平成 28 年 10 月 31 日 第 145 回 県内企業・業況調査結果 [ 調査要領 ] 対象期間 調査時期 調査方法 対象企業 回答企業数 特別質問項目 用 語 株式会社 鹿 児 島 銀 行 株式会社 九州経済研究所 平成 28 年 7~9 月期実績見込み 平成 28 年 10~12 月期見通し 平成 28 年 9 月下旬 郵送方式 県内主要企業 500 社 350 社(回答率 70.0%) 為替相場の動向について 「猛暑」の影響について 訪日外国人旅行者の消費について 今 期 =平 成 28 年 7~9 月 期 来 前 期 =平 成 28 年 4~6 月 期 前 年 同 期 =平 成 27 年 7~9 月 期 予 想 =前 期 調 査 時(平 成 28 年 6 月 下 旬)の今 期 見 通 し D.I. 期 =平 成 28 年 10~12 月 期 =「良 い」-「悪 い」、「増 加」-「減 少」、いずれも回 答 企 業 割 合 1.今期の業況 ~改善 今期の業況 D.I.は▲11 となり、 前期(▲18)から改善した。 熊本地震の影響が和らぎ、 「九州ふっこう割」で観光客が回復基調にあることを背 景に、旅館・ホテル(前期▲81→今期 23)、観光バスやタクシーなどの運輸・通信 (同▲30→17)は大幅に改善しプラス圏に浮上 、外食(同▲60→▲16)も依然マイ ナス圏ながら大きく改善した 。 ま た 、 公 共 工 事 の 増 加 な ど に よ り 土 木 業 ( 同 ▲23→11 ) や 窯 業 ・ 土 石 業 ( 同 ▲33→13)、そ の他建 設業 (同 ▲15→28) も 改善幅が 大き く 、車 載 用電子部 品な ど の受注が堅調な電機・電子部品製造業(同▲64→▲34)もマイナス圏内で はあるが、 大幅に改善した。 一方、競争激化に加え、猛暑による来店客減などの影響がみられた 百貨店・スー 1 パー(同▲10→▲45)や、建築業(同 8→▲19)は大幅に悪化した。 業況 D.I.を業種別でみると、建設業(同▲4→6)は大幅に改善しプラス圏に上が ったほか、その他産業(同▲28→▲5)、製造業(同▲25→▲19)もマイナス圏なが ら改善した。一方、卸売業(同▲5→▲9)はやや悪化し、 小売業(同▲17→▲31) は大幅に悪化した 。 2.来期の業況見通し ~ やや改善 来期の業況見通し D.I.は▲8 と、今期(▲11)よりやや改善する見通し。 業況見通し D.I.を業種別にみると、小売業(今期▲31→来期▲19)と製造業(同 ▲19→▲9)は大幅に改善し、卸売業(同▲9→▲7)もやや改善 するが、いずれもマ イナス圏にとどまっている 。また、その他産業(同▲5→▲6)はほぼ横ばい 、建設 業(同 6→▲2)も悪化するため、全業種が マイナス圏となる。業況に対する企業の 見通しは引き続き 厳しい。 3.設備投資 ~ 実施した企業割合は増加 今期、設備投資 を実施した企業割合は 40%と、前期(35%)より増加した 。来期 に設備投資 を予定している企業割合は 39%と、今期(40%)とほぼ横ばいの見通し。 4.経営上の問題点(内部環境・外部環境) 経 営 上 の問題 点 (内 部環 境 ・外 部環 境 )は、「競争激 化」( 45% )と 回答し た企 業が 最も多かった。「人手不足・求人難 」(40%)は建設業(前期 46%→今期 65%)や その他産業(同 33%→49%)、製造業(同 18%→29%)が大幅に増加、前期(29%) を 11 ㌽上回り、今期は 2 番目に多かった(前期は 3 番目)。以下、「売上・受注不 振」(36%)、「人件費など経費高」(23%)の順となった。 5.為替相場の動向について 昨年末からの円高 傾向が業績に与える影響 を尋ねたところ、 「影響はない」が 70% で最も多く、次いで「ややプラス」 (13%)、 「ややマイナス」 (11%)の順となった。 D.I.(「プラス」「やや プラス」の合計と「マ イナス」「ややマイナ ス」の合計の差、 企業割合)は 0 となった。業種別にみると卸売業、その他産業 の D.I.(ともに 5) が最も高く、製造業、小売業の D.I.が最も低かった(ともに▲4)。円安局面で行っ 2 た平成 26 年 12 月調査の D.I.(▲38)を大きく上回っており、本県企業の業績にと って円高局面は、円安局面ほどマイナスの影響を与えるものではなく 、業種によっ てはプラスの影響 が強いことがうかがえる。 円高の具体的な影響 は、円高のプラス面である「原材料(仕入品)価格下落」 ( 28%)、 「燃 料費 ・光 熱費 減 」( 26%) と回 答し た 企業 が多 かっ た。 一方 、円 高 の マイ ナス 面である 「海外 向けの 売上減」( 13% )、「外 国人旅行 者向け の売上 減 」(8% )と回 答する企業は少なかった。 為替変動による業績への影響を軽減するための取り組みは「特にない」 (55%)が最 も多く、「経営努力によるコスト削減」( 33%)、「製(商)品・原材料価格の仕入れ 先変更」 「円建て決済」 (ともに 7%)と続いた。また、望ましい為替水準 については 「100 円以上~ 110 円未満」 (35%)と回答する企業が最も多く、次いで「 110 円以 上~120 円未満」(30%)となった。 6.「猛暑」の影響について 「猛暑」の影響について、業況へ「影響はなかった」と回答した企業割合は 58%で 最も多かった 。一方、 「マイナス」 「ややマイナス」と回答した企業割合 の合計が 28% と、「プラス」「ややプラス」の 合計 14%に比べ 14 ポイント上回った。 業種別にみると、「マイナス」「ややマイナス」 の合計が最も高かったのは、建設 業(37%)で以下、製造 業(29%)、その他 産業( 27%)と続き、熱中症対策のコ スト増、生産性低下などの影響がみられた。一方「プラス 」 「ややプラス」の合計が 高かったのは、卸売業(31%)と小売業(29%)などで、猛暑によるエアコンなど の夏物商品や飲料などの需要 の高まりが好影響をもたらした。 7.訪日外国人旅行者の消費について 訪 日 外 国 人 旅 行 者 向 け の 販 売 ・ サ ー ビ ス 提 供 の 有 無 を尋 ねた とこ ろ 、「 ない 」が 84%と最も多く、 「ある」が 12%、 「分からない」が 4%となった。一年前と比較し た売り上げの変化 については、増加 45%(「増加」20%と「やや増加」25% の合計)、 「変わらない」40%、減少 15%(「減少」5%と「やや減少」 10%の合計)の順と なり 、 増加 が 減 少 を上 回っ た 。一 年 前 と 比 較 し た 売 り 上 げ の 増 加 要 因 につ い ては、 「訪日外国人旅行者向けの PR・営業力強化」が 59%と最も多く、次いで「航空路 線の新規就航やクルーズ船寄港の増加」が 53%、 「免税店の許可取得」が 18%、 「体 3 験型消費などの増加」が 6%、「その他」が 12%となった。一年前と比較した売り 上 げ の 減 少 要 因 に つ い ては 、「高 額 品の 売 り 上げ 減 」、「 中国 で の関 税引 き 上 げ」 が 50%となり、「円安の一服」が 33%、「その他」が 50%となった。一年前と比較し た売り上げの販売数量については、 「変わらない」が 49%と最も多く、以下「増加」 が 31%、 「減少」が 20%の順となった。一年 前と比較した売り上げの販売単価 につ いては、「変わらない」が 76%で最多、以下「上昇」が 13%、「下落」が 11%とな った。 以 上 【本件に関するお問い合わせ】 ㈱九州経済研究所(℡ 099-225-7491) 4
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