、公共工事の減少などにより、その他建設業(同 28→0)、総合建設(同 9→
▲10)、土木(同 11→0)は大幅に悪化した。
業況 D.I.を業種別でみると、小売業(同▲31→▲13)、製造業(同 ▲19→▲6)は
マ イ ナ ス 圏 な が ら 大 幅 に 改 善 し た 。 一 方 、 卸 売 業 ( 同 ▲9→▲12) は や や 悪 化 し 、
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その他産業(同▲5→▲11)は悪化、建設業(同 6→▲4)は大幅に悪化した(図表 1)。
2.来期の業況見通し ~ やや改善
来期の業況見通し D.I.は▲6 と、今期(▲10)よりやや改善 する見通し(図表 1)。
業況見通し D.I.を業種別にみると、建設業(今期▲4→来期 9)は大幅に改善しプ
ラ ス 圏 に 浮 上 、 小 売 業 ( 同 ▲13→▲4)、 卸 売 業 ( 同 ▲12→▲7) は マ イ ナ ス 圏 内 で
改善する。一方、その他産業(同▲11→▲12)はほぼ横ばい 、製造業(同▲6→▲8)
はやや悪化する。
業況に対する企業の見通しは改善傾向とはいえ、まだ力強 い回復とはいえない。
3.設備投資 ~ 実施した企業割合はやや減少
今期、設備投資 を実施した企業割合は 38%と、前期( 40%)よりやや減少した(図
表 6、7)。来期に設備投資 を予定している企業割合は 35%と、今期(38%)より減
少する見通し。
4.経営上の問題点(内部環境・外部環境)
経営上の問題点(内部環境・外部環境)は、「競争激化」「人手不足・求人難」(いず
れも 46%)と回答した企業が最も多かった(図表 8、9)。「人手不足・求人難」を
挙げる企業割合は上昇傾向にあり、平成 3 年 12 月調査以来 25 年ぶりの高 水準とな
った。以下、
「売上・受注不振」
(37%)、
「人件費等経費高」
(22%)の順となった。
5.鹿児島県の景気の現状などについて
本 県 の景 気 の現 状 について、「横ばい」と回答した企業 割 合が 70%と最 も多かった(図
表 10)。また、「拡大している」または「緩やかに拡大している」と回答した企業割合は 10%、
「緩やかに後退している」または「後退している」と回答した企業割合は 20%となり、D.I.は▲
10 と前回(27 年 12 月)の D.I.(▲9)よりも 1 ㌽低下した。業種別にみると、その他産業が
13 ㌽悪化した一方、製造業、建設業、卸売業、小売業の D.I.は改善した。なお、「拡大して
いる」との回答数は 0 だった。
「緩やかに拡大している」とした要因は、「外国人観光客の増加」(36%)が最も多く、次い
で 「 住 宅 投 資 の 活 発 化 」 ( 31 % ) 、 「 公 共 工 事 の 増 加 」 ( 28 % ) 、 「 設 備 投 資 の 活 発 化 」
(25%)の順となった(図表 11)。
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「緩やかに後退している」または「後退している」とした要因は、「個人消費の低迷」が 78%
と最も多く、次いで「公共工事の減少」(37%)、「雇用・所得環境の悪化」(27%)の順となっ
た。
本県の景気が本格回復する時期 は、「本格回復しない」と回答した企業割合が 38%と最
も多く、「平成 30 年以降」(35%)が続いた(図表 12)。
今後の本県の景気における懸念材料 については、「消費税再増税(8→10%)」「個人消
費の低迷」がともに 52%で最も多く、次いで「人手不足」(46%)となった(図表 13)。
政 府 に対 して期 待 する経 済 対 策 については、「地 域 経 済 振 興 のための施 策 」が
52% と 最 も 多 く 、 次 い で 、 「 雇 用 対 策 」 ( 35% ) 、 「 法 人 税 減 税 」 ( 34% ) の 順 と な っ た
( 図 表 14) 。
6.マイナス金利の影響について
マイナス金利の影響について、業況に「影響はない」と回答した企業割合は 70%で
最も多かった (図表 15)。一方、「 プラス」「ややプラス」と回答した企業割合の合
計は 23%と、「マイナス」「ややマイナス 」の合計 7%に比べ 16 ㌽上回った。
業 種 別 に み る と 、「 プ ラ ス 」「 や や プ ラ ス 」 の 合 計 が 最 も 高 か っ た の は 、 卸 売 業
(30%)で以下、製造業(27%)、その他産業(22%)と続いた。
プ ラ ス 要 因 については、「支払利息の減少」が 94%と突出して おり、次いで「資
金調達力向上による事業拡大」
( 17%)と続いた(図表 16)。マ イ ナ ス 要 因 について
は、「利息収入の減少」(63%)が過半数を占め、次いで「個人消費の縮小による売
上減」(42%)、「円安による収益悪化」( 21%)と続いた(図表 17)。
マイナス金 利 によって新 たに発 生 した資 金 需 要 の有 無 を 尋 ね た と こ ろ 、「 な い 」 が
89%と最も多く、
「ある」
「ある予定」の合計は 11%にとどまった(図表 18)。新 た
な 資 金 需 要 の 用 途 としては「新規の設備投資」が 50%と最も多く、次いで「既存
設備の更新」(39%)、「資金繰りの安定化」( 33%)と続いた(図表 19)。
以
上
【本件に関するお問い合わせ】
㈱九州経済研究所(℡ 099-225-7491)
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